著者
モリネロ・ジェルボー ヨアン 上野 貴彦
出版者
都留文科大学
雑誌
都留文科大学研究紀要 = 都留文科大学研究紀要 (ISSN:02863774)
巻号頁・発行日
no.97, pp.227-255, 2023-03-01

要旨 ここ数十年の間に、グローバルな「中核」で農作業を行う移住労働者が増加している。世界エコロジー論(世界=生態論)の提唱者たちは、この現象が食料価格を安定的に抑制するためのシステム戦略であり、資本主義の蓄積段階を支える柱としての食料生産のあり方を規定していると指摘する。そこで本稿は、この理論を米州・欧州・アジア太平洋地域の国際比較から検証する。公式統計に基づく分析の結果、20世紀半ばから顕在化した構造的変化としての農業労働の「移民化」が、不可逆的かつ全球的に進んでいることが明らかになった。訳者解題 本稿は、欧州における移民研究の主要拠点のひとつであるコミージャス教皇庁立大学移民研究所(スペイン・マドリード)のヨアン・モリネロ・ジェルボー常任研究員による、農業における外国人移住労働者の増加という先進国共通の趨勢に関するスペイン語論文(Molinero-Gerbeau, Y.( 2020). “La creciente dependencia de mano de obra migrante paratareas agrícolas en el centro global. Una perspectiva comparada.” Estudios Geográficos ,81(288).https://doi.org/10.3989/estgeogr.202046.026)の日本語訳である(日本語タイトルは訳者による)。農業分野は、日本における人口減少と少子高齢化を背景とした外国人労働者の受け入れをめぐる議論における主要領域をなす一方で、移住労働研究と農村・地域研究の接続は、日韓の比較研究(熊谷ほか 2022; 深川・水野編著 2022)が本格化してきたところであり、より広い視野に立った国際比較は今後の課題となっている。そのため、同テーマについて世界各国の公式統計を渉猟し、米州・欧州・アジア太平洋地域という広範な領域を見渡したグローバルな現状分析を行なっている本稿の学術的価値は高い。 加えて本稿は、資本主義と自然の関係をグローバルにとらえるためのパラダイムとして近年注目される「世界エコロジー(World-Ecology) 論(世界=生態論とも訳される)」の視角を導入している。世界エコロジー論は、グローバルな「不等価交換」に注目して世界的な資本主義の発展をとらえた I. ウォーラーステインの世界システム論を発展させつつ、その労働力への関心の偏りを自然への注目によって修正したものである。本稿はこれにのっとり、グローバルな「中心」に位置する国々がみな移住労働者への依存(農業労働の「移民化」)の度合いを高めていることを、食料価格を安定的に抑制するための政治闘争における戦略、そして資本蓄積を支える食料生産をめぐる重要な規定要因として、長期持続的な自然と資本主義の相互依存過程のなかにとらえている。20世紀半ばから顕在化した農業労働の「移民化」が、農業生産と人の移動の双方にとって周辺的な事例ではなく、むしろ農業と移民をめぐる不可逆的かつ全球的な構造的変化の核をなすという本稿の議論は、日本を含む東アジアにおける農業・移民・資本主義といったテーマについて考えるうえでも極めて示唆的である。 なお翻訳にあたり、日本語圏での議論の紹介に適さない原注をすべて取り除き、新たに補足すべき事項について訳注を加えている。この訳者解題と訳注の参考文献については、本稿末尾を参照されたい。
著者
上野 行一
出版者
日本・美術による学び学会
雑誌
美術による学び (ISSN:24356573)
巻号頁・発行日
vol.3, no.4, pp.1-20, 2022-12-03 (Released:2022-12-04)

中教審答申(2021)を受け、STEAM教育の政策立案や教育課程の策定、そして試行的な実践が各地で始まっている。しかし我が国においては、STEAM教育はもとよりその前身であるSTEM教育に関しても、国の教育政策上は十分に触れられてこなかったという経緯があり、STEAM教育の実施については混乱や理解の偏りが見られる。とりわけSTEAMのAの捉え方とSTEAM教育の教育課程上の位置付けについては様々な考え方があり、議論を呼んでいる。 本研究では、STEM及びSTEAM教育の発祥国である米国の教育省や全米教育委員会、全米教育庁芸術教育担当理事会等の公的機関におけるSTEAM教育の解釈を分析した。その結果、STEAMのAは芸術教科であり、教育課程上は芸術教科とSTEM教科が共通のテーマに沿い、教科のスタンダードに基づいた学習であることを明らかにした。その上で、今後の我が国におけるSTEAM教育の在り方について言及した。
著者
上野 哲
出版者
独立行政法人 国立高等専門学校機構 小山工業高等専門学校
雑誌
小山工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:02882825)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.66-72, 2021 (Released:2022-02-20)

