著者
楠本 良延 稲垣 栄洋 平舘 俊太郎 岩崎 亘典
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

静岡県の茶産地では茶畑にススキを主とした刈敷を行う農法が広く実施されている。この刈敷の供給源となっている半自然草原を茶草場という。空中写真とGISの解析から掛川市東山地区では茶畑の65%に相当する半自然草地が維持されていた。わが国の半自然草地が減少しているなかで茶草場は重要で貴重な草原性植物の生息地として評価できる。茶草場は伝統的な里山景観と農業活動によって維持される生物多様性保全の良い事例だと考えられるため、その成立・維持機構を明らかにする。
著者
藤田 幸
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

これまでに、SIRT1とzyxinがほ乳類細胞内で結合することを免疫沈降法により示したが、この実験系では、SIRT1,zyxin両者の結合が、直接結合であるか、細胞内因子などを介した間接的な結合によるのかについては定かではないnそこで、SIRT1とzyinが直接結合するか、in vitro pull-down assayにより検討した.大腸菌にGST-SIRT1またはHis-zyxin発現ベクターを導入し、Glutathione sepharoseまたはNi agaroseを用いてSIRT1、zyxinのタンパク質を精製することに成功した。また、zyxin deletion mutantとの結合を調べることにより、これまでに行った酵母での実験結果と同様に、zyxinのLIM domain3が、SIRT1との結合に必要であることを確認した。さらに、申請者は、中枢神経系におけるSIRT1の機能を詳細に調べるため、脳組織におけるSIRT1の発現分布について検討した。Real-TimePCR法、Western blot法により、RNAレベル、タンパク質レベルでの両者の発現を解析した結果、SIRT1,zyxinともにマウスの各臓器で発現していることを確認した。マウスの発生段階ごとの両者の発現レベルを比較した結果、各発現段階で両者ともに発現していた。また、in vivoでのSIRT1の機能を調べるため、SIRT1の発現をRNAiで抑制し、アポトーシス細胞の増減をTUNEL染色で検討したCoSIRT1の発現抑制のため、pSuper-GFPvectorにSIRT1のsiRNA配列を導入し、SIRT1shRNAベクターを作成した。in ovo electropolation法によりニワトリ胚網膜細胞に導入し、SIRT1の発現を抑制することを試みた。
著者
年森 清隆 伊藤 千鶴 前川 眞見子 大和屋 健二 神村 今日子 武藤 透
出版者
千葉大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2011

Muse細胞調整後、精子幹細胞の無いW/Wvミュータント雄マウス精巣内に移植して定着性を検討し、次の点が明らかになった。長距離移動によるMuse細胞のダメージは無く生細胞数を確保できる。移植前培地中に長時間置くと凝集が起こり、移植効率が下がる。移植用培地からアルブミンを抜くと効率良く微小注入できる。移植後3ヶ月では、GFPのシグナルは認めらないことから、単純なMuse細胞移植では精子細胞分化への誘導はできないと思われた。
著者
寺尾 敦 飯島 泰裕 宮治 裕 伊藤 一成
出版者
青山学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

本研究の目的は,(1) 携帯端末を利用した授業のための学習環境の開発, (2) 携帯端末を利用した新しい教育方法の探求, (3) モバイルラーニングに適した学習ウェブサイトあるいはアプリケーションの開発,であった.スマートフォンやタブレットなどの携帯端末を利用した学習を行うための環境(学習管理システム)を開発した.デザイン科学のパラダイムに基づき,携帯端末を用いた授業のデザインを繰り返して,環境,教材,授業の改善を行った
著者
南部 功夫 和田 安弘 大須 理英子 大須 理英子
出版者
長岡技術科学大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、直感的で操作が容易な脳情報バーチャルキーボード構築に向けた基礎検討を行った。最初に、脳波(EEG)を用いて、運動実行時および想起時の個々の指運動(想起)を予測できる可能性を明らかにした。次に、機能的核磁気共鳴画像法(fMRI)により、運動準備時には対側の運動前野や補足運動野に高精度な指運動情報(系列)が含まれることがわかった。最後に、機能的近赤外分光計測(fNIRS)を用いた運動情報の抽出を目指し、fNIRS信号に混在する頭皮血流アーチファクトを除去し、脳活動の推定精度を向上させる手法を開発した.以上の結果は、脳情報を利用したバーチャルキーボード構築に貢献すると期待される。
著者
難波 康祐
出版者
徳島大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

