著者
吉田 龍一 干野 隆之 藤井 秀一 飯田 克彦 古田 淳
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2006年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.879-880, 2006-03-05 (Released:2007-01-31)

コニカミノルタにおいて開発してきたSIDMは,デジタルカメラの手振れ補正用,携帯電話カメラのAF用のアクチュエータとして既に実用化されている.ただし,これらはSIDMの粗動(ノコギリ変位で動かす)のみを用いる応用であった.これに対し今回,SIDMの粗動,微動(圧電素子そのものの変位で動かす)を用いた位置決め用ステージをナノコントロールと共同で開発したので報告する.
著者
古月 大樹 後藤 敬博 宮根 一男 橋爪 智代
出版者
日本重症心身障害学会
雑誌
日本重症心身障害学会誌 (ISSN:13431439)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.226, 2014 (Released:2021-05-27)

はじめに 重症心身障害児(者)では不眠など睡眠リズムの不規則さが見られることがある。乳児に対してホワイトノイズは胎児のときに聞いていた母親の心臓の鼓動や、胎盤の血流の音に似ているため、安眠に導く効果があるという報告がある。そこで夜間覚醒している睡眠リズム障害のある利用者に対してもホワイトノイズが睡眠誘導に有効であるか検討した。 研究方法 睡眠リズム障害を有し、家族の同意が得られた2名を対象とした。A氏 (56歳男性) 脳性麻痺 B氏(41歳女性) 脳性麻痺・レノックス症候群 周波数が異なるホワイトノイズ音源を7種類用意した。両名共に不眠時にブラウンノイズが穏やかになる様子が見られたため、これを使用するとした。 実施期間 1期:2013年8月〜9月、不眠時にブラウンノイズを30分、胎児が体内で聞いている音量と同じぐらいの音量の60〜70dbで流した。 2期:2013年9月〜11月、客観的測定のため、不眠時にブラウンノイズ使用の前後に唾液アミラーゼ値を側定し、ストレス値の変化を調査した。ブラウンノイズ使用後、入眠していれば測定せずとした。 結果 A氏1期では12回中10回(83.3%)入眠した。2期では15回中6回(40%)入眠した。アミラーゼ値は9回中6回の低下認めた。B氏1期では4回中4回(100%)入眠した。2期では2回中1回(50%)入眠した。アミラーゼ値は1回中1回の低下認めた。 考察 今回は2名での検証であったがホワイトノイズの効果はあった。1期では、両名共に高い比率で入眠を認めた。2期では両名共にアミラーゼ値の低下は確認出来たが、唾液アミラーゼ測定自体が利用者に不快を及ぼし、入眠を妨げる要因となり、1期と2期の結果に差が出たのではないかと考える。重症心身障害児(者)でのホワイトノイズ使用例がないため、今後の取り組みの結果によっては、睡眠薬を使わず入眠を促す1つの手段になる可能性がある。対象者を増やして検討したい。
著者
村井 政史 堀 雄 森 康明 古明地 克英 八重樫 稔 今井 純生 大塚 吉則 本間 行彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.29-34, 2019 (Released:2019-08-26)
参考文献数
13

症例1は72歳男性で,重たいものを持ち上げるなどの重労働を約半年間行い,全身に痛みを自覚するようになった。肩の凝りと痛みが著明なことから葛根湯を,瘀血が存在すると考え桂枝茯苓丸料を合方して治療を開始した。 尿の出が悪化し麻黄の副作用と考え減量し,治療効果を高める目的で蒼朮と附子を加味したところ,体の痛みはほぼ消失した。症例2は53歳男性で,頚椎捻挫受傷や外科的手術歴があり,全身に痛みを自覚するようになった。左右の胸脇苦満が著明なことから大柴胡湯を,瘀血が存在すると考え桂枝茯苓丸料を合方して治療を開始した。便が出過ぎて日常生活に支障を来すため大黄を減量し,肩凝りが著明なことから葛根を加味したところ,体の痛みは消失した。線維筋痛症は治療に難渋することが多いが,煎じ薬ならではのさじ加減により,副作用を軽減し治療効果を発揮させることができた。
著者
山口 直比古 阿部 信一 雨宮 正恵 大村 伸栄 多胡 英樹 廣田 住友
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.21, no.6, pp.387-394, 1990-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
9

In Japan, more than 1, 200 medically-oriented meetings are held each year, with the number of presentations given at those meetings estimated at over 100, 000.A questionnaire was sent to the member societies of the Japanese Association of Medical Sciences in order to obtain information about the character and the role of the meeting abstract. Moreover, Another questionnaire was sent to individual doctors and researchers regarding their views of the abstract selection process. It was found that 65 percent of the meetings held by the member societies, especially large-scale and clinicallyoriented societies, have a referee system. However, submitted abstracts are rarely rejected (average 9 percent), and only the subject matter is supposed to be checked. Moreover, it was clear that most doctors and researchers recognize the necessity of a refereeusystem for national meetings of general interest where they present their research achievements, and think research meetings where a small group of specialists gather to discuss a certain subject have less need for a referee system.Through the use of these two questionnaires, two main concepts were obtained:(1) a referee system is necessary to maintain high-level meetings, and (2) all applicants should be given an opportunity to present thier papers.
著者
古澤 力 岩澤 諄一郎 前田 智也
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.263-265, 2023 (Released:2023-11-25)
参考文献数
9