The purpose of this paper is to analyze the true sense and background of our school motto, "Pursuing to be an engineer of integrity (Gijutsusha de aru mae ni Ningen de are)". To achieve this purpose, we will take following two measures: firstly, analyzing the result of questionnaires about the motto to our students; and deciphering the principal's address on our school opening ceremony in 1965 with the concept of "Man of Science" by Thomas Huxley and the theory of "I and Thou" by Martin Buber.
著者
上野 俊彦
出版者
ロシア・東欧学会
雑誌
ロシア・東欧学会年報 (ISSN:21854645)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.29, pp.1-11, 2000 (Released:2010-05-31)
参考文献数
52

The author analyzes President Putin's career in the first chapter of this paper. The analysis shows that President Putin has two different backgrounds. One of them - that he was with the Soviet intelligence organ, KGB - is well known. The other is that he used to be part of the economic bureaucracy of St. Petersburg. These two disparate backgrounds are a sign ficant part of Putin's identity. Indeed, most of the executives in the President's office, as well as the Cabinet members andplenipotentiary representatives of federative regionsthat President Putin appointed, have careers similar to Putin's. This is a defining characteristic of the Putin administration.Furthermore, the author points out that one of the important features of Putin's political style is that he manipulates political, national and traditional symbols or images. One example is that at the time of the presidential election he emphasized his image of“a powerful leader”along the lines of Peter the Great, Alexander I, Stalin, and so on. Even after his inauguration as President this manipulation of symbols has continued. For example, he has enacted laws concerning the national flag, the national anthem and the national crest, which are legacies not only of the tradition of Imperial Russia but also of the Soviet Union. With such symbols, President Putin evokes nationalistic and patriotic enthusiasm among people and he has succeeded in mobilizing the support of the people.In the second chapter of the paper, President Putin's regional policy based on a revival of“a powerful state”is discussed. His regional policy is, in short, the strengthening of centralization or the vertical administrative system within the federal state. He demands that local legislation conform to the federal constitution and laws. Moreover, he has changed the procedures for forming the Upper House and has begun to weaken the authority of the Upper House. He has also tried to reduce the governors' authority. Moreover, plenipotentiary representatives of federative regionshave been sent out in order to strengthen central control over regions. President Putin is seeking to build a“strong Russia”through these regional policies.
著者
大澤 剛士 上野 裕介
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.257-265, 2017 (Released:2017-08-03)
参考文献数
21

要旨: 研究成果を実際の現場、例えば保全活動や自然再生事業、インフラ整備における環境アセスメント等の実務において活用してもらいたいというのは、応用分野に興味を持つ生態学者の望みである。しかし、現実には研究成果、少なくとも日本生態学会関係者の研究が現場に反映されている例は決して多くない。なぜ、生態学者の思いは片思いになってしまうのだろうか?研究と実務の間にあるギャップは何なのか?本論説は、研究と実務の間にあるギャップ(Research-Implementation Gap)と、その原因、それを埋めるために生態学者ができることについて、筆者らを含む行政、民間、研究者から構成される勉強会のメンバーで議論してきた内容を論じる。さらにはそれらをふまえ、演者ら、生態学に軸足を置きながら実務に近い現場で研究をしている立場から考えた課題解決に向けた鍵と、その実現に向けた今後の展望を議論する。
著者
小林 まおり 上野 佳奈子
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.212-220, 2017-04-01 (Released:2017-10-01)
参考文献数
8

本研究では,ホールにおけるフルート演奏音の聴感印象について,楽器の個性としての遠鳴り・そば鳴りの観点から検討した。実験では,ステージと客席で同時に収録した8本のフルートの演奏音を3次元音場再現装置で実験参加者に呈示し,各楽器についてそば鳴り・遠鳴りの評価を求めた。その際,遠鳴り・そば鳴りの定義や重視する聴感印象についてインタビュー調査を行った。その結果,定義については通説と概して一致するものの,評価時の着眼点は個人差があることが分かった。各フルートの評価は着眼点に応じて異なっていたが,比較的多数の実験参加者に遠鳴り・そば鳴りと評価された楽器については音圧レベル,及び倍音構造において共通の傾向がみられ,主観的評価との対応が確認された。
著者
宮戸 美樹 上野 行良
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.270-277, 1996-10-28 (Released:2010-07-16)
参考文献数
14
被引用文献数
16 14

