著者
小林 弘造 北村 規明 田辺 新一 西原 直枝 清田 修 岡 卓史
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会大会 学術講演論文集 平成17年 (ISSN:18803806)
巻号頁・発行日
pp.2053-2056, 2005-07-25 (Released:2017-08-31)

The field study for 134 days, concerning indoor environment quality and productivity of call-center workers, was conducted. Call data of total 13,169 workers was analyzed. The rate of response to calls was adopted as an index to evaluate the worker performance. Worker performance decreased by 2.1 % when the average indoor air temperature rose at 1.0℃. The possibility of the improving productivity under thermal comfortable environment was suggested.
著者
片山 祐介 北村 哲久 清原 康介 酒井 智彦 溝端 康光 嶋津 岳士
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.697-703, 2018-12-31 (Released:2018-12-31)
参考文献数
12

患者が病院を受診すべきか否かを自身で判断できないことは救急車要請の一因である。その一方で,電話相談で「緊急度が低い」と判定されたにもかかわらず救急車出動した事例の実態については明らかにされていない。方法:対象者は2013〜2015年に大阪市内から救急電話相談に電話をし,「緊急度が低い」と判定された症例で,救急車が出動した症例のうち救急活動記録とひもづけできた救急搬送患者である。5歳年齢階層ごとの判定例1,000人当たりの救急車出動数を算出し,年齢階層別の動向をJoinpoint分析で評価した。結果:緊急度が低いにもかかわらず救急車が出動したのは185件で,もっとも多かった年齢階層は0〜4歳群で23件であった。一方でJoinpoint分析結果では,35〜39歳以降大きく増加していた。考察:とくに高齢者では緊急度が低いにもかかわらず救急車が出動する傾向にあり,救急車に代わる病院受診手段の確立が求められる。
著者
坂本 愛 浦田 元樹 岩川 真也 田中 香奈 北村 芳子
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.13-23, 2018 (Released:2018-07-27)
参考文献数
24

高齢者におけるポリファーマシーは、潜在的に不適切な薬物が増加することで、有害事象が増加する危険性がある。慢性腎臓病(CKD)患者は、一般的に服用薬が増加する傾向にあるとされるが、CKD病期に応じた変化や、有害事象の潜在的リスク因子となる薬物の服用程度については明らかではない。そこで、2016年1~6月に入院した65歳以上の647例を対象として、CKDの糸球体濾過量(GFR)区分で群分けを行い、入院時の常用薬のうち定時服用薬について、服用薬と用法の種類を調査した。服用薬の種類が6種類以上でポリファーマシーと定義した。加えて、高齢者および腎機能低下患者において有害事象の潜在的リスク因子となる薬物の服用状況と入院中の中止・他剤への変更状況について調査した。その結果、ポリファーマシーの割合はG1/2群の42.0%に比しG4、G5D群ではそれぞれ84.1、90.5%と有意に高く、用法の種類もG4群以降にG1/2群に比べ有意な増加が認められた。高齢者において有害事象の潜在的リスク因子となる薬物の服用割合は、G1/2群の50.7%に比しG4、G5D群ではそれぞれ84.1、71.4%と有意に高かったが、腎機能低下患者において有害事象の潜在的リスク因子となる薬物の服用割合は、各GFR区分において33~50%程度で、有意な差は認められなかった。有害事象の潜在的リスク因子となる薬物は、GFR区分に応じて種類に特徴を認め、入院中に中止・他剤への変更となった割合はG4、G5群が他のGFR区分と比較して明らかに高かった。本検討より、CKDを有する高齢者では病期の進行に伴いポリファーマシーの割合は増加し、有害事象の潜在的リスク因子となる薬物の服用割合も増加する傾向にあることが明らかとなった。そして、有害事象の潜在的リスク因子となる薬物はCKD病期に応じた薬学的管理が重要であると示唆された。
著者
佐野 和生 荒木 正弘 小川 晶子 簔田 雄二 寺崎 宏 村上 秀樹 二宮 秀則 弘中 亮治 伊東 弦 北村 晃 井口 次夫
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.1684-1690, 1987-08-20 (Released:2011-07-25)
参考文献数
17

