著者
高橋 丈博 田中 利和 渋谷 昇 伊藤 健一 高橋 康夫
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
サーキットテクノロジ (ISSN:09148299)
巻号頁・発行日
vol.7, no.5, pp.314-319, 1992-09-20 (Released:2010-03-18)
参考文献数
7

プリント配線板における配線設計を行う上での設計指針を与えることを目的とし, ビアをもっ配線板で信号伝送測定を行い, 配線ビアの信号伝送波形への影響を調べた。この結果, 立ち上がり1ns程度の波形に対して, 伝送波形はほとんど変化せず, ビアの個数やクリアランスの大きさを変えても波形はほとんど変化しなかった。ビア部分の特性インピーダンスを測定したところ, 特性インピーダンスはクリアランスの大きさに依存し, 配線部の特性インピーダンスから20%程度違っていた。しかし, 伝送波形の計算を行い, ほとんど影響を与えないことが計算でも確認された。つぎに, 信号の立ち上がり時間, ビアの特性インピーダンスとの波形歪と関係を計算し, 立ち上がり時間が速くなってくるとビアの影響が波形に現れてくることを明らかにした。

2 0 0 0 OA 加藤高明

著者
伊藤正徳 編
出版者
加藤伯伝記編纂委員会
巻号頁・発行日
vol.上巻, 1929
著者
伊藤 徹男
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.53, no.11, pp.600-609, 2011
被引用文献数
1

商用英語データベースでは,US,EP,PCT以外のアジアや新興国など非英語圏の特許情報の収録が悪い。加えて,特許明細書を原語から英語に翻訳する際に,多様な表記の揺れ,誤訳,スペルミスがキーワードだけでなく,出願人名などの書誌事項にも及ぶ。そこで,本稿では,非英語圏の特許情報を扱うには,英語データベースだけでなく,各国特許庁の原語データベースも調査対象とする必要性について述べた。そして,原語データベースを検索・出力する際には「Google翻訳」など無料翻訳ツールを利用することにより,比較的容易に特許情報を収集し,読み進めることができることを紹介するとともに,これら翻訳ツールを利用する際の留意点についても触れた。
著者
伊藤 耕介 沢田 雅洋 山口 宗彦
出版者
気象庁気象研究所
雑誌
Papers in Meteorology and Geophysics (ISSN:0031126X)
巻号頁・発行日
vol.67, pp.15-34, 2018 (Released:2018-06-11)
参考文献数
41
被引用文献数
1

台風予測に関する高解像度領域非静力学モデルの性能評価を行うために,5 kmメッシュの気象庁非静力学大気モデル(NHM5km_atm)及びそれに海洋モデルを結合した大気海洋結合モデル(NHM5km_cpl)を用いて,北西太平洋全域を計算領域とした台風予測実験を行った。計算対象は2012-2014年の1200UTCに台風が存在したほぼ全ての事例であり,予測時間は3日間である。本研究では気象庁全球モデル(GSM)の出力を0.5度格子に粗視化したものを初期値・側面境界値として用い,NHM5km_atmとNHM5km_cplによって得られた台風の進路と強度の予測精度をRegional Specialized Meteorological Center (RSMC) Tokyoベストトラックに対して検証し,またGSMの予測精度とも比較を行った。実験の結果,24-60時間の進路予測に関してはNHM5km_atmとNHM5km_cplはGSMよりも良く,特に水平風の鉛直シアが強い場合に改善率は最大20%に達した。ただし,統計的にはこれらの平均値の差は,両側検定で信頼水準90%を超える改善とは認められなかった。強度予測に関しては,初期時刻において強い台風が現実的に再現されていないことがあり,短時間予測の誤差は大きいものの,2日以上の予測に関しては,NHM5km_atmとNHM5km_cplはGSMに比べて20%以上の改善が認められ,統計的にも非常に有意であることが明らかとなった。またNHM5km_cplはNHM5km_atmに比べて,台風強度は平均的に見て弱く再現される傾向にあったものの,変化傾向の相関係数に関しては改善傾向を示していた。このほか,台風の中心決定方法が短時間の進路予測に対して数%程度の影響を及ぼすこと,最大風速予測の成績は参照するベストトラックデータの種類にも依存することが明らかとなった。
著者
伊藤 賢一
出版者
群馬大学社会情報学部
雑誌
群馬大学社会情報学部研究論集 (ISSN:13468812)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.27-37, 2009

