著者
Sho Ohno Wakako Hori Munetaka Hosokawa Fumi Tatsuzawa Motoaki Doi
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
The Horticulture Journal (ISSN:21890102)
巻号頁・発行日
pp.OKD-099, (Released:2017-08-04)
被引用文献数
7

Bicolor flowering dahlias are a group of cultivars that produce inflorescences with bicolored petals characterized by a colored basal part and a white tip. However, they frequently produce single-colored petals, even if they are vegetatively propagated. In a previous study, strong relationships between inflorescence color and leaf phenotype were observed in a red–white bicolor flowering dahlia ‘Yuino’; red petal-producing individuals accumulate flavonoids in leaves, whereas only bicolor petal-producing individuals tend not to accumulate them in leaves. Flavonoids in leaves are assumed to be chalcones. In this study, we investigated flavonoids in the leaves of ‘Yuino’ by nuclear magnetic resonance analysis and identified six caffeoyl esters, four flavonol derivatives, and three novel butein derivatives in the flavonoid-rich leaves of ‘Yuino’. The three novel compounds were butein 4',4-O-di-[2-O-(β-glucopyranosyl)-β-glucopyranoside], butein 4'-O-[2-O-(β-glucopyranosyl)-β-glucopyranoside]-4-O-β-glucopyranoside, and butein 4'-[6-O-(3-hydroxy-3-methylglutaryl)-β-glucopyranoside]-4-O-β-glucopyranoside. On the other hand, only caffeoyl esters were detected in flavonoid-poor leaves. These data demonstrated that flavonoid-rich leaves accumulated the flavonoids of butein and flavonol derivatives. The common enzyme for the biosynthesis of butein and flavonol derivatives is chalcone synthase; thus, the importance of chalcone synthase for phenotypic lability in ‘Yuino’ was confirmed.

2 0 0 0 OA 琴譜

著者
手登根順寛 編
出版者
寿栄堂
巻号頁・発行日
vol.下巻, 1895
著者
前杢 英明
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.112, no.Supplement, pp.S17-S26, 2006 (Released:2007-06-06)
参考文献数
45
被引用文献数
2 4

高知から室戸岬にかけての土佐湾北東部の海岸に沿って,標高数百m以下に海成段丘がよく発達している.特に室戸岬に近い半島南部では,段丘面の幅が広くなり,発達高度がより高いことから,切り立った海食崖と平坦な段丘面のコントラストが印象的であり,海成段丘地形の模式地として地理や地学の教科書等に頻繁に取り上げられてきた.本コースの見どころは,室戸沖で発生する地震性地殻変動と海成段丘形成史とのかかわりについて,これまでの研究成果をふまえて,傾動隆起などを実際に観察できることにある.さらに,ここ数千年間の地震隆起様式について,地形・地質学的証拠と測地・地球物理学的な見解に相違点があることを,現地を見ながら確認できる.
著者
関 裕也 松本 直人 隆島 研吾 関 貴子
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.334-337, 2006-10-20 (Released:2018-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
4

本研究の目的は「学生が満足する実習指導因子」を明らかにすることである。理学療法学科夜間部の学生を対象に,実習指導に関するアンケート調査を実施した。調査内容は「実習指導への満足度」と,満足度との関連が予測される実習指導要素13項目である。分析手法は,まず13項目の実習指導要素について因子分析を実施し,それにより抽出された因子と「実習指導への満足度」との相関係数を構造方程式モデリングにより求めた。分析の結果,「肯定的・支持的指導」と「積極的・成長促進的指導」の2因子が抽出された。「実習指導への満足度」と各因子はいずれも高い正の相関関係にあった。また両因子間にも正の相関が認められた。これより「学生が満足する実習指導因子」には上記2因子があり,かつ両因子を兼ね備えることで,より満足度の高い実習指導につながることが明らかとなった。
著者
阿部 文快
出版者
日本高圧力学会
雑誌
高圧力の科学と技術 (ISSN:0917639X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.119-127, 2008-05-20 (Released:2008-06-03)
参考文献数
51
被引用文献数
3 2

There have been innovative high-pressure studies on biological processes applying modern techniques of genetics and molecular biology in model microorganisms such as bacterium Escherichia coli and yeast Saccharomyces cerevisiae. Recent advanced investigations in this field have been systematically done in the genome-wide level to identify genes and proteins required for microbial growth and survival under high hydrostatic pressure. This article is an overview of studies on the effect of high pressure on microbial physiology and the challenges in piezophysiology, which has been proposed to discover whether the responses of living cells to high pressure are relevant to their growth and viability.
著者
前久保 博士 松嶋 喬 長瀬 清 小林 紀夫 大屋 隆介 白井 修 柏木 道彦 大谷 宣人 平井 堅博 武田 茂 田村 康史 上畠 泰 洞田 克己 武田 良一 小林 正伸 小山 稔 吉田 義一 山崎 康夫 斉藤 永仁 吉田 純一 白石 忠雄 岡田 文彦
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.20, no.9, pp.912-918, 1979
被引用文献数
1

