著者
川平 友規
出版者
東京工業大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

複素力学系理論とは,複素数全体の集合(もしくはそれを拡張した空間)にある種の運動法則を与えた系を考え,その時間発展を解析する理論である.本研究では,系の運動法則が複素パラメーターに依存するとき,系が不安定に変化するようなパラメーターの集合について研究した.この集合は力学系自身のカオス部分とある種の相関性があり,互いに性質を制限し合っている.これらの間の橋渡し役として「ザルクマンの補題」を用いて,おもに2次多項式族について種々の結果を得た.
著者
白石 さや
出版者
岡崎女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

グローバル化世界における若者文化は、激流を思わせる。2000年代にPCの性能が上がり、メディア状況一般が大きく変化した。マンガ本とテレビ・アニメに始まった日本発の若者の娯楽文化は、欧米やアジア諸国でのメディア網の再編に対応して、今や実質的に「デジタル文化」として、デジタル・リテラシーを獲得した世界の新世代が共有するデジタル文学という性質を帯びている。「文化のグローバル化現象」として本研究開始期に想定していた、各地におけるローカルなマンガ作家やアニメ作品の登場とそのグローバル化いう「文化現象」は、すでにその先のマンガ・アニメ・ファンによるネット共同体の成立という「社会的現象」に進化していた。
著者
佐野 健太郎
出版者
東北大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

計算性能の低下をもたらすメモリウォール問題を解決するために、可逆データ圧縮をリアルタイムに行うバンド幅圧縮ハードウェアを提案し、実応用問題に適用可能な基盤技術を創出した。数値データの連続性を利用した予測に基づく圧縮アルゴリズムと複数のデータストリームを扱うための符号化方式、およびそのハードウェアを設計した後に、FPGAによる実装を行った。ベンチマーク問題として格子ボルツマン法に基づく流体計算を用い、実際に動作する高性能ストリーム計算システムを構築した。計算途中データのDDR3メモリへの読書きを圧縮したところ、正しい計算が行えることと、データストリームの実効バンド幅を向上できることを確認できた。
著者
市野 良一
出版者
名古屋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2012-04-01

この研究は,ネオジム磁石(Fe-Nd-B合金)に使用されているNdやDyなどの希土類元素の安定確保という観点から,使用済み磁石や磁石スクラップからの希土類元素のリサイクル技術の開発である.450℃の溶融塩中に,廃磁石からNd,Dy元素のみを選択的に溶出させることにより,Fe-Bは固体として回収し,一方,浸出したNd,Dyは溶融塩電解により陰極上に金属として回収する.電解浴である主要溶融塩成分を除外して考えると,溶融塩中の希土類元素は98%以上であり,鉄は2%以下であり,希土類を選択的溶出できた.一方,この溶融塩を用いて電解したところ希土類元素の組成が95%以上の析出物が陰極上に得られた.
著者
長田 謙一 木下 直之 水沢 勉 五十殿 利治 ジャクリーヌ ベルント 長谷川 祐子 長谷川 裕子
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

研究は,各研究分担者が,テーマの重要なアスペクトを分担して追及し,毎年四度ずつの研究例会を重ねて発表討議を重ね,報告論文集等に成果を発表するという仕方で進められた。その結果,ご開帳から東京国立近代美術館誕生にいたる日本における美術館成立過程をたどる形で,<美術>の確立とその展示空間の成立過程を,次の6つのアスペクトに則してあきらかにできた。(括弧内は,報告論集等におけるそのアスペクトに関する議論部分の執筆者の名である。)(1)展示空間の近代と前近代の関係から(木下直之) ; (2)博物館から近代美術館へ(横山勝彦) ; (3)「明治対象名作美術展覧会」と「日本近代美術」の成立の問題から(五十殿利治) ; (4)近代日本における抽象表現の萌芽との関係で(水沢勉) ; (5)国立近代美術館の誕生(蔵屋美香) ; (6)美術館理念および民芸運動との関係で(長田謙一)。さらに、日本を中心として,美術展時空間の現代的変容を次の6つのアスペクトから明らかにした。(1)共同体との関係で(神野真吾) ; (2)彫刻概念の拡張との関係で(小泉晋弥) ; (3)舞台との関係で(木村理恵子) ; (4)マンガを中心とするポップ・カルチャーとの関係で(ジャクリーヌ・ベルント) ; (5)21世紀の新しい美術館像との関係で(長谷川祐子) ; (6)万国博覧会との関係で(吉見俊也)。こうして所期の目的を達成した結果,特に,1930年代から50年代にかけての日本の近代美術館成立過程のさらに詳細な調査・研究および,1980年代の美術概念の大きな変貌とのかかわりにおける美術展時空間の変容に関する一層グローバルな視野にたった研究という、2方向で、多くの研究課題が浮上することとなった。
著者
御室 哲志 高梨 宏之
出版者
秋田県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

