著者
小堀 宅郎 仲田 博貴 榎本 恭子 沖津 孝幸 今井 康平 八木 誠次 荻野 勇人 若林 修
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.106-114, 2019-02-10 (Released:2020-02-10)
参考文献数
16

To clarify the knowledge and awareness of hemorrhoids per se and the therapeutic behavior in consumers, we conducted a survey with 60,000 consumers in Japan. The survey items included demographic characteristics (age and sex), knowledge and awareness of hemorrhoids per se and the therapeutic behavior, such as ambulant treatment and over-the-counter (OTC) medicine usage.The survey result showed that the proportion of consumers having subjective hemorrhoidal symptoms is 10.0%, which consists of anal fissure (41.2%), external hemorrhoids (33.1%), internal hemorrhoids (26.8%), anal fistula (4.0%), and don't-know (18.8%) and that 25.5% has prior experience with hemorrhoids. Importantly, 19.8% possessing hemorrhoid-related symptoms in the population had no awareness of hemorrhoids. Of note, 72.6% of consumers with subjective hemorrhoidal symptoms utilized neither the ambulant treatment nor OTC medicine, because many of them had shame, anxiety, and inadequate knowledge of hemorrhoids and the applicable therapy. In fact, there were few consumers who understood the existence and characteristic symptoms of three types of hemorrhoids. These findings indicate the need to engage in educational activities on hemorrhoids and applicable therapeutic drugs by offering accurate information from the perspective of pharmaceutical companies.
著者
今井 直子 熊川 孝三 安達 のどか 浅沼 聡 大橋 博文 坂田 英明 山岨 達也 宇佐美 真一
出版者
日本小児耳鼻咽喉科学会
雑誌
小児耳鼻咽喉科 (ISSN:09195858)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.352-359, 2013 (Released:2014-03-20)
参考文献数
18

【目的と方法】  先天性難聴の原因として最も頻度が高いのは GJB2 遺伝子変異であり,一般的に非進行性難聴を呈するとされる。今回我々は GJB2 変異97例について遺伝子型と難聴の進行の有無について検討した。【結果】  遺伝子型は従来アジア人に多いとされている235 delC が最も多く,欧米人に多い35 delG は認められなかった。当初からの重度難聴例を除いた41例のうち,1 年以上の間隔で聴力が 2 回以上測定されている症例は32例であった。明らかな難聴の進行例は 1 例,進行疑い例は 3 例であったが,遺伝子型の特定の傾向は認められなかった。【結論】  GJB2 変異においては難聴の進行は稀であり,進行性難聴を呈する特定の遺伝子型は指摘できなかった。しかし乳幼児では特に難聴の程度が言語発達に大きく影響を与えるため,GJB2 遺伝子変異例であっても稀に難聴が進行するということをふまえて注意深く難聴の経過を追う必要がある。
著者
今井 雅子 高橋 礼恵 戸田 智美 三沢 岳志 源栄 克則
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.34-40, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)

本研究では,投資ファンドとして先端技術を持つ投資先を選定するという設定のもと,社会課題を解決するための先端技術の中から,技術革新や市場拡大が期待される家庭用サービスロボットに着目し,技術動向分析および技術動向予測を行った。これらの情報と研究メンバーの想像する将来の生活から,ニーズはあるが,現在製品が普及していない家庭用調理ロボットを2030年製品化のターゲットとして選択した。この家庭用調理ロボットについて,理想とする将来像と現状の技術とのギャップから,把持技術,安全技術,味のデジタル化技術をキー技術として特定し,これらの技術において先端技術をもつベンチャーを探索し,最終的に2社を投資先として選定した。
著者
吉田 精作 村田 弘 今井田 雅示
出版者
公益社団法人 日本農芸化学会
雑誌
日本農芸化学会誌 (ISSN:00021407)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.1007-1011, 1992-06-01 (Released:2008-11-21)
参考文献数
7
被引用文献数
8 9

Marketed vegetables and fruits contaminated by organophosphorus, organochlorine, or carba-mate pesticides were cut into several regions (fruit stalk, pericarp, fruit receptacle, tissue around the stalk cavity, etc.) and the concentration of the pesticide residues in each region was assayed. In fruits and fruit-type vegetables, the concentra-tion of the pesticide residue was higher in the fruit stalk and near the epidermis (exocarp and fruit receptacle) than in the sarcocarp or peri-carp. In leaf vegetables, the concentration of the pesticide residue was higher in the outer leaves than in the inner ones. There was no pesticide contamination of the inner leaves of Chinese cab-bages with a well-formed head. Dieldrin and heptachlor epoxide were detected in pumpkins and cucumbers, although their use in agriculture has been prohibited in Japan for about 20 years. The removal rates of pesticide residues by washing with water or 0.1% liquid detergent for kitchen use were from 8 to 52% and from 19 to 67%, respec-tively. Removal of the fruit stalk, exocarp, and tissue around stalk cavity of fruits and fruit-type vegetables and washing of leaves with water or dilute detergent solution for kitchen use were necessary to decrease the intake of pesticide resi-dues from vegetables and fruit.
著者
根本 京子 山下 夕香里 石野 由美子 丹生 かず代 横山 美加 根本 敏行 今井 智子 鈴木 規子 道 健一
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.356-362, 2000-11-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
27

