著者
林 健太郎 長谷川 利拡 小野 圭介 岩崎 亘典 豊田 栄 八島 未和 堅田 元喜 須藤 重人 和穎 朗太 常田 岳志 麓 多門 須藤 重人 南川 和則 和穎 朗太 松田 和秀 片柳 薫子 矢野 翠 中村 浩史
出版者
独立行政法人農業環境技術研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010

つくばみらいFACE(開放系大気二酸化炭素増加)実験水田を舞台として、大気沈着および灌漑水に由来する窒素フローの実態を把握し、大気二酸化炭素(CO_2)増加、加温、および水稲品種が一酸化二窒素(N_2O)の生成、窒素無機化、窒素固定、水稲の窒素吸収、および土壌有機物の動態などの窒素関連過程に及ぼす影響の解明を進め、大気-土壌-水稲系の詳細な物質循環モデルを開発し、広域評価モデル・データセットを構築した。
著者
武田 清大 金 均東 中村 宏 宇佐美 公良
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. VLD, VLSI設計技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.316, pp.93-98, 2010-11-22

パワーゲーティング回路向けのゲート遅延解析法を提案する.提案手法では動的タイミング解析に基づく論理ゲートのスイチンッグ情報の取得,および仮想グランド線電位解析の高精度化によって従来手法と比較して悲観性を大きく削減した遅延解析ができる.評価の結果,スリープトランジスタの面積率が27%の3bit Ripple Carry Adderにおいて,従来手法と比較して57パーセンテージポイントの誤差の改善を達成した.
著者
松澤 佑次 中村 正 船橋 徹 山下 静也 AUWERX Johan
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

過栄養に基づく肥満即ち脂肪組織の過剰蓄積は、最もcommonな成人病(生活習慣病)の糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化症等やさらに大腸癌や炎症性腸疾患の大きな発症基盤となっている。本研究では脂肪組織、特に病態と密接に関連する内臓脂肪の分子生物学的特性を明らかにすることによって、多彩な病態を発症せしむる分子機構を、国際的な研究協力によって解明しようとするものである。私達は脂肪組織発現遺伝子の蓄積部位別大規模シークエンス解析により、内臓脂肪が従来考えられていたような単なる受動的なエネルギー備蓄細胞ではなく、多彩な生理活性物質を合成・放出する分泌細胞であることを示した。フランス、パスツール研究所のDr.Auwerxはdifferential displayによる脂肪蓄積部位別発現遺伝子解析を行い、それぞれの脂肪組織に高発現する遺伝子を示した。私達は大規模シークエンス解析の過程で、脂肪細胞特異的に発現する新規分子、adiponectinを発見し、病態発症との関連について解析した。Adiponectinは血漿中に5-10μg/mlの高濃度で存在する脂肪細胞分泌蛋白であるが、肥満、特に内臓脂肪蓄積時には著しい血中濃度の低下が認められた。本分子は内皮細胞の単球接着抑制や平滑筋増殖抑制作用を有する抗動脈硬化防御因子であり、内臓脂肪蓄積における減少は重要な血管病発症の分子メカニズムの一つと考えられた。一方Dr.Auwerxは脂肪細胞分化のmaster regulatorであるPPARγに着目し、肥満発症における意義を示した。さらに本分子が腸管上皮細胞に発現しており、この細胞の分化増殖を調節していることを明らかにした。また過栄養における大腸癌の発症や、内臓脂肪蓄積とクローン病発症の関連を、PPARγを中心に明らかにした。平成11年度動脈硬化学会にDr.Auwerxを招き、互いの成果を公表した。本研究により脂肪蓄積、特に内臓脂肪蓄積と病態発症との関連を、国際間で情報交換することにより、分子レベルで明らかにされた。
著者
寧 波 久保 康隆 稲葉 昭次 中村 怜之輔
出版者
園藝學會
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.703-710, 1991
被引用文献数
2 4

