著者
細野 芳樹 古田 智彦 須原 貴志 松尾 篤 桑原 生秀 平岡 敬正
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.165-168, 2005-01-25 (Released:2009-05-26)
参考文献数
8

症例は28歳,男性.以前より胆石を指摘されていたが無症状の為放置していた.職場の検便検査でサルモネラ菌の排菌を指摘され,抗菌薬にて除菌治療を行った.しかし,その後も同様に除菌治療を行ってもサルモネラ菌の排菌を繰り返し,再び抗菌薬治療を行ってもサルモネラ菌を便中に排菌する可能性が高いと考えられた.原因の一つとして胆石が疑われた為,胆嚢摘出術を行った.術後の細菌学的検査では,破砕胆石より便培養で検出されたものと同種のサルモネラ菌を検出した.術後経過良好にて術後第12病日に退院した.術後11カ月後に便培養を行ったがサルモネラ菌を検出しなかった.胆石や胆嚢奇形があるとサルモネラ菌無症候性長期保菌者になりやすいといわれている.胆石を有するサルモネラ菌長期保菌者は,原因の1つとして胆石症を疑い,積極的に胆嚢切除を考慮する必要があるものと思われた.
著者
宮田(古谷) 聡美 河野 惠三 森元 崇史 原島 哲 岩田 裕子 有安 利夫
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.142, no.5, pp.535-546, 2022-05-01 (Released:2022-05-01)
参考文献数
29
被引用文献数
1

Transient receptor potential vanilloid 2 (TRPV2) channels are expressed and play functional roles in various immune cells. Physical stimuli leading to TRPV2 activation causes mast cell degranulation. Besides their roles in immune cells, it has been shown that TRPV2 channels are pathophysiologically relevant to degenerative muscular diseases such as dilated cardiomyopathy and muscular dystrophy. Hence, development of drug candidates that inhibit human TRPV2 activation is an urgent matter. NK-4, a cryptocyanine dye, inhibited agonist-induced TRPV2 activity in mouse TRPV2-transfected HEK293 cells. However, it remains unclear whether NK-4 exerts regulatory effects on the activation of human TRPV2 channels. In this study, we show that NK-4 inhibits intracellular Ca2+ increase in human TRPV2-transfected HEK293 cells preactivated with a TRPV2 agonist. The inhibitory effect of NK-4 (IC50=0.27 μM) on human TRPV2 activation was 74-fold stronger than that on mouse TRPV2 activation (IC50=20 μM). NK-4 also inhibited the agonist-induced TRPV2 expression at the plasma membrane, when the human TRPV2-expressing cells were stimulated with the agonist in the presence of NK-4. These results suggest that NK-4 abrogates the agonist-induced signaling events leading to human TRPV2 activation. Furthermore, TRPV2 agonist caused degranulation of RBL-2H3 cells, which represents a phenomenon related to physical urticarias. NK-4 suppressed the release of β-hexosaminidases upon degradation with IC50 of 1.9 μM, 35-fold lower than that determined with an anti-allergic drug, Epinastine. Our results suggest that NK-4 would be a potential therapeutic strategy to resolve dilated cardiomyopathy and its associated heart failure as well as physical urticarias.
著者
前田 綾 宮脇 正一 大賀 泰彦 中川 祥子 古川 みなみ 上村 修司 井戸 章雄 日野 沙耶佳
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

本研究では、胸焼けなどの不快感と求心性の内臓知覚とストレス物質の動態に着目し、食道内酸刺激で産生されるメディエーターおよびストレス物質の動態などの神経免疫学的観点からブラキシズムの発症メカニズムを解明することである。また、求心性知覚神経を介した胸焼け等の不快感を自覚させる食道知覚とストレス物質の動態が咬筋活動を増加させることに着目し、ブラキシズムの発症のメカニズムを解明する。これらが明らかとなれば、上部消化器疾患と精神疾患およびブラキシズムに関する難治性の病因について新たな知見を提供して新規治療方法の開発に繋がる可能性があり、患者のQOL向上ひいては健康寿命の延伸に繋がると考える。
著者
高月 公博 古川 裕之 宮本 謙一
出版者
一般社団法人 日本臨床薬理学会
雑誌
臨床薬理 (ISSN:03881601)
巻号頁・発行日
vol.39, no.5, pp.173-179, 2008 (Released:2009-02-05)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

