著者
内田 雅代 中村 美保 武田 淳子 古谷 佳由理 中島 光惠 兼松 百合子 河野 陽一
出版者
千葉大学看護学部
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.119-122, 1994-03

外来通院中の小学4年生から高校生までの気管支喘息児を対象に,日常生活の現状,ストレスの程度,周囲の人々から感じているサポートについて,それぞれ自作の質問紙を用いてこども自身に調査した。その結果,男児14人,女児12人,計26人から回答が得られた。ストレス体験では「病気のことで悩んだ」が13人と最も多く,病気であるためのストレス体験が多かった。ソーシャルサポートの程度は,親,友人,医師・看護婦,先生の順に低くなっていた。学校生活の状況では,体育に「いつも参加」が15人,「身体の状態によって」が11人で,ストレスの平均点は「いつも参加」の方が低かった。「学校生活が楽しい」は18名と多く「つまらない」は1人であり,この患児のストレスは高く,「病気のためみんなと同じようにできない」と訴えていた。療養行動では,喘息カレンダーを「いつも自分で」つけるのは6人,また,発作が起こりそうな時の対処行動として,「水を飲む」「痰を出す」はそれぞれ10人,「腹式呼吸は」3人と少なく,セルフケア行動においては,自立性が低い傾向がみられた。患児の気持ちを確認しながら,発作の予防のためのセルフケア行動の意義や実際の対処方法を患児自身が見出せるよう援助していくとともに,周囲の理解と協力を求めていくことがセルフケア行動促進への援助につながると思われる。
著者
松岡 真里 丸 光惠 武田 淳子 中村 伸枝 兼松 百合子 松本 暁子 内田 雅代 竹内 幸江 佐藤 奈保 栗林 浩子 篠原 玲子 西牟田 敏之
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.59-68, 1998-03
被引用文献数
2

気管支喘息患児をもつ母親の,1)ライフスタイルの実態を明らかにする,2)ライフスタイルの要素間の関連を明らかにする,3)母親の特性,喘息児の特性とライフスタイル間の関連を明らかにする,ことを目的に研究を行った.対象は,喘息児をもつ75名の母親であった.質問紙による調査の結果,以下のことが明らかとなった.気管支喘息患児をもつ母親は,家族の健康に関心が高く,楽観的な考えの母親ほど,日常の中でストレスを管理している様子が明らかとなった.また,こどもの自立を望み,子育てへの関心も高かった.しかし,発作に関するストレスや薬の不安などを抱く母親も多く,発作が母親のストレスとなり,発作をコントロールするためにこどもへの統制的な関わりが増していた.以上より,疾患管理についてのみでなく,子育てについてをともに考え,母親自身の生活が充実したものになるように援助することが,喘息児の発作のコントロール,ひいては児の自立にもつながると考えられた.
著者
稲葉 昭次 山本 努 伊東 卓爾 中村 怜之輔
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.132-138, 1980
被引用文献数
2 3

トマトの樹上成熟果実と追熟果実の成熟様相と食味の比較を行った.'強力五光'については成熟の様相を, また'強力東光'についてはそれに加えて食味面からの検討も行った.<br>mature green stage からの追熟果実の炭酸ガス排出量及びエチレン発生量は,'強力五光'果実では全期間を通じて樹上成熟果実より低く,'強力東光'果実では成熟の開始に伴う増加が遅れた. turning 及び pink stage からの追熟果実では, いずれの品種ともに樹上成熟果実と大差は認められなかった.<br>'強力東光'果実の遊離のABA含量は, mature green stage からの追熟では, 成熟期間中ほとんど増加しなかったが, turning stage 以後の追熟では樹上成熟よりもむしろ多くなった.<br>full ripe stage における食味テストでは, 果色についてはいずれの熟度からの追熟果実も樹上成熟果実と差はなかったが, 肉質, 風味, 甘味及び酸味の評価は mature green stage からり追熟果実は明らかに樹上成熟果実よりも劣っていた. turning stage からの追熟果実では,酸味の評価のみが樹上成熟果実より劣っていたが, pink stage からのものではすべての面でまったく差は認められなかった. このような甘酸味の食味評価の差異は, 果肉部のグルコース及びフラクトース含量ならびにゼリー部のクエン酸含量における差異とよく一致していた.<br>以上のことより, トマト果実は内的及び食味構成面からみて, mature green stage では追熟に対する条件がまだ十分には整っておらず, turning stage になるとそれらがほぼ完全に整うように思われた.
著者
中村友昭
雑誌
あたらしい眼科
巻号頁・発行日
vol.11, pp.1119-1123, 1994
被引用文献数
2
著者
梶原 一人 茂木 昭仁 中村 正幸
出版者
低温生物工学会
雑誌
低温生物工学会誌 (ISSN:13407902)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.119-122, 1998-12-28
被引用文献数
1

