著者
堀井 秀之 小松崎 俊作 中川 善典
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

東洋町(日本)・ヴェレンベルグ(スイス)・ビュール(フランス)・慶州(韓国)における放射性廃棄物処分地決定プロセスの政治過程分析を通じて,情動的ステップと理性的ステップの2段階で構成される住民の態度形成過程を分析するモデルを構築した.そのモデルを用いて日本の政治過程を再度分析した結果,信頼や恐れ,怒りといった要因が影響する情動的ステップの段階で反対態度が形成されているにも関わらず,交付金等理性的ステップでの影響要因を操作する立地政策が採られていることが本質的課題であると示唆された.
著者
中川 毅
出版者
名古屋大学
雑誌
名古屋大学加速器質量分析計業績報告書
巻号頁・発行日
vol.9, pp.244-252, 1998-03

フランス南部および中部アルプス地方の9地点から堆積物試料を採取し、層準によって化石花粉に富んだ密度フラクションまたは陸上起源の大型植物遺骸を抽出し、それぞれに対してAMS年代測定をおこなった。花粉のフラクションの分離にあたっては、Regnell&Everitt(1996)によって提案された比重分離法を適用した。もっとも彼らの論文が示唆するところとは異なり、実際に抽出されたフラクションは、かならずしも花粉だけを純粋に含むものではなかった。年代測定の結果を比較・検討したところ、密度フラクションから得られる年代は、陸上起源の大型植物遺骸から得られる年代に対して、ほぼ一貫して古い値をしめすことが分かった。ただし分離されたフラクションがほぼ純粋に化石花粉を含む場合に限っては、両者の間に値の矛盾は見られなかった。このことは、年代のシフトには花粉遺骸の物質の混入が寄与していること、また、花粉が純粋な形で抽出できさえすれば、AMS年代測定用の適切な試料となりうることを示している。Regnell&Everittの方法は原状では完全なものではなく、このことは、その後の彼らとのpersonal communicationによっても裏付けられている。技術的な改善点としては、密度のさらなる細分化、シュルツ液の利用による炭素粒子の除去などが考えられ、これらの実施は当面の課題であろう。
著者
中川 祐希
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.373-394, 2017 (Released:2017-10-20)
参考文献数
42

本稿は,近代期における天皇の即位大礼を契機とした京都駅前の変容過程を,「景観形成」という分析視角から検討した。大正天皇の即位大礼(大正大礼)においては,京都駅前に恒久的な建造物は建設されなかった。大正大礼後には,商業的競争を通じて京都駅前に洋風建築が建設された。昭和天皇の即位大礼(昭和大礼)では,この洋風建築の建設が進展する一方で,これと対立する風致保全という景観認識が生まれた。こうして,駅前の景観をめぐる葛藤が顕在化した。昭和大礼後では,複数の主体がこの葛藤に対処する過程を通じて,駅前の景観が形成された。以上の過程から明らかになったのは次の2点である。第1に,国家儀礼を契機とした「観光都市京都」の形成過程は,調和的なものではなく,葛藤に満ちたものであった。この過程においては様々な利害が交錯し,様々な実践が空転した。第2に,このような葛藤を通じて「観光都市京都」の特異性が形成された点が明らかになった。諸主体は,この駅前の景観をめぐる葛藤に巻き込まれながら,駅前の景観形成を進展させた。その過程で,駅前には,京都という地域ゆえの特異性と評価できる景観が形成された。
著者
中川 優奈 三上 かつら 三上 修
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.133-143, 2017 (Released:2017-11-16)
参考文献数
31
被引用文献数
4

