著者
吉瀬 謙二
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究では,ハードウェア記述言語を用いて現実的なCoreSymphonyマイクロアーキテクチャの開発と動作検証をおこなった.すなわち,マイクロアーキテクチャレベルの工夫により,CoreSymphonyの回路規模の削減を達成した.また,FPGAボード間の通信としてシリアルATAケーブルを用いた高速シリアル通信の評価をおこない,高いバンド幅のデータ転送が可能であることを確認するとともに,この高速通信ポートおよびFPGA,DRAMを搭載する計算機アーキテクチャ研究に適したボードの設計をおこなった.
著者
小川 宣子
出版者
岐阜女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

卵の調理特性である熱凝固性,乳化性および起泡性を利用した各種卵料理に及ぼす影響について、鮮度の影響,卵液のpH,卵液への食塩・乾燥卵白などの添加物および調理過程における加熱条件を物性および組織構造から中心に調べた。その結果、卵の熱凝固性では卵白の場合は鮮度の影響が大で、鮮度低下により凝固開始温度が高くなることがレオログラフより明らかになった。卵黄ゲルの物性には卵黄球の大きさおよび脂肪球の大きさが関わっていた。熱凝固性を利用した厚焼き卵では弾力のある厚焼き卵を得るためには濃厚卵白オボムチンの構造を維持する程度、卵液と調味料を攪拌することが望ましいことを明らかにすることができた。鮮度が新しい卵で作製した茶碗蒸しは弾力があり、この表面構造は鮮度が悪い卵で作製したものに比べ密な構造をしていた。さらには脂肪球が小さく分散していたことから口触りのいい茶碗蒸しになることが推定でき、これは官能検査の結果から裏付けることができた。種が異なる卵については名古屋コーチン種の卵のゆで卵の卵白,卵黄の硬さは白色レグホンに比べ硬く、弾力は大であった。また、名古屋コーチン種の卵黄を用いたエマルションは白色レグホンに比べ油滴が小さく、岐阜地鶏についても名古屋コーチン種と同様の結果であった。また、標準飼料にビタミンEとリノール酸を添加した飼料を摂取した鶏が産卵した卵は、加熱卵白ゲルの弾性,粘性いずれも普通卵に比べてあまり違いは見られなかったが、生卵黄の粘性は大きく、乳化性も優れ、卵黄ゲルの凝集性も大きかった。これは卵黄球中の脂肪球が小さいことが要因の一つではないかと推定した。
著者
上田 文
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

近代京都で活躍した日本画家、土田麥僊の人物画についての研究である。麥僊は人物画の中でも特に舞妓図を得意としたが、「美人画家」には分類されてこなかった。それはなぜか。本研究では肖像性と象徴性という観点から作品の分析を行った。写生を重視した麥僊の人物画からは、明らかにモデルの特徴が読み取れる一方、麥僊の残した記述からは麥僊が平安時代の仏画に注目し、信仰と優美の一致を目指していたことが明らかになった。舞妓と仏画という隔たりの大きい画題を融合させようとしたところに麥僊の特異性があったと結論づけた。これは京都画壇においても特異な位置を占めている。
著者
冨永 典子 島田 淳子
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1991

