著者
末藤 美津子
出版者
東京未来大学
雑誌
東京未来大学研究紀要 (ISSN:18825273)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.41-50, 2009-03-20

アメリカにおいて英語を合衆国の公用語と定めようとする運動は、1980 年代に台頭した。この英語公用語化運動の成果として、いくつかの州では英語公用語化法案が成立し、2008 年現在では、25 の州が英語を公用語と宣言している。それぞれの州における英語公用語化法案は一様ではなく、英語以外の言語への許容度に濃淡がある。本稿では、英語以外の言語を使用することへの制限が最も厳しいと言われた、アリゾナ州の英語公用語化法案に注目し、その法案の成立をめぐる経緯を整理する。そのなかで、英語公用語化運動の推進者の側と、それを阻止しようとする人々の側とで、少数言語者の言語権がどのように考えられていたのかを明らかにする。
著者
高橋 佳孝 大谷 一郎 魚住 順 余田 康郎 五十嵐 良造
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.338-344, 1988-03-20
被引用文献数
2

寒地型牧草における根滲出物の生長抑制作用の草種間差異を明らかにするため,9種の牧草を砂耕栽培している"ドナーポット"(対照区は砂のみ)からの流出液を,"レシーバポット"に砂耕栽培している牧草に定期的に灌注し,それらの生育反応を地上部乾物重によって比較した。得られた結果の概要は以下のとおりである。1. 各ドナー牧草の滲出物は同種または異種のレシーバ牧草の生育を抑制あるいは促進したが,全レシーバ草種を平均してみるといずれも抑制的で,この平均的抑制作用はペレニアルライグラスが最も高く,ルーサンが最も低かった。一方,個々のレシーバ牧草の反応をみると,オーチャードグラス,ペレニアルライグラス,レッドトップ,リードカナリーグラスおよびアルサイククローバの5草種はすべてのドナー牧草の滲出物によって生育が抑制され,また,ルーサンを除くすべての草種では,ドナー牧草9処理区の平均乾物重が対照区よりも劣った。2. マメ科牧草の滲出物を受けたレシーバ牧草の乾物重は概してイネ科牧草滲出物の処理区に比べて高く,この傾向はルーサンとシロクローバでとくに顕著に認められた。3. アルサイククローバ,シロクローバ,ペレニアルライグラスの3草種は異学種の滲出物より同一草種の滲出物によって生育をより強く阻害され,その他の草種では異なる草種の滲出物による抑制度の方がむしろ大きかった。また,異草種の滲出物に対する感受性の大きい草種ほど同一草種の滲出物に対する感受性も高いという一般的傾向が認められた。
出版者
神奈川大学
雑誌
神奈川法学 (ISSN:0453185X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.1008-1010, 2004
著者
三枝 順三 上田 雄幹 後藤 義孝 藤原 公策
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.75-80, 1978-02-25
被引用文献数
2

A total of 945 adult dogs, 572 stray and 373 nonstray ones, collected fromTokyo area, were examined for Brucella canis infection and 27 (2.9%) cases were found tohave high titered agglutinin and/or the organism. With the exception of a colony of non-stray dogs showing a positive rate of 12.77., no significant difference in positivity rates wasseen between stray and nonstray dogs. Bacteremia was detected in 12 cases out of 459cases examined, and 9 positive cases had high titered antibodies. In 9 out of 11 autopsiedcases having high levels of agglutinin or positive blood culture, the organism was isolatedfrom the spleen, Nymph nodes, liver and male genital organs with high frequency. Amongthese cases carrying the organism, high titered specific agglutinins were usually resistantto 2-mercaptoethanol treatment, while low titered agglutinins, probably nonspecific, weresensxtuve.
著者
野本 義弘 大崎 博之 井上 史斗 今瀬 真
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.458, pp.357-362, 2009-02-24