最も多い事故形態である追突に関し、ヒヤリハットデータベースの解析を行い、36のシナリオに分類したところ、発生割合が多い重要シナリオでは、先行車より前方の交通状況が関与していることが分かった。後続車からは直接見えない前方の信号変化を後続車ドライバに伝えない場合と伝えた場合の比較を、2台の車両を用いた実車試験で行った。信号情報がある場合は、後続車の減速度ピークが16%減少し、有意な差を示した。予期しているが故に、制動動作には余裕が生じたと考えられる。このことは被験者の主観評価結果からも裏付けられた。先行車より前方の情報提供効果を確認した。これは間接的ではあるが、適応的警報の有用性を示している。
著者
武田 俊一 廣田 耕志 山田 亮 岡田 徹也 笹沼 博之 清水 宏泰 清水 宏泰 高橋 良輔
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2011-04-01

変異原性化学物質をハイスループットに検出するバイオアッセイを、ニワトリDT40細胞由来のゲノム編集細胞(DNA損傷修復遺伝子の欠損細胞)を使って創った。開発した試験の妥当性を、米国National Toxicology Program (NTP) の化学物質ライブラリー(約10,000種類)を解析した。感度および特異性ともに高いことが示された。上記の変異原性試験は、ニワトリ細胞を使っていることを問題点として指摘された。そこでCRISPR/Cas9手法を使い、OECD諸国政府が変異原性化学物質検出に使う標準ヒト細胞株(TK6)をゲノム編集し、DNA損傷修復遺伝子の欠損細胞を創った。
著者
ニーフ アンドレアス SINGER Jane 水野 啓 勝見 武 乾 徹 藤井 滋穂 原田 英典 小林 広英 藤枝 絢子 深町 加津枝
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は沿岸コミュニティが大規模災害からの復興するために必要な要件を、タイ、フィジー、ベトナム、日本の事例を学際的に比較することで検証するもので、以下の成果が得られた。(1)タイ南部で2004年に津波被害を受けたPhang Nga省の住民の再定住過程について現地調査を実施し、観光業や漁業を中心とする経済復興に際して外部からの援助の不適切な配分が住民間の格差を導くことを確認した。また少数民族Moklenのコミュニティにおいては、不適切な住宅整備や観光開発により災害の影響が拡大している現状が確認された。(2)フィジー西部Ba川流域において、2009年と2012年の洪水による影響と復興過程について約120件の聞き取り調査を行い、物的・人的支援が高い効果をもたらしているとともに、下流部の村落においては災害時の情報共有や相互扶助によるソーシャル・キャピタル向上の自助努力が被害軽減や迅速な復旧に寄与していることが判明した。(3)ベトナム中部フエ省で1999年、2009年に洪水被害を受けた60世帯で聞き取り調査を実施し、住居や生計を含む多様な災害の影響と、復旧過程における社会的ネットワークや生業多様化戦略の重要性を検証した。(4)宮城県気仙沼市および南三陸町における自然公園周辺地域を対象としてケーススタディを実施し、震災時に自然公園に関する施設などがどのような役割を果たしたかをふまえ、国立公園と地域をつなぐ「資源」や「人材・組織」の観点から今後の国立公園の保全管理や利用のあり方について考察した。(5)これらの事例研究に際し、災害前後と復興過程における生活に対する満足度をスコア化して回答する新しい調査法を提案・実践し、災害の影響や回復状態の個人間・世帯間の差異が明確に把握できることを確認した。
著者
渡部 美穂
出版者
浜松医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンの制御機構におけるGABA興奮性入力の役割を明らかにするために、独自に作成したGnRHニューロンへのGABA作用を興奮性から抑制性に操作できる遺伝子改変マウスを用いて調べた。このマウスでは性周期が乱れ発情期が続き、妊娠が認められず、卵巣には多数の小さな卵胞がみられたことから、生殖機能にはGABA興奮性入力が重要な役割を持つことが明らかになった。
著者
小林 睦
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では,豪雨時の土構造物の変形・崩壊挙動を調べるために,盛土斜面および多数アンカー式補強土壁を対象にした遠心力場散水シミュレーションを実施した.その結果,飽和領域が表層部から拡大していく盛土斜面では,土の内部摩擦角よりも法面勾配が大きい場合は,見掛けの粘着力が消失して不安定化して崩壊に至ることが分った.また,補強土構造物においては,適切に排水機能を維持することの重要性と,豪雨時の不安定化の進展の様子を捉えることができた.
著者
伊藤 和弘 島田 順一 加藤 大志朗 西村 元宏
出版者
京都府立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