近年,都市の鳥類多様性に関する注目が高まってきている.河川は鳥類の群集構造に大きな影響を与えうる環境であるにもかかわらず,都市の鳥類多様性にどのような影響を与えるのか,定量的に評価された例は少ない.そこで本研究では,函館市内を流れる亀田川において,上流から下流にかけて,およそ1 kmごとに河川付近に調査地点を設定し,それぞれの地点で見られる鳥の種数と個体数を,繁殖期と越冬期の2つの時期で調査した.ここから,上流下流のどこで種数が多いのか,それらが季節によって異なるのかを検証した.調査の結果,河川沿いと住宅地では,繁殖期,越冬期ともに,河川沿いの方が有意に種数が多かった.このことは亀田川のような河川の存在が都市の鳥類の種の多様性を高めていることを示している.河川沿いにおける種数は,繁殖期には上流ほど種数が多いのに対し,越冬期では逆に下流の方で種数が多かった.これは繁殖期にはカッコウをはじめとした山に近い上流側の環境で繁殖する鳥が多く見られたのに対し,冬季はカモ類が流れの緩やかな下流の環境を利用したためと考えられた.このような種数の多さが季節によって逆転するということは,面積の影響が強くでる孤立した緑地と河川では都市の生物多様性に与える影響が異なっている可能性を示している.
著者
阿部 宏史 谷口 守 中川 拓哉
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.653-659, 2001

本研究では, 岡山・東京間の空路利用促進に向けた課題を探るために, 岡山市と倉敷市の事業所を対象として, 東京への業務出張時の利用交通手段に関するアンケート調査を実施し, 航空便の利便性を中心とした利用者の意識を分析した。また, 空路利用促進策の一つとして, 岡山県内で要望の強い岡山空港での東京線ナイトステイの実施による運行ダイヤ改善が旅客増に及ぼす効果を推計するとともに, ナイトステイ実施後の利用促進課題についても検討した。まず, 評価意識の分析結果から, 岡山空港・東京線に対する評価では運行ダイヤの利便性に対するウエイトが高く, ナイトステイ実施によるダイヤの改善が評価の向上につながることを明らかにした。次に, ナイトステイ後の始発便への転換意向の集計結果から, 現在の交通手段からの転換率は30%-40%程度と推計され, ナイトステイは空路利用促進に効果が見込まれることを示した。また, 2000年10月のナイトステイ実施後の航空便利用状況から, 本研究による知見の有効性が検証された。
著者
高橋 幸士 角皆 潤 栗田 直幸 中川 書子
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.218, 2016 (Released:2016-11-09)

火山噴気成分の8割以上を占める水蒸気 (H2O) は、マグマ水起源か、天水起源であるかによって、その安定同位体比が、大きく変化する。火山噴気が大気中で希釈 (大気と混合) されることで形成された噴煙中の水蒸気の安定同位体比を定量化し、これを基に噴気中のH2Oの同位体比を推定出来れば、マグマ爆発と水蒸気爆発を区別出来る可能性がある。そこで本研究では、真空捕集瓶に採取した噴煙試料を実験室でキャビティリングダウン分光同位体分析装置 (Cavity Ring-Down Spectroscopy:CRDS) に導入することで、水蒸気の濃度と同位体比を高精度で測定する『真空捕集法』の開発を進めた。さらに、火山ガス中に含まれるSO2やH2SがCRDSによる水蒸気の同位体比測定に及ぼす影響も評価した。
著者
近藤 明人 中川 剛 臼井 郁敦 杉田 真一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告
巻号頁・発行日
vol.37, pp.17-20, 2013

多くの機械式フェーダやハードスイッチ、出力状態を表示するモニタから構成されていた調光卓、及び、負荷回路制御卓、照明バトン制御卓等を、一つのタッチパネル・ディスプレイに集約して開発することに成功した。これまで既に、TBSの看板番組「輝く!日本レコード大賞」で、メイン調光卓として使用した実績があり、限られたスペースでの多チャンネル制御の実現を証明している。
著者
佐藤 時幸 中川 洋 小松原 純子 松本 良 井龍 康文 松田 博貴 大村 亜希子 小田原 啓 武内 里香
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.110, no.1, pp.38-50, 2004-01-15
参考文献数
25
被引用文献数
5 10