To clarify the awareness and subjective symptoms of the disorder in preoperative ankyloglossia, patients were evaluated using a questionnaire survey. The following results were obtained.1. Disorders in swallowing and mastication were recognized in about 33.3% of the moderate cases. Oral functional disorders were checked in about 83.4% of the moderate cases, which was significantly frequent compared with the slight cases.2. Speech disorders were observed most frequently as subjective symptoms, and uptake disorders were observed in some cases.
著者
大澤 博隆 今井 倫太
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2007論文集
巻号頁・発行日
vol.2007, no.12, pp.188-194, 2007-11-09

本研究では,シミュレーション上で実施されることの多い繰り返し囚人のジレンマゲームを人間のプレイヤ同士で行わせ,各エージェントの戦略を,実際の人間プレイヤ同士にプログラムさせることで,ゲーム上でのエージェントの戦略の変化を調べる.これにより,実際の人間同士の集団ゲームにおいて,人間がどのように戦略を変化させていくか分析した.本研究では Axelrod の初回の大会の条件を元に,囚人のジレンマゲームの条件を設定し,大学の授業の課題として,授業参加者 72 人の人間を対象とし,25 日間の実験を行った.その結果,Axerlod の初回の大会や,シミュレーションの結果と異なり,上位のものほど記述が複雑化する傾向が発見された.また複数のプレイヤ同士が協力する「主人−奴隷戦略」,上記の戦術に対する寄生戦略,自身の勝利を目指さず,他プレイヤを追い落とす戦略など,一見すると合理的でない,様々な戦略が確認された.
著者
宮脇 哲 今井 英明 斉藤 延人
出版者
日本脳循環代謝学会
雑誌
脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌) (ISSN:09159401)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.341-345, 2017 (Released:2017-08-25)
参考文献数
15

虚血性脳卒中(脳梗塞)の主要な原因の一つである頭蓋内主幹動脈狭窄はアジア人種に多い発症が知られており,遺伝的要因の関与が示唆されてきた.近年,もやもや病の疾患感受性遺伝子としてring finger protein 213(RNF213)が同定された.我々はRNF213上の単一のミスセンス変異(c.14576G>A, p. R4859K, rs112735431)がもやもや病のみならず,様々な程度の頭蓋内主幹動脈狭窄に関連することを明らかにしてきた.この結果は,従来の画像所見や既往歴といった表現型を主体としたもやもや病や頭蓋内主幹動脈狭窄の診断基準・疾患概念のパラダイムに一石を投じる可能性がある.また,RNF213 c.14576G>A変異は一般の日本人の2%程度と比較的高頻度に存在する.日本の脳卒中の領域においては重要な遺伝的要因(リスクアレル)であると言える.RNF213 c.14576G>Aの遺伝子診断は,新たな脳卒中のリスク評価,より適切な診断・予防的加療につながる可能性がある.
著者
今井 泉
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.65, no.9, pp.428-431, 2017-09-20 (Released:2018-03-01)
参考文献数
15

現行の中学校理科や高等学校理科の基礎科目「化学基礎」において,「熱量とエネルギーと仕事」を関連させた内容が存在しないことは,基礎を付した科目に続いて学ぶ「化学」の「化学反応とエネルギー」を指導する上で大きな問題である。本稿ではその点を踏まえ,大学の一般化学とのギャップを埋める発展的な内容(エンタルピー変化,エントロピー変化,ギブズエネルギー変化)を含む熱化学指導について提案する。
著者
高橋 裕樹 山本 元久 篠村 泰久 今井 浩三
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.36, no.6, pp.442-451, 2013 (Released:2013-12-31)
参考文献数
30
被引用文献数
6

IgG4関連疾患はグルココルチコイド(GC)が奏効することから,生命予後は良好であると推測されていたが,長期観察例の増加に伴い,臓器機能の予後に関する臨床情報が集積されてきた.これらをもとに,早期治療の必要について検討した.IgG4関連涙腺・唾液腺炎では発症後2年以内の治療開始,および臨床的寛解の維持が唾液腺分泌能の回復・維持には重要であった.IgG4関連腎臓病では治療前の推算糸球体濾過量が60 ml/分未満の場合,腎機能の回復が不十分であることから,早期の治療介入の有用性が示唆された.自然寛解率が比較的高い自己免疫性膵炎においてもGC治療が有意に再燃を抑制することが示されているが,長期例での膵萎縮,膵石形成などを伴う慢性膵炎への移行が指摘されており,治療方法や治療介入のタイミングについて検討が必要である.IgG4関連疾患は既存の慢性炎症性疾患に比較し,臓器破壊は緩徐であることが想定されるが,病変の持続により線維化の拡大とともに臓器障害が進行することより,GCなどの治療薬の副作用を考慮した上で,可及的早期の治療介入が望ましいと考えられた.
著者
米谷 雄介 後藤田 中 北原 美里 小野 滋己 青木 有香 八重樫 理人 藤本 憲市 林 敏浩 今井 慈郎 最所 圭三 喜田 弘司
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.112-121, 2019-09-17 (Released:2019-09-17)
参考文献数
5

