著者
河野 洋 北村 薫
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.2_149-2_162, 2017 (Released:2017-04-15)
参考文献数
11

This study cites “casual racism” as it is suggested in the slogan “Racism. It Stops With Me” and aims to identify the characteristics of racism on Japanese websites that deal with international sporting events. With respect to the 2014 FIFA World Cup, about 670,000 web comments related to “Yahoo! JAPAN” news on the World Cup were collected. Of the comments, 16,236 were sampled, and the 289 comments that included “race-related words” were selected, classified, and evaluated into three types, depending on whether the content was discriminatory. In the analysis, the proportion of discriminatory comments was compared to all comments, and this was compared with year-round sports comments in Japan.    The results of the analysis showed that approximately 40.1 percent of the 289 comments were discriminatory about people of a different race. There were a particularly large number of comments about Koreans. Discriminatory comments about Chinese and Croatians also appeared although Croatians are rarely discussed in Japan.    The examination of the comments revealed the following characteristics: 1) Among the comments that were analyzed, the proportion of racially discriminatory comments that were only mentioned at the World Cup was low, at 12.9 percent. This suggests that international competitions are not a direct cause of racism on the web. 2) Discriminatory comments against Croatians arose from the criticisms by the Croatian national team against the Japanese referee of a match played by their country. Therefore, these comments were transient, although this type of casual racism is likely to occur repeatedly in international competitions targeting different racial groups. 3) Racism toward Chinese and Koreans is one of Japan’ s social problems. However, while this racism is considered to be serious, a part of the discriminatory web comments displayed the kind of casualness that is characteristic of casual racism.
著者
鳥居 久展 貴志 真也 吉川 則人 和田 哲宏 吉田 隆紀 小川 成敏 北村 有己子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.C0325-C0325, 2005

【目的】夏季のスポーツ活動における熱中症の問題は以前より指摘されている。なかでも熱痙攣は発生頻度が高く、一般的にも「筋肉がつる」といった表現で知られている。われわれは1998年から和歌山県高校野球連盟からの要請により全国高校野球選手権和歌山大会のメディカルサポートを和歌山県理学療法士協会協力のもと実施してきたが、試合中の熱痙攣の対処には苦難する場面が多いのが現状である。今回、過去のサポート中における熱痙攣の発生状況について調査し、現場での高校球児の熱痙攣の特徴や要因、今後の課題についての知見を得たので報告する。<BR>【方法】全国高校野球選手権和歌山大会における熱痙攣の発生率、発生時期、発生部位、ポジション別発生状況、試合復帰状況を過去5年間(2000~2004年)のサポートカルテより調査した。<BR>【結果】熱痙攣の発生率は、サポート総処置件数335件中24件と全体の7%であった。しかしその割合は増加傾向にあり2004年では全体の18%と高くなった。発生時期としては21件(88%)が試合後半の6回以降に発生しており、守備中11件、投球中7件、走塁中6件の順に多かった。発生部位は下腿13件(両側4、片側9)、両下肢全体4件、ハムストリングス3件(両側2、片側1)、片側下腿+ハムストリングス2件、全身性2件であった。ポジション別にみると投手8例、捕手1例、内野手8例、外野手7例で全員先発メンバーであった。投手は8例中7例が投球中に軸足側の下腿に発生しておりポジション特性がみられた。処置後、試合復帰可能だった例は16例(うち2例が試合中再発、1例が続行不可能)で、8例が試合復帰不可能となった。処置としては水分補給、アイシング、ストレッチ等の応急処置の他、イニング毎に状況確認を行い必要な処置を実施した。<BR>【考察】高校球児にとって夏の地方大会は甲子園に直結する重要な大会であり、その独特の緊張感と暑熱環境下での開催の為、選手の身体的・精神的疲労は大きいと考えられる。2004年度に発生率が高くなったのは大会中の最高気温が平均33°Cを超えるなど(2003年は同29°C)、環境要因が大きいと考える。ポジション別では投手の割合が高く、発生時期が試合後半、部位は下肢に集中しており、運動量、疲労との関係が大きいと考える。復帰状況では3人に1人が復帰不可能となっており、両下肢や全身性の痙攣を起こしていた為、回復に時間を要したことが原因である。試合中は自由飲水させているチームが多いが、自由飲水の場合必要量の60~70%程度しか摂取できていないともいわれ、今後はチームレベルでイニング毎の水分補給やミネラル分の補給を促す必要がある。それには各選手、チームの熱中症に対する知識を高めるとともに大会レベルでの取り組みが必要となるため、今後一層サポート側からの啓発活動を行っていく予定である。
著者
酒向慎司 才野 慶二郎 南角 吉彦 徳田 恵一 北村 正
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.12, pp.39-44, 2008-02-08
被引用文献数
2