一般に普及してきた高速ネットワーク回線を医療画像読影に応用した。デスクトップ画面共有技術としてvirtual network computingを使用して複数のコンピュータを接続した。接続したコンピュータの画面が同期されるため、遠隔地にいても同じ画面を見ることができる。静止画面だけにとどまらず、CT画像を自由にスクロールして望みの画像を出したり、数スライスの上下スクロールを繰り返して検討するなどの動きの早い画面でも応用できた。このシステムで、若手呼吸器外科医や医学部学生に対して、遠隔地から画像読影の指導を行った。移動や待ち時間を減らし、対面教育と同じ品質である点で有用であった。
著者
長野 克則 横山 真太郎 濱田 靖弘 絵内 正道 藤田 巧
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

(1)調湿材料の選択とその吸放湿特性:種々の天然調湿材料を比較検討した結果、価格対調湿効果の点で、稚内層珪質頁岩が優れた特性を有することがわかり、この稚内層珪質頁岩を建材や塗料に混入させた場合の静的および動的特性について実験的に明らかにした。(2)調湿機能を有する内装材を設置した実証実験:床面積7.5m^2の部屋の内壁23.2m^2部分に、稚内層珪質頁岩を1.92kg/m^2含有する石膏ボードを設置した場合と、普通石膏ボード表面に稚内層珪質頁岩を0.68kg/m^2含有する人工漆喰を塗布した場合について、日単位で加湿、除湿を繰り返した時のパッシブ調湿作用について検討した結果、両条件とも普通石膏ボード仕上げの場合に比べて、顕著な調湿作用を示した。(3)室内調湿効果予測のためのシミュレーターの開発:室内仕上げ材に調湿機能を持つ建材を導入した時の室内湿度を予測するシミュレーターを開発した。調湿建材の使用により、たとえば東京では梅雨時期にかび発生の危険域と言われる相対湿度90%以上となる時間を10分の一以下に減少できることが示された。(4)各種ガス吸着、調湿作用がある物質のVOC吸着・脱着特性に関する実験的検討:容量20Lの密閉チャンバー内を一定温湿度に保ち、トルエン、アセトアルデヒド、標準VOC7成分のそれぞれに対して稚内層珪質頁岩の吸着量を測定した。いずれのガスに対しても、稚内層珪質頁岩は活性炭とほぼ同等の吸着性能を持つことがわかった。一方、高温・低湿度環境下において、一度吸着したガスの脱着について測定したところ、アセトアルデヒドに関しては明らかに脱着が確認されたものの、トルエン、VOC7成分に関しては活性炭と同様に脱着は見られなかった。さらに、悪臭成分のアンモニアに対する最大吸着量を調べた結果、高い吸湿性能を有する稚内層珪質頁岩は水溶性のアンモニアの吸着に優れており、最大吸着量は活性炭の30倍以上となることが明らかにされた。
著者
孫 雲龍
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013

