著者
萩原 博光
出版者
国立科学博物館
雑誌
Bulletin of the National Science Museum. Series B, Botany (ISSN:03852431)
巻号頁・発行日
vol.18, no.3, pp.83-100, 1992-09

As a result of the examination of 26 interspecific mixtures of 12 dictyostelid species, 12 mixtures showed some irregular phenomena among aggregating pseudoplasmodia. In 6 of them, including a mixture of Polysphondylium pallidum and P. violaceum, mutually overlapping pseudoplasmodia were found. In other 3,including a mixture of Dictyostelium delicatum and D. minutum, secondary pseudoplasmodia of D. minutum were sometimes observed to overlap the pseudoplasmodia of counterpart species. In the other 3 mixtures, i.e., Acytostelium sp.-1 and A. sp.-2,D. delicatum and P. violaceum, and D. microsporum and P. violaceum, abnormal pseudoplasmodia composed by the pairs were found. Such abnormal pseudoplasmodia were found in the mixture of D. delicatum and D. minutum besides overlapping pseudoplasmodia. These findings suggest that 1) P. pallidum may respond to a chemical substance different from the acrasin of P. violaceum, 2) the acrasin of D. delicatum, D. microsporum and D. minutum may be identical with or closely related to that of P. violaceum, and 3) in D. minutum, the acrasin promoting the primary pseudoplasmodia may differ from the chemical substance conducting the secondary ones.
著者
田畑賀章
雑誌
眼臨
巻号頁・発行日
vol.89, 1995
被引用文献数
1
著者
安崎 利明
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.26, no.11, pp.700-703, 2005-11-10 (Released:2007-08-09)
参考文献数
5
被引用文献数
1

For large area coating of architectural glass work with excellent quality and performance of self-cleaning, the sputtering method is suitable for the thickness uniformity and the appearance. Usage of a seed layer is illustrated to form the anatase structure of TiO2. The coating shows the good photo-activity and the excellent self-cleaning performance. This seed layer effectively makes the incomparable lattice matching to the anatase TiO2. Finally, it was found that the double side sputtering with high performance LowE coating is real process when the seed layer is utilized.
著者
高橋 裕樹 オマールイスマイル 門林雄基 山口 英
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告インターネットと運用技術(IOT) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.50, pp.21-26, 2003-05-21

Cookieのみでセッション管理を行っているウェブサイトでは、Cross-Site Scripting(XSS)脆弱性を利用した攻撃によってCookieが漏洩し,Cookieに関連づけられた個人情報が漏洩の危機にさらされる.この問題に対し,Webサーバ側でのXSS対策手法が存在するが,XSS脆弱性の危険性は軽視されており,また運用面での負担が大きいことから,これらの既存の対策手法には限界がある.本論文では,クライアントがWebページに入力した情報を利用してXSS脆弱性の有無を自動判定し,XSS脆弱性を持つWebページの情報を収集,共有するシステムを提案する.提案システムより,XSS脆弱性を狙った攻撃からユーザを保護することが可能になる.また,収集した脆弱性情報によって,XSS脆弱性を保持するサーバに対して警告を発することも可能となる.Cross-site scripting(XSS) attacks target web sites with Cookie-based session management, resulting in the leakage of privacy information. Although several server-side countermeastures for XSS attacks do exist, such techniques have not been applied in a universal manner, because of their deployment overhead and the poor understanding of the XSS problem. This paper proposes a client-side system that automatically detects XSS vulnerability by manipulating either client request or server response. The system also shares the indication of vulnerability via central repository. The purpose of the proposed system is two-fold: to protect users from XSS attacks, and to warn web servers with XSS vulnerabilities.
著者
金本 伊津子
出版者
平安女学院大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2001

