著者
田岡 洋子 近藤 信子 中川 早苗 H. Taoka 京都短期大学 中国短期大学 広島国際学院大学
出版者
京都短期大学成美学会
雑誌
京都短期大学紀要 (ISSN:13483064)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.17-32, 2004-03

高齢社会から超高齢社会になろうとじている日本にとって、介護は注目すべき問題である。介護環境を考えるときに介護者の着装姿が身近な介護雰囲気を形成している。介護する側、される側にとって望ましい介護服が重要と考えた。介護現場でよく見かけるジャジー姿が本当によいものなのか現状を踏まえて、どのようなことを満たせばよいのか? を実際に介護施設で働いている介護者から意見を求めた。望ましい介護服の条件として重要なのは機能性・好感度・清潔感・着心地・取り扱いの簡便さ・美感の順で、イメージは「明るい」「親しみやすい」「暖かい」「シンプルな」イメージである。色はピンク、水色、白色の淡い色がよく、柄は無地に胸のワンポイントは着装者の名前の刺繍を大きくするのがよく、アイテムとしてはポロシャツにズボン、エプロンなどがよいことがわかった。
著者
田岡 洋子 近藤 信子 中川 早苗 H. Taoka 京都短期大学 中国短期大学 広島国際学院大学 Kyoto Junior College /
出版者
京都短期大学成美学会
雑誌
京都短期大学紀要 (ISSN:13483064)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.11-27, 2005-03

施設介護に携わる介護者のための被服について検討するため、京都府・岡山県・大分県内の施設で介護に携わっている人を対象に配票留置法による質問紙調査を1999年および2000年の8~10月に実施した。施設への配布数は314票で、回収率82%である。介護服の評価に関する23項目への評定尺度得点を基に因子分析を行って主要な因子が抽出され、介護療養型医療施設(療養)では「素材特性」「標識性」、介護老人福祉施設(特養)では「審美性」「デザイン性」、介護老人保健施設(老健)では「活動性」の因子得点が高い値を示した。望ましい介護服のイメージについては、形容詞対18組のSD尺度への評定を基に因子分析を行い、特養は「落ち着き」と「容儀性」、老健は「カジュアル性」と「ファッション性」、療養は「親しみやすさ」「ファッション性」「カジュアル性」の因子得点が高い値を示した。望ましい介護服の色では、ピンク・水色・白などの明るく淡い色。望ましい介護服の柄は無地と回答する割合が多かった。望ましい介護服のアイテムとして、特養では、冬はトレーナー・夏はTシャツ・春秋はポロシャツなどの上衣に、下衣はジャージと回答する割合が大きかった。療養では、トレーナー、Tシャツ、ジャージの下衣、ハーフパンツの着用希望が多かった。以上のように三施設における成り立ちや歴史、施設の機能、役割が異なり、介護服に対する考え方も異なることが分かった。
著者
福西 勇夫 細川 清 中川 賢幸
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.27, no.7, pp.619-627, 1987
被引用文献数
3

