著者
伊藤 信成 中川 友博
出版者
日本地学教育学会
雑誌
地学教育 (ISSN:00093831)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.49-72, 2016

<p>2014年10月8日に起きた皆既月食をデジタルカメラで撮影し,その画像を用いて三重県内の都市の相対位置関係を求めるという試みを行った.この試みは,地上の位置関係が天球上に反転して投影されるという視差の特徴を利用したものである.都市の位置推定のためには,観測地点間での微小な月の視差を検出することが必要であり,県内各地で撮影された月食画像を集める必要がある.皆既月食当日,三重県内は曇天であったが,市民からの協力も得て県内各地から500枚以上の画像が集まり,そのうちの122枚が解析可能な画像であった.解析の結果,三重県の6都市のうちの3都市における月の視差を5″以下の精度で求めることができ,月食画像から推定した都市の位置は既存地図とほぼ一致した.この結果は月食画像を用いて県という狭い範囲内の都市位置を求めることが可能であることを示すものである.</p>
著者
中川 仁
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.274-283, 2009
参考文献数
36

植物は光合成によって太陽エネルギーを最も効率よく利用している生物である。すなわち、大気中の二酸化炭素(CO2)と大地の水(H2O)を原料にし、太陽エネルギーによって炭水化物(CH2O)と酸素(O2)を作り出すことができる。ここで生産された炭水化物を燃料として燃焼しても、原料として用いたCO2が大気中に放出されるため、基本的に大気中のCO2量は増加しない計算になり、これをカーボンニュートラルと呼ぶ。これが、化石燃料をバイオマス燃料で代替することによる大気中CO2の削減が期待されている理由である。しかし、ここで植物を栽培するプロセスが重要であり、植林なしに単に山の木を伐採して燃料利用するだけであれば化石燃料を浪費する行為と大差はない。バイオマス生産を行うことそのものがカーボンニュートラルであることを忘れてはならない。ここ1、2年のバイオマス燃料に対する関心の高まりは目を見張るものがある。農林水産省においても2007年度から「地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発」プロジェクト研究が開始した。このプロジェクトは、国産バイオ燃料の利用促進を図るために、サトウキビ、テンサイ(甜菜)、バレイショ(馬鈴薯)、カンショ(甘藷)およびソルガムを原料にしたバイオエタノール生産コストを大幅に削減する技術を開発し、実用化することが目的であり、政策目標として、国産バイオエタノールの生産コストを10年で現在の半分以下に削減することを目指している。この中で草本系イネ科植物として対象作物に選ばれているのが熱帯イネ科作物(C4植物)のサトウキビと高糖性ソルガム、すなわちスイートソルガムである。
著者
中川 清隆
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2013, 2013