G.Ritzerは脱魔術化された世界に住む人々を再魔術化する消費の大聖堂が存在すると主張している。この議論は、なぜ人々がファストフード・レストランのような合理化されたサービスシステムに魅了されるのかを説明しようとするもので、一種の消費社会論とよべるものである。彼の議論はいくつかの重要な指摘にもかかわらず、誤った前提に基づいている。さらに、消費者の主体性の欠如を問題視するタイプの消費社会論が直面せざるを得ない問題にも直面している。本論文は、Ritzerの議論がどこで誤ったかを明らかにするとともに、消費社会論を論じる際の基準を設定するやり方について考察するものである。
著者
原田 敦 松井 康素 竹村 真里枝 伊藤 全哉 若尾 典充 太田 壽城
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.596-608, 2005-11-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
67
被引用文献数
7 8

老年病の需要増加に対する有限の医療・介護資源をいかに合理的に活用するかが問われている. 本稿では, 骨粗鬆症・骨折の疫学と費用を述べ, 次いで費用対効果の研究を介入法別に総説した. 骨粗鬆症性骨折による生命予後及び機能予後の悪化, 並びにQOL低下の存在は多くの研究から明らかで, 骨粗鬆症治療の効果はQOLを考慮した質調整生存年 (QALY) によって測定され, 費用・効用分析にて解析されるべきである. 従って, その費用対効果は, 単なる得られた生存年ではなく, 獲得されたQALY当たりの費用で評価されるのが適正で, QALYも得られ, 費用も節減が最も望ましいが, 妥当な費用閾値を越えなければ費用対効果は良好とされる.骨粗鬆症・骨折における治療の費用対効果は, 対象の有する骨粗鬆症性骨折リスクと介入法の効果及び費用に依存しており, 特に骨折リスクとしての年齢と介入費用の影響が強かった. 高価な治療であっても高齢であれば, 平均骨折リスクの女性では合理的費用対効果が認められ, 安価で効果のある治療なら, 閉経直後の正常女性でも合理的費用対効果が得られる. さらに介入効果として薬剤中止後の効果残存にも費用対効果は大きく左右され, 効果残存のない薬剤では, 最も安価でかつ最大の効果のある場合以外は, 費用対効果を得るのは困難とする報告もあった.介入法ごとの費用対効果を現時点の文献をもとに検討すると, HRTに関しては, 有益作用を有害作用が上回った最近の報告を元にした検討はまだ発表されていない. アレンドロネートは既存脊椎骨折のある高齢骨粗鬆症女性で十分な費用対効果が認められ, 効果は対象が高齢の方が優れており, 既存脊椎骨折を有する方が脊椎骨折のない場合より優れていた. リセドロネートも65歳以上の骨粗鬆症女性では既存骨折にかかわらず, 良好な費用対効果を示し, 既存骨折があれば70歳以上ですべて費用節減に至った. カルシウムとビタミンD併用は大腿骨頸部骨折リスクを減少し, 高齢女性で費用節減に到達した. ラロキシフェンは乳癌抑制作用も合わせると, 既存骨折の有無にかかわらず, 骨粗鬆症女性における費用対効果はどの年代でも良好であった. ヒッププロテクターは, 高齢者においては男女とも費用節減で, 特に高齢女性では大きい費用節減とQALY獲得が予測された.このように骨折リスクの高い高齢者にも費用対効果が十分期待できる介入法がいくつかあり, それらによる積極的な治療は医療経済的にも大いに有意義であると考えられる.
著者
汪 光煕 草薙 得一 伊藤 一幸
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.2, pp.135-143, 1997-08-30 (Released:2009-12-17)
参考文献数
11
被引用文献数
6 7 5

ミズアオイとコナギの生育並びに種子生産に対する播種時期, 遮光および施肥量などの影響について検討し, 次のことを明らかにした。1) 草丈はいずれの播種時期においてもミズアオイがコナギよりも高かった。主茎葉数は5月までの播種期においては, ミズアオイがコナギよりも多かったが, 6月以降の播種期においてはコナギの方が多かった。2) 種子生産量は, 両草種ともに5, 6月播種で大きい値を示した。3) 各器官への乾物分配率を4月と8月播種で比較すると, 前者では生殖器官への分配が生育後期に集中したのに対して, 後者では, 生育前期より生殖器官への分配が認められた。4) 草丈は両草種ともに無遮光条件では無施肥区が最も低かったが, 遮光が強化されるに伴い, 逆に無施肥区で草丈が最も高くなり, 倍量施肥区が最も低く推移し, 標準施肥区は両者の中間の草丈を示した。5) 種子生産量は無遮光条件では施肥量の増加に伴い, 明らかに多くなった。しかし, 遮光処理区では両草種ともに播種後90日に25%遮光開始の倍量施肥区で種子生産量が最大となった。