本報告は,広域・広帯域のIPネットワークの下で,遠隔ストレージとのデータバックアップ用途に適用するiSCSIプロトコルのTCPコネクション数制御機構iSCSI-APT(iSCSI with Automatic Parallelism Tuning)に関する.現在,国立情報学研究所(NII)の学術情報ネットワークSINET3では利用中に無瞬断で物理帯域を変更可能な帯域予約型サービス(通称,L1オンデマンド)をモニター公開中である.筆者らは,利用帯域の特性に応じてTCPコネクション数を自動調節可能なiSCSI-APT技術をL1オンデマンドに適用し,その効果について実測評価を行っている.現在のiSCSI-APT実装は帯域予約完了後の制御を中心に進めている.本報告では,今後,iSCSI-APTに追加予定の回線使用中の動的な帯域追従機能について,実装に先行したシミュレーションによる解析を行い,TCPコネクション数の調整を行わない方式との違いを明らかにする.その結果,TCPコネクション数を固定で利用する方式と比較してデータ転送効率が向上することを示す.
著者
堀井 俊宏
出版者
日本学術振興会
雑誌
学術月報 (ISSN:03872440)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.217-223, 2007-04
被引用文献数
1
著者
西村 桂一 北田 好男 金田 泰雄 村松 宜江 小川 一 飯島 敬 高倉 伸有
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.169-175, 1996
被引用文献数
2

四季の変動が非常に大きいわが国において, 人の肌色は四季の変化に従って変動することが推定されるが, その変化が太陽光量の増減による皮膚メラニン量の変化によるものか, 温度変化による皮膚血流の変化によるものかは, 非常に興味深い点である。<br>ある種の生物では, 季節の変動を太陽光の量で認識して, 来たる季節に備えることが知られているが, 我々はヒトには太陽光の変化により, 来たる季節に向かって皮膚血流量が変動をきたす「季節先取りプログラム」ともいうべき働きの存在を想定し, それに伴って肌色が変化すると仮定した。<br>そこで今回, 太陽光の変化曲線と一致する「東洋の季節」に従った測定時期を設定し, 色彩色差計を用いて肌色の季節変動を測定した。<br>男性の通年測定データから, 肌色の色相が「東洋の季節」に於ける春夏と秋冬で二相性に変動するという結果が得られた。またその変曲点は立春, 立秋の頃と推定された。<br>興味あることに, この変動は, 顔面等の露出部位だけでなく, 前腕や上腕のような非露出部でも認められた。この結果から, 肌色の季節変動の主原因は生体側の血流動態の変化によるもので, 外部からの直接的な光刺激に伴う皮膚メラニンの増加ではないと考えられる。この事から, 長時間人工光環境にさらされているヒトにも, 太陽光の変化を感知し, 生理反応を示す「動物」としての季節対応システムが今なお残されていることが示唆された。<br>女性においては, 頬の色相変化は男性と同様の変化を示したが, 額部では夏から冬にかけて色相値の変動はほとんど見られなかった。この違いは, 女性の日焼け防止に対する意識や行動, 性周期に伴う肌色変動などが影響しているものと考えられる。<br>今回の実験結果を, 化粧品的な立場から考えた場合, 肌色は春分, 秋分にはすでに夏型, 冬型となっていることから, 季節によって変化する肌色に合わせたメーキャップを行うためには, 東洋の季節に合わせて, 現状よりも1-2ヵ月早めに, 色号数の取り替えを行うことを提案したいと考える。
著者
白井 美穂 黒沢 香
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.114-127, 2009-10

本研究では裁判員制度の枠組みから「専門家でない人々による量刑判断の要因」について、前科情報による効果を中心に、しかし今後の研究の土台として他要因についても多角的な検討を試みた。大学生及び社会人を対象とした2つの質問紙実験の結果から、量刑判断の主な要因としては被告人の再犯可能性や事件の悪質性の推測が挙げられ、また厳罰傾向と呼べる個人変数も重要な要因であることが示された。本研究でみられた主な前科情報の効果は、被告人に前科がある場合はより再犯可能性が高く推測され量刑も重くなったこと、また呈示事件が前科から長期間経過しておりかつそれらの事件内容が類似している場合に、事件の種類に関わらず量刑が最も重くなったことが挙げられるが、量刑判断と前科情報の関連は被告人についての情報呈示のあり方によって顕著となる可能性が示された。また本研究では性犯罪である強姦致傷も含め量刑判断において性差は一貫してみられなかったが、参加者の性別とJW得点の交互作用が厳罰傾向を媒介して量刑判断に関連したことを示し、間接的に量刑へ影響を及ぼし得ることを示した。
著者
片野 修 坂野 博之
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.183-191, 2010-11-30
被引用文献数
1