The purpose of this study was to determine the items necessary for causality assessment in order to improve the usefulness of the individual case safety report (ICSR) from medical institutions as adverse drug reaction (ADR) information. Thus, we evaluated the standard items for causality assessment by surveying the items used in pharmaceutical manufacturers of generic drugs. The number of respondents was 35, which was 89.7% of the member companies of Japan Generic Pharmaceutical Manufacturers Association. The use of algorithms for causality assessment, terms for causal relation, and criteria for assessing whether or not ADR were varied among the companies. These findings were similar to the previous results in a survey of pharmaceutical companies of original drug. The variety of assessment criteria is inconvenient for reporters to judge and also lowers the validity of judgment. Additionally, it will be inappropriate to assess ADR information all together. And these variations may cause wide differences in the frequency measurement of ADR. Therefore, it is crucial to immediately derive consensus on international assessment criteria for causality assessment.
著者
近藤 良 原 辰次 古田 勝久
出版者
The Society of Instrument and Control Engineers
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.22, no.11, pp.1142-1148, 1986-11-30 (Released:2009-03-27)
参考文献数
8

In servo systems, it is known empirically that stability margin at the error channel influences the characteristics of the response against reference command. This paper, therefore, presents a method of designing servo system, which has a certain specified stability margin at the output of servo compensator or the error channel.The relation between the stability margin at the input of plant and the one at the output of servo compensator is derived, where the state feedback law for the augmented system of plant and servo compensator is determined using the solution of a generalized Riccati equation. The stability margin at the output of servo compensator can be specified by means of this relation and an adjusting parameter for the state feedback gain, and design guidance is proposed for improving the behavior of the response for command input. It is also shown that the servo system possessing integrity at the error channel or robust stability against saturation of integrator can be designed using the conventional Riccati equation for the augmented system.
著者
篠原 隆一郎 古里 栄一
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.159-170, 2017-12-25 (Released:2017-12-25)
参考文献数
56
被引用文献数
6

Phosphorus (P) is one of the most important nutrients for all living organisms. Recently, not only inorganic P but also organic P has been focused because of the development of an analytical technique— 31P nuclear magnetic resonance (NMR) spectroscopy. In the current paper, we reviewed historical backgrounds of the P analysis with the reason for using NMR and the limitation. Furthermore, we discussed the processes of sediment and suspended particles in lakes in the recent studies. The processes are complex, including physical, chemical, and biological aspects (i.e. diffusion, resuspension, adsorption/desorption, and enzymatic hydrolysis). Because P is present majorly as particulate forms, it is affected by physical processes compared with carbon and nitrogen. We shed light on how the processes of physical, chemical, and biological aspects affect P behavior in sediment and suspended particles in shallow and deep lakes.
著者
甘粕 瑞季 下出 昭彦 古川 康二 芦部 文一朗 松見 繁
出版者
The Japanese Forest Society
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
pp.655, 2023-05-30 (Released:2023-05-30)

クロモジ(Lindera umbellata Thunb.)はクスノキ科の落葉低木で、日本固有種の香木として知られており、枝から採れる精油はリラックス作用や抗菌作用があり、アロマテラピーなどにも活用されている。クロモジ精油の主成分はリナロールであるが、その組成は産地によって大きく異なることが知られている。今回、組成の異なるクロモジ精油について6種の細菌に対する抗菌活性を測定し、比較した。産地の異なるクロモジの枝から水蒸気蒸留によって精油を得、ジンジバリス菌、ミュータンス菌、黄色ブドウ球菌、肺炎桿菌、大腸菌及びモラクセラ菌に対し最小発育阻止濃度試験又はハロー試験により抗菌作用を評価した。その結果、大腸菌を除く5種の菌に対してクロモジ精油が抗菌作用を示した。更に、ミュータンス菌及び黄色ブドウ球菌に対してはリナロール含量の高いクロモジ精油の方がより強い抗菌活性を示した。以上より、クロモジ精油は幅広い抗菌活性を有し、成分の組成の違いによりその抗菌活性は異なると考えられた。
著者
宍戸 聖弥 古山 千佳子
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.772-779, 2023-12-15 (Released:2023-12-15)
参考文献数
11

本報告は放課後児童クラブ(以下,児童クラブ)において,作業に焦点をあてたコンサルテーションを行った実践報告である.今回,COPMやスクールAMPSを活用したことで,児童クラブの支援員が事例に期待している作業に焦点を当て,その作業遂行の改善を目的とした提案を行うことができた.結果,児童クラブ支援員と作業療法士の協働がより進み,支援員間で対応が共有化されたことで,事例の作業遂行に改善がみられた.よって,学校の教室に近い環境下であれば,COPMやスクールAMPSに基づいたコンサルテーションに一定の効果があることが示唆された.
著者
古別府 ひづる
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.170, pp.107-121, 2018 (Released:2020-08-26)
参考文献数
13