仙草は台湾に自生するシソ科の一年生草本で、乾燥品を加熱抽出した液にデンプンを加えて冷却すると独特の風味とテクスチャ-を持つゼリ-となる。台湾では夏期のデザ-トとしてシロップをかけて食され、夏バテ、睡眠不足や腎臓疾患に有効であると民間で云われている。しかし、その調製法は口伝えによっており、調製条件とゲル化特性との関連は明確にはとらえられていない。そこで、ゲル化の条件を検討し、ゼリ-の粘弾性的特徴を明かにすることを目的とした。仙草は乾燥品を台湾から直接入手し、20℃と60%RHで貯蔵し、ゲル化能力がほとんどみられなかった茎を取り除き、一般成分(水分,粗蛋白質粗脂肪、粗灰分,炭水化物)を測定した。葉1,5,10%,K_2CO_30.1,0.3,0.5,0.7%、抽出時間3,6,9時間の条件で加熱 溶出固形分量を経時的に求め検討し、また葉1.5%、K_2CO_30.1,0.5%、3時間抽出液に1.5%サツマイモデンプン,トウモロコシデンプン,バレイショデンプンを添加し、4℃24時間放置後のゲルの状態を観察した。ゼリ-の物性(離水量,クリ-プ測定、みかけの弾性率)を測定、組織構造を走査型電子顕微鏡により観察、以下の結果を得た。(1)一般成分は水分7.9%,粗蛋白質15.7%,粗脂肪1.1%,粗灰分10.0%炭水化物65.3%であった。(2)仙草抽出物がゲル化するには、0.3%以上の抽出固形分と1%以上のデンプンが必要であり、抽出固形分が0.7%以上になると1%デンプンで凝固するためにはpHを9.0以上にする必要があった。(3)仙草抽出物のゼリ-はフック体歪が大きく、ニュ-トン粘性が小さいという特徴を有した。(4)仙草抽出物のゼリ-は網状構造をしており、抽出固形分濃度、デンプン濃度を高めると、骨格が太くなると同時に網状構造が密であった。
著者
水光 正仁 榊原 陽一
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、生理機能の不明なオーファン硫酸転移酵素(SULT)のSULT4A1およびSULT7A1の生理機能解明と生体シグナルの変換・伝達への関与解明を目的に研究を行った。SULT4A1に関しては、ゼブラフィッシュ胚を用いた発生段階での遺伝子発現解析を行った結果、神経系の発生・発達において機能を担っていることを明らかにした。一方、SULT7A1に関しては、基質特異性を検討して、シクロペンテノン型のプロスタグランジン(PGA2や15d-PGJ2)の硫酸化を明らかにした。以上のことから、SULT4A1およびSULT7A1の生理機能と生体シグナルの変換・伝達への関与を明らかにすることが出来た。
著者
下野 孝一 江草 浩幸
出版者
東京海洋大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

われわれは被験者が窮屈な姿勢を取ったとき、頬に触っているのが手なのかと足なのか、という感覚が混乱する可能性があることを発見した。窮屈な姿勢とは、床に座り、足を平行より少し開き気味にして、足(あるいは手)で頬を触ることである。このような状態で、頬を触っているのが手なのか、足なのかの確信度を聞くと、床には座っているが体を折り曲げない場合に比べ、全体の8割近い観察者が、手が触っているか足が触っているかの確信度が低下した。この結果は触覚の新しい錯覚現象である。
著者
嶋田 由紀
出版者
早稲田大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究では、ドイツ統一以降のテレビ・映画のエイズ予防啓発広告におけるセクシュアリティを表象分析した結果、エイズ予防としての性交時のコンドームの装着の奨励というメッセージが旧東西ドイツ時代のタブーや性規範を乗り越える形で映像化され、発信されていることが明らかになった。エイズ表象は、単なる衛生政策としてではなく、社会の性規範とその変遷から生み出されるきわめて生政治的なものとして考察される必要性を浮き彫りにした。
著者
金泉 志保美 牛久保 美津子 牧野 孝俊
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

医療的ケアを必要とする小児の親が在宅療養を選択し意思決定する過程およびその影響要因を明らかにすることを目的とし、両親11名への半構成的面接のデータを質的帰納的に分析した結果、母親への面接データからは53のカテゴリが生成され、様々な不安や葛藤から、児の状態を受け入れ、児に対して感じる愛情から在宅養育の決定に至る過と、影響要因が明らかとなった。父親への面接データからは44のカテゴリが生成され、そのうち28カテゴリが母親と共通していた。
著者
松山 雅子 土山 和久 住田 勝 井上 博文 畠山 兆子 香山 喜彦 羽田 潤
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

