著者
石塚 伸夫 外崎 好洋 鈴木 千晶 別所 芙美子 伊藤 和彦 島 香端 巧 好雄 山岡 真二 中島 俊一 永井 修 笈沼 正子 大石 正広 山下 俊明 山田 薫 塚原 等 永友 秀樹 竹内 智 白柳 雅義
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.119-124, 1997

胃部検査後のバリウム(以下Ba)排泄状態をドック受診者にアンケート調査し,その結果を日常排便状態別にグループ分けし,それぞれのグループにて下剤服用量・服用時間とBa排泄との相互関係を把握した。そしてその結果を受診者に提示し,受診者が下剤服用方法を選択できるよう検討した。
著者
橋本 公雄 丸野 俊一 徳永 幹雄 西村 秀樹 山本 教人 中島 俊介 杉山 佳生 藤永 博
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

本研究は、運動・スポーツで経験されるドラマチックな体験が、青少年の生きる力にどのような影響を及ぼしているのかについて、質的および量的側面から検討することを目的とした。ここでは、ドラマチック体験を「練習や試合を通して体験した心に残るよい出来事や悪い出来事を含むエピソード」と定義し、試合場面における、たとえば逆転勝利などの劇的な瞬間だけでなく、普段の練習の過程でもみられる様々なエピソードも含めて捉えることとした。また、生きる力は、ライフスキルの概念と類似しているため、量的側面の分析では、スポーツドラマチック体験の学校生活におけるライフスキルに及ぼす影響を分析した。質的研究は、大学生(一般学生と体育部学生)を対象に、自由記述およびインタビューによって、どのような場面でドラマチックな体験が生じているのか、またその体験が心理、社会、身体、および生活上にどのような影響をもたらしたかを分析した。その結果、ドラマチック体験として、成功体験、失敗体験、試合体験、出会い体験、克服体験、課題遂行体験、役割遂行体験などが抽出され、心理的(自信や意欲)、身体的(技能向上)、社会的(協力や他者への思い)、人生・生活観(将来の見通しや人生観)にポジティブな影響を及ぼし、ドラマチック体験が生きる力に寄与していることが明らかにされた。また、ドラマチック体験尺度(Inventory of Dramatic Experience for Sport : IDES)の開発を試み、「努力の積み重ねへの気づき」「技術向上への気づき」「対人トラブルによる自己反省」の3因子、13項目からなる尺度を作成した。ドラマチック体験(独立変数)と学校生活スキル(従属変数)との関連では、時間的展望、QOL,自己効力感を媒介変数とする共分散構造分析を行い、モデルの検証をした。さらに、本研究では運動・スポーツ活動ばかりではなく、自然体験なども生きる力には関連するものと思われ、グリーンツーリズムや野外キャンプにおけるコミュニケーションに関しての考察を行った。
著者
中島 俊克
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.435-442, 2007

近年フランスでも,環境史への関心が高まってきているが,ここにきて成果の刊行が相次いだ。その一端を以下に紹介することとしたい。自然環境の歴史というのは元来,きわめて長期にわたる微細な変化を対象とする分野で,地質学者・考古学者が活躍する舞台となっていたが,環境考古学がここ数十年の間に長足の進歩を遂げたことから,まず古代史家・中世史家が,ついで近現代を専門とする歴史家までもが多数参入するに至った。このあたりの事情はフランスでもあまり他国と変わらないが,そうした流れが地理学研究の伝統と結びついているのが,あえて言えばフランスの特色であろう。よく知られているように,フランスの歴史研究とくに社会経済史研究は元来,歴史地理学と密接な関係を有しており,筆者を含む経済史家の多くは自然地理学者と手を携えながら仕事をしてきた。現代の環境問題を反映させた研究を経済史家が行おうとするとき,この関係は大いに役立つこととなったのである。こうした伝統を受け,フランスの環境史研究はわずかな間に,ここで紹介するのが不可能なほど大量の地域モノグラフィを生み出してきた。そうしたモノグラフィの蓄積をふまえ,それらを一望の下に見渡そうとする総合の試みも出現し始めている。論文集や研究集会記録の刊行,包括的な性格の著作の出現,史料案内の編纂などである。それらのうちから,筆者がとくに重要と考えるものを以下にとりあげる。
著者
西郷 達雄 中島 俊 小川 さやか 田山 淳
出版者
日本行動医学会
雑誌
行動医学研究 (ISSN:13416790)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.3-10, 2013 (Released:2014-07-03)
参考文献数
40
被引用文献数
5