本研究の目的は,英語圏中等教育機関の日本語教師が求める日本語アシスタント (以下,JA) の資質を明らかにすることである。質問紙調査より日本語教師212名の回答が得られた。データを因子分析にかけた結果,「教師の専門性と英語力と規律」「日本語教授者の基本的態度」「明るい人間性」「勤勉さと役割認識」の4因子が抽出された。うち,JAに強く求められる因子とそうでない因子,教師と共通の因子,JAに特徴的な因子が挙げられた。次に,4因子と教師の語学アシスタント (以下,LA) 経験有無とJA受入希望有無との関係を探るためノンパラメトリック検定を行った。結果,「教師の専門性と英語力と規律」の因子に有意差があり,LA経験有無とJA受入希望有無は,JAと教師の区別の認識に重要な要因であることがわかった。また,JA受入希望者が多い一方,JAと教師の区別が明確でない者も多いことが指摘できた。本結果は,海外JA活用の基礎的な指標を示したと考える。
著者
古屋 義人 新宅 貴久栄 北 敏郎
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.49-52, 1979-03-01 (Released:2017-04-11)

Y, Z両血液型とも日本で発見された血液型である。日本人ではY型は22.37%,Z型は29.51%である。Y, Z両抗原ともMNSs血液型と密接な関係があるらしい。Y抗原, Z抗原はいずれも単純優性形質で, 家族調査の成績もこの考えに大体よく合う。
著者
古賀 靖敏
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.401-406, 2022 (Released:2022-12-07)
参考文献数
9

ミトコンドリア病の診断に役立つ感度・特異度の高いバイオマーカーを開発する事は,世界中のミトコンドリア病研究者にとって喫緊の課題である.我々は,この課題を解決する目的で,MELASのA3243G変異を持つサイブリッドモデルのメタボローム解析を行い,新規バイオマーカーを探索した.さらに,日常診療において,血清中のGDF15測定を可能にするために,ミトコンドリア病の自動診断薬として,新しいラテックス比濁免疫測定法(LTIA)を開発した.次に,ミトコンドリア病患者,遺伝子異常を有する保因者,および健常者を対象に,市販の酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)キットと新しいLTIAデバイスを用いた臨床性能試験を実施し,両者の同等性を調べた.その結果,ミトコンドリア病の新規診断バイオマーカーとしてGDF15を発見し,特許を取得した.全自動分析装置に搭載できるLTIAデバイスは,既存のELISAシステムと同等性を示した.LTIAデバイスを用いることで,感度94%,特異度91%の確率でミトコンドリア病の迅速な診断が可能となった.この自動化されたハイスループット技術は,ELISAキットよりも処理時間がわずか10分と短く,サンプル測定あたりの推定コストが低いという明確な利点があり,ミトコンドリア病の早期診断と治療が可能となる.この発見は,トランスレーショナルリサーチの成功例であり,世界のミトコンドリア病の診断アルゴリズムに革命をもたらすと考えられる.
著者
古川 安之
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

我々は交感神経と副交感神経の単独あるいは同時刺激時の歩調取りの部位の同定とpacemaker shiftの有無を検討し、更に歩調取り電位を直接あるいは間接的に修飾する薬物を用いpacemaker shiftの有無を観察し、その機序を考察するため以下の実験を行っている。雑種成犬をペントバルビタール麻酔後、人工呼吸器(Harvardmodel 613)管理下に、開胸し、迷走神経を頸部で、星状交感神経節の心臓側でそれぞれ結紮、座滅し、中枢からの神経調節を除き実験を行った。48極の単極性多極電極を作成し、心外膜側の洞房結節を含む洞結節一心房歩調取り部位(sinoatrial pacemaker complex)に固定し、心表面マッピングシステム(フクダ電子HPM7100)を用い、等時線図を記録した。頸部迷走神経、交感神経の結紮部位の心臓側に双極性の刺激電極を設置した。実験は交感神経、頸部迷走神経刺激時の歩調取り部位(pacemaker sites)を同定し、歩調取り電位を修飾する薬物、E-4031,zatebradine,verapamilと自律神経遮断薬であるpropranolol,atropineの歩調取り部位に対する作用を検討している。交感神経刺激により、歩調取り部位がいわゆる洞房結節部より上方に移動し、副交感神経刺激によっては下方に移動する傾向はあるものの必ずしも一定しないこと、交感神経刺激時に副交感神経刺激を行うと歩調取り部位が下方に移動することを観察した。交感神経刺激による歩調取り部位の変化はpropranololによって、副交感神経刺激による歩調取り部位の変化はatropineにより抑制されることを確認した。更に現在、E-4031,zatebradine,verapamilの歩調取り部位に対する影響と交換、副交感神経刺激による歩調取り部位の移動に対する作用の差異を観察中である。
著者
小林 耕太 飛龍 志津子 宮坂 知宏 古山 貴文 玉井 湧太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究の目的は近赤外光刺激を利用した次世代人工内耳を開発することである。従来型の人工内耳は電気的に聴神経を刺激するため、聴覚末梢器官である蝸牛に電極アレイを挿入する外科手術を必要とする。本計画では非接触で神経活動を引き起こさせる手法である、赤外光により熱的に細胞を刺激する手法を人工内耳に応用し、神経活動を非接触で誘発し、聴力を再建(または補助)する手法の開発を目指す。具体的には、動物実験により光刺激が再建可能な知覚内容を検討するとともに、装置を長期装用した場合の生体への影響(安全性)を評価する。また、主にヒトを対象として装着方法および言語知覚を再建するための刺激アルゴリズムを検討する。
著者
金好 純子 古田 貴音 塩田 俊 赤阪 信二 柳本 裕子 栗久 宏昭
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.19-26, 2014-01-15 (Released:2014-03-31)
参考文献数
30
被引用文献数
5 4