Double crystallizations during warming observed with the certain compositions of NaCl-glucose-water system solution, were investigated by X-ray diffraction. From the results a lower temperature crystallization is identified as ice formation. Viscosities of the ternary system solutions were measured at 30℃. Viscosities of NaCl-glucose-water system solutions are higher than those of KCl-glucose-water system solutions in the same compositions.
著者
中村 隆文
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学社会文化科学研究 (ISSN:13428403)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.29-40, 2004-10-01

ヒュームは因果関係を批判し、さらに人格の同一性も虚構的なものとして批判したことから、その思想は、デカルト以来疑われることのなかった「明晰な私」さえも否定する懐疑主義としてみなされてきた。事実、彼はその著作『人間本性論』において、実体を主張する二元論が根拠のない通俗的な説であると明言し、その論駁を主な目的としている。だが、私は、そうした動機、およびその議論の方法が懐疑主義的なものであるとも、あるいは、結論としてヒュームが懐疑主義者であるとも解釈されないものであると考えている。しかし、だからといって、ヒューム思想の本質が実際には彼自身が否定した二元論に拠っているということでもない。経験論は通常、知覚の中断にも関わらず、時間的経過における主体の在り方は不変的で同一的であるような主体実在論的立場にある。ヒュームは人格の同一性を批判しているものの、ヒューム思想全般の理論的背景として、そのような主体実在論的な経験主義、あるいは彼が否定するところの、主体の実在性を認めるような二元論を採っているとする解釈も少なくない。この論文における目論見としては、人格の同一性分析におけるヒュームの反主体実在論的立場が、因果分析を可能にしているヒュームの経験論と理論的に矛盾しないことを示し、ヒューム思想というものが、二元論あるいは主体実在論とは異なる形で主体の拡がりを示していることを明らかにしてゆくことにある。ヒュームの『人間本性論』における因果分析、人格の同一性分析を通しつつこれらのことを検証し、二元論的主体をどのような意味において否定しているのか、そして、主体というものがどのような位置付けをされているのかを考察してゆきたい。

1 0 0 0 芭蕉

著者
井本農一 栗山理一 中村俊定編著
出版者
三省堂
巻号頁・発行日
1977
著者
林屋 早苗 中村 有加里 林屋 牧男 深瀬 徹
出版者
日本獣医皮膚科学会
雑誌
獣医臨床皮膚科 (ISSN:13476416)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.93-98, 2012 (Released:2012-07-13)
参考文献数
9
被引用文献数
1 3

イミダクロプリド製剤を繰り返して投与しても十分に駆除することができなかった犬寄生のノミについて検討した。この症例から採取したノミはネコノミ Ctenocephalides felisと同定された。また,他の犬から採取したネコノミ3分離株を対照として,イミダクロプリドとフィプロニルに対する感受性を in vitroにおいてノックダウン試験により検討した結果,本症例に寄生していたノミはイミダクロプリドに対して低感受性を示すことが確認された。これにもとづき,フィプロニルを有効成分とする滴下投与用液剤による駆除を試みたところ,ノミを完全に駆除することが可能であった。
著者
中村 幸弘
出版者
國學院大學国語研究会
雑誌
国語研究 (ISSN:04506677)
巻号頁・発行日
no.72, pp.15-30, 2009-03
著者
中村光著
出版者
講談社
巻号頁・発行日
2008
著者
徳永 旭将 池田 大輔 中村 和幸 樋口 知之 吉川 顕正 魚住 禎司 藤本 晶子 森岡 昭 湯元 清文 CpmnGroup
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.14, pp.1-6, 2010-12-09

一般に,前兆現象は突発現象にそのものに比べて非常に目立ちにくく,その開始時刻は曖昧である.従来よく用いられてきた変化点検出法を適用した場合,このような微小で緩慢な変化は見逃されやすい.Tokunaga et al.1) では,Ide and Inoue2) の提案した特異スペクトル分析を応用した変化点検出法 (SST) を,多次元データを用いたアルゴリズム (MSST) へと拡張することで,鋭敏に前兆現象の開始時刻を推定出来ることを示した.MSST は,緩慢な変化も検出できる鋭敏な手法であるが,実データへの適用では誤検出が問題になる.本稿では,突発現象の大まかな開始時刻を予め検出し,さらに検出された時刻の前後で前兆現象の開始時刻と終了時刻を個別に探索することで,誤検出を劇的に減少させることができることを示す.