著者
前河 正昭 Huygens Oscar C. Carr Meghan M.
出版者
長野県自然保護研究所
雑誌
長野県自然保護研究所紀要 (ISSN:13440780)
巻号頁・発行日
no.3, pp.61-65, 2000
被引用文献数
1

1999年9月10日に長野市内でツキノワグマ1個体(メス、成獣)を捕獲、お仕置き、放獣し、ラジオテレメトリーによる行動圏調査を開始した。同年12月25日現在、最外郭法で求めた行動圏は2.86km2となり、標高460m~890mの中山間地域(里山地域)に限られていた。環境選好性はアカマツ群落、落葉果樹園で高く、カラマツ植林で低かった。なお、捕獲場所の果樹園は行動圏には含まれていなかった。
著者
谷地 俊二 大高 明史 金子 信博
出版者
日本土壌動物学会
雑誌
Edaphologia (ISSN:03891445)
巻号頁・発行日
vol.90, pp.13-24, 2012
参考文献数
45

神奈川県鎌倉市にある冬期湛水型の有機農法水田における水生ミミズ類の種組成,個体数密度,バイオマスを,冬季を除いた2010年6月から2011年5月まで調べた.水生ミミズ類の種構成は8種類からなり,他の水田や富栄養湖に優占するL.hoffmeiteriとB.sowerbyiが優占していた.鎌倉水田における水生ミミズ類の個体数密度は2,822m^<-2>であり,似た種構成を記録した北日本(50,000m^<-2>)やフィリピン(8,200m^<-2>)の水田と比べ低かった.また,渓流性のE.yamaguchiiが生息していた.
著者
乾 彰夫 佐野 正彦 堀 健志 芳澤 拓也 安宅 仁人 中村 高康 本田 由紀 横井 敏郎 星野 聖子 片山 悠樹 藤田 武志 南出 吉祥 上間 陽子 木戸口 正宏 樋口 明彦 杉田 真衣 児島 功和 平塚 眞樹 有海 拓巳 三浦 芳恵 Furlong Andy Biggart Andy Imdorf Christian Skrobanek Jan Reissig Birgit
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は、代表者らグループが2007~2012年度に実施した「若者の教育とキャリア形成に関する調査」を踏まえ、①そのデータの詳細分析を行い、現代日本の若者の大人への移行をめぐる状況と課題を社会に公表すること、②他の先進諸国の同種データと比較することで日本の若者の移行をめぐる特徴と課題を明らかにすること、の2点を研究課題とした。①に関してはその成果を著書『危機のなかの若者たち』(東京大学出版会、410 頁、2017年11月)として刊行した。②に関しては海外研究協力者の参加の下、イギリス・ドイツ・スイスとの比較検討を行い、2017年3月国際ワークショップ(一般公開)等においてその結果を公表した。
著者
松本 道子 石川 彰彦
出版者
社団法人 繊維学会
雑誌
繊維学会誌 (ISSN:00379875)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.229-232, 2012 (Released:2012-10-11)

Kusakizome is a collective term of Japanese traditional dyeing technologies using naturally-occuring pigments. For green dyeing of a cloth in Kusakizome , two methods have been mainly utilized : (1) the combination of indigo blue and yellowish flavonoids, and (2) chlorophyl green coupled with a copper salt as a color fixative. We have demonstrated useful methods for green dyeing which features the use of anthocyanin blue with alum mordant under the weak basic condition coordinating with natural yellow pigments. Various anthocyanin-containing plants or flowers could be utilized for the green dyeing and the operative simplicity is highly attractive. Some factors for solidity of the green cloth in the method were also evaluated.
著者
若林 芳樹
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.20, 2007

