著者
村田 弥栄子 山本 多恵 大場 郁子 中道 崇 中山 恵輔 太田 一成 宮澤 恵実子 清元 秀泰 上野 誠司 大友 浩志 佐藤 博 伊藤 貞嘉 宮崎 真理子
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.357-362, 2012-04-28 (Released:2012-05-29)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

2011年3月11日に発生した東日本大震災では,宮城県の広い範囲,特に東部沿岸地域は津波による市街地の流失,電気,上水の供給停止,通信の途絶など,大きな被害を受け,災害拠点病院への救急患者集中,通院手段の確保困難,生活環境の悪化が生じ,被災地外での支援透析を要した.災害支援透析において,被害が大きい依頼側に,通常の臨時透析と同レベルの情報提供を求めることは,災害支援の基本概念に沿わない.また,支援側は,業務増大の中で初診の多数の透析患者の診療を行わなければならないが,過酷な環境から避難してきた透析患者への対応は,平時とは異なる視点が必要となる.そこで,われわれは震災後に多人数の入院支援透析を行うにあたり,災害時透析入院クリニカルパスを作成し使用した.クリニカルパスの運用によって,避難患者の容態把握を共通化,標準化することが可能で,二次避難先への引継ぎにも利用した.過去に例をみない大災害であったが,このクリニカルパスの活用は災害時入院支援透析における診療に有用であったので,ここに報告する.
著者
上野 成三 高山 百合子 前川 行幸 原条 誠也
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1261-1265, 2003

従来のアマモ移植は多大な労力を要する播種法や株植法により実施されているのに対して, 播種・株植が不要な新しいアマモ移植手法を提案する. 本手法は, 天然のアマモ場に敷設したマット上にアマモ種子を自然発芽・定着させ, このマットを本移植地へ移設するものである. 本手法の実証実験として, 英虞湾立神浦でマットの敷設実験と移設実験を実施した. マット敷設実験ではマット上に1000本/m<SUP>2</SUP>以上の高密度でアマモが定着し, 天然アマモ場からの種子の自然落下によるアマモマットの形成が実証できた. 一方, マット移設実験では天然アマモ場に比べて移設先でのアマモの生長が鈍化した. これはマット移設時の根の損傷が原因と考えられ, 今後の課題となった.
著者
上野 久和 正道寺 勉
出版者
The Japan Joint Automatic Control Conference
雑誌
自動制御連合講演会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.48, pp.94-94, 2005

人間が楽曲からコード進行を導き出すためには,感性と音楽知識がなければ正確なコードを決定することはできない.最近では主旋律と伴奏の2種類の情報源があれば,ある程度のコード進行は検出可能である.しかし,主旋律のみからのコード進行の検出は,コードの組合せが何通りもあるため,理想のコード配置は難しいとされている.そこで,本研究ではフィボナッチ数列を取り入れたコード進行の配置アルゴリズムを提案する.
著者
小森 憲治郎 谷向 知 数井 裕光 上野 修一
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.55-63, 2014-09-30 (Released:2014-11-26)
参考文献数
39

Semantic dementia (SD) is a neurodegenerative disorder featured selective loss of semantic memory associated with a focal atrophy of the anterior temporal lobes. The aim of this study was to describe the clinical features of SD and to propose a coping method as a care for the patients with SD. Difficulties in naming and recognition of words with surface dyslexia on kanji-word reading [gogi-aphasia] are the most prominent symptoms in the patient with the left-dominant temporal lobe atrophy, while misidentification of familiar persons [prosopagnosia] and/or misunderstanding of visual objects [associative agnosia] is the characteristic of the patient with the right-dominant temporal lobe atrophy. Either symptom, however, rather appeared common in almost every SD patient from longitudinal perspectives of progressive amodal semantic impairment. Then the persistent stereotypies at an early stage of the disease turned into prominent and huge destructive behavior and psychological symptoms of dementia (BPSD). Quality associated way of care for patients with SD, early exposure to daily cognitive skill training utilizing preserved abilities and stepwise application to the care-services is essential.
著者
上野 善道
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.42-54, 2000-04-28