<BR><B>Ⅰ. 関東平野北西部猛暑研究の動向</B><BR><BR> わが国観測史上最高気温40.9℃の記録を持つ熊谷をはじめ,館林,伊勢崎,前橋,高崎といった関東平野北西部では,暖候季にしばしば猛暑が集中して発生し,最高気温起時は太陽南中後約3時間と遅い傾向があり(中川,2010),近年その頻度や強度が増加傾向にある(藤部,2012).藤部(1998)は,850hPa気温≧21℃,日照時間≧8時間の著しい高温気団に覆われる晴天日の増加を関東平野内陸域における猛暑日増加の主要因とし,一般風西風型および弱風型猛暑の場合には都市化も要因の一つとした.<BR> 近藤(2001a)は,1992年7月29日猛暑の原因として,①北西上層風の関東内陸部までの長いフェッチに伴う大きな熱移流項と,②山岳風下の関東平野上空における下降気流に伴う大気境界層厚減少による熱容量減少を指摘した.近藤(2001b)は,晴天日の関東地方における,①海岸付近の海風循環低気圧,②長野県-関東平野標高差に伴う対流混合層高度差による内陸低気圧,③谷状地形を呈する関東平野北西部斜面を上る斜面循環流反流収束による前橋付近の強い下降流が形成する熱的低気圧の連携による猛暑発生機構を指摘した.木村ほか(2010)は,理想化実験により,山岳において成長する混合層が平地に比べて高温位の上層大気を混合層内に取り込み,これが一般風および局地風により輸送されて山岳風下側の混合層および地上の温位を上昇させることを指摘した.<BR> 篠原ほか(2009)は,彼らのシミュレーション解析および桜井ほか(2009)の事例解析の結果に基づいて,①背の高い暖かい高気圧下の沈降場における断熱圧縮昇温と鉛直方向の拡散抑制,②高い最低気温,③埼玉・東京都県境での海風前線停滞による海風侵入の阻止および山越え気流の継続,④力学的フェーンによる昇温の4点を,2007年8月16日猛暑の原因とした.<BR> 渡来ほか(2009a,b)は,魚野川-利根川の谷(ギャップ)を塞ぐ数値実験の結果等に基づいて,2007年8月16日はドライフェーンであったが,午前中は浅いフェーンであり,午後に深いフェーンに変化したと結論付けた.Takane and Kusaka (2011)は,2007年8月16日は,山越えの際に日射により加熱された山地斜面から非断熱加熱が付加される,ウェットフェーンでもドライフェーンでもない第3のフェーンであったと主張した.<BR> Enomoto <I>et al</I>.(2009)は,2004年7月20日猛暑は,①チベット高気圧北縁のアジアジェット気流蛇行の東方伝播による小笠原高気圧の強化と,②同高気圧から吹出す高相当温位風による山岳風下フェーンにより形成されたと結論付け,同猛暑が大規模現象と密接に関連していると主張した.<BR> 熊谷地方気象台はHPにおいて,①東京都心からの熱移流と②秩父山地越えフェーンの2点を,埼玉県の平野部が暑くなる理由としている.吉野(2011)は,関東の異常高温時の予察的モデルを提唱した.局地的強風により海風前線が侵入し難い水平距離150~180kmの本州脊梁山地ギャップ出口のほぼ中央部に位置する熊谷と都心の間に海風前線が停滞するため,熊谷以北の地域が,海風による冷却を受けず,日射とフェーンによる加熱を受け,著しい高温に至るとした.<BR><BR><B>Ⅱ. 本シンポジウムの目的</B><BR><BR> 上述の如く,関東平野北西部猛暑の発生メカニズムに関しては様々な説があり,統一見解は未だ得られていない.本シンポジウムは,これらの諸説および7名の話題提供者による新たな見解を吟味・総括し,関東平野北西部猛暑の発生メカニズム研究の今後の課題を明確にすることを目指す.
著者
滝澤 修 松本 勉 中川 裕志 村瀬 一郎 牧野 京子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.45, no.8, pp.1977-1979, 2004-08-15
参考文献数
1
被引用文献数
1

プライバシ保護などに利用できるステガノグラフィ(秘匿通信)は,情報の埋め込み媒体が持つ情報の冗長性を利用するため,画像や音響信号など冗長度の高い媒体について多く提案されてきた.本論文では,ディジタルドキュメントを埋め込み媒体とし,文書内に挿入された改行コードの位置を秘匿情報とするテキストステガノグラフィを提案する.提案手法はドキュメントのレイアウト情報を利用しないため,電子メールのようなプレーンテキストに対しても秘匿情報の埋め込みが可能で,文字通信においてプライバシを保つ手段として利用できる.In the usual steganography applied to digital documents, secret messages are embedded in the layout information (e.g., the space between lines or characters) because character codes have no redundancy. This paper proposes a new method for hiding information in plain text without using any layout information. It enables a secret message to be embedded as binary digits that are related to the number of characters in each line of the cover text.
著者
鶴谷 広一 中川 雅夫 木曽 英滋 古川 恵太
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.986-990, 2005
被引用文献数
4

鉄鋼スラグと浚渫土砂の干潟材料への適用性を調べるため, 水槽を用いて実験を行った. 水槽に鉄鋼スラグと底泥を適当な割合で混合して敷き詰め, ポンプで海水をくみ上げて, 底質の上に常時かけ流した. 底質の状況を調べるため, 表層の強度を貫入式強度計で測定し, 底質の間隙水を採取してそのpH, 全窒素, 全りん, 全鉄, COD, TOCについて測定を行った. 底質中の生物の生息状況を把握するため, メイオベントスとマクロベントスの分析を行った. 製鋼スラグを用いた底質では, 間隙水のpHが海水より若干高めであったが, 生息するベントスは自然材料と比べて特に大きな差は見られず, 干潟への適用に可能性が開けた.
著者
福岡 義隆 中川 清隆 渡来 靖
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.260, 2009