2 0 0 0 OA 戦争史

著者
伊藤政之助 著
出版者
戦争史刊行会
巻号頁・発行日
vol.西洋最近篇, 1940
著者
藤田 建 伊藤 浩明 渡邊 紘章
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.355-359, 2020 (Released:2020-12-25)
参考文献数
17

【緒言】悪性腫瘍に合併した続発性全身性多汗症に対して推奨されている治療法はないが,症状緩和にオピオイドが有効であった症例を経験した.【症例】64歳女性.右腎細胞がん(右腎摘除術後),骨転移,肺転移,左副腎転移と診断され,右股関節部のがん疼痛と,突発する全身多量発汗の症状緩和目的で緩和ケア病棟に入院した.がん疼痛に対しては,入院前から使用していたフェンタニル貼付剤を増量することによりレスキューが必要ない状態となった.発汗に対しては,腫瘍熱と考え解熱鎮痛薬とステロイドを使用したが効果を認めず,オキシコドン速放製剤を予防的に使用することにより症状緩和が得られた.【考察】本症例の発汗には視床下部とフェンタニル貼付剤が関与したと考えられる.オピオイドは視床下部に作用し発汗を抑制する可能性がある.
著者
伊藤 寿茂
出版者
日本爬虫両棲類学会
雑誌
爬虫両棲類学会報 (ISSN:13455826)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.2, pp.127-128, 2007-09-30 (Released:2010-09-27)
参考文献数
4
被引用文献数
2

Rana porosa porosa wintering in a U-shaped concrete ditch along a paddy field were observated at Oba, Fujisawa City, Kanagawa Pref., central Japan. There was a little mud and dry grass in the ditch. When a concrete block in the ditch was lifted, the frog dug into the substrate and crouched there.
著者
江⽊ 盛時 ⼩倉 裕司 ⽮⽥部 智昭 安宅 ⼀晃 井上 茂亮 射場 敏明 垣花 泰之 川崎 達也 久志本 成樹 ⿊⽥ 泰弘 ⼩⾕ 穣治 志⾺ 伸朗 ⾕⼝ 巧 鶴⽥ 良介 ⼟井 研⼈ ⼟井 松幸 中⽥ 孝明 中根 正樹 藤島 清太郎 細川 直登 升⽥ 好樹 松嶋 ⿇⼦ 松⽥ 直之 ⼭川 ⼀⾺ 原 嘉孝 ⼤下 慎⼀郎 ⻘⽊ 善孝 稲⽥ ⿇⾐ 梅村 穣 河合 佑亮 近藤 豊 斎藤 浩輝 櫻⾕ 正明 對東 俊介 武⽥ 親宗 寺⼭ 毅郎 東平 ⽇出夫 橋本 英樹 林⽥ 敬 ⼀⼆三 亨 廣瀬 智也 福⽥ ⿓将 藤井 智⼦ 三浦 慎也 安⽥ 英⼈ 阿部 智⼀ 安藤 幸吉 飯⽥ 有輝 ⽯原 唯史 井⼿ 健太郎 伊藤 健太 伊藤 雄介 稲⽥ 雄 宇都宮 明美 卯野⽊ 健 遠藤 功⼆ ⼤内 玲 尾崎 将之 ⼩野 聡 桂 守弘 川⼝ 敦 川村 雄介 ⼯藤 ⼤介 久保 健児 倉橋 清泰 櫻本 秀明 下⼭ 哲 鈴⽊ 武志 関根 秀介 関野 元裕 ⾼橋 希 ⾼橋 世 ⾼橋 弘 ⽥上 隆 ⽥島 吾郎 巽 博⾂ ⾕ 昌憲 ⼟⾕ ⾶⿃ 堤 悠介 内藤 貴基 ⻑江 正晴 ⻑澤 俊郎 中村 謙介 ⻄村 哲郎 布宮 伸 則末 泰博 橋本 悟 ⻑⾕川 ⼤祐 畠⼭ 淳司 原 直⼰ 東別府 直紀 古島 夏奈 古薗 弘隆 松⽯ 雄⼆朗 松⼭ 匡 峰松 佑輔 宮下 亮⼀ 宮武 祐⼠ 森安 恵実 ⼭⽥ 亨 ⼭⽥ 博之 ⼭元 良 吉⽥ 健史 吉⽥ 悠平 吉村 旬平 四本 ⻯⼀ ⽶倉 寛 和⽥ 剛志 渡邉 栄三 ⻘⽊ 誠 浅井 英樹 安部 隆国 五⼗嵐 豊 井⼝ 直也 ⽯川 雅⺒ ⽯丸 剛 磯川 修太郎 板倉 隆太 今⻑⾕ 尚史 井村 春樹 ⼊野⽥ 崇 上原 健司 ⽣塩 典敬 梅垣 岳志 江川 裕⼦ 榎本 有希 太⽥ 浩平 ⼤地 嘉史 ⼤野 孝則 ⼤邉 寛幸 岡 和幸 岡⽥ 信⻑ 岡⽥ 遥平 岡野 弘 岡本 潤 奥⽥ 拓史 ⼩倉 崇以 ⼩野寺 悠 ⼩⼭ 雄太 ⾙沼 関志 加古 英介 柏浦 正広 加藤 弘美 ⾦⾕ 明浩 ⾦⼦ 唯 ⾦畑 圭太 狩野 謙⼀ 河野 浩幸 菊⾕ 知也 菊地 ⻫ 城⼾ 崇裕 ⽊村 翔 ⼩網 博之 ⼩橋 ⼤輔 ⿑⽊ 巌 堺 正仁 坂本 彩⾹ 佐藤 哲哉 志賀 康浩 下⼾ 学 下⼭ 伸哉 庄古 知久 菅原 陽 杉⽥ 篤紀 鈴⽊ 聡 鈴⽊ 祐⼆ 壽原 朋宏 其⽥ 健司 ⾼⽒ 修平 ⾼島 光平 ⾼橋 ⽣ ⾼橋 洋⼦ ⽵下 淳 ⽥中 裕記 丹保 亜希仁 ⾓⼭ 泰⼀朗 鉄原 健⼀ 徳永 健太郎 富岡 義裕 冨⽥ 健太朗 富永 直樹 豊﨑 光信 豊⽥ 幸樹年 内藤 宏道 永⽥ 功 ⻑⾨ 直 中村 嘉 中森 裕毅 名原 功 奈良場 啓 成⽥ 知⼤ ⻄岡 典宏 ⻄村 朋也 ⻄⼭ 慶 野村 智久 芳賀 ⼤樹 萩原 祥弘 橋本 克彦 旗智 武志 浜崎 俊明 林 拓也 林 実 速⽔ 宏樹 原⼝ 剛 平野 洋平 藤井 遼 藤⽥ 基 藤村 直幸 舩越 拓 堀⼝ 真仁 牧 盾 增永 直久 松村 洋輔 真⼸ 卓也 南 啓介 宮崎 裕也 宮本 和幸 村⽥ 哲平 柳井 真知 ⽮野 隆郎 ⼭⽥ 浩平 ⼭⽥ 直樹 ⼭本 朋納 吉廣 尚⼤ ⽥中 裕 ⻄⽥ 修
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
pp.27S0001, (Released:2020-09-28)
被引用文献数
2

