著者
長谷川 裕之 小白井 亮一 佐藤 浩 飯泉 章子
出版者
Japan Society of Photogrammetry and Remote Sensing
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.23-36, 2005-07-01 (Released:2010-03-19)
参考文献数
9
被引用文献数
2 1

This paper introduces a method for colourizing the black and white (B/W) air photos by transferring colour information from another colour air photos that capture the same vegetations at the same season. Air photos taken by U.S. Air Force just after WWII were the first ones that cover whole Japan. As they are available only in B/W, the imagery has not been fully utilized.In our method, land cover was roughly categorized on a B/W image, whereas colour information for each category was taken from colour source images. Then colour information and original intensity information of the B/W image were combined in the HSI colour space.A questionnaire on photo interpretation experts revealed that the proposed method worked well for the photos. Additionally, rough categorization was enough for the method and the colourized photos might improve interpretation efficiency. The colourized images should be used for various purposes such as 3D landscape visualisation.
著者
佐藤 浩一 中里 拓也
出版者
The Japanese Society for Cognitive Psychology
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-11, 2012
被引用文献数
2

本研究では口頭説明の場面を設定し,被説明者(聞き手)が自由に質問や確認をできるという状況のもとで,説明者は実験者から提示された幾何学図形の形状を口頭で被説明者に伝え,被説明者はその説明に基づいて図形を描いた.説明者(話し手)の説明経験(現職教員,教育実習経験済みの大学4年生,教育実習未経験の大学1年生)により説明の伝わりやすさが変わるか,正しく伝わった説明とそうでない説明にはどのような違いがあるかを検討した.その結果,多くの説明経験を有する説明者のほうが適切な説明をし,被説明者は正しく描画ができた.正しく伝わった説明ではそうでない説明に比べると,説明者による描画指示,メタ説明,状況確認が多く,被説明者による自己状況報告,「はい」が多かった.教員は大学生に比べると,メタ説明を多用した.口頭説明における説明者と被説明者の発話の機能が論じられた.
著者
北梶 陽子 曽根 美幸 佐藤 浩輔 小林 翼 大沼 進
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.115-122, 2016

<p>This study investigated the effects of imagining others on cooperation in a one-shot Prisoner's Dilemma (PD) game. There are two ways to imagine others' perspectives: "imagining the other" or considering how the other person feels, and "imagining the self" or projecting oneself onto the other person. Participants were assigned to one of three conditions: a) the imagining-other condition, b) the imagining-self condition, and c) the control condition (thinking about a landscape). Participants played a one-shot PD game and completed the social value orientation (SVO) scale, which measures one's cooperative tendency. Results showed that the cooperation rate was higher in the imagining-other condition, and participants in the imagining-other condition expected that the partner would cooperate and that the partner thinks they would cooperate. In contrast, in the imagining-self condition, no significant differences were observed about these variables. Furthermore, the cooperation rate increased mediated by two-way expectations in the imagining-others condition, while it was not observed in imagining-self conditions. These results show the importance of imagining others not as a reflection of self, in increasing expectation of mutual cooperation and promoting cooperation.</p>
著者
保立 香織 山野 和恵 佐藤 浩史 原 俊介 大武 信之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.97, no.464, pp.17-24, 1997-12-20
被引用文献数
4

現在、様々な読み上げシステムが開発されており、これらのシステムを使うことにより、視覚障害者にとっての、電子化されたテキストの音訳による情報収集は、以前に比べ容易なものになってきた。しかし、数式を含むテキストを読み上げるソフトウェアはまだ開発されていない。そこで我々は、理数系高等教育における視覚障害者の学習を支援するために、LATEXでテキスト化された数式を含む文書を自動的に読み上げる「数式読み上げシステム」を開発した。さらに、日本語による数式読み上げにおける問題点を考察した。
著者
岩橋 純子 山岸 宏光 神谷 泉 佐藤 浩
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
日本地すべり学会誌 : 地すべり = Journal of the Japan Landslide Society : landslides (ISSN:13483986)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.1-12, 2008-05-25
参考文献数
39
被引用文献数
7 8