<BR>1.はじめに<BR> 2005年に日本地理学会地理教育専門委員会が発表した世界地理認識調査(以下,学会調査と略称)は,マスコミをはじめとして大きな反響を呼び,地理教育の重要性を社会にアピールするのに一定の役割を果たしたことは間違いない.しかしながら,これまでその結果についての詳しい検討はなされていない.この調査で対象になった世界の国々の位置認知は,地理教育だけでなく空間認知研究の対象としても過去の研究の蓄積があるが,それらの成果をふまえて結果を吟味することは,地理教育の課題や対策を考えるのにも役立つと考えられる.そこで本研究は,空間認知研究の立場から,(1)位置認知の正答率を規定する要因として高校での地理の履修がどの程度重要なのか,(2)誤答の傾向や原因は空間認知の一般的性質によってどのように説明できるか,について世界地理認識調査の結果を精査した.<BR>2. 用いたデータと国の位置認知の傾向<BR> 学会調査と同じ質問紙を用いて筆者も独自に法政大学経済学部の地理学の受講者256名(大部分が1~2次年生)を対象にして,2005年4月の授業中に実施した.具体的には,地図上に番号で示された30カ所のうち,名称が示された10カ国がどれに当たるかを選んでもらうという課題である.これと併せて,高校での地理の履修,地理に関わりの深い事項への関心,地図利用度,性別などについても質問した.<BR> 国別の正答率を集計したところ,全体的に学会調査の結果よりやや低いものの,相関係数は0.988とかなり高いことから,解答パターンはきわめて類似していることがわかる.<BR>3.国の位置認知に影響する要因<BR> 国の位置認知については,地理教育分野やSaarinen (1973)をはじめとする空間認知分野での数多くの研究例があり,その一般的な傾向も知られている.それらの知見と学会調査の結果は概ね整合しており,アフリカやアジアの国々に対する知識の乏しさが表れている.<BR> 学会調査では,位置認知の正答率に影響する要因として高校での地理の履修が指摘されており,筆者の調査結果でも,全体的に地理履修者の方が正答率もやや高い傾向はあるものの,5%水準で有意差が認められたのはギリシャだけであった.また,解答者ごとの正答数を求め,地理の履修の有無による平均値の差の検定(t検定)を行ったが,5%水準で有意差はみられなかった.このことから,高校での地理の履修が国の位置の認知に決定的な影響を与えているとはいいきれない.そこで,地理に関係の深い「旅行」,「鉄道などの乗り物」,「登山」,「地図」に対する興味の有無を尋ねた結果と正答率との関係を調べた結果,半数以上の国について統計的に有意差がみられたのは,地図に対する関心の有無であった.ただし,地図に関心があると答えた70人のうち,53%の学生は高校で地理を履修していなかった.このことは,地図・地理に興味や関心を抱く生徒の多くが高校で地理を履修する機会を逸していることを示唆する.<BR>4.誤答の傾向からみた空間的知識の性質<BR> 誤答の傾向を検討するために,国ごとに最も多い誤答例を集計すると,ウクライナ,ギリシャ,ケニアを除いて,いずれも正答の国に隣接する国の位置を解答していた.つまり,誤答した解答者でも,およその国の位置は理解しているといえる.これは,空間的知識が階層的に組織されているという従前の空間認知研究の知見によって概ね説明できる.<BR>5.おわりに<BR> 筆者の調査から得られた結果は,学会調査の結果と概ね一致するものの,正答率を規定する要因については,学会調査とはやや異なる解釈となった.また,誤答にみられる傾向は,空間認知研究の知見によってある程度説明できる.これは空間認知研究,の成果を地理教育の評価や改善に応用できる可能性を示唆している.
著者
齋藤 忠夫 北澤 春樹 川井 泰 西村 順子
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

ヒト大腸に棲息するプロバイオティクスに対して、とくに硫酸基とシアル酸に対する腸管付着性の高い有用細菌を探索する方法を構築し、実際に多くの微生物を単離してライブラリー構築に成功した。大腸ムチンの血液型別に結合する血液型乳酸菌に続いて、世界で初めて血液型ビフィズス菌も発見した。実際に潰瘍性大腸炎(UC)の発症候補菌であるフソバクテリウム・バリウム(バリウム菌)が血液型抗原を認識結合することを発見し、血液型乳酸菌を投与することで腸内での競合阻害により原因菌を排除する予防医学的な可能性を見出すことが出来た。
著者
米田 英嗣 市村 賢士郎 西山 慧 西口 美穂 渡邊 智也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第32回全国大会(2018)
巻号頁・発行日
pp.3D2OS7b02, 2018 (Released:2018-07-30)

物語を読むことは、物語に記述された世界、登場人物が経験する出来事を疑似的に体験することであり、読者の脳の中で行われる現実世界のシミュレーションとも言える (米田, 2010; Mar & Oatley, 2008)。本研究では、小説を読むことによって社会的能力の向上がみられるかどうかを、教育介入前のプレテスト、介入直後のポストテスト、介入一ヵ月後のフォローアップテストを用いて検討した。小説読解トレーニングにおいて、ストレンジストーリー課題で心情理解の成績が向上したのに対し、アニメーション課題では、介入の効果が出なかったことから、近転移のみが見られることが明らかになった。社会的能力は、小説読解をトレーニングをしたときのみ向上することがわかった。本研究から、プレ・ポストデザインを用いた小説読解トレーニングによる社会的能力向上の長期的効果を明らかにした。
著者
高藤 清美 上野 寛仁 根本 純一 金子 正夫
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
日本科学教育学会年会論文集 35 (ISSN:21863628)
巻号頁・発行日
pp.454-455, 2011-08-23 (Released:2018-05-16)
参考文献数
4

バイオ光化学電池は、バイオマス(バイオ系廃棄物を含む)と光を組み合わせることで、バイオマスを分解し、さらに電気エネルギーを取り出すことのできる、新しいタイプの光化学電池である。バイオマスの分解・浄化とエネルギーの生成を同時にできることから、資源・エネルギー教材として興味深いものがある。バイオ光化学電池は様々なバイオマスを使用することが可能であるため、それぞれの結果を定量的に比較することで、資源・エネルギーに対する考え方を深めることができると期待できる。本研究では、教室での定量的な実験のために必要となる、光源の検討、出力電力の評価方法の検対等をおこなった。発表では実演をおこなう予定である。
著者
冨二原 伸弘
出版者
香川高等専門学校
雑誌
香川高等専門学校研究紀要 (ISSN:21852391)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.75-80, 2015-06

現在、科学研究費挑戦的萌芽研究において「古典文学シミュレーター」の制作を行っている。この論文は、制作決定までの概要と制作における現状及び問題点について報告したものである。