It is said that Tanshin-Funin (people who live and work alone away from their families) of more than a hundred thousand live in Japan. Recently there has been much discussion on Tanshin-Funin as social problems. But very few reports and investigations have been made about this subject. We reported psychosomatic health investigations on Tanshin-Funin in Kagawa by using General Health Questionnaire (GHQ) and the questions : What do you think of Tanshin-Funin? GHQ has been developed by Goldberg in England and translated by A. Nakagawa in Japan in 1985. It consists of 60 questions dealing with recent symptoms. It was known that GHQ discriminate effectively between psychiatric patients and normal controls. Especially, we can find the patients in the area of neurosis and psychosomatic disease by estimating total score of GHQ and 4 factors (somatic symptoms, anxiety sleep disturbance, social dysfunction, severe depression) by GHQ. <Subjects and Method> Subjects; 215 men in 20 companies, Tanshih-Funin in Kagawa Controls; 201 men in the same companies We made a comparison between subjects and controls by GHQ. (1) Total scores of GHQ (Mean score, Percentage of over 17 score) (2) Histogram of GHQ scores in subjects and controls (3) 4 factors (somatic symptoms, anxiety. sleep disturbance, social dysfunction, severe depression) (4) Siginificant items between Subjects and controls regarding 60 questions by x^2-test. We asked Tanshin-Funin the questions of concerning "What do you think of Tanshin-Funin?" <Result and Discussion> 1) Subjects showed a tendency of higher scores by GHQ than controls. Especially, Tanshin-Funin who think "Tanshin-Funin is bad" showed a neurotic tendency. This may be due to the existence of neurotic tendency prior to this job arrangement. 2) Subjects were characterized with their tendencies that they have anxiety about the future and they do not go out after, saying that they are too tired. 3) Subjects have been under unstable circumstances from the standpoint of mental health. Because Tanshin-Funin have been living irregular life alone and lacking in the communications with their families, and suffering from economic burden for the double life. Tanshin-Funin have psychosomatic problems, which are related to the idea that Tanshin-Funin is bad. 4) Psychosomatic health controls of Tanshin-Funin are necessary in each company.
著者
中川 仁 桃木 徳博
出版者
Japanese Society of Grassland Science
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3-4, pp.234-241, 2000-12-25 (Released:2017-07-07)
参考文献数
10

沖縄県石垣島において, ギニアグラス3品種(「ナツカゼ」, 「ナツユタカ」, 「ガットン」)と3系統(「九州3号」, 「Tift PM39」, 「Tift PM41」), グリーンパニック1品種(「ペトリー」)およびローズグラス2品種(「ハツナツ」, 「カタンボラ」)を供試して, 新規に播種を行った試験区と4年前に播種を行った試験区について, 3年間にわたって乾物収量, 生育特性, 耐乾性, 永続性および出穂等の調査を行った。供試した品種系統の中で「ナツユタカ」の3年間の合計乾物収量が, 新規播種区, 4年前播種区共に他の品種系統よりも有意に高く, 耐乾性が優れることから永続性に勝ることがわかった。「ナツユタカ」に次いで, 「九州3号」, 「Tift PM39」および「ガットン」の乾物収量と永続性が優れていた。また, 「九州3号」は特に冬期の収量と刈取り後の再生力に優れることから放牧利用品種として期待できる。温帯圏における一年生栽培において最も多収を示す「ナツカゼ」は, 播種1年目の乾物収量が「ナツユタカ」と同程度に高かったが, 他のギニアグラス品種系統よりも永続性が低かった。ローズグラス2品種とグリーンパニックはギニアグラスよりも永続性が劣り, 播種7年目に「カタンボラ」は完全に枯死した。これらの結果から, 「ナツユタカ」をはじめとする数種のギニアグラス品種系統は劣化したローズグラス草地の追播あるいは新規造成用の品種として有望であることが明らかとなった。また, 刈取時の出穂パターンより, 「ナツカゼ」, 「ナツユタカ」および「カタンボラ」は日長感応性が高いことが示唆された。「ナツユタカ」が最も出穂しやすい時期は, 石垣島では降雨の多い9月から1月であることから, 採種が困難であることも示唆された。
著者
新井 映子 高塚 千広 川上 栄子 市川 陽子 伊藤 聖子 神谷 紀代美 清水 洋子 竹下 温子 中川 裕子 村上 陽子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集 2021年度大会(一社)日本調理科学会
巻号頁・発行日
pp.161, 2021 (Released:2021-09-07)