2004年 (平成16年) 7月の新潟豪雨および10月の新潟県中越地震によって, 傾斜5度以上の丘陵地・山地に相当する中新世~更新世堆積岩類の斜面で起きた崩壊について, 25mグリッドのレベルで, 傾斜, 雨量, 最大加速度, 地質, 曲率, 地質構造, 斜面方位のGISデータを用いて判別分析を行った。判別分析によって, 各パラメータの崩壊に対する寄与を評価した。その結果, 傾斜は重要なファクターであるが, 豪雨による斜面崩壊では, 傾斜以上に日雨量の寄与が大きいこと, 西山階泥岩優勢タービダイト層と魚沼層では豪雨と地震に於ける崩れやすさが異なっていたこと, 曲率の寄与は豪雨で大きいこと, 地質と地質構造の寄与は地震で起きた大崩壊の場合大きいこと, 斜面方位の寄与には地域差があることなどが分かった。
著者
佐藤 浩 青山 雅史
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100197, 2014 (Released:2014-03-31)

1944年12月7日に発生した東南海地震(M7.9)では、紀伊半島沿岸で甚大な津波被害が発生した。その3日後には、米軍が偵察飛行によって被害状況を調べ、縮尺1/16,000の空中写真を残した。先行研究は、空中写真判読によって三重県尾鷲市中心部の被害状況を報告した。本研究では、尾鷲市南部に焦点を当てて、その空中写真判読によってその被害状況を報告する。
著者
斎藤 隆雄 五町 善雄 中原 信生 蜂須賀 舜治 佐藤 浩 井内 松三郎
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.13, pp.67-76, 1980-06-25

無風時における自然通風冷却塔の塔内気流について模型実験を行った.模型の高さは800mm,底部と頂部での直径は,それぞれ672mmと424mmである.熱交換部は電気ヒータによって模擬し,気流への通風抵抗はグラスウールフィルタによって与えた.煙による塔内気流の観察と,頂部吐出し口における速度と温度の分布の測定を行い,発熱量・通風抵抗・空気取入れ口の大きさなどが,塔内気流に及ぼす影響について調べた.
著者
横川 公子 田口 理恵 角野 幸博 佐藤 浩司 笹原 亮二 森 理恵 井上 雅人 佐藤 健二
出版者
武庫川女子大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

国立民族学博物館所蔵の大村しげコレクションは、元の所有者が日々の暮らしの中で蓄積した生活財のほぼ全容をもって構成される。今までの調査によって、個々の生活財について詳細な情報が記録され、全体像を表すエクセルファイルと画像データのCDを発行すると同時に、調査の過程で発見された特徴的な傾向や、研究者の問題意識にしたがってモノから見えてきた見解等について、『国立民族学博物館研究報告書SERS68』(2007.3)を発刊した。その主たる内容は以下のように一覧できる。「大村しげの都心居住」「収納家具とその中身の配置について」「おばんざいの道具立て」「おばんざいの流布について」「おばんざいの思想について」「大村しげの衣類・履物について」「文筆家としての大村しげの思想について」等々である。さらにもうひとつの課題である、生活主体が抱いているモノをめぐる生活の価値については、関係者へのインタビューと著作を参照することによって再現し、これについても取りまとめて公刊する(横川公子編『大村しげ京都町家暮らし』河出書房新社、2007.6予定)。以下のような見通しを得ることができた。所有者の生活の経時的変化に対応する生活財のまとまり、および生活財の空間的な所在を再現することによって、所有者と時間的・空間的な生活財の位置との関わりや暮らしの思想を再現できた。さらに拝観チケット・食べ物屋のメニューやチラシなどの遺品から、所有者のお出かけ行動の内容と京都市内外における行動範囲や行動スタイルが判明し、都心居住者としての生活を再現することができた。同様に、主にインタビュー調査とフィールド調査によって晩年に居住したバリ島における行動や行動範囲・行動スタイルを再現した。物書きとしての用品として大量の原稿や校正刷り、原稿用紙、筆記用具、著書など、及び父親の家業であった仕出し屋の道具類や多様な贈答品の蓄積から、京都や祇園という地域の固有の暮らしを再現、等々。モノと著作による暮らしの内側からの発信は、観光都市・京都イメージとは異なる、都会暮らしの現実感覚があぶりだされてくる。
著者
井上 武 朝倉 浩志 植松 幸生 佐藤 浩史 高橋 紀之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.411, pp.97-102, 2010-01-28