声質や歌唱法など歌い手の特徴を歌声データと楽譜から自動学習し,それらを再現するような歌声合成システムについて述べる.本システムでは,歌い手の声質とピッチに関する特徴を確率モデルによる統一的な枠組みでモデル化している.特に,リズムやメロディといった音楽特有の表現要素が,音声信号のスペクトルや基本周波数パターンの変動に大きく関係していることから,楽譜から得られる音階や音長などを考慮したモデル化を行い,楽譜と歌詞を入力として,個人性を備えた歌声を合成するシステムを構築してきた.本手法の特徴は,このような歌声合成モデルを楽譜と歌声データから自動学習できることにある.本報告では,音楽固有のコンテキストの導入,実際の歌声データと楽譜の音符列の間のずれに着目した時間構造モデルについて検討する.実験では,童謡60曲の男性1名の歌声データを用いた歌声合成システムを構成し,ずれモデルの導入による自然性の向上が確認できた.We describe a trainable singing voice synthesis system, that can automatically learns the model parameters from singing voice waveform and musical scores by applying HMM-based speech synthesis technique. In this system, a sequence of spectrum and fundamental freqency (F0) are modeled simultaneously in a unified framework of HMM, and context dependent HMMs are constructed by taking account of contextual factors that affects singing voice. In addition, the distributions for spectral and F0 parameter are clustered independently by using a decision-tree based context clustering technique. Synthetic singing voice is generated from HMMs themselves by using parameter generation algorithm. We introduced an additional "time-lag" model to control start timing of each musical note. In the experiments, we confirmed that smooth and natural-sounding singing voice is synthesized. It is also maintains the characteristics and personality of the donor of the singing voice data for HMM training.
著者
北村 明彦 畝山 寿之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.145, no.6, pp.306-310, 2015 (Released:2015-06-10)
参考文献数
18

自律神経を構成する交感神経と副交感神経は,一般的に脳から末梢臓器へ情報伝達を行う遠心路としての機能がよく知られているが,これらの自律神経束には求心性神経線維も含まれている.特に,迷走神経束はその70%以上が求心性であり,内臓感覚神経として機能していることが知られている.求心路の働きにより各臓器の状態がモニターされ,自律神経反射によって生体恒常性が維持されている.我々はこれまで,消化管での栄養素受容を求心性迷走神経の活動を指標として評価を行うとともに,その自律神経反射について検討を行ってきた.迷走神経活動測定にはいくつかの方法があり,研究の対象によって評価法を選ぶ必要がある.本稿では,腹部迷走神経が担う栄養素情報の解析に有効な求心性迷走神経線維からの神経活動記録法と,その薬理特性を検討するのに有効な迷走神経下神経節単離ニューロンからの神経活動記録法について紹介する.
著者
山本 龍一 酒向 慎司 北村 正
雑誌
研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.2012-MUS-96, no.13, pp.1-6, 2012-08-02

本稿では,楽譜に基づく音楽音響信号から,演奏位置とテンポを推定する問題について論じる.隠れセミマルコフモデル (HSMM) に基づく演奏位置推定と,線形動的システム (LDS) に基づくテンポ推定を組み合わせることで,入力信号の未来の情報が使えない制約の元で効果を発揮する実時間拍予測アルゴリズムを提案する.具体的には,遅延を許容して信頼性のある演奏位置を推定し,テンポを用いて現在位置を予測する.クラシック音楽およびジャズ音楽データベースを用いてオンセット検出に関する評価実験を行った結果,提案する実時間拍予測アルゴリズムを用いることで,許容誤差 300ms において約 15% 精度が向上することが確認された.
著者
北村 佳久 四宮 一昭 五味田 裕
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.132, no.6, pp.329-333, 2008 (Released:2008-12-12)
参考文献数
16
被引用文献数
1 2