【目的】 静岡県に伝承されてきた家庭料理の中から、行事食として食されてきた料理を東部、中部、西部に分け、各地域別に明らかにすることを目的とした。【方法】「次世代に伝え継ぐ日本の家庭料理」の調査ガイドラインに基づき、静岡県東部(富士宮市、伊東市)、中部(静岡市、焼津市、藤枝市)および西部(浜松市、湖西市)の各地域において居住歴が30〜81年の男女61人を対象に聞き書き調査を実施した。【結果】歴史的、地理的にもそれぞれの特徴を持つ東部、中部、西部の3地域について、各地域に特有の食材を生かした行事食やそれらの調理法について示す。東部の富士宮では、富士山の火山灰土壌で落花生栽培が盛んなため、おせちのなますには粗くすりつぶした落花生を入れる「落花生なます」が作られる。伊豆半島の主要な漁港である伊東では、祭りなどの行事食として鯖のそぼろをのせた「鯖の箱ずし」が作られる。中部は正月に黒豆、田作り、数の子を用意し、里芋やごぼう、椎茸の「煮しめ」、大根と人参の「なます」にいかやしめ鯖を加える。かつおだしに大根と里芋、角餅の「雑煮」やまぐろの「にぎりずし」を作る。おせちに練り製品を入れる。クチナシで色づける「菱餅」や「染飯」がある。西部の湖西市は「新居の関所」がある町で、東海道を往来する旅人によって「すわま」という波形をあしらった餅菓子が伝承され、上巳の節句に作られている。浜松市山間部の水窪周辺では、雑穀を中心とした食文化があり、4月8日(花祭り)に大豆、そば粉、小麦粉で「とじくり」いう団子をつくって仏壇にお供えしている。以上のことから、静岡県では東部、中部、西部の各地域に特有の食材が、行事食にも生かされていることが明らかとなった。
著者
長内 宏之 鈴木 文男 中川 貴史 中村 健太郎 瀬崎 和典 中島 義仁 浅野 博 味岡 正純 酒井 和好
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SUPPL.3, pp.S3_54-S3_60, 2014 (Released:2015-10-26)
参考文献数
6

はじめに : 電気生理検査 (EPS) にて高度心房内ブロック (Ⅱ度~Ⅲ度ブロック) の出現を認めることは極めて稀である. 今回われわれは心房粗動 (AFL) 時に高度心房内ブロックの出現を認め, さらにブロックの出現に伴う心房波間隔の延長時に心房波高が著明に増大するという稀な所見を呈した症例を経験した. 症例 : 通常型AFL症例 (83歳男性) の電気生理検査時, 冠静脈洞 (CS) 入口部領域に3峰性電位 (a+b+c電位) の形成を認めた. AFL (周期220~230ms) に対し周期170~200msにてCS pacing (S1~S20刺激) を施行し, 3峰性電位の反応を検討した. 周期180msのentrainment刺激の際, 第Ⅱ度心房内ブロック (Wenckebach型及び2 : 1ブロック) が出現しS4・S6刺激にてc電位の脱落を見た (この所見よりc電位はAFL回路には含まれない “袋小路電位” と診断された). c波高は, c電位脱落に伴うc-c間隔の延長度合いに比例して増大し, 先行c-c間隔が最長となった際のS7刺激由来のc波が最大波高を示した. 考察 : 本症例においてCS入口部領域で観察されたc電位はAFL回路に接続するdead-end pathwayにて記録された “袋小路電位” である可能性が強く示唆された. c波高は “先行c-c間隔” の延長 (=徐拍化) に比例して増大したが, ①徐拍化に伴う同期的興奮の可能な心房筋容量の増加, ②異方向性伝導の関与, などの機序が推察された.
著者
水谷 茂章 中川 和治 礒野 禎三 毛利 信幸
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.283-288, 1995-03-25
参考文献数
16
被引用文献数
2

