著者
宮脇 修一 恵美 宣彦 三谷 絹子 大屋敷 一馬 北村 邦朗 森下 剛久 小川 啓恭 小松 則夫 相馬 俊裕 玉置 俊治 小杉 浩史 大西 一功 溝口 秀昭 平岡 諦 小寺 良尚 上田 龍三 森島 泰雄 中川 雅史 飛田 規 杉本 耕一 千葉 滋 井上 信正 濱口 元洋 古賀 大輔 玉置 広哉 直江 知樹 杉山 治夫 高久 史麿
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.1279-1287, 2005 (Released:2009-07-28)
参考文献数
12

急性骨髄性白血病(Acute myeloid leukemia: AML) 191症例の末梢血のWT1 mRNA発現(Wilms tumor gene 1: WT1)量を定期的に測定し臨床経過との関連を検討した。初発未治療のAML症例におけるWT1の陽性率は93.9% (107/114)であった。寛解が得られ寛解を継続した症例66例の全例でWT1量は寛解に伴い低下し50 copies/μgRNA未満(陰性)となり,84.8% (56/66)の症例が1年後の経過観察終了時陰性であった。非寛解症例54例のうち87.0% (47/54)の症例のWT1量は,経過観察期間中50 copies/μgRNA以上(陽性)であった。寛解後再発した29例の全例において,寛解に伴い低下したWT1量は再発に伴って上昇に転じた。寛解後再発症例の79.3% (23/29)の症例のWT1の値は再発の43日(中央値)前に200 copies/μgRNAを超えて上昇していた。再発診断率,寛解継続診断率および診断効率を考慮するとAMLの早期再発診断のための基準値としては200 copies/μgRNAが妥当と考えられた。WT1量は,微小残存病変(Minimal residual disease: MRD)を反映しAMLの臨床状態に対応して変動していた。今回,WT1測定に使用したキットでは末梢血を用いたことからこのキット検査は患者への負担が少なく,定期的検査に適していると考えられた。
著者
石井 明子 橋井 則貴 松本 真理子 香取 典子 新井 進 粟津 洋寿 磯野 哲也 井上 友美 永座 明 大山 幸仁 奥村 剛宏 梶原 大介 田熊 晋也 丹下 浩一 塚原 正義 筒井 麻衣子 寺島 伊予 中川 泰志郎 服部 秀志 林 慎介 原 芳明 松田 博行 村上 聖 矢野 高広 巌倉 正寛 大政 健史 川崎 ナナ 広瀬 明彦
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.15-29, 2017 (Released:2017-12-21)
参考文献数
17

The use of single-use systems has been getting more popular in biologics manufacturing. Utilization of this novel technology enables the efficient manufacturing, including prevention of cross contamination, flexibility to manufacture multiple products, and elimination of the need for cleaning and steam sterilization including those validations. In order to ensure the quality and stable supply of biologics, appropriate risk management considering the characteristics of the system is necessary. However, there is no regulatory document describing the examples or recommendations on it. In 2015, we published the White paper of “Approaches to Quality Risk Management When Using Single-Use Systems in the Manufacture of Biologics” in AAPS PharmSciTech, which was a fruit of discussion in the research group consisting of Japanese pharmaceutical manufacturers, single-use suppliers, academia and regulatory agencies. This review introduces the contents of the White paper with some revision reflecting the comments on it as well as the discussion in our research group after publishing the paper. The basic concept is consistent with ICH guideline on quality risk management. Here we describe the points to consider in risk assessment as well as in risk control when single-use systems are used in biologics manufacturing.
著者
山下 道子 花井 敏男 中川 尚志 小宗 静男
出版者
JIBI TO RINSHO KAI
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.1-9, 2013

近年、新生児聴覚スクリーニングの導入により難聴児の療育の開始時期が早期化している。しかし、依然として療育開始が 3 歳以降となる症例も存在する。1999 年度から 2011 年度までの13 年間で当センターに3 歳以降に初診し療育を開始した 52 例について検討した。後天性難聴以外の例では、難聴に気付く時期が遅れており、難聴の早期発見のためには乳幼児の保健や保育にかかわる人に乳幼児難聴について知ってもらい、難聴を疑うこと、聴力検査を受けてもらうことが大切であると考えられた。1 歳半健診・3 歳児健診の聴覚検診の囁き声検査は重要であり、福岡市においても今年度から導入され、その効果が期待される。
著者
中川清著
出版者
勁草書房
巻号頁・発行日
1985
著者
辻 啓介 辻 悦子 中川 靖枝 故鈴木 慎次郎
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.187-195, 1988-03-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
19