本研究の目的はレーザー脱離・超音速ジェット法を用いて神経伝達物質とそのレセプターの分子認識機構を分子レベルで解明することである。本年度はアドレナリンの部分構造であるカテコールとレセプターの結合サイトであるSIVSF-NH2の錯合体をレーザー脱離・超音速ジェット法を用いて測定した。最初、それぞれの分子の粉末を混合し、これにレーザー脱離法を適用したが、錯合体は観測されなかった。そこで、それぞれの分子を水に溶かして混合した後、50℃で一昼夜乾燥して得た粉末に対してレーザー脱離法を適用したところ、錯合体の観測に成功した。これにより、錯合体の共鳴多光子イオン化(REMPI)スペクトルの測定に成功した。REMPIスペクトルには37590cm-1に強いシャープなバンドが観測され、錯合体はほぼ単一のコンフォメーションをとっていると考えられる。構造情報を得るためIRスペクトルを測定したところ、3509及び3442cm-1にシャープなバンドが、3300cm-1付近にブロードなバンドが観測された。カテコールの水素結合していないOH伸縮振動(3673cm-1)が観測されないことから、錯合体ではカテコールOH基が水素結合を形成していることが示唆される。さらに、SIVSF-NH2単体で観測されるSerのπ型水素結合したOH伸縮振動(3588cm-1)が観測されないことから、錯合体ではこのπ型水素結合が消滅し、新たにカテコールOH基と水素結合が形成されていることが分かった。
著者
梶原 和美 緒方 祐子 中村 典史
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究の目的は,口唇口蓋裂(Cleft Lip and/or Palate: CLP)の子どもとその家族に対する有効な心理的援助を実現するための方法論を提示することである。そのため(1)CLP児の母子関係に潜在する心理的問題,(2)CLPによる障碍が子どもの対他者関係,特に家族に及ぼす影響,(3)成人CLP者の回想における母子関係の変容過程を検討した。結果は,(1) 関係性構築の阻害要因と促進要因,(2) 構音障害への対処の重要性,(3) CLP者の人生岐路におけるレジリエンス(回復力)という観点から考察された。
著者
小林 哲生 笈田 武範 伊藤 陽介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-10-31

本研究では,神経・精神疾患などの診断支援や治療効果を定量的に評価できる新規医用イメージングシステムの開発を目的として,超高感度な光ポンピング原子磁気センサ(OPAM)の深化とモジュール化,ならびにこのセンサによるMRI撮像を超低磁場で実現し他の様々な計測手法とのマルチモダリティ計測を可能とするシステムに関する研究を行った. OPAMについてはK原子とRb原子のハイブリッド型により高い空間的均一性を実現できることを示し,さらに新たな多点同時計測法を開発した.また,モジュール型OPAMによるMR信号の直接計測手法の提案を行い数値実験によりその妥当性を示すなど多くの成果を挙げる事ができた
著者
神崎 初美 片山 貴文 芦田 信之 周藤 俊治 牧本 清子 東 ますみ
出版者
兵庫県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2005

Web上で療養記録が実施できる症状管理サイトを作成し、RA患者の記述した内容を分析することで病気や症状がコーピングに与える影響を明らかにするため調査している。現在、まだ調査は継続中であるが途中の経過を報告する。PCや携帯の画面で使用できるよう作成した。「今日の体調」をクリックすると日々の症状(痛み・痛む関節の場所・数・その他記述データ)と天候・気分・活動度を毎日入力できる。入力した数値データはパソコン上で月間グラフとして、また記述データはテキスト内容を見ることができ、A4サイズ1枚にプリントアウトもできる。このため療養記録として診察に持参することもできる。研究対象者:Web上に自発的に登録する者と入院RA患者のうちWeb上の症状管理サイトへの記述を説明し承諾した者としている。以下(1)〜(6)の内容について現在、データを収集中である。(1)Webサイトへの使用頻度の集計(2)記述文字数(3)記述内容のカテゴリー分け(4)天候や痛みと症状との相関(5)診療内容や療養生活と症状との関連(6)Webサイト改良のため生活上の利点欠点、診療場面利用への有効性など研究協力者の感想を聴くリウマチ患者にとっても自身でも把握が困難だったRA患者の病状変化をセルフモニタリングにより自身で分析でき、病を悪化させている要因を客観的に分析することができる。また、それを診療場面に活かすこともできる。例えば天候・痛み・薬物療法と症状との関連など系統的な把握が可能になる。個別対応型であり、より深く正確な情報がプライバシーを保持しながら得る事が出来ると考える。
著者
大原 渡 福政 修 畠山 力三
出版者
山口大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2006