現職教員向けメディア学習実践理論書と学習ソフトをセットした『自己認識としてのメディア・リテラシーPARTII』(学習ソフトDVD付)(松山雅子編著・香山喜彦プログラムデザイン、畠山兆子、羽田潤、粟野志保、増田ゆか、松尾澄英、土居安子分担執筆)』(教育出版、2008年8月20日、全262頁)を刊行し実践現場に寄与するべく、平成18年度から継続的行ってきた学習プログラム試案とそれに基づく小中学校および大学におけるパイロット授業、学習者反応の検討、現職研修ワークショップと指導者反応の考察を行った。
著者
北川 慶子 榛沢 和彦 三島 伸雄 羽石 寛志 岡本 竹司 堺 正仁 Whang-Woo Noh 瀧 健治
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

東北3県、広島土砂災害、熊本地震被災地住民の健康診査と生活実態調査によって、エコノミー症候群等健康状態の変化を明らかにした。避難所・仮設住宅調査により、避難所改善への提言を毎年セミナー/学会で積極的に公表してきた。健康被害の課題解決と研究成果の共有のため、避難生活学会を創設(H28)した。3年間の被災者に対する健康診査・聞き取り調査は、避難者の多様性と支援対応のパターナリズムとのギャップの解決が避難所・仮設住宅生活による健康被害を防止させることを検出した。避難・避難所生活、仮設住宅生活、帰宅復帰生活の健康被害予防指標は、KTB(キッチン・トイレ・ベッド)の整備であることを見出した。
著者
西海 理之
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

高圧処理によって筋肉内結合組織は軟化し、特に筋周膜および筋周膜-筋内膜接合部のコラーゲン線維の脆弱化が明らかになった。また、高圧処理に伴うコラーゲン分子の分解は認められず、コラーゲン分子の会合もしくはコラーゲン細線維同士の接着の解離が示唆された。したがって、高圧処理は、コラーゲン分子を分解するのではなく、コラーゲン分子やコラーゲン細線維の会合状態を脆弱化させ、筋肉内結合組織の軟化に結びつくことが推察された。
著者
前田 英雄
出版者
鳴門教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究では家庭科の食物分野の4つの教材を開発し、授業実践を行った。また、社会人に対して教材を用いて公開講座を行った。平成16年度は2つの教材開発を試みた。1)小麦粉のドウに油をつけてのばす麺教材:食用油以外、材料は通常の麺の材料である小麦粉、塩、水であり、食用油を用いて麺をのばした。この教材の大学生への授業実践は興味をもって取り組んでいたが、技術の習得には経験を要することが明らかになった。2)カラギーナンによるブラマンジェの教材:この教材開発ではこれまの教科書にあるプリンやブラマンジェでは見られない市販に近いものを作るため、プラステチックカップ容器を用意し、その上にアイロン熱でフィルムをシールしてラベルをつけたもの考案した。材料にはカラギーナン、牛乳、砂糖、コーンスターチを用い、フィルムにはパソコンで品名、原材料名、内容量、保存方法、賞味期限等をカラー印刷した糊付きラベルを自作した。これまでには見られない画期的なブラマンジェを試作できた。平成17年度は2つの教材開発を行った。1)温泉卵の教材:温泉卵の教材は実生活に実践できる教材であり、授業時間の中で温度計と時計をみながら、卵白と卵黄の熱変性温度の差を利用して行った。この教材は大学で授業実践を行った。2)簡単な十割ソバ打ちの教材:この教材の特徴は、ソバ粉と水を混合する際の水回しと均一に麺をのばす教具にある。水回しには安価な市販の竹ばさみを用い、麺を1.5mmにのばすために2本のアクリル横板を用いて学部、及び大学院の授業、及び現職の小学校、中学校、高校教諭を対象に授業実践及び研修会を行った。この教材は高く評価された。しかし、ソバを切る道具が高価である点やソバを細く切るのに技術を要する点が課題として残された。平成18年度は、附属中学校で授業実践を行った。生徒が簡単にソバを切れる道具の開発が必要とされた。そこでステンレス棒にステンレス板の薄い板とスペーサを用いて簡単に押し切りする道具の試作を行った。しかし、ソバ板は水分が少ないため、試作したそば切りの道具についてはさらに改良の余地が残された。以上、3年間の教材開発の成果と問題点を要約した。
著者
渡邊 良朗 山下 洋 河村 知彦 木村 伸吾 渡部 諭史 山下 洋 河村 知彦 木村 伸吾 渡部 諭史
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、寒流域と暖流域という異なる海流系の影響を強く受ける沿岸海域生態系において、浅海資源の再生産がどのように行われ、再生産に人間がどのように関わることで、更新可能な生物資源として将来にわたって持続的利用が可能になるかを生態学的に明らかにし、それに基づいた資源の管理・増殖の新しい考え方と方法を提示した。
著者
志田 未来
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2013-04-01