1.はじめに熊谷と多治見が日本一高温になった理由をヒートアイランドというlocal-climateのみならずmeso-climateのフェーン、macro-climateのラニーニャなどとの関係で考察し、WRFモデルによるシミュレーションの可能性と限界にも触れる。2.暑さの原因およびメカニズム 熊谷や多治見が暑いのは何故か、考えられる要因を次にいくつかあげてみよう。_丸1_内陸型気候説(海岸からの距離)_丸2_都市気候成因説_丸3_フェーン説~近くの山岳(高原)の影響(滑昇反転下降流)_丸4_谷地形(谷風循環反転下降流)_丸5_逆転crossover現象との関係_丸6_夏のモンスーンとラニーニャ 本稿では特に_丸2_の都市気候説と_丸3_フェーン説を中心に考察を進めた。3.都市気候形成のバックグラウンド 気候の内陸度については、大陸度(K:、ゴルチンスキーの式、A:気温年較差、Φ:緯度) K=1.7×(A-12sinΦ)/ sinΦ によると、東京が43.7であるのに対して熊谷は45.8と大きい。なお、名古屋は48.2、多治見は51.9 である。仮に海風で東京や名古屋の方からの熱移流があったとしても海岸からの距離や、低温の海風による昇温抑制効果などを考えると、臨海大都市の影響はあまり考えられない(東京37℃、34℃)。 さらに、2007年の夏だけについて考えられることは、かなり強く広範囲に及ぶラニーニャの条件下にあって西太平洋全般に高温状態にあったことも確かである。3.フェーン説に関する考察 2007年8月16日や2005年8月6日などの熊谷市の高温時には明らかに西~北西風が吹いていた。この2例以外でもかなりの割合で関東山地越えの風の時に猛暑になっている。明らかにフェーン風発生にともなう気温上昇と考えられる。まれにはウェットフェーン時のタイプもあるが、多くはドライフェーン時のタイプである。フェーンによる熊谷市など北関東の高温現象は、渡来靖ら(2008)のシミュレーション解析でも明らかにされている。参考文献河村武 1964. 熊谷市の都市温度の成因に関する二三の考察、地理学評論 37 560-565浅井冨雄 1996. 『ローカル気象学』 東大出版
著者
高橋 智子 川野 亜紀 大越 ひろ 中川 令恵 道脇 幸博 飛田 昌男 長門石 亮 別府 茂
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.223, 2005

<b>目的</b> ユニバーサルデザインフード区分の「容易にかめる(かたいものや大きいものはやや食べづらい人を対象)」に分類されるレトルト市販介護食品について、咀嚼運動の特徴をあらわすことができる物性を検討した。<br><b>方法</b> レトルト市販介護食品17品目に含まれる肉、魚、豆腐、芋、根菜類等の調理品32種類のテクスチャー特性、および破断特性を測定した。ことに硬さについては、圧縮速度を変えて測定を行い、圧縮速度依存性を検討した。併せて、同程度の硬さではあるが硬さの圧縮速度依存性が異なる4種類の材料(太刀魚、揚げ豆腐、里芋、ごぼう)について、2次元6自由度顎運動測定器により下顎運動の測定を行った。21_から_25歳までの健常な女性5名の被験者が、同一試料について4回の咀嚼を行った。咀嚼時における下顎運動の垂直成分を示すパターンより、第一咀嚼の波形から最大開口量、最大閉口速度、閉口相時間、最大閉口速度が出現した閉口相開始よりの時間、平均閉口速度、および嚥下開始迄の咀嚼回数、咀嚼時間を求めた。<br><b>結果</b> 線維の多いごぼうの硬さは圧縮速度が遅い方が硬いことが認められ、他の3種類の試料とは異なる圧縮速度依存性を示した。他の3種類の試料よりも、一口量が大きい揚げ豆腐の最大開口量、嚥下開始迄の咀嚼回数および咀嚼時間は有意に長いものとなった。また、圧縮速度依存性の異なるごぼうは他の3種類の試料に比べ、最大閉口速度に有意差は認められなかったが、最大閉口速度が出現した閉口相開始よりの時間は有意に遅くなり、また平均閉口速度も有意に遅いことが認められた。
著者
川副 嘉彦 武田 幸弘 中川 慎理 Federico CASOLO 友末 亮三 吉成 啓子
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集C編 (ISSN:18848354)
巻号頁・発行日
vol.79, no.808, pp.4994-5009, 2013 (Released:2013-12-25)
参考文献数
13