平成15年度は、平成13年-14年度にブラジルで行ったフィールドワークの研究成果の口頭発表を以下の二つの学会にて行った。1.2003年7月(5日〜12日)、イタリア(フィレンッエ)で行われたXV International Congress of Anthropological and Ethnological Scienceの国際会議で研究発表を行う。発表論文のタイトルは、"Those Abandoned Twice-Aging and Ethnicity of Japanese Elderly in Brazil"である。この発表においては、ブラジルの日系老人の老いが、きわめて日本・日本文化との緊密な係わり合い(例えば、日本の年金の受給の有無や家族の日本への出稼ぎ、あるいは、言語や文化的活動など)の中で展開されている社会的・文化的状況についての報告を行った。2.2003年9月23日、東京(中央大学)で行われた第一回日本オーラル・ヒストリー学会設立大会における交流分科会「移民とエスニック・ストーリー」のパネリストとして研究発表を行う。発表論文のタイトルは、「オーラル・ヒストリーにみる日系ブラジル人の老い」である。この発表においては、移民の歴史資料としてのオーラル・ヒストリーの重要性を再確認するとともに、データの収集ならびに保存などの方法論を中心に議論を展開した。また、国際協力事業団の業務委託を受けたサンパウロ日伯援護協会が2003年1月から9月にかけて行われた「ブラジル日系社会高齢者実態調査(要介護者老人実態調査)」の専門家チームに加わり調査協力するとともに、報告書(日系社会高齢者実態調査委員会編「ブラジル日系社会高齢者実態調査(要介護者老人実態調査)」サンパウロ日伯援護協会発行2003年))の執筆・監修を行った。
著者
本城 咲季子 西田 栄介
出版者
日本生化学会
雑誌
生化學 (ISSN:00371017)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.388-393, 2010-05-25
著者
工藤 保則
出版者
仁愛大学
雑誌
仁愛大学研究紀要 (ISSN:13477765)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.55-68, 2005-03-31

本稿は,都市と地方の中学生の姿を,ネットワーク論を手がかりとして,とらえようとしたものである.論文では,まず,ネットワークの構造の地域別の特徴を示した上で,ネットワークの違いによる意識(特に社会化に関係する意識)の違いについて,M・グラノヴェターの「弱い紐帯の強さ」理論を応用しながら計量的に考察している.それらを受けて,最後に,「中学生の社会化」について,それを10代という文脈の中でとらえる試みを行っている.
著者
中島 智晴 村田 忠彦 石渕 久生
出版者
社団法人日本経営工学会
雑誌
日本経営工学会論文誌 (ISSN:13422618)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.199-206, 1996-08-15
被引用文献数
6

本研究では, クラシファイアシステムを用いて多次元パターン識別問題に対する言語的識別ルールの自動生成を行う方法を提案する.提案手法では, 各々の言語的識別ルールが個体として取り扱われ, 交叉や突然変異などの遺伝的操作が適用される.言語的識別ルールの適応度は, そのルールにより正しく識別されるパターン数と誤識別されるパターン数により定義される.提案手法は, 学習用パターンから少数の言語的識別ルールを自動的に生成することができるので, 言語的知識の獲得手法と見なすこともできる.提案手法の有効性は, 2次元パターン識別問題の例題と13次元パターン識別問題であるワインデータの識別問題に対する数値実験により示される.
著者
小巻 泰之 地主 敏樹 竹田 陽介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本研究では,2つのデータベースを新規に作成し,以下のような分析結果を得た.1)ドル円為替レートの予測に関するサーベイ・データ(世界経済情報サービスによる「為替レート予測レポート」(以下,WEISサーベイ))2)1980年代後半の外国為替市場の相場状況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)を基に,為替介入(以下,観測介入)と通貨当局者の発言(以下,口先介入)1)為替相場の市場参加者の期待形成について日本での従来の先行研究の多くが利用してきた「国際金融情報センター(JCIF)」のサーベイ・データではなく,世界経済情報サービス(ワイス)によるサーベイ)を用いると,必ずしもJCIFサーベイから得られる結果が追認される訳ではない.2つのサーベイの結果の違いは,その作成方法が電話などによるアンケート調査なのか,各人の予測形成の段階で他者の情報に影響されることにあると考えられるが,市場への影響を考慮する場合,利用するデータ属性の違いも考慮すべきであることが示される.2)為替介入の効果為替介入の市場への影響については,データが開示された1991年7月以降については分析が可能であるものの,それ以前の介入動向の影響について十分な分析は難しい.そこで,外国為替相場の場況に関する新聞報道(日本経済新聞,日経金融新聞)ベースの情報を収集し,加えて当時の市場コンセンサスについても,日次ベースにて,1980年から2000年まで21年(約7700日分)のデータ(全133系列)の収集を行い,データベースを作成した.これにより,1980年代後半の為替介入の影響をみると,東京市場で伝えられた介入情報は多いにも関わらず,その効果は当局の意図とは異なり,一方向の大きな変動を引き起こすことが示される.この中で,為替市場へ影響を与えたとみられるのは,為替介入,経済指標及び経済指標に関する市場の予測(コンセンサスともいうべきもの)などの定量的な情報だけでなく,通貨当局者の発言,市場での噂など質的な情報も大きな影響を与えていると考えられる.
著者
服部 晃 今津 孝次郎 滝村 一彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.23, pp.120-123, 2007-08-20