本研究では、東日本大震災における災害医療支援者の派遣後約1.5ヶ月時点でのPTSD有症状者の把握、および侵入的想起症状に対するコントロール可能性と外傷後ストレス症状との関連について検討することを目的とした。本研究の仮説は、侵入的想起症状に対するコントロール可能性が高い者は外傷後ストレス症状が低く、逆にコントロール可能性が低い者は外傷後ストレス症状が高いとした。東日本大震災に伴い長崎大学から各県に派遣された災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team: DMAT)、救援物資輸送支援、被ばく医療支援、地域医療支援に従事した災害医療支援者54名に対して、フェイスシートを含む、外傷後ストレス症状、および侵入的想起症状に対するコントロール可能性の測定を実施した。派遣後約1.5ヵ月時点でのPTSD有症状者は0名であった。侵入的想起症状に対するコントロール可能性と外傷後ストレス症状との相関分析の結果、コントロール可能性と外傷後ストレス症状を測定するIES-R-J合計得点、およびIES-R-Jの下位因子である侵入的想起症状得点、過覚醒症状得点との間に有意な負の相関が認められた。侵入的想起症状に対するコントロール可能性の高低による外傷後ストレス症状の差を検討したところ、コントロール可能性低群では、コントロール可能性高群と比べてIES-R-J合計得点および、侵入的想起症状得点、過覚醒症状得点が有意に高かった。本研究の結果から、侵入的想起症状に対するコントロール可能性が外傷性ストレス症状に対して抑制的に働くことが示唆された。
著者
中島 俊思 岡田 涼 松岡 弥玲 谷 伊織 大西 将史 辻井 正次
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.264-275, 2012-09-20 (Released:2017-07-28)
被引用文献数
1

本研究では,発達障害児の保護者における養育スタイルの特徴を明らかにすることを目的とし,定型発達児の保護者との比較および子どもの問題行動,保護者の精神的健康との関連について検討した。対象者は発達障害児の保護者139名であり,質問紙調査によって,養育スタイル,子どもの問題行動(SDQ),子どものADHD傾向(ADHD-RS),保護者の抑うつ(BDI-II),睡眠障害(PSQI-J)を測定した。その結果,養育スタイルについては,発達障害児の保護者と定型発達児の保護者とで差がみられ,発達障害児の保護者においては,肯定的関わりや相談・つきそいの得点が低く,叱責,育てにくさ,対応の難しさが高い傾向がみられた。また,子どもの問題行動やADHD傾向が高いほど,肯定的関わりや相談・つきそいが低く,叱責,育てにくさ,対応の難しさが高い傾向がみられた。精神的健康については,肯定的関わりや相談・つきそいは抑うつ,睡眠障害と負の関連を示し,叱責,育てにくさ,対応の難しさは正の関連を示した。以上の結果から,発達障害児の保護者における養育スタイルの特徴が明らかにされた。最後に,養育スタイルに対する発達臨床的な介入の必要性について論じた。
著者
大井 瞳 中島 俊 宮崎 友里 井上 真里 堀越 勝
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.2, pp.119-126, 2021-05-31 (Released:2021-11-17)
参考文献数
35
被引用文献数
1

国連サミットで掲げられた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の保健分野においてはあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが目標に掲げられている。SDGsで重視されている「誰一人取り残さない」という点においては、遠隔での認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)が有効な手段となりうる。遠隔CBTは、感染症の拡大、セラピストの不足といった理由で対面のCBTを受けることが困難な場合にもCBTの提供が可能となる手段である。一方で、遠隔CBTが主流となることによって、心理療法提供の適用から外れてしまう人、すなわち、取り残される人が生じるおそれがある。本稿では、遠隔CBTの適用が難しいケースとその支援について、(1)デジタルデバイド、(2)クライエントの病態や障害、(3)緊急対応、の3点から述べた。遠隔CBTの役割と限界を認識したうえで、「誰一人取り残さない」よう心理的援助を提供することの重要性が示唆された。
著者
国里 愛彦 高垣 耕企 岡島 義 中島 俊 石川 信一 金井 嘉宏 岡本 泰昌 坂野 雄二 山脇 成人
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.21-31, 2011