Thirty patients with the temporomandibular disorders were treated with “Kakkonto”, one of the most famous traditional drugs for chronic diseases with pain.“Kakkon-to” was given orally in a dosage of 7.5g 3 times daily before meals for two weeks. Clinical evaluation was carried out at seventh and fourteenth day after administration about spontaneous pain, pain with jaw movement, muscular tenderness, complications, and side effects. These symptoms were rated on a scale of 0 to 3 (0=no symptom and 3=severe). Two cases were dropped because of further administration of another analgesic for severe temporomandibular joint pain. 22 of 28 (78.6%) patients were improved at the therapy completion. 6 cases (21.4%) showed significant improvement, most of those had complications such as stiff shoulder and headache. Side effects were observed in 5 cases, such as slight nausea, vomiting and so on. It is suggested that “Kakkon-to” is a useful drug for temporomandibular disorders.
著者
北村 暁夫
出版者
日本農業史学会
雑誌
農業史研究 (ISSN:13475614)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.3-13, 2009 (Released:2017-03-23)

This article focuses on the following two issues: first, to illuminate the emigration practices in the Italian plain areas from the late nineteenth century to the Fascist Era: second, to analyze the political and economic life of 'the emigrant-exiles', that is, the peasants and artisans who moved from Italy to France during the Fascist Era, both for the economic reason and for the political one. This article makes the case study for these issues, taking an example from Calcinaia, a Tuscan village in the Pisa plains, which sent many 'emigrant-exiles' to Southern France, particularly to the Arles region. Calcinaia is a village along the Arno River, which had the population of about 4,000 in the late nineteenth century. The majority of the inhabitants were agricultural laborers and their families. They very often moved from one village to another, and chose their spouse from another village. Thus their migration and marriage practices were very different from those in the mountainous areas, where people chose their spouse in the same village. Also, the emigration practices were very different. As soon as the emigration to Southern France began in the 1880s, the number of emigrants increased rapidly and they often emigrated with all the family members. The profile of the emigrant-exiles of Calcinaia can be found in 'Casellario Politico Centrale', archives of the Italian Ministry of the Interior. Among ninety-eight persons of Calcinaia recorded in these archives, sixty-nine moved to France during the Fascist Era. They were all men, relatively young and the majority of whom were agricultural laborers. Their livelihood in France depended on immigrant communities composed by their countrymen. During their stay in France, some continued to lead local antifascist movements, but others ceased to be involved in any political activities, and came back to Calcinaia to pass the 'tranquil life' in their home town. The Fascist government permitted them to return to Italy in order to obtain the cooperation to the regime from them. This article may conclude that it was a clear antifascist manifestation for 'the emigrant-exiles' to continue to stay in France and to refuse to return to Italy, since their home-coming only meant cooperation to the Fascist regime.
著者
吉田 亮太 原 耕介 中澤 里沙 北村 夏輝 小保方 祐貴
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.112-120, 2018 (Released:2018-04-20)
参考文献数
31

【目的】複合性局所疼痛症候群を呈する症例に対し超音波療法を施行した結果,著明な疼痛消失を認めたため報告する。【症例紹介】外傷を契機に1年にわたる左足部痛と歩行障害を呈する50歳代の女性であった。理学療法評価結果より,疼痛は単なる侵害受容性疼痛とは考え難く,中枢神経系,末梢神経系,自律神経系における問題が複合的に生じた結果誘発されていると考えられた。【治療プログラムと経過】介入開始後3 週までは中枢,末梢,自律神経系に対する治療を施行したが,疼痛に変化はなかった。評価を再度行った結果,足部の循環障害が疼痛を誘発していると考えられた。そのため,循環障害に関与していると考えられた下腿前面筋群に対し,超音波療法を施行した。その結果,即座に歩行時の疼痛消失を認め,その後6ヵ月間,再発することはなかった。【結語】本症例を通し得られた知見はCRPS に対する循環障害の関与とそれに対する超音波療法の有用性を示唆するものである。
著者
北村 瑞穂 Mizuho Kitamura
雑誌
四條畷学園短期大学紀要 = Annual reports of Shijonawate Gakuen Junior College
巻号頁・発行日
vol.45, pp.30-38, 2012