等質量の正負イオンのみから構成されるイオン系ペアプラズマの生成と物性解明を行った.フラーレンC60ペアイオンプラズマ中の静電波動伝搬特性において,通常の電子-正イオンプラズマにおいて観測されない独特の特徴を明らかにした.質量が最も小さく高周波応答が可能な,水素原子正負イオンから成る水素ペアイオンプラズマの生成を試みた.効率の良い水素負イオン生成が必要であるが,従来にはない多孔体触媒を利用した触媒イオン化法によって,正負イオンを同時に生成することが可能となった.
著者
野中 成晃 堀井 洋一郎
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

牛の膵蛭および小形膵蛭の生体診断法として、ナイロンメッシュ濾過虫卵検査法および糞便内抗原検査法を開発した。日本各地および海外(ブラジル、ベトナム)から得た虫体の遺伝子を解析して2種の種としての独立性を明らかにしたが、一方で、形態学的鑑別が困難であることを示した。さらに、これまで詳細な検討がなかった治療法として、プラジカンテル25mg/kg1回経口投与が有効であることを示した。
著者
松本 健義 西野 範夫 佐藤 公治 上野 直樹 布川 和彦 茂呂 雄二 西阪 仰 松本 健義
出版者
上越教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

現在の子どもの根源的な危機は,学力低下にあるのではなく,<学ぶことの根拠>である<生>の低下,すなわち,他者と共にアクチュアルに生きる機会の激減にあるという認識にたち,以下のように研究を進めた。(1)感じ・考え・行う身体の論理と筋道を働かせて,子どもがもの,こと,人に働きかけ働きかけられて<学び合い・生き合う>ことを通して,根源的な<学び-知>が生成され成りたつ過程を明らかにする。(2)現象学的心理学,状況的学習論,談話心理学,相互作用・相互行為分析の視点と方法を取り入れた学びの過程の臨床的分析と教育実践の構想実践を行い,学びの過程に対応するカリキュラムと教育実践の総合的在り方を明らかにする。その結果,以下のような成果を得た。1.子どもの<学び-知>は,自己の行為の論理を働かせた,もの,こと,人との相互作用・相互行為の過程で,記号や道具を媒介にして,子どもともの,こと,人とのあいだに<できごと世界<関係=意味)>を,状況的・相互的・協働的に生成し,世界,行為,他者,<私>の意味を同時に生成する過程であることを明らかにした。また,意味生成としての子どもの学びの過程をとらえるあり方を学習臨床学として明らかにした。2.子どもの行為の論理による<できごと世界>の生成としての学びの過程が生起し,その過程で,過去の経験や活動といまここで未来へと向かいつくられる活動との関係,他者やできごととの関係を,子どもが新たにつくりつくり変えて自己の<生>と,世界,行為,他者,<私>の意味とを共に新たに生成することを支える教育実践のあり方を,学習臨床カウンセリングとして明らかにした。3.他者と共に<生きる-学ぶ>ことにより子どもが、<知>を生成する過程を通して,あらゆる教科の学びの基礎・基本となる子ども<生>の論理に対応した学習過程の臨床的カリキュラムが構成されることを明らかにすることができた。
著者
萩原 理加 野平 俊之 後藤 琢也 後藤 琢哉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

高い導電率、優れた電気化学的安定性を有するイオン液体を開発し、それを電解質として用いた中温度無加湿作動型燃料電池、電気化学キャパシタ、中温度作動型リチウム二次電池、ナトリウム二次電池を開発した。