我々は、2'-デオキシムギネ酸 (DMA) を肥料としてイネの水耕培地に添加すると、本来アルカリ性培地では生育できない通常のイネが、アルカリ性条件下においても良く生育できることを明らかにした。このため、DMAを肥料として安価かつ大量に供給することが可能となれば、世界のアルカリ性不良土壌での農耕が実現可能と期待できる。しかしながら、DMAの大量合成法の確立に未だ検討の余地を残していることや、DMA添加による成長促進機構は未だ不明であった。そこで我々は、DMAの大量供給法の開発およびDMA添加による成長促進機構の解明に取り組み、今年度までに以下に示す成果を得た。1. 高価な出発原料の大量供給法の確立:DMAの合成において、出発原料となる2-アゼチジン-L-カルボン酸が非常に高価であることが大量合成に向けた最大の問題となっていた。そこで、触媒的不斉クロル化反応を鍵とするL-アゼチジン-2-カルボン酸の大量合成法を確立した。2. 植物組織内でのムギネ酸の挙動追跡を可能とする新規蛍光分子の開発:これまでに、独自に開発した蛍光分子1,3a,6a-トリアザペンタレンを基盤として、黄色蛍光や赤色蛍光を発するコンパクトな蛍光分子の開発に成功した。3. 植物成長促進機構の解明:放射性同位体鉄を用いた鉄イオンの追跡実験およびqRT-PCRやマイクロアレイを用いた遺伝子解析実験を行った。その結果、DMAは単に鉄イオンの取り込みを補助するのみならず、鉄イオンの体内組織への運搬や窒素固定の促進など、成長に関わる様々な機構を活性化させることを明らかにした。4. ムギネ酸阻害剤の開発:ムギネ酸・鉄錯体トランスポーターの3次元構造の解明に向けて、トランスポーター阻害剤の開発に成功した。現在、阻害剤を用いた膜タンパク質との共結晶化を検討中である。
著者
高橋 雄介
出版者
京都大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2011

本研究は,パーソナリティ特性と身体的・精神的・社会的健康の関連性の全体像を把握するための新たな知見の蓄積のために,健康に関わるさまざまな指標を複数のサンプルに対して用いて調査データを取得し,パーソナリティ特性と健康の相互関連について包括的に紐解いていくことを主たる目的とする。本研究の結果,パーソナリティ特性の変化は健康および健康に関連する行動の変化と正に相関することが確認され,これはパーソナリティ特性の変容が健康に対して影響に与えていることを示唆している。また,別の研究結果は,パーソナリティ特性が,その個人が子どものころに受けた養育態度と身体的な健康感の正の関連を媒介していること,そして,その媒介効果は年齢層を通じて一貫していて持続力があることを明らかにした。このことは,養育態度はパーソナリティ特性の発達と健康増進のために介入可能性のあるターゲットのひとつであることを示唆している。
著者
谷口 義明
出版者
大阪大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

近年、センサネットワーク技術が大きな注目を集めている。センサネットワークの性能はセンサ端末の初期配置に大きく影響される。本研究では、大量のセンサ端末を一度に空中で散布する際に、センサ端末の一様な初期配置を実現するためのセンサ端末散布法を提案した。提案手法では、空中落下中に自身の落下挙動を切替可能なセンサ端末を想定する。周囲センサ端末との通信結果に基づき落下挙動の切替えタイミングを適切に制御することにより、センサ端末を観測領域に均等に落下させる。シミュレーション評価の結果、提案手法を用いることにより、カバレッジの高いセンサ端末配置を実現できることを示した。
著者
藤正 巖 松谷 明彦
出版者
政策研究大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、システムダイナミックスを用い、2000年、2005、2010年の社会構造推計エンジンを開発し、世界、諸国、日本、都道府県、市区町村の個別のモデルを試作し、クラウドコンピューティングのデータベースに蓄積してきた。これまでの3種の推計エンジンの結果からは、将来の社会構造は驚く程確定的に定まることが明らかになった。この成果を本研究の仮想実施空間であるPost-Max-Network-Workshop(PMN工房)に提供した
著者
山田 廣成
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2001