肝予備能力判定のための検査法として注目されつつあるグルカゴン負荷後の血漿cAMP濃度の経時的変動な観察した,グルカゴンは生理食塩水に溶解後1μg/kgな経静脈的に投与し,投与前,10, 15, 20, 30分後に採血し血漿cAMP濃度を測定した.健康成人,回復期の急性肝炎,慢性肝炎,肝硬変とも負荷10分後に血漿cAMP濃度は最高となり以後漸次低下した.空腹時血漿cAMP濃度は健康成人に比べて肝硬変で高く,慢性肝炎でも高い例が多かったが,各症例の差が大きく診断的意義は少なかった.グルカゴン負荷後の血漿cAMP濃度は,肝硬変で10分後健康成人に比べて上昇は少なかったがその差は有意でなく,また慢性肝炎では健康成人に比べて高い例が多かった.したがってグルカゴン負荷10分後の血漿cAMP濃度の空腹時濃度に対する比を算出すると肝硬変では健康成人に比べて有意に低く慢性肝炎では高かったので,両疾患の鑑別に本試験が有用と考えられた.
著者
山田 航
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 社会科学篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; SOCIAL SCIENCES (ISSN:03850048)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.153-170, 2018-03-31

本稿は,介護人材の需給ギャップが拡大している中,近年軽視され始めている介護保険制度の課題に再度注目し,介護人材の不足が発生する要因を分析するとともに,その解消に向けた適切な政策を検討することを目的としている。具体的には,介護保険制度の導入による制約を反映した簡易な経済モデルを用いて介護報酬改定の影響について分析した。 本研究で得られた主な結果は,第一に,介護報酬改定による賃金の改善は,短期的には雇用の増加や,サービス供給の増加を達成するかもしれないが,長期的には,その効果が維持されないことが示された。第二に,介護市場の需給ギャップ解消のためには,介護サービス供給をシフトさせる政策が必要であることが示された。第三に,需給ギャップの解消に向けた政策として労働生産性の向上,及び労働供給を全体として増加させることの2つのうち,労働供給の増加を進めたほうが,より高い政策効果が得られることが示された。
著者
Heerajnarain Bulluck Viviana Maestrini Stefania Rosmini Amna Abdel-Gadir Thomas A Treibel Silvia Castelletti Chiara Bucciarelli-Ducci Charlotte Manisty James C. Moon
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.487-494, 2015-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
82
被引用文献数
37 65

Cardiovascular magnetic resonance is a well-established tool for the quantification of focal fibrosis. With the introduction of T1 mapping, diffuse myocardial processes can be detected and quantified. In particular, infiltration and storage disorders with large disease-related changes, and diffuse fibrosis where measurement is harder but the potential impact larger. This has added a new dimension to the understanding and assessment of various myocardial diseases. T1 mapping promises to detect early disease, quantify disease severity and provide prognostic insights into certain conditions. It also has the potential to be a robust surrogate marker in drug development trials to monitor therapeutic response and be a prognostic marker in certain diseases. T1 mapping is an evolving field and numerous factors currently preclude its standardization. In this review, we describe the current status of T1 mapping and its potential promises and pitfalls. (Circ J 2015; 79: 487–494)
著者
曽我 麻佐子 鈴木 卓治
雑誌
じんもんこん2018論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.315-320, 2018-11-24

蒔絵万年筆は,照明などの光や湿度によって劣化するものがあり,恒常的な展示に適さない.また,細かい柄等が肉眼で見えにくいといった問題もある.本研究では,博物館の来館者に蒔絵万年筆をより細かいところまで自由に鑑賞してもらうことを目的として,HMD とペン型デバイスを用いた万年筆の展示支援システムを開発した.本システムでは,HMD 用いてVR 空間に表示した万年筆の3DCG を,ペン型デバイスで操作して鑑賞することができる.直感的に万年筆を操作するために,ペン型デバイスに搭載したジャイロセンサから検出した角速度をもとに,万年筆の3DCG を回転させている.また,HMD を装着した状態で複数の万年筆から一つを選んで簡単に切替えられるようにするため,HMD の画面の中心にカーソルを表示することで,頭の動きのみで鑑賞する万年筆を選択することが可能である.開発したシステムは,国立歴史民俗博物館の企画展において8 週間運用した.来館者の評価により,本システムのコンセプトの有用性を確認した.
著者
SOLAIMAN Zakaria M.
出版者
Field Science Center, Graduate School of Agricultural Science, Tohoku University
雑誌
Journal of Integrated Field Science (ISSN:24344761)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.8-17, 2018-10

Symposium paper Part 1: Function and management of soil microorganisms in agro-ecosystems with special reference to arbuscular mycorrhizal fungi
著者
町田 夏雅子 石川 ひろの 岡田 昌史 加藤 美生 奥原 剛 木内 貴弘
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.65, no.11, pp.637-645, 2018-11-15 (Released:2018-12-05)
参考文献数
17