情報セキュリティマネジメントにおいて,組織および組織を取り巻く環境に適合したセキュリティ対策の状況の確認・有効性の確認は必要不可欠である.本学では,予算・運用形態等の制約の中で,導入したセキュリティ製品の組織への妥当性を点検する試みを行っている.近年の標的型攻撃に重点を置き,本学のファイアウォールで監視されるメール,またWebからのダウンロードファイルを対象に,サンドボックスによる検知マルウェアに対するセキュリティ製品の対応状況を確認している.本研究では,パターンファイルが新種・亜種に対応するまでの期間を調査して,全学レベルで導入したアンチウイルスソフトおよび他社製品群を対象に,その妥当性の点検作業を支援するシステムを開発した.
著者
石黒 要 今井 哲也 品川 誠
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.7, pp.1639-1642, 2005-07-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
20
被引用文献数
1

症例は68歳,女性.慢性関節リウマチのため10年以上プレドニゾロン10mg/日を服用していた. 2003年9月18日,腹痛を認め救急車にて搬送された.腹部CT検査にて小腸穿孔・汎発性腹膜炎と診断,手術を施行した.回盲部より30cm口側の回腸に穿孔を認め,小腸切除術を施行した.病理組織学的検査では,潰瘍底にカンジダの増殖を伴う潰瘍を2カ所に認め,うち一方が穿孔していた.医学中央雑誌で過去10年間を検索したが,カンジダによる成人の小腸穿孔の報告はなかった.カンジダは易感染性の患者に日和見感染症を起こし重篤になる場合がある.小腸カンジダ症は稀ではあるが,潰瘍や穿孔の一因になりうるということを,再度認識する必要があると思われた.
著者
勝木 美佐子 中村 雄二 平野 正憲 野本 一臣 今井 道代
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.715-718, 2012 (Released:2013-04-01)
参考文献数
12

目的:ビリルビンは,強力な抗酸化物質であり,動脈硬化予防に作用している可能性があると報告されていることから,生活習慣と総ビリルビン値に関連性があるかを検討した.方法:対象は平成22年に当クリニックを受診し,体質性黄疸が考えられる総ビリルビン値2.3mg/dL以上を除外した21,166名(男性12,622名,女性8,544名)である.生活習慣に関しては,喫煙習慣,飲酒習慣,運動習慣,ストレス,睡眠時間について,自記式問診票にて確認した.体格については,body mass index(BMI)を18.5未満(やせ群),18.5以上25.0未満(標準群),25.0以上(肥満群)の3群に分け,それぞれ総ビリルビン値の平均値について検討した.総ビリルビンは酵素法にて測定した.成績:喫煙習慣について,総ビリルビン値は男女ともになし群,やめた群,あり群の順に有意に高値であった.飲酒習慣については,飲酒習慣のない者が男女とも総ビリルビン値が有意に低値であった.運動習慣については,運動習慣のない者が男女とも有意に低値であった.ストレスと睡眠時間については,男女とも総ビリルビン値と関連を認めなかった.体格については,男女ともに,やせ群,標準群,肥満群の順で有意に高値であった.結論:喫煙習慣,飲酒習慣,運動習慣,体格(BMI)において総ビリルビンとの関連がみられた.今後,ビリルビンと生活習慣病の発症・進展における役割についての検討が必要と思われる.
著者
今井 健一
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、Epstein Barr virus (EBV)の歯周疾患への関与が示唆されており、われわれは慢性歯周炎患者の病変部から高率にEBVを検出すること、病態の進行に伴いEBVとP.gingivalisなどの共感染が認められることを見出した。さらに、細菌の代謝産物酪酸がEBVを再活性化、歯肉線維芽細胞からの炎症性サイトカインの産生を強く誘導することを解明し、細菌とEBVの負の連鎖が歯周病発症と進展において重要な役割を担っている事が示唆された。歯周病の予防と治療において新たにウイルス感染を考慮する必要性の分子基盤を提示することが出来た。
著者
越野 剛 田村 容子 村田 裕和 今井 昭夫 梅津 紀雄 杉村 安幾子 久野 量一 坂川 直也
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2019-04-01

一年目は「前期社会主義」と「人の移動」、二年目は「後期社会主義」と「翻訳・翻案」、 三年目は「ポスト社会主義」と「ノスタルジー・記憶」をテーマにした研究会を国内で開催 する。各年度ごとに1名程度の海外の関連分野の専門家を招へいするほか、最終年度には日 本国内で国際シンポジウムを開催する。研究成果は国内外の学会で積極的に発表し、日本語および英語で論集として刊行する。