1.超小型電子蓄積型高輝度X線発生装置の開発に成功した。X線発生専用マシンとして外径約0.5m、電子エネルギー6MeVの電子蓄積リングを開発した。X線強度は、目標を上回り、10^<12>光子/s,mrad2,mm2,0.1%bandを達成した。運転の自動化や電流値安定機構を導入して安定な運転を実現し、利用研究をルーチンで実施できる状態であり、COE放射光生命科学研究に貢献している。2.X線イメージングでは、25ミクロンロッドターゲットを用いて最大20倍拡大の屈折コントラスト撮像を実現した。放射光を勝る極めて強いエッジ強調が現れ、実物肺の中に埋め込んだウレタン製腫瘍の形状や血管の状態を鮮明に撮像した。30cm厚コンクリートの非破壊検査では、従来法では見えなかった亀裂や砂利の密度を造影剤無しで鮮明に捉えた。資料を光源点の近くに置くことにより、70倍の拡大撮像でも、ピントがぼけないことを確認した。3.Si及びGe結晶をターゲットとしてシンクロトロンの電子軌道上に設置し、結晶面を20°に傾けたとき、0°及び30°方向に10〜13keV単色X線を取り出すことに成功した。X線強度が10^<10>光子Brightnessで有ることを確認した。この強度はタンパク質構造解析を行うのに十分である。現在、蛋白質構造解析BLの開発(COEによる)を進めている。4.遷移放射機構を用いてコヒーレントな軟X線の発生に成功した。みらくる6Xを用いた場合その強度は、校正された検出器を用いて、5mWあることを確認した。みらくる20を用いる場合には、1Wに達することが計算上明らかになった。この値は、小型放射光装置AURORAと比較して、2桁大きな値である。5.光蓄積リング型自由電子レーザーの研究では、環状ミラーの導入により、明らかな増幅を観測した。増幅の結果、強度の蓄積電流値依存性で2乗に比例することが観測された。光蓄積リング型レーザー発振ではない他の原因によるコヒーレント放射光発生の可能性を否定できないが、環状ミラーの導入によりビームに何らかのモジュレーションがかかったと考えている。平均100mWの中・遠赤外光出力は、利用実験を行うのに十分なパワーである。分光器にFTIRを導入して、水、蛋白質、ガン組織などの遠赤外線吸収分光をルーチンでこなすことが出来るに至り、THz研究者と共同研究を推進するに至っている。
著者
田中 直人 足立 啓 後藤 義明 古賀 紀江
出版者
摂南大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

国内外の高齢者居住施設における事例調査から、レミニセンスを導入して日常の生活環境への配慮としている事例を確認できた。本研究で目的としている感覚誘導システムに関連する事例も海外事例で確認できた。続いて国内施設へのアンケート調査で、環境要素として感覚的誘導に用いることが可能な「レミニセンス事物」の抽出を行った。その事物を導入した効果を確認するためビデオカメラで長期観察実験を行い、さらに実験後に施設スタッフからもヒアリングを実施し確認した。感覚的誘導の効果として、(1)放尿抑制効果、(2)個室への侵入防止などの抑制効果があることが確認できた。また、T字型の歩行空間を想定した画像実験から、高齢者の記憶に残る感覚的な誘導方法についての可能性と効果を検証確認できた。本研究結果を生かしさらに継続発展させる知見が得られた。
著者
小野 米一
出版者
鳴門教育大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

アイヌ語話者の日本語北海道方言の特徴として、次のような知見が得られた。(1)母語アイヌ語の干渉と思われる特徴が、主に音声面に観察される。例えば、(1)主に1拍目の音を引き伸ばしがちなこと、(2)母音オとウが近似していること、(3)連母音同化を起こしにくいこと、(4)サ・シャ行音及びザ・ジャ行音の区別がないこと、(5)いわゆる清音と濁音との区別がないか混同が著しいこと、(6)拗音を直音ふうに発音する傾向があること、(7)イントネーションが平板な調子になりがちなこと、などである。しかし、文法面においても、(8)助詞「に」「しか」などの用法、(9)自動詞・他動詞の混用、(10)文末の表現、などにアイヌ語の干渉が認められる。語彙面には、借用語がいくつかあるものの、アイヌ語の干渉はほとんどない。(2)アイヌ語話者たちが身に付けた日本語は、主に明治期・大正期、さらには昭和戦前期のものであり、昭和30年代以降の共通語化が急速に進む以前のやや古い北海道方言である。東北方言的な特徴が基盤となって、全国各地からの移住者たちが持ち込んだ全国諸方言が混交しあった、独特の「北海道方言」である。その日本語には、織田氏のそれに淡路島方言から取り入れたと思われる特徴がいくつか観察されることに象徴されるように、近隣在住移住者の日本語方言が反映している点で注目される。(3)アイヌ語話者の日本語北海道方言には、以上のような共通した特徴も観察されるが、生育環境や日本語を身に付けた時期、アイヌ語・アイヌ文化に対する態度などが、アイヌ語話者一人ひとりの日本語の個人差となってさまざまでに観察される。
著者
藤井 範久
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