目的 東京五輪開催決定後,国内外で受動喫煙規制強化を求める声が増え厚生労働省が対策強化に取り組んでいる。本研究では受動喫煙規制に関する新聞報道の現状と傾向を内容分析により明らかにし,行政側の報告書との比較から課題を示すことを目的とした。方法 分析対象は全国普及率が上位の3紙(朝日・読売・毎日)の2013年9月7日から2017年3月31日までに発行された東京本社版の朝刊と夕刊で,キーワードとして「受動喫煙・全面禁煙・屋内喫煙・屋内禁煙・建物内禁煙・敷地内禁煙」を見出しか本文に含む記事のうち,投稿記事および受動喫煙規制に関係のない記事を除いた182記事である。規制に対する肯定的記載および否定的記載に分けた全37のコーディング項目を作成した。また行政側が発表した内容を記事が反映しているかを考察するため,平成28年8月に厚生労働省が改訂発表した喫煙の健康影響に関する検討会報告書(たばこ白書)より受動喫煙に関する記載を抜き出し,コーディング項目に組み入れた。結果 コーディングの結果,記事数の内訳はそれぞれ肯定的107,否定的7,両論併記50,その他18であった。両論併記のうち否定意見への反論を含むものが14記事(28%)であり,反論の内容は主に「屋内禁煙による経済的悪影響はない」,「分煙では受動喫煙防止の効果はない」という記載であり,いずれもたばこ白書に明示されている内容であった。結論 受動喫煙規制に関する新聞記事は,規制に肯定的な内容の一面提示が最も多く,最も読み手への説得力が高いとされる否定意見への反論を含む両論併記の記事は少数であったが,社説においては両論併記の記事が一定数認められた。もし新聞が受動喫煙規制に対して賛成なり反対なり何らかの立場を持つのであれば,記者の意見を述べる社説において,反対意見への反論を含む両論併記を行えば,社説の影響力が高まるかもしれない。また,報道が不十分と考えられるトピックも見られ,受動喫煙規制に関する新聞報道の課題が示唆された。
著者
内田 早紀子 松村 敦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2018-CE-147, no.9, pp.1-5, 2018-11-24

2020 年度から小学校でプログラミング教育が必修化される.暗記型のプログラミング教育では,小学生がプログラミング的思考を習得することは困難とされている.そこで,小学生にとって身近な日常の活動を題材としたプログラミング的思考育成ツールを開発した.小学校 2 校で利用実験と評価を行ったところ,プログラミング的思考の向上の効果が異なった.これは,プログラミング的思考の評価方法の違いが大きく影響している可能性がある.また,ファシリテーターの教え方に差があったため統制された評価になっていないことも一因と考えられる.アンケートでは,参加者の約 8 割の子供から楽しく学習でき,ツールは使いやすかったと回答があり,本ツールは小学生が利用するのに適している事がわかったが,約 3 割が難しいと感じていた.子供たちの理解に合わせた動きや事象と問題のレベルの設定については,再度検討する余地がある.
著者
中尾 七重
出版者
文化学園大学
雑誌
文化女子大学紀要. 服装学・造形学研究 (ISSN:13461869)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.39-49, 2011-01

歴史的建造物の建築年代はこれまで建築史研究において様式編年の手法を用いて調べられてきた。重要文化財等の文化財指定においても建築物の歴史的評価においても建築年代は重要な建築情報である。編年法は優れた方法であるが,編年の最初の時期設定や調査遺構数が少ない場合などの弱点も存在する。絶対年代によって相対年代法である編年を補う方法として,年輪年代法と放射性炭素年代測定法の紹介を行う。そして放射性炭素年代測定法の原理(<14>^の生成と壊変,生命体の<14>^C取り込み),高精度化をもたらしたAMS(Accelerator Mass Spectrometry)法,暦年較正法と暦年較正曲線(IntCal),ウィグルマッチ法(wiggle-matching)について解説する。放射性炭素年代測定法を建築史研究において使いこなすために,測定対象の選定,測定部再の選定と試料採取の方法,解析グラフの見方を説明し,放射性炭素年代測定法が建築史研究に益する研究方法であることを述べる。
著者
森 裕亮
出版者
北九州市立大学国際教育交流センター
雑誌
北九州市立大学国際論集 = CIEE journal, the University of Kitakyushu (ISSN:13481851)
巻号頁・発行日
no.15, pp.1-18, 2017-03

この論文は、外国人の訪日旅行とアニメ聖地巡礼の関係、特にアニメ聖地巡礼がいかに訪日旅行の動機となるのか、その需要動向とアニメ聖地巡礼の特色を通じて、地域とツーリズムの観点からその展望を明らかにする。アニメ聖地巡礼は日本国内では流行語大賞候補となるほど注目されているが、各種データからは、外国人の訪日動機にアニメをあげる人はそれほど多くなく、需要も低下傾向にある。その意味で、アニメ聖地巡礼には訪日外国人数の面で期待することは難しい。ただし、地域とツーリズムという観点からは、一定層がファンとしてセグメントを形成している可能性からも、聖地巡礼を目指して日本にやってきたコアな外国人ファンと地域の人々とが交流し、訪日リピーターとして地域の人々とのネットワークを形成するという、量より質の局面を展望すべきである。