沖縄本島南部のうりずん露頭とそれに近接する守礼ゴルフ場露頭における知念層の石灰質ナンノ化石および浮遊性有孔虫化石生層序を検討した.その結果,知念層基底の地質時代は両露頭とも1.97 Maよりやや古い鮮新世末に対比されるが,うりずん露頭における知念層の基底の地質年代は,守礼ゴルフ場露頭の同基底年代よりやや古い.また,うりずん露頭および守礼ゴルフ場露頭のいずれにも時間間隙が認められたが,うりずん露頭では知念層下部に約30万年の時間間隙が,守礼ゴルフ場では新里層と知念層の境界に若干の時間間隙が推定され,両露頭は近接するにもかかわらず,時間間隙の層準および規模が異なることが明らかとなった.本研究の結果は,琉球列島が現在のようなサンゴ礁の広がる海域へと姿を変えた過程を復元するためには,知念層およびその上下層の岩相層序と微化石層序との関係を解明することが,重要であることを示唆している.
著者
中川 英刀
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.58, no.10, pp.551-558, 2017-10-20 (Released:2017-11-08)
参考文献数
23

ゲノム解析技術の進歩によりがんの全ゲノム解読が可能となり,肝臓がんにおいては,平均1万カ所の変異があることが分かってきた.その中で,肝がんの発生と進展に関わるdriver変異としては,Wntシグナル,TP53,TERT,クロマチン調節因子の変異,そしてウイルスゲノムの組み込むなどが,高い頻度で起こっていることが明らかになった.また,変異の塩基置換パターンの解析により,アフラトキシンを始め様々な環境因子の曝露が肝がんの発生に関わっていることも明らかになりつつある.肝臓がんのゲノム異常ではActionabilityが少ないことから,ゲノム情報を用いた治療薬の選択を行うことは実現されていないが,今後,肝臓がんのゲノム情報と分子標的薬の効果などの臨床情報との関連解析がすすむことによって,既存の分子標的薬や化学療法の肝臓がんの適応拡大,およびその効果予測のバイオマーカーが同定でき,肝がんのPrecision Medicineの実践がすすんでいくものと期待される.
著者
鷲崎 弘宜 中川 知基 斉藤 勇樹 深澤 良彰
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
日本ソフトウェア科学会大会講演論文集 (ISSN:13493515)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-7, 2004

リモートコンポーネントを組み合わせて得られるコンポーネントベースシステムは、長期の運用を実現するために高い保守性を持つことが望ましい。保守性の判定法として、複雑度の測定がある。従来の測定法は、オブジェクト指向クラス集合、もしくは、一般的な抽象化によって得られる構造を測定対象とし、コンポーネントを単位とした保守作業の容易さを適切に反映しない。本稿では、リモートコンポーネントの特徴を考慮してコンポーネントベースシステムを段階的に抽象化し、得られる構造に対して要素間の関連に基づく複雑度を測定する手法を提案する。複数のEJBアプリケーションについて測定実験を行った結果、得られる複雑度が保守性を適切に反映することを確認した。
著者
塩野 忠久 長田 祐介 中川 恭彦
出版者
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム運営委員会
雑誌
超音波エレクトロニクスの基礎と応用に関するシンポジウム講演論文集 (ISSN:13488236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.15-16, 2006-11-15

In frequency adjustment of the crystal resonator by ion beam etching, the phenomenon which frequency shifts immediately after etching arose, and it became the big cause which barred utilization. So, theoretical analysis of this frequency change was conducted. Temperature distribution change of the crystal resonator at the time of ion beam irradiation was calculated by the FDM. Thermal stress distribution was calculated from temperature distribution, and change of resonance frequency was calculated from change of the elastic constant. Analysis carrying out about AT, BT, and SC cut, calculation and an experimental result were well in agreement. Therefore, it turned out that thermal stress arises in temperature distribution change produced by ion beam irradiation, an elastic constant changes, and frequency changes.
著者
中川 元興 渡辺 進二
出版者
Japanese Society of Breeding
雑誌
育種学雑誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.260-264, 1957