本研究では、親切行動を心がけさせる介入と、親切にされたことへの感謝の表明を心がけさせる介入をそれぞれ実施し、1ヶ月後に親切行動への動機づけや親切行動の生起や主観的幸福感の高まりが見られるかを比較検討した。実験協力者は女子短期大学生82名(感謝群18名、親切群35名、統制群29名)であった。介入の結果、感謝群の親切行動への動機づけが高まった。さらに親切群の親切行動を実行する人数が増えた。また、介入直後の嬉しかった・感謝した経験が介入群は統制群より高いため、これらの介入が親切行動への動機づけやポジティブな感情の認知につながる可能性が示唆された。しかし主観的幸福感については感謝行動と親切行動の介入の効果は確認できなかった。
著者
北村 四郎
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.71-80, 1935-05-30

マンシユウガンクビサウ(Carpesium manshuricum KITAMURA) 從來ミヤマガンクビサウ(Carpesium triste MAXIM.)にあてゝあつた大陸の植物で,これを最初にあてた人は C. WINKLER 氏である.Carpesium triste は内地のものが Type であるが丈はあまり高からず葉も小さく長卵形又は長楕圓形であるが,マンシユウガンクビサウは丈高く葉は頗る大きく廣卵形で別種とすべきものである.始め金剛山で澤山採集した時大變大きな葉になつてるなと思つてゐたところ,ソビエツトの M. ILJIN 氏より滿洲の標品をもらひ,これも大きな葉なので研究した.そして別種とする意見になつた. シヲギク(Chrysant hemum shiwogiku KITAMURA) シヲギクは四國,紀伊,伊勢の沿海地方に産する古來有名な菊であり,分類の大家及び細胞學者の研究が澤山あつて,今更形態分布を説明する必要はない.サツマノギク Chrysant hemum ornatum と變種關係に立つてゐたが,植物研究雜誌に書いた如く葉が倒長卵形一倒被針形楔底であるのと,廣卵形一圓形截底であるのとで一見して區別され,分布區域も全く異つてゐる.この二つは種として區別すべきであると私は思ふ.Chrysant hemum marginatum KORTHALS といふ學名がある.これはボルネオで採集されたものとして取り扱はれてゐるが,萬一日本のシヲギクが産地を誤られてゐるのではないかと心配になる.菊科植物では殊に産地が不明である塲合はそれが悪標品であつたりすると鑑定に頗る困難を來す.私は Chrysant hemum marginatum KORTHALS はよくわからんが,今産地のハツキリしたシヲギクに新學名を與へる.將來この事に留意し,Chrysant hemum marginatum KORTHALS を研究し不幸にして,これがシヲギクであつた塲合は古い學名に歸らねばならぬ.四國の沿海のものと紀伊,伊勢の海岸のものとは葉形が後者の方が狹く分裂も淺く頭花も小さいので變種として區別しキノクニシヲギクと云ふ.この研究について澤山の生品や標品を御惠み下さつた田代善太郎氏,吉永虎馬氏,土井美夫氏,孫福正氏に謹んで感謝する. ツイミサウ(Hieracium Tatewakii (KUDO) TATEW. et KITAMURA) 北樺太で採集された植物で故工藤博士が Crepis Tatewakii KUDO として記載された植物である.カリフオルニヤ大學のバブコツク氏は Crepis の專問家であるが,同氏が北大からこの標品を借りて研究し Hieracium だと鑑定した.同氏は Hieracium を鑑定したくはないので館脇博士のところへ尋ねて來た.バブコツク氏は Hieracium triste とちがふかどうか比較してくれといふ.そこで我々は研究したのだがやはり Hieracium である.もつとも Hieracium triste とは全く別物でこれは節が全くちがふ.所屬は ZAHN 氏の分類に依ると Euhieracium, Phyllopoda, Trichophtoylla, Pulmonarea であつて Hieracium vulgatum 群のものである.Hieracium vuigatum 群は LEDEBOUR 氏の Flora Rossicae に既にバイカルやドウリヤに産する事が知られてゐるが今度北樺太まで足をのばした事になつた. ハヤチネウスユキサウ(Leontopodium hayachinense HARA et KITAMURA) この植物は最初ジユネーブのボーベール氏が Leontopodium discolor BEUV. (1909) を出した時,本州早池峯の植物をこれと同定した.次いで武田久吉博士は Lontopodium discolor ではなく Leontopodium alpinum var. hayachinense TAKEDA (1911) であると發表された.其の後ボーベール氏は Leontopodium discolor var. hayachinense としたが Leontopodium discolor とは葉の基部が廣くやゝ葉をだき果實は二倍程大きく花冠と共に毛が生えてゐるので(L. discolor では葉の基部は頗る狹まく果實小さく無毛) 種として區別することにした.原寛氏と相談の結果共著で公けにする.同氏は昨年十二月手紙で研究する樣にすゝめられたが延引した次第である.
著者
榎本 美生 山本 純照 多田 英之 矢敷 敦 北村 華奈 葛城 麻実子 浅田 秀夫 宮川 幸子
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.5, no.2, pp.192-197, 2006 (Released:2011-02-18)
参考文献数
16