学校教育の成果は、児童生徒の教育に直接関わる教員の資質能力に負うところが極めて大きい。各自治体の教育委員会に設置されている教育センター等では、教員の資質能力の改善向上を図ることを第一義の目的として現職教育(研修)を実施している。研修内容や研修方法等については、時代の進展や社会の変化に応じて改善の努力が行われているが、依然として講義型のものが主流である。今回、岐阜県総合教育センターの高校及び特別支援学校の3年目研修において、プロジェクト法による現職教育を試行している。その経緯と手法・内容及び課題等について発表する。
著者
池上 高志
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.88, no.3, pp.444-447, 2007-06-20

人工的にしつらえたセンサーと、生命の持つセンサーとの違いについて、B.Libetの脳神経生理/認知実験を紹介しつつ議論し、コンピュータの中でのシミュレーションモデルによる構成論的アプローチによる、生命的センサーの理論の可能性について議論する。
著者
金 志香 桐谷 佳恵 玉垣 庸一 宮崎 紀郎
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.79-86, 2010-01-31
被引用文献数
1

本研究では,ウェブでのアフォーダンスを「仮想空間(ウェブ上)でのデジタル情報がユーザーに提供するもの」と定義する。アフォーダンスは,インターネットショッピングにおける消費者の情報探索の手がかりとして働き,購買行為を支える。本研究は,インターネットショッピングにおける情報探索時のアフォーダンスを把握することを目的としている。そのため,ウェブでの買い物行動実験を行ない,プロトコル分析を用いて解釈した。その結果,10項目の要因を抽出することができた。さらに,ウェブアフォーダンスを,「使用性のアフォーダンス」「情報探索のアフォーダンス」の2つに区分した。抽出した10項目のなかで「操作方法」「サイト構成」「ページ評価」の3つが,使用性のアフォーダンスに関するものであった。「商品情報提示方法」「商品属性」「商品への関心」「商品との関与」「商品の付随的条件」「商品にとの関与」「他人の評価」の7つは情報探索のアフォーダンスに関するもの,と分類することができた。
著者
中西 久味
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究は、唐末から北宋の慶暦年間(1041-1048)ころまでの仏教の動向について、儒教との交渉から考察したものである。具体的には、北宋時代に仏教の立場から儒教を摂取し儒仏一致を説いたとされている、天台宗山外派の智円『閑居編』および禅宗雲門宗の契嵩『鐸津文集』『來註輔教編』を取りあげた。ただし前者の智円では、それほど体系的な議論が展開されていないため、主として契嵩の護法思想について考察した。契嵩の議論も首尾一貫しているわけではないが、第一に仏教は勧善によって「治政」に寄与すること、第二に仏教は「性命の深奥」を示して死生の超越へと導くことを説き、この二点によって仏教の擁護をはかっていることを指摘した。また、その議論は「心」「道」「教」を軸として展開されていることを点検した。さらに契嵩の背景となっている思想について探究し、仏教については、一心法界や三界唯心を説く中唐の澄観・宗密系統の華厳教学の影響を受けていることを指摘した。これは五代の呉越の地域に天台宗とともに盛んであった仏教である。一方、儒教については、その根本的な思想を中庸・皇極などの中道と捉えているが、これは隋の王通『中説』、および、その阮逸註に依拠していることについて考察した。また当時湖州杭州一帯に広まっていた胡〓などの儒教が反映されている可能性を指摘したが、この儒教はやがて勃興する二程子の道学と関連する。後世の模範となった契嵩の護法論は、呉越の地域に継承されていた仏教と、同じくこの地域で胎動しつつあった儒教との出会いによって生まれたものと考えられる。