多くのWebサイトが,AjaxやマッシュアップのためにWeb APIを提供しているが,Webアプリケーションに適した再利用可能なデータべースコンポーネントがないために,そのようなコンポーネントはサービスごとに独立に開発されてきた.本稿ではWebアプリケーションの開発を迅速に行うためのデータべース管理システムWAPDBを提案する.WAPDBは,Web API標準技術のAtomをべースに設計され,Webアプリケーションに求められる機能を提供する.たとえば,効率的なデータ・アクセス制御や簡潔な拡張メカニズム,検索・統計の提供である.WAPDBの導入によって,開発者はこれらの機能を繰り返し開発することから解放される.さらに,RESTアーキテクチャスタイルに準拠しているため,アプ リケーションに統一性やスケーラビリティがもたらされる.我々はWAPDBを用いたサンプルアプリケーションを開発し,大きな性能低下なしに開発コストを削減できることを示す.我々の実験では,開発コストが半減した一方で,アクセス時間は数ミリ秒しか増加しなかった.
著者
佐藤 浩昭
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.219-220, 2001-03-05

Temperature-programmed analytical pyrolysis (TPPy) techniques were developed for the characterization of various functional polymers. In the first study, the TPPy techniques were applied to investigate the thermal-degradation process of a flame-retarded poly (buthylene terephthalate) (FR-PBT) with a synergistic flame-retardant system based on a bromine-containing polycarbonate (Br-PC) and Sb_2O_3. It was clarified that during the degradation of FR-PBT the evolution of various bromine-containing products, including flame-poisoning SbBr_3 formed through the reaction between Br-PC and Sb_2O_3, were closely related to synergistic flame-retarding mechanisms. In a second study, a natural polysaccharide chitin/chitosan and chitin-based polymer hybrids were characterized by means of analytical pyrolysis techniques. Firstly, in order to determine the composition of N-acetyl-D-glucosamine units (i.e. the degree of acetylation) of chitin/chitosan, a new reactive pyrolysis-gas chromatography in the presence of an oxalic acid aqueous solution was developed. The proposed technique was applicable to any kind of chitin/chitosan sample over the whole range of acetylation to which the other individual methods were inapplicable. Secondly, novel chitin-based polymer blends with a chitin derivative and poly (vinyl chloride) were characterized by the TPPy techniques. The evolution peak-top temperatures and the amounts of the characteristic degradation products were correlated to the miscibility of the blends. In addition, the mechanisms for the intermolecular interaction of the blends were also characterized.
著者
信正 智輝 池田 真規子 黄 彩実 別宮 史子 白神 碧 松井 克憲 高石 侑 増田 望穂 松尾 精記 安堂 有希子 佐藤 浩 田口 奈緒 廣瀬 雅哉
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.282-288, 2022 (Released:2022-09-09)
参考文献数
20

[目的]セプラフィルム®の帝王切開術における癒着防止効果を前方視的に検討した. [方法]初回帝王切開術を当科で施行し,今回2回目の帝王切開術を予定している症例を対象とした.臨床背景,癒着の程度,および母児の転帰をセプラフィルム®使用群と非使用群で比較検討した. [結果]初回,2回目とも当科で帝王切開術を施行した136例から,初回帝王切開術を妊娠32週未満に実施した14例と今回の帝王切開術で術中の癒着評価記録が行われなかった4例を除く118例を解析対象とした.解析対象の118例を初回帝王切開術時セプラフィルム®使用群(46例)と非使用群(72例)で比較検討した.セプラフィルム®使用群で大網-腹壁間,あるいは子宮-大網間に2度以上の癒着を有するものは有意に少なかった.執刀-児娩出時間,総手術時間,術中出血量,臍帯動脈血pHに差は認めなかった. [結論]セプラフィルム®による大網が関連する中等度以上の癒着を抑制する効果を認めたが,母児の臨床転帰に差は認めなかった.
著者
佐藤 浩一郎 松岡 由幸
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.13, 2008 (Released:2008-06-16)