うつ病の治療は抗うつ薬を中心とした薬物療法が中心である.多くの患者は抗うつ薬の服用により自覚症状が改善し社会生活への復帰が可能となっている.しかしながら,十分な治療を行っても,うつ症状の改善を見ない治療抵抗性うつ病の存在が問題とされている.これまで,うつ病の動物モデルおよび抗うつ薬のスクリーニングモデルが報告され,新規抗うつ薬の開発に寄与している.その一方,治療抵抗性うつ病を反映した動物モデルはその病態像が明確でないこともあわせて報告がなかった.そこで,我々は治療抵抗性うつ病の病態像の解明および次世代の抗うつ薬の創薬研究に応用させるため,治療抵抗性うつ病の動物モデルの作製を行った.これまで,うつ病は中枢神経系の機能異常のみならず,視床下部-下垂体-副腎皮質(hypothalamic-pituitary-adrenal axis:HPA)系の機能異常を含む中枢神経系-内分泌系の機能異常が関与していることが知られていた.特に,既存の抗うつ薬に反応しない患者に対してグルココルチコイド受容体拮抗薬の有効性も明らかにされている.そこで,我々はHPA系の過活動モデルが治療抵抗性うつ病の病態像の一部を反映していると仮定し,adrenocorticotropic hormone(ACTH)反復投与によるHPA系過活動モデルの作製を試みた.治療抵抗性うつ病の動物モデルとしての有用性については抗うつ薬のスクリーニング系であるラット強制水泳法の不動時間を指標として検討を行った.その結果,ACTH反復投与ラットではいくつかの既存の抗うつ薬の抗うつ効果が消失し,薬物反応性の側面より治療抵抗性うつ病を反映していると考えられた.この抵抗性には自殺者の死後脳で増加が報告されている5-HT2A受容体の過活動の関与を認めている.さらに,ACTH反復投与ラットでは海馬歯状回における神経細胞の新生作用が抑制されていることより,この抑制作用が治療抵抗性の病態の一部とも考えられる.本稿ではこれらACTH反復投与によるHPA系過活動モデルの治療抵抗性うつ病の動物モデルとしての有効性を紹介する.
著者
鎌谷 直之 川本 学 北村 豊 針谷 正祥 奥本 武城 隅野 靖弘
出版者
日本組織培養学会
雑誌
組織培養研究 (ISSN:09123636)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.71-80, 2004

日本のヒト遺伝子解析研究に関する倫理指針を遵守して、研究計画について倫理審査委員会の事前承認を得た後、日本人ボランティアに十分な説明をし、自由意志による同意を得て末梢血液試料を収集した。血液試料は細胞株化研究に使用する前に新しく開発した匿名化プログラムを用いて連結不可能匿名化した後、Epstein-Barr virus処理して996人のB細胞株を樹立した。樹立した全細胞株を公的な国立医薬品食品衛生研究所と(財)ヒューマンサイエンス振興財団の細胞バンクに寄託し、2003年に細胞株の分譲が開始された。ヒト遺伝子解析研究に利用できるこれらの細胞株の分譲は、ヒト遺伝子解析研究の進展に貢献すると期待される。
著者
北村 葉子 今村 徹 笠井 明美 岩橋 麻希
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.30, no.4, pp.510-522, 2010-12-31 (Released:2012-01-05)
参考文献数
26

BPSD の評価として専門職が行う構造化インタビューにはさまざまなものがある。しかし直接観察法では確立されたものはない。妄想,幻覚など個別の BPSD ごとに下位項目を含んだ施設職員用の直接観察式評価法があれば,臨床上の有用性は高いと考えられる。認知症利用者を直接観察するさまざまな職種が BPSD を適切に評価できる手段を確立することを目的として,8 つの主項目と,その下位項目からなる質問紙 BPSD-AS の試案を作成し,信頼性と妥当性を検証した。BPSD-AS は,NPI などの既存の評価法の項目を参考とし,認知症を専門とする行動神経内科医 (behavioral neurologist),PT,OT,ST 各 1 名の意見を元に試案を作成し内容妥当性を確保した。デイサービスセンターを利用した在宅療養中の認知症利用者 31 名を対象に,デイサービスセンターの介護職 5 名,医療福祉職 5 名の 2 群,合計 10 名の評価者で直接観察を行った。検査者間信頼性については多くの項目で重症度,負担度ともに級内相関係数 ri=0.6 から 0.7 であった。妥当性についても多くの項目で有意な相関が得られ,BPSD-AS は一定の信頼性と妥当性を有していることが示された。
著者
北村 菜月 佐藤 拓 川越 厚良 佐竹 將宏 塩谷 隆信
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.767-771, 2010 (Released:2010-11-25)
参考文献数
13
被引用文献数
7 7

