著者
高岩 義信 九後 太一 伊藤 憲二 五島 敏芳 金谷 和至 棚橋 誠治 小沼 通二 坂東 昌子 受川 史彦 伊藤 和行 田中 正 山脇 幸一 難波 忠清 西谷 正 吉川 直志
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

日本における素粒子物理学の発展への道を開いた湯川秀樹・朝永振一郎・坂田昌一の遺した資料を保存する記念史料室等で、その資料を近年のアーカイブズ学の知識によってカタログ情報を国際標準に準拠する史料記述の形式で統一的にデータベース化することにより、史料整理と保存の体制整備と利用促進を図った。それにより、未整理であった資料を含め記念史料の全体について把握が可能になり、その管理について見通しが良くなった。さらにそのデータベースは、ネットワーク経由で相互参照(横断検索)が可能なオンライン検索システムを採用して一般向けに提供するための環境づくりを行ったので、当科研費事業の終了後にもその整備と運用の継続が可能になり、様々な研究課題に利用できるようになり、現実にこれらの史料の参照の要求にこたえることが可能になった。
著者
廣田 里子 伊藤 和憲 勝見 泰和
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.68-75, 2006-02-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
14

【目的】慢性腰痛に対してトリガーポイント治療が有用であるとする報告はあるが、圧痛点治療との効果の違いは詳細に検討されていない。そこでトリガーポイント治療と圧痛点治療の効果の違いを明らかにするために慢性腰痛患者9例を対象に比較試験を行った。【方法】6か月以上の腰痛を訴える65歳以上の患者を対象とした。患者を組み入れ順にトリガーポイント治療群と疼痛局所に存在する圧痛点への治療 (圧痛点治療群) に振り分け、5回 (週1回) の治療を行い、1か月後に追跡調査を行った。評価項目は腰部の主観的な痛み (Visual Analogue Scale : VAS) 及びquaity of life (QOL) の把握 (Roland-Morris Disability Questionnaire : RDQ) とした。【結果】トリガーポイント治療群ではVAS・RDQともに有意な改善を認めた。圧痛点治療群では改善は有意ではなく、トリガーポイント治療群の改善のほうが顕著であった。【考察と結語】圧痛点治療よりトリガーポイント治療の方が顕著にVAS・RDQの改善がみられ、治療効果に相違がみられた。このことからトリガーポイントは治療効果の点からも単なる圧痛点とは異なるものと考える。
著者
松田 秀人 高田 和夫 橋本 和佳 栗崎 吉博 伊藤 裕 長嶋 正實 斉藤 滋
出版者
特定非営利活動法人 日本咀嚼学会
雑誌
日本咀嚼学会雑誌 (ISSN:09178090)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.95-100, 2001

咀嚼能力の測定にジューシーフレッシュガムを用いていたが, 製造中止となったため, 代替ガムの選定を目的とした. 咀嚼能力測定ガムとして, 5種類のガムを試みたが, 歯科用キシリトールガムが最適であった. 噛む回数が20~60回では, 噛む回数に正比例して溶出糖量が直線的に増加し, その相関係数はR<SUP>2</SUP>=0.9946であった. また噛むのに要した時間は, 噛む回数に比例して直線的に増加し, その相関係数はR<SUP>2</SUP>=0.998であった. 歯科用キシリトールガムを用いて咀嚼能力を測定する際の噛む回数は, 噛む回数と溶出糖量が正比例の関係にある20~60回の中間の40回が妥当であり, このガムを用いて咀嚼能力を測定することが可能である. 他のガムの場合にはこのような結果が得られなかった.<BR>実際に歯科用キシリトールガムを用いて, 高校1年生を対象に咀嚼能力を測定したところ, 溶出糖量と人数との関係は正規分布に近い形を示した. しかも, 男女生徒間の溶出糖量には有意差が認められた. また, 咀嚼能力が強い群が21人 (16.7%), 咀嚼能力が普通の群が85人 (67.5%), 咀嚼能力が弱い群が20人 (15.9%) となった.これらの結果は, ジューシーフレッシュガムを使用した場合と同様な結果となり, 咀嚼能力の測定には, 製造中止となったジューシーフレッシュガムに代わり, 歯科用キシリトールガムが使用可能である.
著者
粉川 牧 伊藤 修 渡辺 大
出版者
The Japanese Society of Snow and Ice
雑誌
雪氷 (ISSN:03731006)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.59-68, 2002-01-15 (Released:2009-08-07)
参考文献数
10

氷を構造材料とする薄肉の曲面板構造“アイスシェル”を冬期間の建築構造物として使用するというこれまでにない新しい試みが1997年以来,北海道はトマムで展開されている.同じ敷地内の一角で,ここ2年間,スパン20mアイスドーム(規模:底面直径約17m,高さ約6.5m)について構造工学的側面からフィールド実験が実施されてきた.この実験は,大規模アイスシェルの建築構造物への適用可能性を探るべく,その実証的研究として行われているもので,本報告は,これらのうちの一つ,2000年2月から4月初めにかけて実施された建設実験及び完成後のクリープ実験をまとめたものである.結果として,型枠空気膜に散雪散水する本工法は5~6日間で建設施工を可能にし,さらに完成したドームの構造性能は,平均鉛直変位速度が3~4mm/dayと小さく,又,崩壊性状は「延性的」であったことから,この規模のアイスドームが建築構造物として適用可能であることを示している.
著者
伊藤 博之
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.477-482, 2012-04-15