デザイン過程を,概念デザインや基本デザインが含まれるデザイン上流過程と,詳細デザインなどを含むデザイン下流過程の2つに大別すると,それらは以下の異なる特徴を有している.まず,上流過程においては不明確なデザイン目標や制約条件のもと,デザイナーの経験に基づく知識や直観を用いて,試行錯誤的に広い解空間から多様なデザイン解の探索が行われる.そして,下流過程においては明確化されたデザイン目標や制約条件のもと,合目的に狭い解空間から唯一のデザイン解の探索が行われる.この下流過程は,デザイナーの直観に依存する部分はあるものの,最適化法やCADなどの活用によりデザイン行為に合理化がもたらされている.一方,上流過程は,いまだその多くをデザイナーの直観に依存しており,大域的な解探索を可能とする数理手法や,それを前提とした逆問題の解法を可能とする設計研究の進展が必要とされている.本報では,このようなデザイン上流過程およびデザイン下流過程に適用可能な人工物デザインである「創発デザイン」と「最適デザイン」の概念を示し,それぞれの適用条件や適用可能なデザイン問題について示した.
著者
池見 陽 筒井 優介 平野 智子 岡村 心平 田中 秀男 佐藤 浩 河﨑 俊博 白坂 和美 有村 靖子 山本 誠司 越川 陽介 阪本 久実子
出版者
関西大学大学院心理学研究科心理臨床学専攻
雑誌
Psychologist : 関西大学臨床心理専門職大学院紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-12, 2019-03

自分の生きざまを動物に喩えて、その動物は何をしているのかなどと形容しながらペアで話し合うワークを考案し、それを「アニクロ」(Crossing with Animals)と命名した。本論では、その理論背景として実存哲学、メタファー論やジェンドリン哲学を含む体験過程理論について論じたあと、その実践を3つの側面から検討した。それらは、アニクロ初体験者に対するアンケート結果について、産業メンタルヘルス研修でのアニクロの応用について、そしてゲシュタルトセラピーにおけるアニクロの実践についてである。アニクロは多用な実践が可能であるが、その基本原理はフォーカシングであり、本論は最後に、アニクロを通してみたフォーカシングの基礎理論を考察した。
著者
佐藤 浩 小村 慶太朗 宇根 寛 中埜 貴元 八木 浩司
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.94, no.4, pp.250-264, 2021-07-01 (Released:2023-02-19)
参考文献数
37
被引用文献数
1

阿蘇外輪山北西域における的石牧場I断層の上下の断層変位の累積性を,トレンチ調査から明らかにした.本断層周辺では,2016年熊本地震の余震活動は顕著でない.本断層の断層崖は,人工衛星(ALOS-2)データから判明した,本地震に誘発された受動的な上下変位と重複し,その変位は最大で15cmと見積もられている.本地震に伴う変位の明瞭な痕跡はトレンチ壁面では認められなかったが,3,430-2,890 cal BPと2,810 calBP以降に最大50cm変位した複数のイベントが累積的に生じた可能性がある.この断層崖は,固有地震のイベントまたは周辺の断層運動に誘発された受動的なイベントの繰り返しによって形成されたものと考えられる.固有地震だけでなく受動的な上下変位も断層崖の形成に寄与しているとすれば,断層崖が固有地震の繰り返しで形成されたことを前提とする固有地震の再来周期の見積もりにも影響を与えると考えられる.キーワード: 2016(平成28)年熊本地震,トレンチ調査,的石牧場I断層,ALOS-2,受動的な変位+