〔目的〕身体活動量の評価票であるIPAQ日本語版の信頼性・妥当性について,最近開発された生活活動量計(A-MES;3軸加速度計)を用いて検討することを目的とした。〔対象および方法〕信頼性の検討では健常学生56名を対象とした。IPAQ日本語版に1週間の期間を空けて2回回答し,各質問項目において級内相関係数を算出した。妥当性の検討では健常学生16名を対象とし,A-MESにより身体活動量を1週間測定し,最終日にIPAQ日本語版に回答した。A-MESの評価結果とIPAQ日本語版の質問項目とに共通する項目に関して,Pearsonの積率相関係数を算出した。〔結果〕信頼性について,IPAQ日本語版の全ての質問項目で級内相関係数は0.75を上回った。妥当性について,「休日における総坐位・臥位時間」において有意な相関係数が得られた。〔結語〕IPAQ日本語版は信頼性の高い質問票であること,休日の坐位,臥位といった身体活動の評価においてIPAQ日本語版は妥当性が認められることが示された。しかし,対象によっては記憶の影響を受けやすく,IPAQ日本語版の正確な身体活動量の評価に対する限界が示唆された。
著者
北村 治
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
no.150, pp.52-65,L9, 2007

It is often mentioned that democracies do not, or are very unlikely to, make war against other democracies. This "democratic peace" theory has become a commonplace not only in international political thought but also in the mindsets of American presidents and diplomats. Bill Clinton and George W. Bush, for example, have referred to this international ethical cycle: promoting democracy would make world peace. The idea of democratic peace was advocated by Kant. Kant thought that a majority of the people would never vote to go to war under the republican (democratic) governments because they were cautious of war.<br>However, the road to democracy may involve war. Democratic peace increasingly seems to be linked to war. It is obvious that democracies are peaceful towards each other but in general they are as war-prone as any other regime type. The theory of democratic peace, therefore, remains fragmentary as long as it fails to account for the practice of war on the part of democracies. At the dark side of democratic peace, "democratic war" occurs. According to Harald Müller, "democratic war" means the resort to the use of force by democracies in order to promote democracy for peace.<br>In the history of international political thought, some thinkers acknowledge that democracies tend to be war-prone. Alexis de Tocqueville, for example, pointed out that democracy in America was likely to go to war. It is true that America foreign policy contains this Tocqueville's legacy. Since the end of the Cold War, the United States has justified wars and military interventions to export democracy to non-democratic states. Moreover, in order to prevent transnational terrorism, American foreign policy supports. "war against terrorism" under the just war tradition. For American foreign policy, "war against terrorism" is a just war. Promoting democracy is strongly related to combating against terrorism. Moral justification of war is one of the most important things for American foreign policy after the Cold War.<br>There was same logic behind the justification of the United States' invasion of Iraq in 2003. Moreover, the United States' invasion of Iraq was justified in part as a preventive war for making democratic peace. American "democratic wars" are developed by the universalistic (Kantian-Wilsonian) principles of democratic peace. However, attempts to make democratic peace by using external force would have failed eventually. Without regard to humanitarian purpose or not, it is obvious that democracy in America is more war-prone rather than the reverse.
著者
小松 俊文 北村 健治
出版者
日本古生物学会
雑誌
化石 (ISSN:00229202)
巻号頁・発行日
no.72, pp.48-50, 2002-09-20