ヘキサミン(1,3,5,7-テトラアザトリシクロ[3.3.1.1<sup>3</sup>,<sup>7</sup>)]デカン)の鞣皮性を研究するために,ヘキサミン溶液での温度と硫酸の添加量がpH並びに皮粉の熱変性温度(T<sub>D</sub>)に及ぼす影響,また,ヘキサミンがクロム鞣液のpH並びにクロムの沈澱形成に及ぼす影響について検討した.得られた結果は次の通りである.1) ヘキサミンの分解反応は比較的容易に始まるが,反応終了までには長時間を要した.しかし,皮粉が共存すると,その時間が短縮された.また,皮粉のT<sub>D</sub>の上昇は非常に遅かった.一方,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほどヘキサミンの分解反応が促進され,皮粉のT<sub>D</sub>の上昇は速くなった.2) クロム鞣剤は硫酸酸性下においてヘキサミンの分解反応を速めた.すなわち,ヘキサミンの分解反応が終了するまに要する時間は,クロム鞣剤が共存しない場合の1/2以下となり,また,溶液の温度が高いほど,硫酸の添加量が多いほど短縮された.3) ヘキサミンークロム鞣液では,かなり高いpHにおいてもクロムが沈澱しにくい.このことは,ヘキサミンの分解反応による生成物がクロム錯塩に対してマスキング効果を持つことが考えられる.
著者
橋本 洋輔 中川 健司 角南 北斗 齊藤 真美 布尾 勝一郎 野村 愛
出版者
日本語教育方法研究会
雑誌
日本語教育方法研究会誌 (ISSN:18813968)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.24-25, 2017 (Released:2017-07-10)
参考文献数
2

While teaching a class is the foremost task of an instructor, whether class preparation also counts as part of that duty have been unclearly defined. Yet recently, the Labor Standards Inspection Office issued a recommendation toward major educational institutions to recognize class preparation as labor entitled to payment. This, however, raises course management questions regarding what and how much instructors should actually prepare. Utilizing a various data, this paper discusses how much time is required for Japanese language instructors to conduct effective class preparation.
著者
中川 雅史 内藤 京子 上農 喜朗
出版者
日本循環制御医学会
雑誌
循環制御 (ISSN:03891844)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.71-75, 2008 (Released:2008-07-02)
参考文献数
6

Many kinds of anesthetic regimens are employed for fast-track cardiovascular surgery. We introduce our fast-track anesthesia method using remifentanil aimed for tracheal extubation in the operation room after cardiovascular surgery. Anesthesia was induced and maintained by target controlled infusion of propofol(in cases using cardiopulmonary bypass(CPB)) or sevoflurane(in cases not using CPB) with remifentanil infusion 0.3mcg/kg/min. Intravenous fentanyl infusion 0.5μg/kg/hr was started at about 2 hours before the end of surgery for postoperative analgesia. After the surgery, patients were awaken and extubated if chest X-ray didn’t show any abnormal signs. Tracheal extubation in the operation room was achieved 58.3% of patients, and no severe complication was observed. Compared with having been possible for the operating room extubation as for 76.5% of cardiac surgery, the vascular surgery was able to do the operating room extubation only 14.3%(p=0.005). However, when the cases which were able to carry out the extubation was included within 4 hours after ICU entering, the extubation was possible for 83.3% of total cases. Thus, this anesthetic method with remifentanil could be used as one of regimens for fast-track cardiovascular anesthesia.
著者
鈴木 誠 渡辺 敏郎 三浦 麻子 原島 恵美子 中川 靖枝 辻 啓介
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.7, pp.507-511, 2002-07-15
参考文献数
20
被引用文献数
13 18

本実験ではFolin-Denis法の抽出溶媒の比較検討をおこなった.抽出溶媒には,蒸留水,各種濃度の含水メタノール,含水ェタノール,含水アセトン,およびDMSOを用いた.<BR>結果は各試料ごとに異なり,赤ワイン抽出物では含水エタノール,緑茶抽出物では含水メタノール,イチョウ葉抽出物では含水アセトンが高い値を示したが,DMSOで抽出すると,いずれの試料を用いた場合でも最も高い値を示した.また添加回収実験では,DMSOで抽出した場合に添加した(+)-カテキンが最も効率よく回収できた.このことより,Folin-Denis法における抽出溶媒にはDMSOが最も適していることがわかった.
著者
中川 源洋 中嶋 謙一 平野 和弘
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.5, no.s1, pp.s33-s36, 2021 (Released:2021-04-20)
参考文献数
5