チュウゴクナシ'鴨梨'の樹上および収穫後の成熟特性をニホンナシ'二十世紀'およびセイヨウナシ'ラ•フランス'と対比しながら調べた.<BR>呼吸活性は3種類とも樹上成熟に伴って増加した.収穫後の呼吸活性は'鴨梨'と'ラ•フランス'では, 収穫熟度にかかわらずクライマクテリック•パターンを示したが, '二十世紀'では, ノンクライマクテリック•パターンであった. 樹上成熟果のエチレン生成は, '鴨梨'では収穫期における落果直前, 'ラ•フランス'では成熟期の後半頃に始まったが, '二十世紀'では過熟になってもみられなかった. 収穫果実のエチレン生成は, '鴨梨'と'ラ•フランス'では明確に認められ, ACC含量とEFE活性もエチレン生成と同調した変化様相を示した. 特に'鴨梨'のエチレン生成量は極めて多く, 最も多量の場合には380nl/g•hrにも達した. また, 収穫時期が早いほど追熟中のエチレン生成量も多い傾向があった.一方, '二十世紀'では樹上ではある程度のACC含量の蓄積がみられたが, EFE活性が低く, エチレン生成は樹上でも収穫後もほとんどみられなかった.<BR>樹上成熟に伴うデンプンの急減と糖含量の増加は3種類ともみられたが, 糖組成は異なり, '鴨梨'と'ラ•フランスは樹上成熟期間を通じて終始果糖含量が最も高かったが, '二十世紀'ではショ糖含量が成熟期間中急増して最も高くなった.<BR>樹上成熟に伴う有機酸含量は, 'ラ•フランス'でリンゴ酸が急増したこと以外にはあまり変化がなかった. 収穫後は, '鴨梨'ではリンゴ酸含量が追熟中一度増加した後減少したが, 'ラ•フランス'では漸減傾向を示した.<BR>果肉硬度はいずれの品種とも樹上では減少し, 特に'ラ•フランス'では著しかった. 収穫後は, '鴨梨'では追熟中に果肉硬度はほとんど減少せず, 収穫時点の硬度を保持していたが, '二十世紀'では漸減し, 'ラ•フランス'では追熟とともに急減した.<BR>以上を総合すると'鴨梨'果実の成熟特性は多量のエチレンを生成するにもかかわらず, 果肉硬度の保持が良好であるという点で, 特徴づけられる.
著者
土門 晃二 中村 清
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究では、インターネット上での違法ファイル共有の実態について調査を行い、経済学的な視点から制度的および理論的な分析を行った。調査を行った地域は主にアジア地域(中国、韓国、台湾、ベトナム)であり、アンケートとインタビューによって発展途上国と先進国での違いを明確に出来た。特に、ベトナムを中心的に調査を行った。中国以上に違法コピーが多い国で、経済の発展レベルも調査国の中で一番低い。ミュージシャンや作曲家、マネージャー、放送関係者、大学生に数度にわたりインタビューを行い、途上国では違法コピーによる利害関係が先進国と大きく異なり、多くのミュージシャンが違法コピーによるプロモーション効果(ライブ・ステージのための)に依存していることが明らかになった。また、インターネットを利用する取引費用(回線速度やプロバイダー費用)が大きく、違法CDの利便性が上回っていることも判明した。また、理論的な分析として、違法コピーが存在する場合の価格戦略、コピー・コントロールを利用した価格戦略、および放送における権利問題などを行った。コピー・コントロールに関しては、価格差別を行うことによって、生産者、需要者ともに利便性が増すことを証明した。これらの成果は、海外の主要な専門雑誌と書籍、国内外のセミナー、コンファレンスなどで発表を行っており、充実した研究が実施されたものと自負している。また、調査に関連した新聞記事がベトナムで掲載され、学術的な領域を超えて、社会一般の関心を集めることにも成功した。
著者
佐川 志朗 山下 茂明 佐藤 公俊 中村 太士
出版者
日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.95-105, 2003-08-25
被引用文献数
2

1.北海道北部の河川支流域における秋季のイトウ未成魚の生息場所の物理環境特性を2つの異なる河川規模において調査し,年級群による比較を行った。さらに同所的に生息するサクラマス幼魚との植生の比較により,採餌様式および種間関係について考察をおこなった。2.解析の結果,イトウは当歳魚よりも1歳以上魚の方が深い水深を必要とした。一方,流速には両者間での差がなく,当歳魚および1歳以上魚共、流速が0m/sec程度に緩和された箇所に生息した。3.2次水流では当歳魚が多く,3次水流では1歳以上魚が多い傾向がみられた。さらに,当歳魚は岸寄りに,1歳以上魚は流心に定位する傾向がみられた。4.イトウ未成魚の体サイズと水深およびカバー長との間には有意な関係が認められ,さらに,成長に伴い必要とする水深およびカバーの規模が大きくなることが示唆された。5.胃内容物分析の結果,サクラマス幼魚は流下動物依存型の採餌様式を持つのに対して,イトウ未成魚は河床上もしくは河床中の底生動物依存型の採餌様式を持つことが示唆された。また,イトウ当歳魚はカゲロウ目に依存した採餌様式を示すが、1歳以上魚になると魚類への依存度が最も高くなり、共食いのケースも確認された。6.本研究結果より,イトウの保全のためには,上流域から中流域への未成魚の分散経路の保全,未成魚の生息場所となるカバーを有する様々な水深の緩衝帯の保全、餌資源の生息場所となる河畔林および砂礫底の保存が極めて重要であることが示唆された。
著者
中村 尚広 竹内 広宜 山口 高平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

サービス業におけるサービス改善の方法として,消費者の声を直接反映している口コミ情報が注目されている.しかし,口コミ情報を直接読むだけでは,サービス改善の糸口を発見することは困難な場合が多い.本研究では,サービス改善のきっかけとなる示唆を得るために,オントロジーを用いて口コミ情報を,様々な視点からの分析ができるよう構造化する手法を提案する.また,サービス改善の糸口を導出する分析手法を提案する.
著者
秋山 朝子 今井 かおり 石田 幸子 伊藤 健司 小林 正志 中村 秀男 野瀬 和利 津田 孝雄
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.55, no.10, pp.787-792, 2006 (Released:2006-11-17)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