レモン3品種の自然交雑種子を播種し,1果実当たりの三倍体の出現数は,0.36~0.70個体/果であった.発芽した実生における三倍体出現率は,重量が大粒種子の1/3未満1/5以上の小粒種子では46.6~59.6%,1/5未満の極小粒種子では37.5~47.6%で高いことから,レモンでは二倍体どうしの交配においては,小粒の種子を選抜すれば,効率よく三倍体が得られることが明らかになった.自然交雑実生から得られた三倍体は,88.2%が花粉を形成したが,花粉量は少なく,種子数は1個未満が80%で無核性の系統が多かった.また,‘道谷系ビラフランカ’の自然交雑実生から三倍体を選抜し,レモン新品種‘イエローベル’を育成した.樹勢は強く枝梢は密に発生し,枝梢の長さは中で節間は短い.枝梢のとげの発生割合は65.8%で多い.成熟期は果汁割合が高くなる12月中旬である.果実は球~長球形で,果実重は約214 gである.果皮はやや滑らかで,果皮は5.1 mmで薄く果汁が多い.香気は中である.種子は1果当たり2.9個で少ない.酸度は約5.3%でまろやかな食味である.このように‘イエローベル’は,酸度が低い,果汁が多い,種子が少ないなどの特長があり,レモンの需要拡大への利用が期待される.
著者
古川 智之 高谷 亜加里 中川 季子 坂口 生夫 西 克治
出版者
日本静脈学会
雑誌
静脈学 (ISSN:09157395)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.47-52, 2011 (Released:2022-07-30)
参考文献数
16

中心静脈カテーテルの挿入を目的とした右内頸静脈穿刺に関する報告は古くよりなされており,超音波診断装置を用いた走行や径についても数多く報告されている.今回左右の内頸静脈の血管径を剖検時30例について測定し検討した.左右の内頸静脈径については剖検で検討した結果,右側が優位であった.径の左右差から内頸静脈穿刺は右側からのアプローチが成功率は高いと思われるが,左側優位の例も10%存在した.次に,内頸静脈弁について40例検討した.逆流防止としての静脈弁は内頸静脈にも存在し,その存在率は高い.また弁尖数は個人によって異なり1~3尖,あるいは存在しないものもあったが,70.5%は2尖弁であった.内頸静脈には一般的に静脈弁が存在し,内頸静脈弁はどの程度役割を果たしているか,また中心静脈カテーテル留置の際内頸静脈弁がどの程度障害され血流動態に影響を及ぼしているかについて今後評価する必要がある.
著者
矢崎 弘志 平野 浩 富田 薫 舟越 功 古山 準一 岡澤 林太郎 水尾 仁志
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.95, no.11, pp.2295-2297, 2006-11-10 (Released:2009-03-27)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

E型肝炎は, 本邦に於いて看過できない頻度で発生しており, 特に北海道では患者数も多く, 豚の内臓肉摂取によるfood-borne transmissionの可能性が強く示唆されている. 北見市にある我々の施設において, 2003年9月から2005年3月までの1年半の間に5例のE型肝炎症例を経験した. 全例発症の2~7週前に豚レバーないし豚ホルモンを摂取していた. 感染予防のために, 十分な加熱調理と調理器具や手指などの消毒・洗浄が重要である.
著者
鈴木 夏生 古川 誠志 秦 麻理 高宮 万莉 大野 珠美 大橋 昌尚 上原 ゆり子 山田 陽子 三島 みさ子
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.206-211, 2023 (Released:2023-09-08)
参考文献数
26

2022年1月から7月までに新型コロナ感染陽性と診断された妊婦53例と出産予定日をほぼ一致させた非感染妊婦106例を抽出し症例対照研究を行い,ワクチン接種(1回以上の接種)と最終接種からの期間(3カ月以内)の感染予防に対する有効率をオッズ比から算出した.検討集団でのワクチン接種の感染予防に対する非調整の有効率は60%,最終接種から3カ月以内の非調整の有効率は57%となった.これらを年齢と仕事の有無で調整すると,ワクチン接種の有効率は59%(95%信頼区間:-6.0%〜84%),最終接種から3カ月以内の有効率は54%(-6.0%〜80%)となり,感染予防に有効である傾向は認めた.