54歳,女性。家族歴:両親がいとこ婚。現病歴:幼少時から体幹を中心に表面に軽度の膜様鱗屑を有する癜風様の紅褐色局面と脱色素斑が多数みられ,次第に増数がみられた。平成6年より左耳前部に小結節が生じ,切除の結果,有棘細胞癌と診断された。その後,顔面,体幹,四肢に結節が出現し,平成13年7月までの間に合計15回切除術を受けた。病理組織検査の結果,基底細胞癌,有棘細胞癌,ボーエン病,脂漏性角化症と診断され,疣贅状表皮発育異常症(EV)を基礎として生じたものと考えられた。平成16年6月頃より,以前の左前腕ボーエン病の手術痕の断端から赤褐色角化性局面が出現し,左頬部に常色の角化性局面と躯幹部に多数の黒色小結節を認めたため,平成16年8月再診した。切除にて各々ボーエン病,日光角化症,基底細胞癌であった。前腕および顔面の皮疹から抽出したDNA解析の結果,EVとの関連性が指摘されているHPV15型が同定された。
著者
北村 明子 成澤 忠 林 明男 芦原 義久 石古 博昭 箕原 豊 徳竹 忠臣 加藤 達夫 栄 賢司 武田 直和
出版者
社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.71, no.8, pp.715-723, 1997-08-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
7
被引用文献数
2 4

夏に日本で流行する手足口病は, コクサッキーウイルスA16 (CA16) とエンテロウイルス71 (EV71) が主な病因ウイルスである. 簡便にCA16とEV71を型同定する方法を確立するため, VP4領域の塩基配列を解析し特異プローブの作製を試みた. CA16とEV71の標準株, CA16分離株4株, EV71分離株17株, 手足口病と診断された患者の咽頭拭い液2検体のVP4領域の塩基配列を直接解読し, VP4領域の3'側に存在する2カ所の血清型特異的なアミノ酸配列からCA16混合プローブとEV71混合プローブを設計した. エンテロウイルス標準株39株, CA16分離株7株, EV71分離株66株を用い, VP4領域を含む51非翻訳領域とVP2領域をエンテロウイルス共通プライマーで増幅し, サザンハイブリダイゼーションを行った. CA16混合プローブはCA16標準株を含むすべてのCA16分離株由来のPCR産物とのみ反応し, 他の血清型とは反応しなかった. また, EV71混合プローブはEV71分離株とのみ反応し, EV71標準株を含むすべての標準株やCA16分離株とは反応しなかった. 1995年の臨床検体を本法により直接型同定を行ったところ咽頭拭い液78例中70例 (89.7%) はCA16混合プローブと, 1例はEV71混合プローブと反応し, 水庖内容物15例のうち13例 (86.7%) がCA16混合プローブと反応した. 本法は臨床検体からのウイルス分離を必要とせず, 中和法よりも迅速かつ高感度に同定できる方法と考えられる.
著者
北村 千寿 吉岡 孝 石倉 秀樹 森脇 秀俊
出版者
島根県立畜産技術センター
雑誌
島根県立畜産技術センター研究報告 (ISSN:18821030)
巻号頁・発行日
no.41, pp.17-19, 2010-03