著作権法で規定される著作物の利用は,著作権者の許諾を必要とする密なモデルである(原則NG).「初音ミク」を人々の創作の共通テーマとして不特定多数のクリエイターが創作に使用できるために,当社はライセンスを規定・公開して当社の許諾を取らずとも使用できる範囲を拡げ疎のモデルを提案した(原則OK).これにより「初音ミク」がクリエイター同士を結びつけるインタフェースの役割を持つものとして,インターネットで創作の連鎖を引き起こした.この創作の連鎖は,技術研究の分野,商業分野にも波及しており,日本発のムーブメントとして,世界にも影響を与えはじめている.
著者
亀井 静香 伊藤 達美
出版者
文芸春秋
雑誌
諸君 (ISSN:09173005)
巻号頁・発行日
vol.18, no.12, pp.p64-71, 1986-12
著者
伊藤 貴啓
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.66, no.6, pp.303-326, 1993
被引用文献数
2

本研究は愛知県豊橋市におけるつま物栽培の地域的性格を工業的農業という観点から検討した.つま物栽培農家は豊橋市の市街地隣接地区に集積する.その農業経営は利潤を目的に家族労働力と雇用労働力で経営内分業をしながら,施設化・装置化に基づいた計画的周年生産を特色とした.それによって,生産の季節性,生産と労働の時間的差異や土地の制約という農業の特殊性は克服されていった.また,つま物栽培は土地集約型・労働集約型・資本集約型農業の性格も示した.つま物栽培地域は土地利用の集約性と粗放性,後継者と男子専従者の存在.労働力多投農家の集中,高い土地生産性と労働生産性,高販売金額農家の集中によって特色づけられ,都市化地帯にありながら積極的に農業を維持していた.それは市街地隣接地区という立地をいかした女性労働力の雇用と専門農協の強力な共選共販による大都市圏出荷を基盤としていた・この点から,本地域は輸送園芸産地としての性格も有する.
著者
阿部 敏紀 相川 達也 赤羽 賢浩 新井 雅裕 朝比奈 靖浩 新敷 吉成 茶山 一彰 原田 英治 橋本 直明 堀 亜希子 市田 隆文 池田 広記 石川 晶久 伊藤 敬義 姜 貞憲 狩野 吉康 加藤 秀章 加藤 将 川上 万里 北嶋 直人 北村 庸雄 正木 尚彦 松林 圭二 松田 裕之 松井 淳 道堯 浩二郎 三原 弘 宮地 克彦 宮川 浩 水尾 仁志 持田 智 森山 光彦 西口 修平 岡田 克夫 齋藤 英胤 佐久川 廣 柴田 実 鈴木 一幸 高橋 和明 山田 剛太郎 山本 和秀 山中 太郎 大和 弘明 矢野 公士 三代 俊治
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.384-391, 2006-08-25
被引用文献数
18 56

極く最近まで殆んど不明状態にあった我国のE型肝炎の実態を明らかにする目的で,我々は全国から総数254例のE型肝炎ウイルス(HEV)感染例を集め,統計学的・疫学的・ウイルス学的特徴を求めてこれを解析した.その結果,[i]HEV感染は北海道から沖縄まで全国津々浦々に浸透していること;[ii]感染者の多くは中高年(平均年齢約50歳)で,且つ男性優位(男女比約3.5対1)であること;[iii]我国に土着しているHEVはgenotype 3とgenotype 4であるが,後者は主に北海道に偏在していること;[iv]年齢と肝炎重症度との間に相関があること;[v]Genotype 3よりはgenotype 4による感染の方が顕性化率も重症化率も高いこと;[vi]発生時期が無季節性であること;[vii]集積症例全体の約30%は動物由来食感染,8%は輸入感染,2%は輸血を介する感染に帰せしめ得たものの,過半の症例(約60%)に於いては感染経路が不明のままであること;等の知見を得た.<br>
著者
岩科 智彩 吉田 光男 伊藤 貴之
雑誌
第81回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, no.1, pp.225-226, 2019-02-28

情報発信ツールとして利用されているSNS(Social Networking Service) は,現在でも団体や個人による情報拡散を目的とした利用例が増加している.SNSの中でも特にTwitterは気軽に拡散(リツイート)できることで知られ,その日本国内での利用は著しい.本研究では,Twitter上で影響力のあるユーザ(キーパーソン)のリツイートユーザ(リツイーター)に焦点を絞り,時間データを使用して情報拡散におけるリツイーターの行動パターンを可視化する.また,その可視化画像から観察されるキーパーソンごとの情報拡散の性質について,ツイート内容とリツイーターの側面から考察する.
著者
伊藤 斌
出版者
山口大学
雑誌
山口大学哲学研究 (ISSN:0919357X)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-62, 1992