In this study, we constructed a scale to measure individual preference for supportive humor, and examined whether the preference related to mental health. Two samples of female undergraduates cooperated with survey studies. In the first, a scale was constructed to measure preference for supportive kinds of humor, and relationships were examined between its score, hardiness to negative events, and depression, together with preference for other types of humor identified in a previous study (Ueno, 1992). In the second, the reference was correlated with hedonistic attitudes and private self-consciousness. Main findings were as follows: (1) Of the three types of humor (aggressive, playful, and supportive), only preference for supportive humor correlated with depression. (2) Hedonistic attitudes correlated with preference for each of the three types. (3) Private self-consciousness correlated only with preference for supportive humor.
著者
上野 雄己 日高 一郎 福留 東土
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.419-423, 2022-05-20 (Released:2022-06-22)
参考文献数
18

本研究の目的は,中等・高等教育での議論経験と市民性の関連を検討することである.分析対象者は都内中等教育学校の卒業生392名である.カテゴリカル因子分析の結果から,市民性尺度は政治への関与行動とコミュニティへの関与行動の2因子9項目から構成された.次に,社会人口統計学的要因を共変量とした媒介分析の結果から,市民性の下位尺度である政治への関与行動,コミュニティへの関与行動ともに,中等教育での議論経験が直接的に関連する経路と,高等教育での議論の成功経験を介して,間接的に関連する経路が確認された.
著者
渡邊 浩之 魚住 信泰 川崎 三紀子 反町 千里 村田 英紀 高雄 泰行 上野 秀之 藤澤 和彦 笠原 成彦 浜 英永 井上 富夫 橋本 佳明
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.287-289, 2006 (Released:2009-01-19)
参考文献数
10
被引用文献数
2

症例は47歳,男性.5年前に血糖の軽度高値を指摘されたが放置していた.入院2週間前より口渇感が強くなり,1週間前には含糖清涼飲料水を約5,000 ml飲むようになっていた.食欲不良と倦怠感が増悪し,意識混濁状態が出現したため入院となった.血糖2,531 mg/dl, HbA1c 12.4%, 血清ナトリウム98 mEq/l, K 7.1 mEq/l, Cl 60 mEq/l, 血清クレアチニン1.56 mg/dl, 尿素窒素40.9 mg/dl, 尿ケトン体(-), 動脈血pH 7.349, HCO3-21.1 mmol/l, 血漿浸透圧407 mOsm/kgH2O(計算値346 mOsm/kgH2O)より高浸透圧性非ケトン状態と診断した.生理食塩水とインスリン静脈内投与により高血糖,低ナトリウム血症が是正され入院翌日には意識清明となった.本症例は著しい高血糖,低ナトリウム血症および浸透圧ギャップが認められた興味ある症例と考えられた.
著者
上野 恵子 西岡 大輔 近藤 尚己
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
pp.21-070, (Released:2021-10-29)
参考文献数
29

目的 近年,生活保護制度の被保護者への健康管理支援の重要性が指摘され,施策が打たれている。本研究は,2021(令和3)年に全国の福祉事務所で必須事業となった「被保護者健康管理支援事業」に対して福祉事務所が抱える期待や懸念,および国・都道府県への要望を明らかにすることを目的とした。方法 2019年11月,機縁法により選定された23か所の福祉事務所に,質問紙調査を依頼した。質問紙では,健康管理支援事業の実施に際して期待する点ならびに懸念する点,国・都道府県から受けたい支援を自由記述で回答を求めた。次いで2019年11月から2020年2月にかけて,福祉事務所でヒアリング調査を実施した。ヒアリング調査では,質問紙項目に記載が不十分な回答,回答の補足事項や不明点を調査票の内容に沿って聞き取りを実施した。結果 16か所の福祉事務所から調査票の回答およびヒアリング調査の承諾を得た(同意割合69.6%)。福祉事務所担当者は健康管理支援事業が被保護者の健康意識・状態を改善し,被保護者のみならず他住民への取り組みとしても実施されることを期待していた。また,困難を感じている点として,実施体制の構築,事業の評価指標・対象者の設定,保健医療専門職の確保が示唆された。国・都道府県への要望としては,評価指標・基準の提示,標準様式の提供,参考となる事業事例の紹介,福祉事務所間や地域の他の関係機関との連絡調整,情報共有の場の提供,財源の確保などが挙げられた。結論 健康管理支援事業の円滑な実施を推進するためには,自治体と国ならびに都道府県が連携を深めるとともに,重層的な支援体制の構築が求められている。
著者
須藤 元喜 上野 加奈子 大野 洋美 植田 章之 豊島 晴子 矢田 幸博
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.33-38, 2010-05-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
20
被引用文献数
1

