著者
前田 淳
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田商学研究 (ISSN:0544571X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.39-64, 2002-08
著者
原 志織 武内 珠美 前田 明
出版者
大分大学教育福祉科学部附属教育実践総合センター
雑誌
教育実践総合センター紀要 (ISSN:13485881)
巻号頁・発行日
no.31, pp.27-42, 2014-03

本研究では,広汎性発達障害(以下,PDD)児・者を同胞にもつ者(以下,きょうだい)5名を対象に半構造化面接を行い,親からの情報や説明のあり方が,PDDをもつ同胞に対するきょうだいの障害理解および心理的葛藤の変化に及ぼす影響について,複線経路・等至性モデル(TEM)を用いて分析を行った。その結果,きょうだいの障害理解は親から教えられる情報や親が同胞を支援していく姿に影響を受けることが見出された。さらに,高校以降になると親以外から情報を得る機会が増える環境となり,きょうだいの中には次第に親をサポートする役割へと変化していく者もいた。また,きょうだいの心理的葛藤には「同胞に対する葛藤」と「親に対する葛藤」があることが示された。さらに,高校以降になると将来についての不安が高まり,「同胞と共に生きる自分の人生」について考え始めるので,その際,自分と同胞の将来について親と話し,人生選択における制約や役割を明確にすることが不安を低減することがわかった。いずれにせよ,どのように同胞と関わるべきかについての親の説明や説得は丁寧になされるべきであると考えられる。以上の結果を元に,きょうだいに対する支援のあり方について考察した。 The present research aimed at investigating the effects of the extent and the content###which parents had been explaining to their daughters (N=5) of those whom were normal siblings of individuals with PDD about the disorders upon the normal siblings'###understanding of the disorders and at suggesting how support them educationally to get along better with their sisters/brothers with PDD. Data from survey semi-structured###interviews were analyzed with a Trajectory Equifinality Model (TEM). The results###showed three main findings as follows. First, how siblings came to understand disorders of their sisters/brothers with PDD were influenced by either obtaining information through their parents regarding the disorders or watching how siblings with PDD were supported by parents to do anything in daily life. Second, some of siblings in and after senior high school age were gradually to play a role in helping parents to take care of sisters/brothers. At the time, because siblings had begun to raise a feeling of uneasiness about their own future and to think of their life in which they would have been living together with sisters/brothers with PDD, it was more effective to siblings to reduce the uneasy feeling that they talked with parents seriously about future of both themselves###and sisters/brother. The third finding was that there were two kinds of mental conflict in siblings' minds. One is the feeling toward siblings with PDD and another one is toward parents. Finally, on the basis of results as above, it was discussed about what educational support for siblings to get along better with their sisters/brothers with PDD should be required.
著者
東梅 貞義 佐藤 哲 前川 聡 花輪 伸一
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.102-105, 2002-11-15

渡り鳥とその生息地の保全は、比較的長い国際的な歴史を持つ。本報告では渡り鳥の中でもっとも長距離の渡りを行う鳥類グループのひとつであるシギ・チドリ類の保全をケーススタディとして取り上げ、地球規模の環境問題解決の視点と地域レベルで取り組む視点の現状と保全を推進するために必要な条件の検証を行う。1995年にアジア太平洋地域渡り性水鳥保全戦略が提唱され、96年に東アジアオーストラリア地域シギ・チドリ類重要生息地ネットワークが新たな国際的渡り鳥保全の枠組みとして発足した。日豪政府とNGOである国際湿地保全連合(WI)が中心となり、発足当時から日本国内の研究者、政府機関、環境NGOの幅広い参加と支持を得てこれまで実施されてきた。シギ・チドリ類は、多国間にわたる広大な範囲の生息地を必要とし、特定の時期に特定の地域の生息地を利用する必要がある。例えばホウロクシギ(全長63cm)は3月中旬にオーストラリアを出発し、3、4月に中継地の日本などの干潟に渡来し休息と採食を行い、5月には繁殖地のロシア極東部に到達する。繁殖終了後の秋期になると、非繁殖期(越冬期)を過ごすため日本などを経由しながら南半球へと渡り、年間往復2万5千キロを超す長距離を移動する。
著者
真木 雅之 前坂 剛 岩波 越 三隅 良平 清水 慎吾 加藤 敦 鈴木 真一 木枝 香織 Lee Dong-In Kim Dong-Soon 山田 正 平野 廣和 加藤 拓磨 小林 文明 守屋 岳 鈴木 靖 益田 有俊 高堀 章
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集
巻号頁・発行日
vol.21, pp.11, 2008

次世代の豪雨強風監視システムとして,防災科学技術研究所が複数の研究機関,大学と連携して進めているXバンドレーダネットワーク(X-NET)の概要について述べた.2007昨年度に準備を終了し,2008年と2009年の試験観測を通じて以下の項目に焦点を当てた研究をおこなう.•首都圏上空の雨と風の3次元分布(時間分解能6分,空間分解能は数100m~500m)の瞬時集約と配信.•上記の情報に基づく豪雨域,強風域の検出と監視.•外そう法による降水ナウキャスト,およびデータ同化した雲解像数値モデルによる降水短時間予測.•局地気象擾乱の構造,発生過程,発生機構の理解.•都市型災害の発生予測手法の高度化.•気象学,防災研究,気象教育,建築,都市,交通,電力,通信,情報,レジャー産業などの様々な分野における基礎的な気象データベース作成.
著者
古川 正紘 安藤 英由樹 前田 太郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集
巻号頁・発行日
vol.2015, pp._1A1-M02_1-_1A1-M02_4, 2015
被引用文献数
1