快楽は善なのか、それとも思慮のほうが人間にとってよいものなのか。我々の人生にとっては、快楽も思慮も両方あったほうがよい。快楽と思慮との混合した生がよりよい。では、その混合の生をよきものにしているのは快楽なのかそれとも思慮なのか。快楽と思慮の各々を分析して二等賞争いの決着をつけねばならない。第I章、快楽の分類、第II章、思慮の分類、第III章、両者の比較及び判定。 第I章 快楽は一つかそれとも幾つかのものに分けられるのか。快楽を考える時、快楽を与えるものとの関係を無視できない。その対象との関係によって、快楽には真なる快楽と単なる快楽の区別が立てられることになる。思いなしに伴う快は、思いなし自身に真偽の区別が語られるので、それに伴う快にも真偽が語られうる。また、苦痛がなくなることを快と思い違えることもある。かくて、真なる快、偽なる快、苦痛と混じりあった快と、純粋な快など、快楽の間に分類が可能となる。 第II章 思慮についてはそれと同族の知識によって分類が行われる。永遠に変らない神的対象にかかわる知識もあれば、感覚的事物を対象とする知識もある。それらの間には当然、真実さの段階が認められるがしかし、快楽の場合とは異なって、偽なる知識というものはありえない。感覚的事物を対象とする知識も、我々が感覚の世界に生きている以上、必要なものとなる。 第III章 快楽、思慮ともに様々に分類されたが、そのうちのどれを混ぜればよき生が出来るか。両者ともその全部を混合することは危険。ではどれを入れるか。よき生のよさに貢献するものを選ぶのだからというので、善の三つの姿、適度、美、真実性をとり出し、その各々によって快楽と思慮の各分類を吟味する。その結果をもとにして、よき生のよさに貢献するものをランク付けすると、快楽のほんの一部のみがようやく第五位にひっかかる程度である。快楽と思慮がその位を争った善とは何か。この対話篇で語られる限りでは、感覚の世界、実在の世界を秩序づけ、それらをしてよきものたらしめるもの、すなわち原因であり、逆に、我々の生はそのような生を可能な限り写しとっていく限りにおいてよきものとなるのであり、知性と思慮はそのことを行うことを本来の使命とする。

2 0 0 0 OA 屋内遊戯

著者
伊藤一隆 著
出版者
世界文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.上 (遊戯篇), 1927
著者
神保 宇嗣 吉武 啓 伊藤 元己
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.123-130, 2008

DNAバーコーディングによる同定法では、形態や生態のかわりに、同定したいサンプルのDNAバーコードと専門家が同定した証拠標本のそれとを比較し、最も類似するバーコードを持つ種を同定結果とする。この手法には、網羅的なバーコードデータベースとオンライン検索システムから構成される同定支援システムが必要であり、Barcode of LifeプロジェクトではこれらはBarcode of Life Data Systemsとしてオンライン公開されている。我が国ではこの手法に対する関心はまだ高くなく、研究基盤を確立するには研究者や利用者側からの活動の集約が不可欠である。そこで著者らはDNAバーコードに関する活動拠点として「日本バーコードオブライフ・イニシアティブ(JBOLI)」を昨年設立した。この組織は、本手法に関する啓蒙普及と活動支援を目的して、国内向けに情報発信・関連組織との調整・データベース整備・同定支援システム作成を行っている。DNAバーコーディングに基づく同定には明白な限界も存在するので、より正確な同定には各生物種の様々な情報も活用する必要がある。現在、世界的な種情報データベースプロジェクトが立ち上げられている。種情報の集積が進めば、DNAバーコードによる同定支援システムで候補種を絞り込み、その結果をもとに種情報データベースを検索することで、種情報への容易なアクセスと正確な同定が可能になる。
著者
中村 恭啓 那須 亨二 近藤 正貴 伊藤 元一
出版者
中国・四国整形外科学会
雑誌
中国・四国整形外科学会雑誌 (ISSN:09152695)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.461-466, 1993-09-01 (Released:2009-03-31)
参考文献数
10

We experienced eight fractures of the coracoid process during the period from 1984 to 1992. Seven cases of them were basal fractures and one case was apical one. Two cases were isolated, being in the other six cases combined with acromioclavicular dislocation or clavicular fracture. One patient with minimally displaced fracture of the coracoid process was treated conservatively. But the others were treated by internal fixation with a cannulated malleolar screw, one of which was inserted percutaneously. Postoperatively, Kenny-Howard type harness was worn in each case for four weeks. The result was satisfactory and all surgical cases were united. Neither infection nor loss of function was observed. These fracutures were assessed regarding the cause of injury, region of contusion, and complicated osseous-articular injuries around the shoulder. From the mechanism of injury, they were classified into two major groups: Group I; direct fracture, group II; indirect fracture. The direct fractures were subdivided into two types: Type I; by force from outside, type II; by force from inside. The indirect fractures were further divided into two types; Type I; by ligamentous traction, type II; by muscular traction. It is recommended to treat operatively if a gap of indirect fracture is five millimeter or more on roentgenograms.