近年、日本においてひとり親家庭の割合は年々増加しており、ひとり親家庭で育つ子どもたちは低学力・低学歴に陥っていることが様々な研究によって指摘されている。本研究はそのようなひとり親家庭の子どもたちが、どのような経路をたどってそういった困難に直面しているのか、また、その困難を乗り越えられるとしたら何が影響を与えているのかということを明らかにすることを試みる。2011年から2012年にかけて行ったひとり親家庭の子どもに対するインタビューをまとめ、学会誌『教育社会学研究』へ投稿,掲載された。また、2011年より行っている公立中学校でのフィールドワークを継続し、ひとり親家庭で育った子どもが、どのような学校経験を経ているのかを現在も調査中である。また,国内での調査と並行して海外における調査も実施した。2013年度,2014年度と同様にアメリカ・カリフォルニア州の公立高校における調査を、約6週間に渡って行った。同校はひとり親家庭を筆頭に、不安定な家族で暮らす子どもたちが多く通っており、エスニック的にもブラック、ラティノなどのマイノリティが多く在籍している。このような不安定な家庭が多い校区にある調査対象校は、社会的困難を「克服」している学校であることで注目されている。そのため、フィールドワークによって、不安定な家族で暮らしている子どもたちに対して、学校はどのような支援が可能なのか、ということを調査した。同校での調査が3年目であったこと、6週間の長期調査であったことも影響して、質・量ともに昨年度よりも望ましいデータを取得することができるとともに,経年的なデータを入手できた。アメリカにおけるフィールドワークより入手したデータは,教育社会学会大会にて発表するとともに,複数の学会誌への投稿を試みている。
著者
太田 憲 羅 志偉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

スキルに関係する物理情報を運動中に感覚情報としてバイオフィードバックするトレーニングシステムを開発し,感覚的・潜在的な学習を可能とするシステム構築した.そのため,超小型センサなどの計測制御機器を用いたウェアラブルで実用的なデバイスを開発し,それらのデバイスを用いた新しいトレーニング方法を開発した.
著者
太田 正穂
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

一塩基多型(SNP)は法医DNA鑑定で利用価値が高い。本研究は識別能の高い3対立遺伝子性(Tri-allelic) SNPsを25種類選出し、ダイレクトシーケンスにより各アリルの遺伝子頻度を求めた。多型情報はPDが0.99999999999997、PEは0.99885を示し、高度な鑑定能力を示した。SNaPShot法によるmultiplex を用いた検出では、判定の条件設定、エレクトロフェログラムの判読の煩雑さから、法医実務での実用性が得られなかった。また次世代シーケンサーを用いた混合試料のTri SNPs解析は、定性・定量性において精度の高い結果を示し、混合試料解析における有効性を示唆した。
著者
安田 彰
出版者
法政大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では,従来の3相モータの各コイルを複数に分割し,この分割したコイルを我々が提案しているデジタル調節駆動技術を用いて駆動することにより,低電圧電源で高出力・高効率なモータを実現した.また,分割した各相のコイルをノイズシェーピング・ダイナミック・エレメント・マッチング法(NSDEM)を適用することで,コイル間の素子値や位置ばらつきの影響の低減を実現した.さらに,回転磁界を発生させる際に,各相全てのコイルすべてを選択対象とする新しいNSDEMを提案し,各相間のばらつきの影響も低減することを実現した.これらにより,低トルク変動のモータを実現することが可能となった.
著者
見市 文香
出版者
佐賀大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