15 crosses were used to study on the inheritance of kernel texture in wheat varieties which affects mealy and glassy of kernels and results were shown in table 1 and figure 1. From these results, the inheritance of kernel texture was proved to be influenced by factors in the generation of F<SUB>2</SUB> seed. The method of testing of kernel texture may be described as follows : After harvested, each kernel of parents and F<SUB>2</SUB> Seed was cut off middle part of kernel (cross section) by razer blade on the glass plate, and cross section of kernel was magnifyed by the magnifying glass (2. 5 fold) and selection which was made after a thorough comparison can be classified as follows. Glassy kernel (G) decided to select completely glassy, semi-glassy kernel (g) was selected almost parts (over 80%) of cross section were occupied by glassy, semi-mealy kernel (m) are occupied by mealy over 80% and mealy kernei (M) completely mealy. Segregation ratios was compared with glassy (contained G and g) and mealy (contained M and m). The results of segcrregation ratios to lernel texture of F<SUB>2</SUB> Seed generation, the factor hypothes and factor analysis were applied in this report as mentioned above. Results obtained may be summerized as follows.
著者
中川 元興 渡辺 進二
出版者
日本育種学会
雑誌
育種學雜誌 (ISSN:05363683)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.260-264, 1957-03-25

15 crosses were used to study on the inheritance of kernel texture in wheat varieties which affects mealy and glassy of kernels and results were shown in table 1 and figure 1. From these results, the inheritance of kernel texture was proved to be influenced by factors in the generation of F_2 seed. The method of testing of kernel texture may be described as follows : After harvested, each kernel of parents and F_2 Seed was cut off middle part of kernel (cross section) by razer blade on the glass plate, and cross section of kernel was magnifyed by the magnifying glass (2. 5 fold) and selection which was made after a thorough comparison can be classified as follows. Glassy kernel (G) decided to select completely glassy, semi-glassy kernel (g) was selected almost parts (over 80%) of cross section were occupied by glassy, semi-mealy kernel (m) are occupied by mealy over 80% and mealy kernei (M) completely mealy. Segregation ratios was compared with glassy (contained G and g) and mealy (contained M and m). The results of segcrregation ratios to lernel texture of F_2 Seed generation, the factor hypothes and factor analysis were applied in this report as mentioned above. Results obtained may be summerized as follows.
著者
千葉 直久 富岡 泰章 戸矢崎 利也 上田 雄一郎 後藤 正司 中川 達雄
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.30, no.7, pp.834-839, 2016-11-15 (Released:2016-11-15)
参考文献数
12
被引用文献数
1 2

肺切除術の際に過分葉を認めることが時にあるが,不全分葉であることが多い.今回,上舌区域間に明瞭な過分葉を認めた症例に対して区域切除を行った2例を経験したので報告する.症例1は57歳男性.左S1+2の肺癌に対して,胸腔鏡下上区域切除術を施行した.上舌区域間に明瞭な過分葉を認め,肺動脈は上葉支の腹側を走行し,B1+2+3が独立して分岐する転位気管支を認めた.症例2は80歳女性.左舌区の肺癌に対して,胸腔鏡下左舌区域切除を施行した.左上舌区域間に明瞭な過分葉を認め,共通肺静脈幹を認める以外,分岐異常は認めなかった.術後経過は共に良好で,現在まで無再発生存中である.過分葉を認める肺癌手術症例について,文献的考察を交え報告する.
著者
NAKAMACHI Eiji NAKAGAWA Masaki KIMURA Ryohei MORITA Yusuke ナカマチ エイジ ナカガワ マサキ キムラ リョウヘイ モリタ ユウスケ 仲町 英治 中川 昌紀 木村 涼平 森田 有亮
出版者
同志社大学ハリス理化学研究所
雑誌
同志社大学ハリス理化学研究報告 = The Harris science review of Doshisha University (ISSN:21895937)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.11-18, 2017-04