本研究は、環境中の報酬知覚について測定する自己記入式尺度の EnvironmentalReward Observation Scale (EROS) 日本語版を作成し、信頼性と妥当性の検討を行うことを目的とした。大学生と専門 学校生を対象に調査を行い、414名(男性269名、女性145名;平均年齢18.89±0.93歳)を解析対象 とした。探索的・確認的因子分析の結果、日本語版EROSは1因子構造を示した。信頼性において、 日本語版EROSは十分な内的整合性と再検査信頼性を示した。項目反応理論による検討を行った結果、 広範囲な特性値において測定精度の高いことが示された。日本語版EROSは、抑うつ・不安症状や行 動抑制傾向との負の相関、行動賦活傾向と正の相関を示した。不安症状を統制した場合、日本語版 EROSはアンヘドニア症状との相関が最も強い値を示した。以上より、日本版EROSの構成概念妥当 性が確認された。
著者
井之口 昭 中島 俊之 宮崎 純二
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.111, no.3, pp.87-90, 2008 (Released:2009-06-03)
参考文献数
4

嗅覚障害の診断には従来より静脈性嗅覚検査が用いられてきた. 検査は肘静脈から一定の手技で行うため, 再現性のある一定の匂い刺激になっていると考えられてきた. しかし, 実際に匂い強度を連続的に測定してみると必ずしも一定の匂い刺激ではなかった. 現在の実施方法では, 70%の例では匂い強度が1回だけピークを形成するパターンをとり, 残りの30%の例では複数回の強度ピークを形成することがわかった. そこで一定かつ再現性のある匂い刺激を模索するために注射液の量や注入時間を変化させて最適の注入方法を検討した. すると, アリナミン原液2mlを生理食塩水10mlに希釈し, 全体で12mlの液を40秒かけて注射する方法が全例で1回ピークパターンをとり, 最適の方法であることが判明した. 自覚的な匂い強度もガスセンサで測定した他覚的な匂い強度も原法とほぼ同じであった. 新注射法のもう1つのメリットとして血管痛の副作用が全くないことが挙げられる. アリナミン原液の強酸性が生理食塩水で薄められたためと思われる.嗅覚障害の治療にはステロイド点鼻療法が推奨されてきたが, その投薬コンプライアンスについてはほとんど関心をもたれてこなかった. 特に老人や頸椎疾患患者では懸垂頭位をとることは不可能である. そこで安楽かつ簡便に行える点鼻頭位を検討するため, 屍体頭部をさまざまな角度に倒立させて点鼻液が鼻内のどの部位に到達するか実験を行った. すると懸垂頭位では後屈角を90度ないし100度にしないと嗅裂に点鼻液が到達しないことがわかった. 懸垂頭位で点鼻を行う場合は鼻橋に沿って点鼻すれば後屈角80度でも嗅部に液が到達することもわかった. より患者に負担が少なく, 確実に嗅裂に点鼻液が到達する姿勢として枕なし側臥位を考案した. この頭位・姿勢で点鼻することにより簡便・安楽に投薬コンプライアンスを良好に保つことができた. 嗅覚障害治療にあたっては詳細に点鼻姿勢を指導することが重要である.
著者
中島 俊彦 鈴木 信彦
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会大会講演要旨集 第52回日本生態学会大会 大阪大会
巻号頁・発行日
pp.602, 2005 (Released:2005-03-17)

ある特定の花に選択的かつ連続的に訪花する行動を一貫訪花という。モンシロチョウには一貫訪花とランダム訪花の2つの訪花パターンがみられることが知られている。野外では花蜜をめぐる多くの競争者がいるため、蜜のある花とない花が存在する。したがって、モンシロチョウは報酬の得られる確率により一貫訪花を行うか否かを決定している可能性が考えられる。そこで本研究では花の蜜含有確率がモンシロチョウの訪花パターンに及ぼす影響について調査した。 蜜含有確率の異なる実験区(A;100%、B;50%、C;25%、D;12.5%)を設け、黄色と青色の人工花を交互にそれぞれ8花ずつ配置したケージ内でモンシロチョウの訪花行動を観察した。訪花した花の報酬の有無や訪花する花色の推移を記録し、Bootstrap法によりその個体の訪花パターンを解析した。 実験区A,Bでは同色花推移率が高く、一貫訪花をする個体が多くみられた。実験区C,Dでは同色花推移率は比較的低く、ランダム訪花をする個体が多くみられた。一貫訪花をした個体とランダム訪花をした個体が経験した蜜獲得確率はそれぞれ62.3%と16.4%であった。また、一貫訪花した個体とランダム訪花をした個体のどちらも蜜のある花に訪花した後は高い確率で同色花に訪花した。一方、蜜のない花に訪花した後の異色花へ訪花する確率(switching率)は一貫訪花をした個体で9.2%、ランダム訪花をした個体で48.2%であった。また、異色花へのswitchingの意思決定にはそれまでの訪花履歴(蜜獲得率や蜜のない花への訪花頻度など)は関与していないことが判明した。これらのことからモンシロチョウは報酬が得られれば同色の花に訪花するというルールに基づいた訪花をしていることが示唆された。よってモンシロチョウは蜜含有確率の高い花では一貫訪花をする確率が高く、効率よく採餌をしていると考えられた。
著者
中島 俊樹
出版者
大阪大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