The aim of this paper is to describe some characteristics of the accents of the Amami dialects, as compared with those of Mainland Japanese dialects. The following points are discussed with concrete examples: (1) there is great variation among the dialects, (2) many dialects have multi-peak patterns, (3) N-pattern accent systems are dominant, with multi-pattern accent systems found as well, and (4) there are various kinds of accentual alternations. The historical aspects of Amami accent are also sketched: (5) I propose proto-categories for accent, and (6) three types of origins for accent are found and discussed. Lastly, I propose that the traditional analysis of syllable structure must be revised to capture the general nature of accentual alternations.
著者
上野 一
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
図書館学会年報 (ISSN:00409650)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.p37-44, 1978-03
著者
井上 俊輔 加藤 久幸 飯塚 康治 山脇 正雄 櫻井 克仁 上野 勇武 小泉 徹 樋山 拓己 浅羽 哲朗 須川 成利 前田 敦 東谷 恵市
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.37-41, 2001
参考文献数
6
被引用文献数
9 5

一眼レフディジタルカメラ用, APS-Cサイズ総画素数325万のCMOSイメージセンサを開発した。画素サイズは10.5μm^□で, 埋め込み型フォトダイオードと4つのトランジスタより構成した, 完全電荷転送構造を採用し, 列毎に設けたノイズ除去回路で画素リセットノイズと固定パターンノイズを低減した。0.35μmルールCMOSプロセスをセンサ向けに専用化したプロセスを用い, 暗電流密度60pA/cm^2(60℃), ランダムノイズ0.27mVrms, 消費電力250mWを達成した。
著者
上野 奨太 中島 駿平 岡田 洋平 中村 潤二 喜多 頼広 庄本 康治
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.40 Suppl. No.2 (第48回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.48100660, 2013 (Released:2013-06-20)
被引用文献数
1

【はじめに、目的】 直流前庭電気刺激(Galvanic vestibular stimulation: GVS)は耳後部から経皮的に前庭系を直流電気刺激する神経生理学的手法である。GVSの電極配置を両側乳様突起とし,直流電流を通電することにより陽極側への身体傾斜が誘発される。近年,GVSは治療手段としても利用され,両側乳様突起間でのGVSにより,パーキンソン病の体幹側屈や脳卒中後の半側空間無視の軽減効果についての報告も散見される。またパーキンソン病の前屈姿勢異常に対しGVSを実施し,立位時の体幹屈曲角度が改善したとする報告では,両側乳様突起と隆椎棘突起両外側間を刺激している。健常人を対象に両側乳様突起間へのGVSが立位姿勢制御に与える影響についての報告は数多く存在するが,両側乳様突起と隆椎両外側間へのGVSが立位姿勢制御に与える影響についてはほとんど検討されていない。本研究の目的は両側乳様突起と隆椎両外側間でのGVSを健常人に対して実施し,GVSの極性と刺激強度が前後方向の立位姿勢制御に与える影響について検討することとした。【方法】 対象は内耳疾患,てんかんの既往歴および体内に金属を有する者を除外した健常若年者10名(男性6名,女性4名,22.1±0.3歳)とした。対象者の肢位は重心動揺計(G-6100,アニマ)上における閉眼閉脚立位とした。電極を両側乳様突起と隆椎両外側に左右二対貼付し,重心動揺計と同期した電気刺激装置(SEN-8203,日本光電)により7秒間の矩形波を用いて電気刺激を行った。刺激条件は2種の極性(乳様突起陽極,乳様突起陰極)と3種の刺激強度(1.0,1.5,2.0mA)を組み合わせた計6条件とし,各条件は被験者ごとにランダムな順序で別日に実施した。測定項目は7秒間のGVS時の足圧中心(center of pressure:COP)の偏位方向および最大偏位距離とした。各条件において6試行実施し,COPの最大偏位距離は6試行の平均値を代表値とした。統計解析は同一極性による刺激強度間でのCOPの最大偏位距離の差をFriedman検定の後,Wilcoxon符号付順位和検定を用いて検討した。 Friedman検定の有意水準は5%,Wilcoxon符号付順位和検定の有意水準は1.6%とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は畿央大学研究倫理委員会の許可を得た上で実施した。全対象者に実施前に本研究の趣旨と目的を十分説明し,自署による同意を得た。なお,本研究はヘルシンキ宣言に基づき,被験者の保護には十分留意して実施した。【結果】 乳様突起陽極では全ての刺激強度において10名全員のCOPは刺激中に後方へ偏位し,乳様突起陰極では1.0mAで10名中9名,1.5mA,2.0mAで10名中8名のCOPが前方へ偏位した。乳様突起陽極条件では,刺激強度間でCOPの最大偏位距離に有意差を認め,2.0mAは1.0mAと比較してCOPの最大偏位距離が有意に大きかった(P=0.0069)。乳様突起陰極条件では刺激強度間のCOP最大偏位距離に有意差は認められなかった。また,めまいや嘔気,強い痛み等の副作用を訴える者はいなかった。【考察】 GVSの極性を乳様突起陽極,隆椎外側陰極にすることによりCOPの後方偏位を,乳様突起陰極,隆椎外側陽極にすることによりCOPの前方偏位を誘発可能であり,乳様突起陽極のGVS時のみ刺激強度依存的にCOPの後方偏位が増加した。両側乳様突起間のみでのGVSは刺激強度に依存して陽極方向へ身体傾斜も強まると報告されており,これはGVSが耳石器を刺激して左右方向への加速度感覚が発生したためと考えられている。今回の乳様突起と隆椎外側間のGVSにより耳石器への刺激方向が変化し,COPの偏位は前後方向への加速度感覚が生じたことによると考察する。さらに極性変更により相反する方向への加速度感覚が発生し,刺激後のCOPの偏位が逆方向になったと考えられる。GVSによる刺激強度依存的なCOPの後方偏位の増加は,刺激強度増加に伴い耳石器における活動電位が強くなったためと考察する。GVS後のCOPの前方偏位に刺激強度依存性がなかった原因は,前足部のメカノレセプターの分布密度が踵部より高く,立位前方傾斜時には前庭感覚よりも体性感覚依存度が高い可能性がある。今後乳様突起,隆椎両外側へのGVSを臨床適用していくには,刺激時の筋活動,肢位による反応の差異,長時間介入による持続効果について検討する必要がある。【理学療法学研究としての意義】 両側乳様突起と隆椎両外側へのGVSでは,極性を変化させることにより前方あるいは後方への姿勢誘導が可能であり,後方誘導には刺激強度依存性があることが明らかになった。パーキンソン病の前屈姿勢異常などに対してGVSを治療手段として利用する際の刺激方法を考慮する一助となると考えられる。
著者
上野 健爾 稲見 武夫
出版者
一般社団法人日本物理学会
雑誌
日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.43, no.10, pp.785-794, 1988-10-05
著者
松田 晃一 上野 比呂至 三宅 貴浩
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.1675-1683, 1999-10-25
被引用文献数
36