トレイルランニングレース上位入賞者の走動作を分析し,実験室内での走動作と比較することで,不整地における走動作の特徴を明らかにすることを目的とした.その結果,舗装路(整地)に比べトレイル(不整地)では,支持時間の割合が大きくなる,離地距離が長くなる(身体後方まで足部を地面に接地し続ける),路面の「柔らかさ」に応じて接地時の膝関節角度を調整している,ことなどが明らかとなった.膝関節角度の調整は,長距離走における力学的エネルギー利用の有効性の観点からも支持できるものである.路面に凹凸があり,路面の一部が高い時には,膝関節を屈曲させた姿勢で接地することで,バランスを維持しようとしていた可能性がある.
著者
西浦 敬信 善本 哲夫 中山 雅人
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

ある特定の領域にのみ音波を放射できるパラメトリックスピーカを用いて,音空間の任意の場所における立体的な音像(3D音像ホログラム)を実現した.特に放射板を自由に形状変形可能なフレキシブルパラメトリックスピーカを開発した上で,複数のフレキシブルパラメトリックスピーカを用いて「キャリア波」と「側帯波」を分離放射することで音空間に3D音像ホログラムを構築した.さらに社会実装実験を通じて活用シーンも調査・検討し,音空間上の任意の場所に構築可能な3D音像ホログラムの総合開発を試みた.
著者
鈴木 啓子 大屋 浩美 石村 佳代子 金城 祥教 吉浜 文洋
出版者
静岡県立大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2002

本研究の目的はわが国の精神科における危険防止のための看護技術を明らかにし、より安全な技術を開発することである。平成15年度の研究成果は下記のとおりである。1.わが国の護身術(柔道および空手)および取り押さえ術(刑務官による)の研修を受け、その内容について精神科看護のエキスパートと検討した。これらは日本の伝統的な武術の技が使用されているが、基本的には関節技を中心に対象者に痛みを与えることにより、行動を封じ込めるものが中心になっていた。その基本には対象者を「正常な判断能力を有しているが故意に問題を起こした者」とする見方があり、一般精神科病棟において精神的健康問題をもち危機状況にある患者に対する看護技術としては適切性が低いといえ、刑法上合法となる緊急避難の場合以外は使用すべきでないと考えられた。また、これらの技術は訓練しなければ誰でも身につけられるものではないことからも、これら攻撃型の技術を習得するよりは、緊急時に身を守る技、逃げる技などの防御型の技術を看護師は習得するほうが合理的であると考えられた。2.平成14年度に引き続き、先進的な精神科医療を提供している8施設において急性期看護経験のある看護師85人を対象としグループインタビューおよび危機状況にある患者モデルを設定した実演によるデータ収集を計12回実施した。継続的比較分析を行った結果、言語的な介入が可能な段階では看護師は患者のもてる力に働きかける言語的介入を積極的に行い、また危機がエスカレートする段階では暗黙の了解により互いの役割を引き受け隔離・拘束にあたる点が、海外の危機介入では見られない特徴だった。また強制的な治療後にも患者の側にいて寄り添い患者をねぎらうなど海外の技術に近い実践があることも明らかになった。抽出された看護技術について、より安全な危険防止のための方法を明らかにすることが、今後の課題である。
著者
福智 佳代子 金澤 直志
出版者
神戸海星女子学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

iPodと電子黒板を組み合わせたデジタルコンテンツの開発プロジェクトを行ってきた。RPGゲームで、Listening内容の理解度を測る診断テストを作成、ICT開発会社ヴォルテックに、ゲームソフトの開発、端末機器(iPod)と電子黒板相互通信システムの開発を依頼、動作確認を行った。診断テスト内容に関しては、テスト内容の検証、ウェブ上の画像、音声・効果音を組み込んだRPGゲーム1ユニット分の試作版の検証を小学校で行った。その結果を参考に、最終編集(出版社ニュートンプレス)を行ったものを、独自のイラスト・動画(村田氏)と共に、ゲームソフトに組み込み、RPGゲームによる評価システムの実証実験を行う。
著者
長瀧 重博
出版者
国立研究開発法人理化学研究所
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2014-04-01