日本集中治療医学会と日本救急医学会は,合同の特別委員会を組織し,2016年に発表した日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG2016)の改訂を行った。本ガイドライン(J-SSCG2020)の目的は,J-SSCG2016と同様に,敗血症・敗血症性ショックの診療において,医療従事者が患者の予後改善のために適切な判断を下す支援を行うことである。改訂に際し,一般臨床家だけでなく多職種医療者にも理解しやすく,かつ質の高いガイドラインとすることによって,広い普及を目指した。J-SSCG2016ではSSCG2016にない新しい領域(ICU-acquiredweakness(ICU-AW)とPost-Intensive Care Syndrome(PICS),体温管理など)を取り上げたが,J-SSCG2020では新たに注目すべき4領域(Patient-and Family-Centered Care,Sepsis Treatment System,神経集中治療,ストレス潰瘍)を追加し,計22 領域とした。重要な117の臨床課題(クリニカルクエスチョン:CQ)をエビデンスの有無にかかわらず抽出した。これらのCQには,日本国内で特に注目されているCQも含まれる。多領域にわたる大規模ガイドラインであることから,委員24名を中心に,多職種(看護師,理学療法士,臨床工学技士,薬剤師)および患者経験者も含めたワーキンググループメンバー,両学会の公募によるシステマティックレビューメンバーによる総勢226名の参加・協力を得た。また,中立的な立場で横断的に活躍するアカデミックガイドライン推進班を2016年版に引き続き組織した。将来への橋渡しとなることを企図して,多くの若手医師をシステマティックレビューチーム・ワーキンググループに登用し,学会や施設の垣根を越えたネットワーク構築も進めた。作成工程においては,質の担保と作業過程の透明化を図るために様々な工夫を行い,パブリックコメント募集は計2回行った。推奨作成にはGRADE方式を取り入れ,修正Delphi法を用いて全委員の投票により推奨を決定した。結果,117CQに対する回答として,79個のGRADEによる推奨,5個のGPS(Good Practice Statement),18個のエキスパートコンセンサス,27個のBQ(Background Question)の解説,および敗血症の定義と診断を示した。新たな試みとして,CQごとに診療フローなど時間軸に沿った視覚的情報を取り入れた。J-SSCG2020は,多職種が関わる国内外の敗血症診療の現場において,ベッドサイドで役立つガイドラインとして広く活用されることが期待される。なお,本ガイドラインは,日本集中治療医学会と日本救急医学会の両機関誌のガイドライン増刊号として同時掲載するものである。
著者
久留 ひろみ 玉置 尚徳 和田 浩二 伊藤 清
出版者
Brewing Society of Japan
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.105, no.11, pp.741-748, 2010 (Released:2016-02-04)
参考文献数
20