各種DFのin vitroにおけるNa結合能と高血圧自然発症ラット (SHR) の血圧に与える影響とを調べた.その結果, DFのうち, カルボキシル基を有する酸性多糖類, フィチン酸などにNaとの結合, あるいはイオン置換反応が認められた.K-AlgとCa-AlgとについてSHRへの給餌試験を行ったところ, これらのDFでは1%食塩負荷にもかかわらず血圧の上昇を抑制した.糞Na排泄量も増え, 吸収を阻害することが明らかとなった.以上の結果から, Alg塩摂取による, 消化管内Na/KあるいはNa/Caのイオン交換による血圧調整作用が示唆された.
著者
朴 容成 中川 一彦
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2015, 2016

【はじめに,目的】超高齢社会を迎え医療ニーズが高まる一方,医療費抑制政策により病院経営破綻の問題が深刻化している。病院内のセラピストの影響力が増す一方で,医療環境の影響を受けセラピストの立場も変化してきており,今後はより責任ある対応が必要となってきている。今回我々はこれらの医療環境の変化を勘案し,法人と協同の上で病院経営の視点に立ち,売上実績,教育向上効果,組織力強化の評価からなる総合的な業績評価制度を導入し,「業務改善と働き易さ」にもたらす影響を検討した。【方法】期間はI期を業績評価制度導入前,II期を導入中6ヶ月,III期を導入後6ヶ月とした。検討は業績評価の大項目に準じ,①月間売上実績,②従業員満足度,③組織力評価で行った。項目は①月間売上,1日取得単位数,日当点,損益分岐や報酬点数の理論値と比較した月間売上目標達成率とした。②従業員満足度,③組織力評価はセラピスト28名に一部記述を含む選択方式のアンケートを行い調査・集計した。項目は,働き易さ,やりがい,職場の雰囲気,上司の信頼度,チーム力,人間関係,運営ビジョン,能力開発などの60項目である。【結果】①売上実績はII期がI期比較で23%増加,II期達成率が102%,III期がI期比較で32%増加,III期の達成率107%であった。1日取得単位数はII期がI期より1.1増加,III期がI期より1.6増加であった。日当点はII期がI期比較で24%増加,III期がI期比較で28%増加であった。アンケート回収率100%で,②従業員満足度の質問27項目中19項目に改善を認めた。③組織力評価では,チーム力:「集団であり組織ではなかった」から「規定形成期である」,人間関係:「不十分であるが良好であった」から「良好である」,運営ビジョン:「理解していなかった」から「理解している」,個人能力開発:「発揮できなかった」から「不十分であるが発揮している」に変化した。【結論】①売上実績はデーターを経時的に比較・公表することによりプラス効果をもたらした。②従業員満足度,③組織力評価は業績評価制度を運営しつつ地道な指導・面談,業務改善を12ヶ月間継続することにより有効に作用することが示された。業績評価制度の導入により評価基準が明確になり,実績主義はセラピストのコミットメントにつながった一方,年功序列職務機能の低下は一部の従業員に多方面のマイナス効果をもたらす可能性も示唆された。しかし,今回法人の理解が最大限に得られ,従業員満足度や組織力強化がモチベーションにつながった。部署に運営担当を配置することで現場主体の運営となり,コンピテンシー面談の顕在能力評価により年功から能力主義となり,労働環境の整備,知識技術への投資,役職ポストの拡大,専門性とマネジメントを機能分化したことによりプラス効果となった。以上,法人との協同による総合的な業績評価制度導入は業務改善と働き易さの改善に有効な施策と考える。
著者
黒岩 千尋 中川 武 溝口 明則
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.81, no.719, pp.195-202, 2016

One of the greatest characteristics of Preah Vihear Temple is the repeatedly pairs of "口-shape" "田-shape" building. These buildings called "annexed building" are almost limited to guideline on research, and they were not deemed about functions and features. Originally in Khmer temple architecture, architectural styles and functions of the main constituent building like main tower and library are not particularly changed, in contrast, vigorous emergence of "田-shape" architectural style is remarkable. This paper focuses on "annexed building" especially "口-shape" and "田-shape" buildings in Preah Vihear Temple, to consider the significance of these buildings and its transition process by comparison of spatial characteristics, temple layout, and functions, "annexed building" shows the transition tendency of whole picture of Khmer architecture. Through the analysises, this paper points out the characteristics of Preah Vihear Temple as "vertically-oriented" layout temple and the provincial city in flourishing ages of Khmer empire.
著者
松本 亜希子 宮坂 瑞穂 中川 光弘
出版者
北海道大学大学院理学研究院
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
no.78, pp.1-9, 2015-03