最近のコンピュータ技術とネットワーク技術の進歩により,サイバースペースを実現するための基盤が整ってきた.このような環境の中,3Dのマルチユーザ仮想空間の実用化研究がなされ,参加したユーザが同じ仮想空間内で同じ体験を共有できるメディアとして実現されてきた.今後の重要なステップとしては,このメディアを仮想社会にまで昇華させることである.我々は,これまで開発してきたCommunityPlaceシステム上に,パーソナルエージェント指向の仮想社会PAW(Personal Agent World)を構築し,数百人の同時アクセス,数千人の延べアクセスを目標とした大規模仮想社会の実験を行ってきた.PAWは,アバタとテキストなどによるコミュニケーションという従来の仮想空間のもつ機能に加え,ユーザと一緒に行動する犬型のパーソナルエージェント,社会的・環境的なインフラストラクチャをもつ仮想社会である.本論文では,PAWのインターネット上での公開実験に関して,その設計方針,ユーザプロファイル,特性,コミュニティについてその結果を報告し,今後の課題について考察する.
著者
上野 矗
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学人間科学研究紀要 (ISSN:13471287)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.25-33, 2006-01-31

経験的現象学的方法から涙に関するこれまでの研究を通じて、勘が質的な意味分析法に基礎的かつ重要な認識方法として注目されてきた。勘は、人間科学の方法として直感的方法のひとつとして位置づけられるからである。黒田亮によれば、勘は覚=Comprehensionを、竹内によれば、第六感を意味する。勘は、黒田亮の心的立体感(psychical stereoscopy)、また黒田正典の人のゲシュタルト化された経験の総体の重心にある。筆者は、これを相反し合う経験の統合点にみる。いずれにもせよ、勘は、二分思考法にではなく、統合的思考法に依拠している。こうした意味及び実践の実際からも、勘は、臨床心理学の方法論上有意義で重要な認識方法と位置づけられる。と同時に、なお一層の検討が要請されよう。
著者
上野羊我 編
出版者
吉岡平助
巻号頁・発行日
1896