実験室(鹿児島大学)及び奄美大島でミキを調製し,並びに市販のミキを購入した。それらのミキ中の乳酸菌を16SリボゾームDNA解析により同定した。実験室で調製したミキ中の乳酸菌を30種同定したが,全てLactococcus lactis subsp. lactisと同定された。しかし,奄美大島で調製したミキ中の乳酸菌(6種を同定)は実験室由来のものとは異なり,Leuconostoc lactis(3/6), Leuconostoc citreum(2/6)及び Lactococcus lactis subsp. lactis(1/6)であった。また,市販のミキ中の乳酸菌(6種を同定)はLeuconostoc citreum(5/6)及びLeuconostoc mesenteroides(1/6)であった。これらの結果は,ミキ中の乳酸菌は原料サツマイモや環境の違いによって異なることを示しているが,詳細な調査は今後の課題である。Lactococcus lactis subsp. lactisはナイシンの生産菌として知られているが,ミキ中のLactococcus lactis subsp. lactisもナイシンを生産した。ミキ中のバクテリアには乳酸菌の他に好気性菌も存在するが,ミキ培養の後半には好気性菌(CaCO3プレート上でのハロー非形成菌)の存在はなくなり,乳酸菌3(ハロー形成菌)だけでフローラを形成した。乳酸菌のスターターを使用することにより,ミキ初期の好気性菌の存在を大幅に低減した。スターターの使用は,ミキを安定的に製造する上で重要であると判断した。
著者
伊藤 忠孝 Chuko Ito
出版者
神奈川工科大学
雑誌
幾徳工業大学研究報告.B,理工学編
巻号頁・発行日
vol.2, pp.87-97, 1978-03-20

美学・芸術学
著者
伊藤 孝一 Koichi Ito
出版者
淑徳大学人文学部紀要委員会
雑誌
研究論集 (ISSN:21895791)
巻号頁・発行日
no.3, pp.85-96, 2018

日本のテレビ放送が始まって64年が経ち、テレビはメディア・コミュニケーションの中心的な役割を担い、人々に大きな影響を与えてきた。テレビ番組のなかで、報道やスポーツとならぶ大きな存在であり、大衆文化を先導してきたのがドラマである。今日、インターネットやスマートフォンの普及によるデジタルネットワーク社会の進展やオーディエンスの視聴環境がドラマの企画や表現の創造性="クリエイティビティ"に大きな影響を及ぼしていると思われる。ドラマは「時代を映す鏡」といわれて久しいが、時代とドラマの創造性="クリエイティビティ"との関係に視点をおき、現在のテレビドラマにおけるクリエイティビティを考察する。
著者
伊藤 大樹 纐纈 慎也 須賀 利雄
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4-5-6, pp.75-95, 2019-12-25 (Released:2020-01-13)
参考文献数
76

海洋前線やメソスケール現象に伴い全球海洋に遍在するとされるサブメソスケール現象は,エネルギー輸送や生態系,物質循環において重要な役割を果たす可能性があることから,理想化したモデル実験や現実的な条件下のシミュレーション等を用いた研究が近年活発である。数値研究により力学的・生物地球化学的重要性の理解が進む一方で,時空間スケールの小さな現象であるために,現場観測による研究は少ないのが現状である。本論文では,異なる形成発達過程により生じるサブメソスケールの流れを,形成の力学特性に応じて三つの主要なメカニズムに分類しまとめた。そして,この分類とこれまでの観測事例に基づいて,これからのサブメソスケール現象に対する現場観測からのアプローチの可能性を検討した。