寄生虫疾患は、発展途上国を中心に、地球規模で甚大な被害をもたらしている脅威の感染症である。未だに有効な治療法が確立していない疾患が多く存在しているのが現状である。寄生虫疾患の病原体、つまり寄生虫の多くで、ミトコンドリアが退化していることが知られている。退化したミトコンドリアは、ミトコンドリア関連オルガネラ(MRO)と総称され、その特殊性・重要性が徐々に解明されてきている。近年、申請者らは、寄生原虫の一種、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)の“MRO”と“寄生適応”との密接な関係を明示した。具体的には、寄生性赤痢アメーバについて、1) 赤痢アメーバが持つMROである“マイトソーム”の主たる機能の1つが硫酸活性化であり、赤痢アメーバの生存に必須であること。2)その最終代謝産物の1つがコレステロール硫酸(CS)であること。3) CSがEntamoebaの形態変化である感染嚢子(シスト)形成の制御分子であること。4) CS合成阻害はシスト形成阻害を引き起こすこと。を見出した。さらにマイトソーム内にある硫酸活性化経路と細胞質にある硫酸基転移酵素(コレステロール硫酸合成酵素を含む)とを結ぶ輸送体としてマイトソーム内膜上に存在するmitochondrial carrier family (MCF)を同定した。以上のことから、赤痢アメーバのMROが真核生物のMROの例外では無く、必須オルガネラであること、さらにシスト形成という重要な生命現象に関わることを明らかにした。本研究成果は、2015年6月2日発行の科学雑誌「Proceedings of the National Academy of Sciences of the USA」および2015年9月発行の科学雑誌「Eukaryotic Cell」に掲載された(Mi-ichi et al, PNAS 2015, Eukaryotic Cell 2015)。
著者
石澤 公明 菊田 淳 高橋 知美 岡 唯理 内山 晃司 佐藤 愛湖 鈴木 亮介
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

小学校から大学までの共通植物教材として,ファストプランツ(FP)を使用した学習プログラムを開発した。それには、FPの自家不和合性を利用した他家受粉と自家受粉の種子形成率の違い及びアニリンブルーやコットンブルーで染色された花粉管が花柱から胚珠に達する様子の顕微鏡観察等から受粉と受精の違いを学習すること,また,主根成長に対する塩ストレスや重金属イオンの効果,紫外線による子葉成長の阻害効果,植物栄養と成長の関係等の解析が含まれる。小・中学校でのFPを使った授業実践では,生徒が自分の手で短い期間で栽培できることから,植物の成長や生殖に理解を深めることが出来る優れた教材であることが示された。
著者
今江 禄一 中川 恵一 山下 英臣 芳賀 昭弘 竹中 重治
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究では放射線治療中の対象内の治療中のcone beam CT(CBCT)画像を取得可能であるガントリ回転型の強度変調放射線治療法を用いることによって,簡便かつ低侵襲に治療中の対象内の構造を同定し,治療装置の照射記録を用いることによって実際に標的に与えられた吸収線量および対象内の線量分布(実線量分布)を構築することを研究期間内目標とした.本研究の達成により実線量分布の評価法が構築され,放射線治療による腫瘍制御や正常組織のリスクの正当な評価につながる.