The lightweight racket with handle-light configuration and large head size is recent tendency of high-tech tennis rackets, increasing power or post-impact ball velocity with an increasing racket swing speed. This paper investigated the performance of lightweight balanced racket with super-large head size with 120 square inches in terms of feel or comfort. It predicted the effect of the mass and mass distribution of super-large head sized rackets on the impact shock vibrations of the racket handle and the player's wrist joint when a player hits a flat forehand drive. The prediction is based on the identification of the racket characteristics, the damping of the racket-arm system, equivalent mass of the player's arm system and the approximate nonlinear impact analysis in tennis. A lightweight balanced racket (mass: 292 g, the center of gravity LG: 363 mm from the butt end) and a conventional weight and weight balanced racket (349 g, LG: 323 mm) are selected as representatives. These two super-large head sized rackets made of carbon graphite have the same head size and same geometry. The result showed that the shock vibration of the lightweight balanced racket with super-large sized head is much larger than that of the conventional weight balanced type racket. It also showed that the sweet area of the former in terms of the shock vibration shifts from the center to the topside on the racket face compared to the latter. This is because the location of the grip on the racket handle is further from the location of the node on the handle of the first mode of lightweight balanced racket than that of the conventional weight balanced racket.
著者
川副 嘉彦 武田 幸宏 中川 慎理
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.76, no.770, pp.2646-2655, 2010-10-25 (Released:2017-06-09)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

There has been no question that some strings do provide a better grip than others, but that did not guarantee that the ball will produce more spin. Furthermore, experiments with hand-held rackets has been needed to solve the vexed question of how players can tell the difference between different strings when laboratory tests indicate that they should play the same. The previous paper of the authors made clear the mechanism of top spin performance in actual tennis and its improvement by lubrication of notched nylon strings according to the high speed video analysis on the court for the first time. It succeeded in an experiment showing that as the main strings stretch and slide side ways more, the ball is given more spin due to restoring force parallel to the string face when the main strings spring back and the ball is released from the strings. Since the notches of strings decrease spin rate, the lubricant materials are effective to the notched strings. Furthermore, it showed that the more spin results in the reduction of shock vibrations of the wrist joint during impact. This paper showed that the ball is given less spin rate (40% decrease) with the notched used strings compared to that with the new strings in the case of the nylon in this experiment, which has remained to be seen which gives more spin between new strings and the lubricated used strings, and it showed that the ball is given more extra spin (30% increase) by oil lubrication at the string intersections compared to that with the notched used nylon strings. Furthermore, it also showed that the used natural gut with notches decrease 70% of spin rate compared to the new natural gut without notches in the another experiment, which has remained to be seen whether the same results will be obtained. It also showed the difference of the topspin behavior when a pro and an amateur hits a ball.
著者
中川 右也
出版者
愛知教育大学大学院・静岡大学大学院教育学研究科共同教科開発学専攻(後期3年博士課程)
雑誌
教科開発学論集 (ISSN:21877327)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.59-75, 2018-03-31