Giant experience allows us to perceive our body as if extended taller than usual. The concept is expected to be implemented with multi rotor based on telexistence theory. Previous papers have proposed the basic concept and gimbal design. So in this paper, we propose an immersion procedure to induce extending their height as a introducing part of the giant experience. The procedure design defines the theoretical requirement of the distance adjustment module in terms of maximum velocity and acceleration of two binocular cameras on the gimbal. Experimental result reveled that the requirement was satisfied.
著者
三輪田 吾郎 高井 伸雄 清水 学 笹谷 努 前田 宜浩 山本 明夫
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学)
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
no.73, pp.195-205, 2010-03

Nonlinear site response was observed at TKCH 07 in Toyokoro and HKD 109 in Urakawa during the mainshock(Mj 8.0)and the largest aftershock(Mj 7.1)of the 2003 Tokachi-oki Earthqua ke. At TKCH 07, peak ground acceleration(PGA)was smaller than PGA at the other strong motion station in Toyokoro. At HKD 109, the accelerogram shows a characteristic spiky waveform. Due to this spiky wave, large PGA was observed compared to the other stations in Urakawa, although PGA at HKD 109 was smaller than PGA at JMA Urakawa station during the main shock and smaller aftershocks.
著者
前田 宜浩 高井 伸雄 笹谷 努
出版者
北海道大学大学院理学研究院自然史科学部門(地球物理学)
雑誌
北海道大学地球物理学研究報告 (ISSN:04393503)
巻号頁・発行日
no.73, pp.217-227, 2010-03
被引用文献数
1

The largest aftershock(Mw 7.3)of the 2003 Tokachi-oki earthquake(Mw 8.3)generates larger peak ground acceleration(PGA)values than the main shock in the western side of the epicenters despite their magnitude difference. We study the features of strong ground motions from the largest aftershock in detail using PGA values. Spatial distribution maps of PGA ratio between the largest aftershock and adjacent earthquake shows obvious azimuth dependency compared with the other earthquake pairs occurring around Japan. Attenuation relationship of the largest aftershock shows a large azimuth-dependent scattering at distances from 200 to 300 km compared with three smaller earthquakes occurring around the largest aftershock. Because this large scattering appears only in the largest aftershock, we conclude that the azimuth dependency is a peculiar feature of the largest aftershock. Fourier spectral ratios between the largest aftershock and adjacent earthquake at several stations show azimuth dependency at higher frequencies than 1 Hz, which is consistent with the azimuth dependency of PGA values. The azimuth dependency in high-frequency range cannot be explained simply by the source and path effects, and therefore, we make a hypothesis that the azimuth dependency is an apparent one generated by two earthquakes occurring simultaneously at different regions. Synthetic PGA distributions generated by two simultaneous events calculated by the empirical attenuation relationship are in agreement with the observed PGA distribution of the largest aftershock.
著者
小島 慎也 佐藤 香枝 前田 亮太 呉 宏堯 矢田 拓也 森田 敏明 岩崎 博之
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2014年大会
巻号頁・発行日
2014-04-07

明星電気株式会社は、小型気象計POTEKA Sta.(ポテカ:Point Tenki Kansoku、以下POTEKA)を開発した。POTEKAは気温・湿度・気圧・感雨・日照を1分間隔で測定でき、従来気象計と比較して安価で、設置が容易なため稠密な設置及びデータ収集が可能である。そのPOTEKAを用いて、伊勢崎市内小中学校及び同市周辺のコンビニ(SAVE ON)に約1.5~4km間隔で計55ヶ所に設置した。本稿では、顕著な観測事例として8月11日に高崎市・前橋市で発生した突風現象の観測結果について紹介する。8月11日18時頃に高崎市から前橋市にかけて突風が発生し、住家の屋根の飛散などの被害がみられた。POTEKAの気温1分値を見ると、最大12分間で-13.9℃の気温低下がみられた。前橋地方気象台発表の突風経路に近いPOTEKAの海面補正した気圧の1分値時系列を下図に示す。気象台の10分値の気圧は徐々に増加していく傾向しか見られないが、POTEKAの1分値では、1~2hPa程度の一時的な上昇がみられた。これはダウンバースト発生時の下降流による一時的な気圧上昇であると示唆される。さらに詳しく見ると、気圧の上昇は2回発生している地点もあり、1回目はガストフロントによるもの、2回目はダウンバーストによる上昇と考えられる(詳細は「地上稠密観測POTEKAによるダウンバーストとガストフロントの識別」を参照のこと)。今回の稠密観測のようなダウンバースト・ガストフロント発生時の地上における気圧変化を、これほど細かい時間的・空間分解能で観測した事例はほとんど見られない。このような稠密観測をすることによって、突風の種類の判別や突風に対する事前の注意喚起が出来る可能性がある。謝辞:本プロジェクト始動にあたり、サンデン(株)殿、(株)セーブオン殿、伊勢崎市教育員会殿にはPOTEKA設置のご協力を頂きました。ここに御礼申し上げます。