南極で観測を続けるIceCube Collaborationは2013年4月、遂に大気ニュートリノ以外の起源と思われる2つのイベント(PeVニュートリノ)の検出を報告しました。これに引き続き、IceCube Collaborationは解析の続報を発信しています。その到来方向をマッピングしてみますと、まだ有意性は低いものの、銀河中心付近からやってくるニュートリノイベントが特に多いようにも見えます。本研究にて、我々は銀河中心では超新星爆発頻度が高く、多くの超新星残骸が存在していることに着目しました。その上で特に巨大な超新星爆発「極超新星爆発」がこの高エネルギーニュートリノの起源天体であると予想し、その理論計算を行いました。我々はこれまでの超新星残骸研究で開発してきた非線形粒子加速コードを極超新星残骸に応用し、高エネルギー粒子がどれだけ極超新星残骸で生成されるかを評価しました。また得られた宇宙線が銀河中心エリアに存在するガスと相互作用し、どれだけ高エネルギーニュートリノ・ガンマ線を生成するかを拡散方程式を解くことにより評価しました。得られたニュートリノの結果をIceCubeのデータと比較し、一方ガンマ線についてはGeV-TeVガンマ線観測からの制限に抵触しないか、現在慎重な解析を行いました。その結果、観測されているガンマ線のフラックスをこのモデルで満たすことは出来るが、それを説明するとニュートリノのフラックスは観測よりも桁で小さくなることが分かりました。この結果は銀河中心付近のニュートリノが系外起源であることを示唆しています。今後は更に上記で得られた成果を検討し、査読論文に投稿する予定です。本研究期間中にその論文は仕上がりませんでしたが、今後論文が受理されましたら謝辞には必ず本研究課題に言及致します。
著者
長井 隆行
出版者
電気通信大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、子供と自律で遊ぶことのできるロボットを実現するために、まずロボットの開発や子供と遊ぶための遊びモジュールの開発を行った。また、保育士と子どもの遊びを観察することで、子どもと長く遊ぶために必要な要素を検討した。その結果、子どもの表情や行動から子どもの内部状態を推定し、その結果に基づいて行動を決定するモデルを構築した。実際に幼稚園の子どもを被験者とした大規模な実験を行い、その有効性を検証した。また、ロボットと子どもの物理的な接触が関係構築に有効であることや、子どもの性格に応じたインタラクション方法があることを実験的に明らかにした。
著者
村山 良之 八木 浩司
出版者
山形大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

以下のような事業を行い,標記のテーマに関する成果を得た。(1)東日本大震災時と以後の学校等実態調査(宮城県,岩手県内) (2)2007年に仙台市立北六番丁小学校での防災教育実践の大震災経験をふまえた評価 (3)石巻市立鹿妻小学校の復興マップづくり(津波被災地の学校における防災ワークショップ) (4)鶴岡市教育委員会と共同の学校防災支援(教員研修会,学校訪問,マニュアルひな形) (5)ネパールにおける斜面災害・土石流災害に対する防災教育支援(学校防災教育支援および専門家,大学院生教育支援) (6)その他の防災教育関連の取組(数多くの講演等および山形大学地域教育文化学部での科目新設提案)
著者
三枝 聖
出版者
岩手医科大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

早期入植双翅目昆虫の入植条件の把握と寒暖境界期の死後変化と死体昆虫相について基礎的知見を得るために,寒暖境界期および長期屋外ブタ屍留置実験とブタ肉片屋外留置実験を行った。寒暖境界期のブタ屍の死後変化は膨満期がみられないまま緩徐に進行すること,死体昆虫相は晩秋および春期で共通すること,晩秋の早期入植双翅目は大型幼虫ないし抱卵成虫にて越冬している可能性が示唆されたこと,これらの結果から,死体現象や死体昆虫相から当該期の死後経過時間を推定する際には注意が必要なことが明らかとなった。また,盛夏に死体昆虫相が減少する要因として,早期入植クロバエ科の活動が鈍化することが示唆された。