We examined the analysis method of the compositions of volcanic glass using WDS-EPMA, focusing on Na migration caused by electron-beam bombardment. As a result of the comparison among the beam current in 10 μm square area, it is concluded that Na migration occurs in any cases at 15 kV. During the first 30 seconds, Na decay is not observed, and therefore, the detection of Na must be finished within the first 30 seconds. Considering the variations of other elements, the 15 kV accelerating voltage and 7 nA beam current with raster scanning of 10 μm square area is the best condition for the determination of volcanic glass compositions. This can prevent "grow-in" of Si and Al, as well as can make smaller the deviations of the minor elements. Using this condition, we can discuss the variations of volcanic glass compositions (except for Na) without any corrections.
著者
金 義慶 南 豊彦 中川 のぶ子 多田 直樹 井野 千代徳
出版者
耳鼻と臨床会
雑誌
耳鼻と臨床 (ISSN:04477227)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.172-177, 2006-05-20 (Released:2013-05-10)
参考文献数
11

49歳男性で咽頭痛、口内痛を主訴とするSweet病を経験した。口内と咽頭には多数の口内炎を認めた。頸部、胸部、背部に皮疹が認められ、加えてCRPが高値で白血球増多を認めるにもかかわらず抗生剤無効のために、筆者らはベーチェット病を疑った。皮膚疾患に対して皮膚科の診察を仰いだところ、Sweet病が疑われるとのことで皮膚生検が行われ、確診した。Sweet病とベーチェット病は症状、所見で酷似することも少なくなく合併することもある。さらに治療法もほとんど同じとなるがSweet病では悪性腫瘍、骨髄異形成症の合併が認められることがあるので鑑別は慎重かつ厳格に行われるべきものと考えた。
著者
中川 晋一 八尾 武憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.50, no.7, pp.633-640, 2009-07-15
参考文献数
7

私(中川)が2008年の10月13日に心筋梗塞を発症して4月で6カ月が経過した.幸運にも心臓カテーテルで処置のできる医療機関がいくつもある東京都の市部で,休日の午後8時前後という最も人的リソースのある時間帯で発症したため,難を逃れることができた.錆びついてはいるが10年ほど前まで,医師として救命救急の最前線での業務をこなしていたこともあり,知識のまったくない一般人ではなかったこともリテラシーとして役立った.しかし,意識下で情報通信の研究者として経験したことは,インターネットを用いた遠隔医療に関する技術開発1),2)を行ってきた者として,最近若干感じていたネットワーク技術や今回のライフログなどの関連技術が,いかに「研究者寄り」のものであり,急激に発症した一患者の生命を救うためには無力なものであるかを実感させた.今回のライフログ特集に寄せて,患者経験のある医師免許を持つ情報処理研究者として感じた経験を述べ,ライフログの実用化について検討したい.
著者
Samanpachin Kanit 中川 毅史 野口 修平 三原 誠
出版者
日本学術連携医学会
雑誌
Academic Collaborations for Sick Children (ISSN:1884426X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.16-19, 2009-08-25 (Released:2010-05-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1 1

昨今、若年女児の医原性不妊症を回避するための妊孕性温存を目的として、未受精卵凍結、卵巣凍結の研究が進んできているが、その一方で若年男児に関しては、精子凍結技術の発達からあまり大きな問題とされていない。しかしながら、思春期前若年男児においては、精子形成が未熟なため精子を採取することができず、未だ妊孕性温存の治療法は開発されていない。今回我々は、思春期前小児癌男児の妊孕性温存を目的とした血管付精巣移植実験モデルを開発し、ラット精巣動静脈の血管吻合が現実のものとなった。さらに、マウス精巣組織を磁場環境下凍結技術によって凍結し、既存の凍結方法よりも組織破壊が減少できることを見い出した。超微小血管外科技術と精巣凍結技術の応用によって、精巣の長期保存と移植研究の道を切り開いた。

1 0 0 0 耳之衛生

著者
賀古鶴所述 中川恭次郎編
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1908