An analytical method for the determination of aromatic compounds exhalated from hand skin has been proposed. The sampling of exhalated aromatic compounds was performed as follows: after the intake of aromatic compounds included in chewing gum or a capsule, exhalated skin gas was collected from a hand. The hand was covered with a sampling bag of poly vinyl fluoride (PVF) for 30 min. Then, the inner space of the sampling bag was sprayed with a 25% of ethanol aqueous solution. After removing the hand from the bag, the trapped solution containing skin gas was collected. The aromatic compounds in the trapped solution were extracted to the solid phase as Twister® (stir bar coated with poly dimethyl siloxane, Gerstel). Extracts were determined by gas-chromatograph mass spectrometry using a thermo desorption system and a selective ion mode. Linalool, citronellol and geraniol, which are the main components of rose essential oil, were detected from the skin of a hand after an oral intake of rose oil. The exhalated absolute amount of linalool, citronellol and geraniol increased in 30 to 60 min, and then decreased after intake. The recoveries of linalool, citronellol and geraniol were 53.5%, 66.7% and 55.1%, respectively. The correlation coefficient of the standard curves for linalool, citronellol and geraniol were 0.9977, 0.9994 and 0.9987, respectively. Each compound exahalated from the skin of a human body during 6 hours after intake was estimated to be, according to the amount of intake, 0.39%, 0.09% and 0.25%, respectively, for one subject. The absolute amount of geraniol exhalated from a hand increased significantly after oral intake for 8 subjects (P<0.025). This is the first report to present hard proof that an aromatic compound was exhalated from human skin after its intake as food.
著者
中村 正直
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.2, no.4, pp.25-26, 1951-12-31

Anal comb of the Japanese Colias hyale poliographus Motsch, was described. The comb is transverse and consists of thirteen teeth. The tooth is elongate and obtuse at the apex; basal half fused with each other but free apically; every third tooth has a small process on a side which is fused at the base. The length of the teeth is subequal excepting those at each side of the comb which are shorter than terest. This is somewhat allied to the anal comb of C. philodice eurytheme Bdvl. from N. America, which was illustrated by Peterson, However, detailed comparison is impossible on account of his sketch being too rough.
著者
中村 哲
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

近年、多言語音声自動翻訳の研究は大規模データと統計モデルにより大きな発展を遂げ、世界初の旅行会話音声翻訳ネットワークサービスとして運用が続いている。ネットワーク上の利用者が使うほどデータが集まり性能が高度化する、この技術はBig Dataに基づくAI技術と捉えることができる。本講演では、コミュニケーションのための音声言語処理、Web上の多言語情報抽出のため音声言語処理の現状と今後について述べる。
著者
中村 聡史 平田 佐智子 秋田 喜美
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

時間的推移によるオノマトペの意味変化の可能性に対して、オノマトペの通時的研究は少ない。本研究では大規模な話し言葉データである国会議事録を元に、発言中のオノマトペの頻度及び共起する語の分析により、オノマトペの意味がどのように推移したのかを検討する。また、情報学と心理学・言語学という分野を大きく横断した研究において、各分野の研究者がどのように相互に貢献できるかといった点について知見を報告する。
著者
平田 佐智子 秋田 喜美 小松 孝徳 中村 聡史 藤井 弘樹 澤井 大樹
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.26, 2012

オノマトペ(擬音語・擬態語)は文学作品のみならず、漫画や商品の宣伝などに幅広く使用される。その一方で、話し言葉におけるオノマトペ使用頻度は地域や状況によって異なり、特に近畿・東北圏の使用頻度が高いという指摘がなされている。そこで、本研究では一般的に信じられている「近畿や東北の人は会話におけるオノマトペ使用頻度が高い」という信念が実際に存在するのか、またその信念が生じる起因を探ることを目的とする。
著者
木下 尚子 黒住 耐二 新里 貴之 高宮 広土 中村 直子 安座間 充 石丸 恵利子 鐘ヶ江 賢二 神谷 厚昭 川口 陽子 岸本 義彦 新里 亮人 樋泉 岳二 中村 友昭 松田 順一郎 宮城 弘樹 盛本 勲 山崎 純男 山野 ケン陽次郎
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は伊江島ナガラ原東貝塚の8回の発掘調査をもとに、沖縄貝塚時代中頃の変化を伊江島において明らかにした。すなわち、遺跡の時期が5世紀から7世紀であること、この時期の沖縄諸島の土器は伝統的な形状を大きく変化させるがその変化は内在的なものであると同時に南九州や奄美地域の影響によって生じたこと、遺跡が南九州や種子島と貝殻を交易するために断続的に使われたキャンプ地であった可能性の高いことを明らかにした。
著者
中村 宗一郎 寺嶋 正治 藤井 博
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

全身性アミロイドーシスや認知症を引き起こすとされているL68Qヒト型シスタチンやアミロイドβ蛋白質を用いて,種々の天然フェノール化合物及びそれらのリポフィル化あるいはグリコシル化誘導体のアミロイド線維形成抑制能を調べた。その結果,グリコシル化に比べリポフィル化の方がより効果的であることが明らかにされた。本研究で示された構造と機能に関する成果は,今後の抗コンフォメーション病食品素材の分子設計に活用されるものと期待される。