1 0 0 0 OA 詞の大綱 5巻

著者
前田利保
出版者
巻号頁・発行日
vol.[6],
著者
前田 樹海 山下 雅子 北島 泰子
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, 2016

本研究班は、明らかな生命徴候の変化によらない看護師の急変予測の解明のために聞き取りないし質問紙による調査を実施してきたが、回顧的デザインでは認知バイアスの影響が推量しがたい。そこで今回、iOS端末上で動作する予測入力アプリを開発し、都内病院の1病棟に勤務する看護師全員に1ヶ月間、譫妄、転倒・転落、看取り等の事象を予測した都度端末に入力してもらい、あとから看護記録と照合し当該患者の転帰を追った。29名中19名が計103の予測を入力し、うち14名の看護師により40の的中をみた。全体の的中率は39%だが、項目別に見ると譫妄56%、転倒・転落11%、病状悪化63%、病状変化0%、看取り47%であり、ばらつきがみられた。ある程度予防可能な転倒・転落は対策を講じてしまうことや、そもそもの発生率が異なりしかも自然な発生頻度の不明な事象について「当たり」「はずれ」の確率が半々ということにはならない。本論ではかかるチャンスレベルに影響を与える要因について討議を行う。
著者
中川 尚史 後藤 俊二 清野 紘典 森光 由樹 和 秀雄 大沢 秀行 川本 芳 室山 泰之 岡野 美佐夫 奥村 忠誠 吉田 敦久 横山 典子 鳥居 春己 前川 慎吾 他和歌山タイワンザルワーキンググループ メンバー
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement
巻号頁・発行日
vol.21, pp.22, 2005

本発表では,和歌山市周辺タイワンザル交雑群の第5回個体数調査の際に試みた無人ビデオ撮影による群れの個体数カウントの成功例について報告する。<br> カウントの対象となった沖野々2群は,オトナ雄1頭,オトナ雌2頭に発信器が装着され群れの追跡が可能であった。またこれまでの調査からこの群れは,小池峠のやや東よりの車道を南北に横切ることが分かっていた。<br> 今回の調査3日目の2004年9月22日にも,一部の個体が道を横切るのを確認できた。しかし,カウントの体制を整えると道のすぐ脇まで来ていてもなかなか渡らない個体が大勢おり,フルカウントは叶わなかった。この警戒性の高まりは,2003年3月から始まった大量捕獲によるものと考えられる。翌23日も夕刻になって群れが同じ場所に接近しつつあったのでカウントの体制をとり,最後は道の北側から群れを追い落として強制的に道を渡らせようと試みたが,失敗に終わった。<br> そこで,24日には無人ビデオ撮影によるカウントを試みることにした。無人といってもテープの巻き戻しやバッテリー交換をせねばならない。また,群れが道を横切る場所はほぼ決まっているとはいえ,群れの動きに合わせてある程度のカメラ設置場所の移動は必要であった。そして,最終的に同日16時から35分間に渡って27頭の個体が道を横切る様子が撮影できた。映像からもサルの警戒性が非常に高いことがうかがわれた。<br> こうした成功例から,無人ビデオ撮影は,目視によるカウントが困難なほど警戒性の高い群れの個体数を数えるための有効な手段となりうることが分かる。ただし,比較的見通しのよい特定の場所を頻繁に群れが通過することがわかっており,かつテレメーター等を利用して群れ位置のモニタリングができる,という条件が備わっていることがその成功率を高める必要条件である。
著者
山本(前田) 万里
出版者
日本補完代替医療学会
雑誌
日本補完代替医療学会誌 (ISSN:13487922)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.53-60, 2006 (Released:2006-06-29)
参考文献数
24
被引用文献数
1

茶に含まれている主要カテキン,エピガロカテキンガレートの 2 倍強の抗アレルギー活性を持つメチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)を「べにふうき」(1993 年野菜茶業研究所枕崎育成)などの特有の茶品種に見いだした.「べにふうき」茶葉中のメチル化カテキンは,発酵(紅茶製造)で消失し,下位葉に多く含まれ,本州では 2 番茶,3 番茶で含量が高まることを明らかにした.「べにふうき」は,輪斑病,炭疽病に抵抗性があり,樹勢が強く非常に多収な香りの良い品種である.メチル化カテキンの作用機作は,初期アレルギーで重要なマスト細胞内の情報伝達系抑制(チロシンキナーゼ活性化抑制,高親和性 IgE 受容体発現抑制,ミオシン軽鎖リン酸化抑制)による脱顆粒抑制であり,「べにふうき」緑茶は,ヒトボランティア試験でスギ花粉症,通年性アレルギーの症状を軽減した.それを受け,食品メーカーと共同で「べにふうき」緑茶容器詰め飲料及び菓子を開発した.