2009年8月までに収集した黒毛和種の枝肉記録36,871件を用いて枝肉重量及び脂肪交雑基準値の育種価を推定した。推定した育種価を用いて2008年1月から2009年12月までに島根県内市場に上場した子牛の父牛(種雄牛)と母牛(繁殖雌牛)の平均育種価を求めた結果、父牛が母牛に比べて枝肉重量及び脂肪交雑基準値ともに高かった。枝肉重量育種価のバラツキは父牛が母牛に比べて大きく、脂肪交雑基準値育種価のバラツキは、母牛が父牛に比べて大きかった。繁殖雌牛の母方祖父牛の生年別平均育種価は、1989年以降(平成)生まれが1988年以前(昭和)生まれに比べて枝肉重量、脂肪交雑ともに高かった。2009年3月の島根中央子牛市場名簿から求めた繁殖雌牛の父牛、母方祖父牛及び曾祖父牛の平均年齢は、それぞれ21.3才、28.4才、34.3才であり、2009年3月のM県、2009年9月のT県及びO県の子牛市場名簿から求めた平均年齢に比べていずれも高かった。
著者
佐々木 健 北村 美穂 倉田 啓一 渡邊 克巳
出版者
人工知能学会
雑誌
2019年度 人工知能学会全国大会(第33回)
巻号頁・発行日
2019-04-08

今日,情報システムには少なからずユーザとの音声対話機能が実装化されている.音声エージェントに対するユーザの愛着は,情報システムの利用を求める際に重要な役割を果たすと考えられる.本研究では,会話の丁寧さに着目し,丁寧さの異なる数種類の呼びかけ語が音声エージェントへの愛着形成にどのような影響をもたらすか検討した.実験参加者は,バーチャル運転システムを通して,丁寧な呼びかけ語 (『すみません』)と丁寧でない呼びかけ語 (『あのー』)を話す音声エージェントと会話し,それぞれのエージェントに対する印象を評価した.その結果,丁寧な呼びかけ語の『すみません』は「打ち解け感」と「控えめさ」の評価を高めたが,エージェントへの愛着を直接示す「好ましさ」にはほとんど影響がなかった.しかし一方で,「好ましさ」と「打ち解け感」,「控えめさ」の間に強い相関が見られたことから,呼びかけ語は「打ち解け感」,「控えめさ」を通じてエージェントへの「好ましさ」を変化させる可能性があると考えられる.本結果は,呼びかけ語の丁寧さを適切に選択して使用することによって,ユーザと音声エージェント間の愛着形成が促進される可能性を示唆する.
著者
北村 ひろ子
出版者
美学会
雑誌
美学 (ISSN:05200962)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.16-34, 1969

E. Zola sagt, in dem Vorwort der zweiten Auflage seines Romans : "Therese Raquin, " dass man in der Fiktion das Wahre suche. Was heisst denn das? Um uns daruber klar zu werden, mussen wir zuerst das Wesen des Sprechens und die Struktur des Erzahlens verstehen. Dann wird es sich klar werden, dass das Erzahlen das vermittelte Wirklichkeitserlebnis ist. Daraus werden wir weiterhin verstehen, dass die naturalistische Methode des modernen Romans auch eng mit der Struktur des Erzahlens verwandt ist. Daraus kann sich eine Antwort auf das Problem der Realitat im modernen Roman entwickeln.