RGB-Depth(深度)カメラシステムは、カラー情報とカメラからの距離情報を同時に取得する技術である。本システムを用いれば、舞踊などの無形文化財や美術展の空間そのものを3次元データとして記録することができる。従来技術では、再現できる鑑賞視点に制限があったり、立体物の表示に制限があるといった課題があった。本技術は、少ない視点から撮影しそのデータをツールに入力することだけで3次元データを作成するものである。取得した3Dデータは自由視点で映像再現するので、実際の展覧会場で作品鑑賞に近い体験の提供が可能となる。また取得データは空間のもつ情報をすべて包含していることから、作品そのものの映像情報だけではなく、作品の展示順番や作品同士の距離など情報を含み、展覧会場のアーカイブに適している。本発表では、山形ビエンナーレ2020での展覧会場の3次元データ化実験事例を中心に3次元データの活用可能性に関して報告する。
著者
中川 照眞 澁川 明正 貝原 徳紀 田中 久
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌(化学と工業化学) (ISSN:03694577)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.7, pp.1002-1010, 1986-07-10 (Released:2011-05-30)
参考文献数
33
被引用文献数
1

18-クラウン-6を移動相に含む逆相系高速液体クロマトグラフィーにおける種々のアミノ酸,対応するアミン, およびペプチド類の保持挙動と分子構造との関係を調べ, 従来のイオン対逆相クロマトグラフィーと比較した。18-クラウン-6を移動相に添加することにより, α-位やβ-位の炭素の級数が低いアミノ酸ほど大きな保持値の増加率を示し, ロイシンとイソロイシンなどのように, イオン対モードでは分離しにくい疎水性の類似したアミノ酸を短時間で容易に分離することができた。また, 側鎖にアミノ基を有するリシンではほかにくらべてキャパシティーファクターの増加率はいちじるしく大きかった。アミノ酸とそれに対応するアミンとの問の保持値の差は, イオン対法にくらべて大となった。またプロリンはイオン対法では保持値の増加を示したが, 本法では逆に減少した。ペプチドの保持はN末端残基のアミノ酸の構造を強く反映した変化を示した。N末端残基のβ-位炭素に枝分かれがあるペプチドでは, 18-クラウン6との会合定数が小さく, 会合にともなう保持値の増加率も小さいことがわかった。このように, 18-クラウン-6はアミノ基周辺の立体構造をより強く認識する能力をもつので, 従来法では困難であった微妙な分離が可能となり, ペプチドやタンパク質の新しい分離分析への応用が期待される。
著者
片田 佳希 中川 俊作 田上 裕美 津田 真弘 都築 徹教 端 幸代 小高 瑞穂 米澤 淳 萱野 勇一郎 矢野 育子 南方 謙二 坂田 隆造 松原 和夫
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.14-22, 2016-01-10 (Released:2017-01-10)
参考文献数
14
被引用文献数
4 7

Vancomycin (VCM) is a first-line antibiotic used for methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), and therapeutic drug monitoring (TDM) is recommended to minimize the risk of nephrotoxicity and ensure successful therapeutic outcomes. In Kyoto University Hospital, we have developed a new approach of pharmacist intervention in the medication with VCM, which is named “Protocol-Based Pharmacotherapy Management (PBPM).” PBPM is based on a protocol approved in a hospital committee, which mentioned that pharmacists could order TDM and propose the most appropriate treatment plans with VCM to surgeons. From April 2011 to September 2014 in Kyoto University Hospital, a total of 54 patients hospitalized for cardiovascular surgeries received VCM without the treatment of hemodialysis. Twenty-nine patients before introducing PBPM were the control group. The VCM treatment according to PBPM was applied to 25 patients (protocol group). The incidence of acute kidney injury (AKI) due to VCM therapy, the retention rates of VCM blood concentration maintained in the therapeutic range (10-20 µg/mL) and in the toxic range (over 20 µg/mL) were retrospectively surveyed. The incidence of AKI was significantly lower in the protocol group than that in the control group (8.0% vs 31.0%, P < 0.05). The retention rates maintained in the therapeutic blood concentration range and in the toxic blood concentration range were significantly different between the control group and the protocol group. These results demonstrate that pharmaceutical intervention based on PBPM for MRSA treatment is effective for maintaining VCM blood concentration in the therapeutic range, resulting in a reduction of adverse drug reactions.