オオクチバスを駆除する方法の一つとして、生き魚を用いた釣りの方法を開発した。障害物がない場所では8〜9mの振出し竿を用い、小型の浮きと45cmのハリスの付いた小型の釣針をラインに装着した。餌魚として標準体長が5〜9cmのウグイを用い、釣針が餌魚の背の前部に掛かり、しかもその針先が背から突き出るようにした。餌魚がバスに攻撃され飲みこまれてから、30〜40秒待ちその後強く合わせた。ある溜池での調査から、この釣法はルアーフィッシングより効果的にバスを釣ることができること、大型のバスを効果的に減少させられることが示された。長野県の9ヶ所の溜池や湖でウグイ、生きエビ、ミミズの3種の餌による釣れ方を比べると、大型のバスはもっぱらウグイによって釣られること、小型のバスはミミズやウグイより生きエビによって多く釣られることが明らかになった。
著者
阿南 あゆみ 山口 雅子
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.73-85, 2007-03-01

親が子供の障害を受容して行く過程に関する文献的検討を行った結果,障害の診断を受けてから,親の心の軌跡に焦点を当てた段階説と慢性的悲哀説の2説が報告されている.段階説の概略は,親が子供の障害を受容して行く過程は長期に渡り紆余曲折があるが,いずれは必ず障害のある我が子を受容するに至るとする説である.一方慢性的悲哀説は,親の悲しみは子供が生きている限り永遠に続き,子供の成長に伴う転換期において繰り返し経験され続け,悲しみに終わりはないとする説である.さらにわが国においては,2説を包括する形の障害受容モデルもあり,研究者による分析方法や解釈の仕方に違いが見られる.障害を持つ子供の支援に携わる医療者は,主たる養育者である親が子供の障害を受容して行く過程を理解し,さらに2説の枠組みだけではなく親の養育体験全体を捉えることが必要であり,今後さらなる体系的研究が望まれる.
著者
西島 隆 寺井 康夫 功刀 幸博
雑誌
山梨県果樹試験場研究報告 (ISSN:03893588)
巻号頁・発行日
no.10, pp.47-56, 2000-03

1980年頃から山梨県の主要品種である'巨峰'と'ピオーネ'に被害面積が年々拡大してきたわが国固有のブドウえそ果病について、病徴、病徴の品種間差異、検定用指標樹の選抜、自然伝搬およびエライザ検定による現地圃場での感染状況の点から実験調査した。1.5月上旬から遅れて萌芽した新梢に初期症状を認め、6月中~下旬には副梢にも発病した。新梢は節間が短縮し萎縮した。幼木時に発病すると樹勢は衰え、樹冠は拡大しなかった。ある年突然に成木樹に発病を見ることがあった。年々発病部位は拡大していった。2.葉は小さく、葉身には凸凹が見られ、黄白色のモザイク斑やリング状や稲妻状の線状斑が現れ、奇形となった。3.果実には落花直後の幼果期から濃緑色のえそ斑が果面に多数散見され、果肉内部にまで達していた。激発すると果粒は着色不良で成熟せず、果肉は硬く小粒で、商品価値は全くなかった。4.血縁関係にある'巨峰'、'ピオーネ'、'高尾'、'キャンベル・アーリー'に緑枝接ぎ接種すると、約1ヶ月後に副梢に、もしくは翌年の新梢に激しい病徴が現れた。また台木品種の'グロワール'にも明瞭な症状が現れた。これらの品種はえそ果病の検定用指標樹として有用であると考えられた。主要な既知ウイルス病検定品種には症状が現れなかった。5.発病樹の'巨峰'と'ピオーネ'を台木12品種、穂木15品種に接木接種したところ、えそ果病の発病に品種間差異が認められた。6.現地激発園跡地に植栽した無病の'巨峰'および'ピオーネ'に自然伝搬が認められた。7.自然伝搬試験をおこなった圃場およびその周辺圃場のブドウ樹のエライザ検定によって、無病徴品種には陽性反応を示した樹があり、えそ果病に潜在感染していた。樹齢別調査から、えそ果病は園外からの持込みでなく'デラウェア'から'巨峰'や'ピオーネ'に改植する以前に汚染していた可能性もあると考えられた。また'ピオーネ'、'巨峰'は感染樹にもかかわらず、無病徴新梢はエライザ検定が陰性で、病原ウイルスの不連続分布が考えられた。
著者
まつもと ゆきひろ
出版者
日経BP社
雑誌
日経バイト (ISSN:02896508)
巻号頁・発行日
no.245, pp.115-122, 2003-10

コンピュータはソフトウェアがなければただの箱です。そしてコンピュータを動かすソフトウェアは誰か人間が書いたものです。そのソフトウェアを書く時に使うのは日本語でも英語でもなく,コンピュータが分かる人工言語を使います。これがプログラミング言語です。 みなさんもプログラミング言語の一つや二つ,名前くらいはご存じでしょう。