「あった〜, アンモナイトだ〜」子供達の声が急峻なアルプスの斜面に木霊する.「戸台の化石」学習会も昨年で46回目を重ねた.「南アルプス戸台」.年配のアルピニストにとっては馴染みの地名である.標高1000m.原生林と高山植物, 静かな谷合に響く渓流の調は谷間の孤島を思わせる.しかし, 「戸台」を知る者は, なにもアルピニストばかりではない.動物, 植物, 昆虫学者や地質学者, 特に化石愛好家にとっては馴染み深い地名である.この地域には, 一億年以上昔の白亜紀の地層(戸台層)があり, 中生代を代表する二枚貝化石の"三角貝"やアンモナイトの産地がある(佐藤, 1919;江原, 1931;前田ほか, 1965;北村ほか, 1979;田代ほか1983, 1986;小畠, 1987;図1-3).戸台の"三角貝"の研究は古く, 信州の鉱物や化石の採集家として有名な保科(五無齋)百助が明治30年ごろに"三角貝"化石を初めて採集し, 明治32(1899)年に脇水鉄五郎が, この標本を日本で2番目の"三角貝"化石の産出記録として地質学雑誌に報告した(脇水, 1899).その後, 北村健治(現明星高校教諭)によって, 多くのアンモナイトや二枚貝, ウニ, ウミユリ, サンゴなどの化石が発見され, 最近では南アルプスの化石産地として良く知られるようになった(北村, 1966, 1978, 1987, 1992).
著者
北村 有迅 小濱 賢 村里 晃 長谷川 亮太 笠原 慎平 眞邉 健人 川端 訓代 キタムラ ユウジン コハマ ケン ムラサト コウ ハセガワ リョウタ カサハラ シンペイ マナベ ケント カワバタ クニヨ KITAMURA Yujin KOHAMA Ken MURASATO Kou HASEGAWA Ryota KASAHARA Shimpei MANABE Kento KAWABATA Kuniyo
出版者
鹿児島大学
雑誌
南太平洋海域調査研究報告=Occasional papers (ISSN:13450441)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.3-6, 2015-03-31

四万十帯は付加体形成や地震発生の地質的痕跡を多く包含することから、海洋プレートの沈み込みに伴うプレート境界の諸現象を理解する鍵となる。プレート境界の動的現象を念頭に置いた付加体研究は南海トラフ沿岸で行われているが、琉球海溝沿いではまだ行われていない。本研究では種子島において、地質調査と化学組成分析からの岩石の変形を定量し、この地域の負荷体形成史を議論することを目的とする。調査の結果、比較的高温にさらされたと思われる種子島の頁岩には圧力溶解が発達しており、沈み込みによる埋没でなく、深成岩体の上昇による熱的影響を強く受けていることが示唆された。
著者
北村 卓
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

明治期、大正期から昭和にいたるフランス近代詩受容の一つのパースペクティブが、上田敏、永井荷風、谷崎潤一郎、岩野泡鳴、福永武彦らを中心とする具体的な研究を通して明らかになった。またフランス文学・文化の受容に関する研究を、日仏文化交渉の観点から、詩・小説・演劇・映画などを視野に収めた上で行うことによって、立体的な傭職図を獲得できた。こうした受容研究と並行して、日本においてフランス近代詩がどのような過程を経て翻訳・発表されたのか、すなわち原典の確定、翻訳者、発表の媒体、社会的状況を明らかにしようと試みた(これは成果報告書巻末に付した年表形式のデータベースに反映されている)。それらがどのような読者層に受容され、さらには日本の作家や芸術家さらには日本の社会にどのような影響を与えたのかについては、受容研究において具体的に考察を加えている。以上の成果をもとに、100ページにわたる研究成果報告書を平成19年3月に刊行した。その報告書は、5章からなるフランス近代詩の受容研究(序章:日本におけるフランス近代詩受容のパースペクティブ、第1章:永井荷風『珊瑚集』における戦略、第2章:谷崎潤一郎とボードレール、第3章:岩野泡鳴とフランス象徴詩、第4章:福永武彦における「幼年期」と「島」の主題)および年表としてまとめた翻訳文献(ボードレールを中心とする)のデータベースとから構成されている。
著者
北村 直也 松川 利広
出版者
奈良教育大学
雑誌
奈良教育大学紀要. 人文・社会科学 = Bulletin of Nara University of Education. 奈良教育大学 編 (ISSN:05472393)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.159-166, 2013-11

Schools have been working on operetta performances as an interdisciplinary and comprehensive educational activity to develop the general personalities of children, who take part in the activity enthusiastically to express themselves through performances. We have studied where this energy comes from, and interactions among children as well as between teachers and children from the perspective of caring, taking account of characteristics of expression in operetta performances. The study has shed light on a change in the "caring relationships" among children as well as between children and teachers built up through the expression of operetta that involved self-orientation and other-orientation in the activity, "self-expression" , and the roles and functions of these aspects.