Many infants wear paper diapers during the gait-forming period. We measured electromyography during walking in 10 infants under 3 conditions, and analyzed the motion: naked, wearing a paper diaper, and wearing a paper diaper containing physiological saline. The gait test was repeated in the same infants after 4 months to investigate changes in the influence of paper diapers. In the first test, the muscle burden was not significantly increased by wearing a paper diaper alone, but that on the biceps femoris was significantly increased by a paper diaper containing saline. In the second test 4 months later, the burden on the biceps femoris due to a paper diaper and that containing saline were significantly decreased. Motion analysis detected the minimum distance between the bilateral knees was significantly broadened when wearing a diaper containing saline in the second test.
著者
上野 善道
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.44-62, 2012-04-30

After defining an N-pattern accent as a system where only N oppositions exist irrespective of the length of the accentual unit, I examine four characteristics cross-dialectically and argue that: (1) The accentual unit is a bunsetsu, which is found pandialectally; (2) Serialization basically holds true for the system, but not, when a noun has an accent kernel specified from the end of the word; (3) Both the compound accent rule to the effect that the accent of a compound inherits the accent of its first member, and accent pattern congruity in conjugation have many exceptions. Both depend on how the dialect underwent historical changes, at least in Mainland Japanese. Finally, the histories of two-pattern accent systems in Kyushu and three-pattern accents in Oki-no-shima are considered.
著者
松元 美里 古賀 夕貴 樋口 汰樹 松本 英顕 西牟田 昂 龍田 典子 上野 大介
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.51, no.5, pp.319-322, 2020
被引用文献数
3

<p>近年,残香性を高めることを目的としたマイクロカプセル化香料の使用が一般化している.本研究ではハウスダストから甘いにおいを感じることに着目し,におい嗅ぎガスクロマトグラフィー(GC-O)を利用した"におい物質"の検索を試みた.分析の結果,ハウスダストと柔軟剤から共通したにおい物質が検出され,香料がマイクロカプセル化されたことでハウスダストに比較的長期間残留する可能性が示された.</p>
著者
全 雲聖 上野 重義
出版者
九州大學農學部
雑誌
九州大学農学部学芸雑誌 (ISSN:03686264)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.p185-194, 1987-03

日韓併合を契機に本格的に始められた土地調査事業は,その後における日本の韓国に対する収奪のための基礎作業だった.土地調査事業は日本人地主の急激な増加,韓国農民の没落をもたらした.しかも日本資本主義の発達過程における資本の蓄積のために韓国農民が犠牲にされたという側面が強かった.すなわち,土地調査事業が終了した1920年からは日本国内の食糧不足のため,いわゆる「産米増殖計画」等を通ずる収奪が形容できない程の厳しさで進められた.戦後,韓国農業の展開をめぐる研究過程で戦前の地主制に対する解明があらためて問題にされ,土地調査事業の果たした役割が何だったのか,とくに土地所有の近代化とは何かが問われている.土地調査事業は韓国における近代的土地所有制形成の契機となったといえよう.それはすでに形成されつつあった地主的土地所有に立脚し,それを促進するものであった.しかし端緒的に形成されつつあった農民的土地所有は地主的土地所有によって押し流されてしまったのである.しかし,地主的土地所有も近代的土地所有の一形態であり,土地調査事業はたしかに土地所有に関する限り近代化を達成した.しかしそれは旧支配階級が土地所有者へ転化されることによって形成された地主制であり,封建的諸関係を色濃く残していた.この旧い諸関係は植民地的収奪のもとで一層強く現われたのであった.つまり,支配者にとっては被支配社会の近代的改編が問題ではなく,支配に役立つように編成するのが目的とされるからである.土地調査事業によって形成された地主的土地所有,農民を貧窮の中におとしこんだ地主的土地所有はいずれは農民的土地所有によっておきかえられるべきものであった.解放後の農地改革によって,初めて耕作農民が現実に土地所有者になる農民的土地所有が成立することになったのである.