本研究は、近年の教育現場におけるアクティブラーニング型授業に応じた、帰納的句動詞学習法を提案するものである。句動詞習得は、動詞と不変化詞の部分の総和から、句動詞全体の意味が予想できないというゲシュタルト性により困難を伴うこともあるが、理論言語学の1 つ、認知言語学の知見を応用し、概念メタファという意味の有縁性に着目することによって、納得しながら定着が図れる学習法を試みる。語彙習得においては、教師主導型の演繹的学習が多い中、帰納的句動詞学習へと転換できるよう、ジグソー法を援用した学習法を設計し、その有用性について先行研究と調査結果の考察を交えながら示す。本研究は、認知言語学と第二言語習得の観点からの外国語教授法とを統合した教科学と、学習科学や心理学などを融合し、新たな視点を持った教科開発学という研究分野の構築を目指すものである。
著者
谷口 文彦 中川 智皓 新谷 篤彦 伊藤 智博
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 (ISSN:21879761)
巻号頁・発行日
vol.84, no.861, pp.17-00534-17-00534, 2018 (Released:2018-05-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

Inverted pendulum vehicles controlled by movement of driver's center of gravity (COG), such as Winglet or Segway are the examples of Personal Mobility Vehicles (PMV). PMV is sometimes expected to be used in pedestrian spaces. When a driver brakes an inverted pendulum vehicle suddenly, the driver has to move his/her COG backward largely and has the risk to lose his/her balance due to the characteristics of vehicle control. Therefore, we aim to achieve a vehicle control system that is friendly to drivers in emergency. In the previous study, the coupling model of a vehicle and a human had been built on Multibody Dynamics and the technique to brake an inverted pendulum vehicle automatically had been proposed using that model. In this study, we carried out two experiments to decide the timing of the automatic braking system defined as Time To Collision (TTC). We carried out two experiments about stopping distance when a driver brakes an inverted pendulum vehicle suddenly and when the automatic braking system is operated, and we compared those results. Then, it was shown that stopping distance operated by the automatic braking system is shorter than by human driver's sudden braking operations. In addition, we derived TTC1 ( 0.7 s ) of inverted pendulum vehicles from these experiments about stopping distance by human drivers' sudden braking. Then, we derived reaction time ( 0.4 s ). Finally, we proposed a safety system using TTC1 and the reaction time. When TTC reaches 1.1[s], the alarm makes a human brake an inverted pendulum vehicle suddenly. Then if a human doesn't brake an inverted pendulum vehicle suddenly and TTC reaches 0.7[s], the automatic braking is operated.
著者
杉本 祐介 佐藤 太一 土井 千章 中川 智尋 太田 賢 稲村 浩 内藤 克浩 水野 忠則 菱田 隆彰
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2015, no.50, pp.1-6, 2015-02-23

近年,インターネット上では,Facebook や Twitter における日記や amazon.com や食べログにおけるレビューなど,ユーザからの投稿を利用したサービスが数多く普及している.これらのサービスに寄せられる投稿の中には,楽しい,きれいといった感情を示す感情語が数多く含まれており,先行研究では,そういった感情語を利用した観光地のレコメンド手法の提案を行った.その際,喜びや楽しみ,好みなどのポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに集中してしまうという問題があり,詳細な分類を行うためにはこの問題を解決する必要があった.そこで本研究では,ポジティブな感情語が 1 つのカテゴリに固まってしまう問題を解決し,レコメンドに適した感情語の分類方法の提案を行う.
著者
中川 岳志 岡田 直貴 中川 晋作
出版者
日本DDS学会
雑誌
Drug Delivery System (ISSN:09135006)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.35-44, 2013-01-30 (Released:2013-04-30)
参考文献数
41

養子免疫療法は、癌患者より採取したCD8+ T細胞から腫瘍特異的な細胞傷害性T細胞 (CTL) を分化誘導し、再び患者へと移入することで癌の退縮および転移・再発抑制を図る自己細胞療法である。しかし、癌患者は免疫抑制状態に陥っているため、治療に十分な数の腫瘍特異的CTLを誘導することが困難である。この打開策として、キメラ抗原受容体 (CAR) を発現させたCTLを創製する手法の開発が進められている。CARは、標的分子に特異的に結合する細胞外ドメインとCTL機能を修飾する細胞内シグナル伝達ドメインとを融合した人工蛋白質であり、CTLに標的分子特異的な細胞傷害活性を付与できる。本稿では、CAR研究の動向ならびに筆者らの腫瘍血管特異的CAR発現CTLを用いた次世代養子免疫療法について概説する。
著者
中川鉄次郎 編
出版者
栄文舎
巻号頁・発行日
1886