1990年頃京都大学数理解析研究所の柏原氏により発見された結晶基底の理論と、1991年にロシアの数理物理学者フレンケルとレシェティヒンにより発見されたq-頂点作用素の理論は量子群、格子模型、共形場理論などに特に大きな影響を及ぼした。申請者は、結晶基底を記述するために柏原氏により導入された柏原代数に対しq-頂点作用素の類似物を定義しその2点関数が、いわゆる量子R行列と一致することを示した。申請者の目的としては、2点関数のみならず、Nが2より大きい場合にN点関数の具体的な記述を与えるということがあった。申請者は、まず、柏原代数に対するq-頂点作用素の双対的な描写として現れる、変形された量子群の結晶基底の構造をリー環sl_2の場合に明らかにした。そこでは、変形された量子群の結晶基底が、道空間表示としうものを用いて、最も単純な2次元アファイン結晶のテンソル積のアファイン化の無限直和の形で表されることを示した。これは、フレンケルとレシェティヒンのq-頂点作用素の理論を用いて、京都大学の神保氏らによって解析されたXXZ模型の場合の結晶基底による描写のある種の極限に相当することが分かった。これらをもとにして、N点関数の具体的な記述に対しては、R行列の積に関係したものであるという予想が立つが、これは今後の大きな課題である。R行列の解析は、現在なお世界中の多くの研究者達が追求する大きなテーマであり、量子R行列が柏原代数に付随したq-頂点作用素と深い関係をもつということは、量子R行列に新しい解釈を与えたと言え、他のR行列の解析に役立つものと期待できる。
著者
柏原 正樹 西山 亨 行者 明彦 三輪 哲二 岡田 聡一 黒木 玄 寺田 至 小池 和彦 山田 裕史 谷崎 俊之 中島 俊樹 中屋敷 厚 織田 孝幸
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

この科研費による計画においては、リー群・量子群・へッケ環などの表現論を数理物理学・組合わせ論との関係から研究した。以下、各年次における活動を記す。初年度(1997)においては、特にRIMS project1997(等質空間上の解析とLie群の表現)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、等質空間という幾何的観点にたった実Lie群の表現の研究に焦点をあてた。海外からのべ約40名の参加者があり国際的な共同研究・研究交流の場が提供できた。この成果は、Advanced Studies in Pure Mathematics,vol.26に発表された。1998年は、RIMS project 1998(表現論における組合わせ論的方法)とタイアップして計画を遂行した。このプロジェクト研究では、海外からのべ約25名の参加者があり、量子群・アフィンへッケ環の表現論と組合わせ論を中心にして計画を行った。1999年は、国際高等研究所と数理解析研究所において"Physical Combinatorics"の国際シンポジュウムを開催し、数理物理と関連して研究を行った。量子群の表現論、Kniznik-Zamolodhikov方程式とそのq-変形の解の性質や共形場理論の研究を推進した。その成果は、"Physical Combinatorics,Progress in Math,vol.191,Birkhauserに発表された。2000年度は、計画の最終年として"数理物理における表現論および代数解析的方法の応用"を中心とする研究成果の発表を目的として、"Mathphys-Odyssey 2001"という国際シンポジュウムを開催した。この会議録は、Birkhauser出版から出版される予定である。
著者
永井 昌寛 山本 勝 横山 淳一 藤本 明伸 中島 俊朗
出版者
一般社団法人 日本医療情報学会
雑誌
医療情報学 (ISSN:02898055)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.239-250, 2002 (Released:2017-08-14)
参考文献数
14

歯科分野においてIT(情報)化の推進を効率よく効果的に進めていくためには,歯科医師のIT化に関する意識を把握し,その状況に応じたIT化を計画的に進めていく必要がある. そこで,本論文では,愛知県の歯科医師に対しIT化に関する意識実態調査を実施し,とくに,情報機器の利用状況,歯科診療所のIT化に関する意識状況,および,歯科医師会事務局のIT化を分析テーマとして今後のIT化に向けて考察を行うとともに,調査結果からシステム工学的な立場でIT化推進に向けての課題を述べている. この調査結果から,①歯科診療所のIT化の必要性の認識は,歯科医師が高齢になるほど低くなる,②歯科診療所のIT化の目的あるいは期待される効果として,サービス内容の充実を重視している,および,③歯科医師会事務局のIT化の必要性の認識は,役員の方が非役員に比べて高い,等がわかった.