本研究では自動穿刺装置の組み込みを目的として,近赤外光による光切断法を用いた前腕静脈位置計測システムの開発を行った.近年,看護師の不足や技術不足による採血の失敗が問題となっている.採血の対象となる細い静脈や皮下脂肪に覆われている静脈などは,目視で発見することが困難である.そのため,神経損傷および静脈貫通などを誘発する.よって,採血時の静脈探索システムや自動採血システムの開発が強く望まれている.先行研究で仲町らはステレオ合焦点ハイブリット計測法を用いて,手指の自動採血システムの開発を行った.本研究の新規性は従来の手法と比べ高速かつ使用しやすく,高精度なシステムの開発である.本研究では近赤外光によるスリット光を走査することにより静脈のイメージ画像を得る.また,画像処理により鮮明な静脈画像を取得した.さらに,光切断法により血管中心までの距離および血管径の計測を行い血管径に対して10%の計測誤差を達成した.In this study, we developed a comprehensive biomedical optics device to detect the three-dimensional (3D) position of forearm veins by using the light-section method with near-infrared (NIR) light to execute automatic blood sampling. Now, there still remain the demands to develop "easy to use" blood sampling system for the deteriorated blood vessel caused by metabolic syndrome and aging. It is also difficult to find a vein of infants and obese people because the vein is thin and covered with thick subcutaneous fat for injection. Thus, there have been strong demands to develop a vein detecting and automatic blood sampling system. In the previous study, Nakamachi et al. detected vein positions in the finger by employing the combination of auto-focusing and stereo methods with NIR light. Our newly developed device was characterized as a quick, user-friendly, and highly accurate system for vein detection. In this study, by using the slit light with an NIR wavelength, the scanning image of the vein was taken. We succeeded in clear visualization of the vein using the image processing to improve the sharpness. We measured distance from the forearm surface to the center of the vein by using light-section method and vein diameter, found that the errors were less than 10% of the vein diameter, which was the tolerance threshold value of error.
著者
安 愛三 中川 早苗 片山 陽次郎
出版者
日本色彩学会
雑誌
日本色彩学会誌 (ISSN:03899357)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.104-112, 1989

本研究は, それぞれ独自の伝統服をもつ現代の韓国女性と日本女性の衣服嗜好色およびイメージについて調査を行い, その差異について検討を行ったものである。実験には, 53組の2色配色からなる Color Chart I と, 65色の単色からなる Color Chart II を用いた。被験者は韓国女性247名と日本女性248名で, 調査項目は洋服の嗜好色, 嗜好配色, 好きな洋服のイメージ, 好きな洋服の配色イメージである。結果は次の通りである。1) 洋服の嗜好色では両国女性ともに Black や White など現代色を好む者が多いが, 日本女性によりその傾向が強くみられた。嫌悪色では, 韓国女性は日本女性が好む Red を非常に嫌い, 日本女性は韓国の伝統色を非常に嫌うなど顕著な差異がみられた。
著者
宮田 留美 中川 圭子 大浦 暢子 柴野 泰子 小倉 悠里子 竹澤 みどり 立浪 勝 中村 滝雄 松井 祥子
出版者
富山大学保健管理センター
雑誌
学園の臨床研究 (ISSN:13464213)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.5-8, 2017-03 (Released:2017-03-30)

高照度光療法は、1980年代にスウェーデンの医師が世界で初めて有効性を報告した治療法である。目の網膜から一定量の強い光を取り込み、脳の中枢部にある睡眠ホルモンのメラトニンを抑制することによって生体リズムを整える治療法で、概日リズム睡眠障害やうつ病に効果があるとされている。今回、気分の落ち込み、睡眠や生活リズムの乱れが原因で就学への支障を自覚した学生に対し、高照度光療法を行い著効したと考えられる2事例について報告する。