適応度地形を推定することは,進化過程の理解に大きく貢献する.しかしゲノム配列空間においてその推定を行うことには,膨大な実験データが必要となり困難が伴う.本稿では,大腸菌の抗生物質耐性進化の過程において,複数薬剤への耐性能を経時的に計測し,その表現型データに基づいて適応度地形を推定する手法を紹介する.
著者
小長谷 幸史 小田島 大 山家 真奈美 高橋 悠斗 古俣 真夕 重松 亨
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.425-435, 2022-11-30 (Released:2022-11-30)
参考文献数
21

分子生物学など幅広い分野で用いられているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は,現在では高等学校の生物の教科書にも記載され,新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検査で用いられていることにより社会にもPCRが広く認知されるようになった。高等学校の生徒に対してPCRの原理と応用に関する質問紙調査を行った結果,ほぼ全員PCRという言葉を知っていたが,SRAS-CoV2の検査に関すること以外の記述はほとんどなかった。この生徒に対し大学と連携によるPCRの実験を伴った授業を行った。授業は通常の授業時間のなかで説明,PCRの操作,電気泳動を含めて2校時内に行うものとし,PCRは3台の温度の異なるウォーターバスを用いて生徒が反応液の入ったPCRチューブを移動させる“手動PCR”の方法で行った。PCRは原核細胞の16SリボソームRNA遺伝子のほぼ全域の約1500 bpの部分を標的とし,試料は納豆から分離したBacillus subtilisの菌体およびそのDNA,納豆の粘りを用いた。1校時目に全体の説明とPCRの反応操作を行った。PCRの条件は初期変性2分間の後,94°C 20秒間56°C 20秒間72°C 20秒間の25サイクルで行った。2校時目にPCR後の反応溶液を電気泳動に供した結果,9班中2班で目的のPCR産物が得られていた。本実践では感染症対策を十分にとって行うことができた。授業後の課題の設問への解答にはPCRの原理や検査以外の応用の記述がみられるようになった。本実践により通常の授業時間の2校時と課題による時間外学習によりPCRについて学ぶことができる生徒実験が構築できる可能性が見出された。
著者
真崎 美矢子 道津 安正 増山 泰治 山下 京子 古賀 宏延 須山 尚史 河野 茂 山口 恵三 広田 正毅 斉藤 厚 原 耕平
出版者
公益社団法人 日本化学療法学会
雑誌
CHEMOTHERAPY (ISSN:00093165)
巻号頁・発行日
vol.35, no.9, pp.709-713, 1987-09-25 (Released:2011-08-04)
参考文献数
14

マクロライド系抗生剤であるEM, JM, TE-031, RKM, Ru-28965の5薬剤について, ヒト多形核白血球内への移行性をradioisotope 14Cをラベルした薬剤を用いて測定した。37℃培養下での移行率 (細胞内/外濃度比) は, EM; 6.6倍, JM;15.5倍, TE-031;16.4倍, RKM;30.5倍.Ru-28965;21.9倍と.いずれも高値を示した。ホルマリン処理好中球および低温培養下での移行率は5薬剤ともに著明に低下した。また, pHが酸性になるほど移行率は低下し, pH依存性が示唆された。細胞のエネルギー代謝阻害剤であるフッ化カリウムおよびシアン化ナトリウムを添加すると, それぞれ2~47%, 4~38%程度の移行率の低下が認められた。またヌクレオシドの一種であるアデノシンの添加ではEM以外の4薬剤で8~17%の移行率の低下がみられた。細胞内へ移行した5薬剤は, 細胞外の薬剤を除去するといずれも急速に細胞外へ流出し, 5分後には30%以下に低下した。今回我々が用いた5種類のマクロライド系抗生物質は, いずれも良好な細胞内移行性を示し, これらの細胞内への移行には能動輸送が関与していることが示唆された。
著者
爲廣 一仁 靍 知光 古賀 仁士 島 弘志 黒田 久志 田中 将也 瀧 健治
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.9, pp.734-738, 2014-09-15 (Released:2015-01-19)
参考文献数
14
被引用文献数
2 2

上部消化管内視鏡検査中に緊張性気腹から心肺停止(cardiopulmonary arrest: CPA)に陥ったが,迅速な減圧により救命できた症例を経験した。症例は63歳の男性。心窩部痛のため前医を受診した。前医で上部消化管内視鏡検査中にCPAとなり,心肺蘇生を行いながら搬入された。頸静脈怒張と著明な腹部膨満を認めた。上部消化管内視鏡検査中に生じた緊張性気腹と診断し,tube drainageを行った。腹部は平坦となり,心拍が再開し,大網充填術を行った。術後,集中治療を要したが,後遺症なく退院となった。緊張性気腹は非常に稀な病態で報告は少ない。緊急性が高いことと,減圧により病態を改善させることが可能であることを認識する必要がある。またCPAであっても,的確な一次救命救急処置(basic life support: BLS)と迅速な診断,迅速な減圧により予後良好な転帰が得られる。
著者
田村 誠朗 北野 将康 東 幸太 壷井 和幸 安部 武生 荻田 千愛 横山 雄一 古川 哲也 吉川 卓宏 斎藤 篤史 西岡 亜紀 関口 昌弘 東 直人 角田 慎一郎 細野 祐司 中嶋 蘭 大村 浩一郎 松井 聖 三森 経世 佐野 統
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.450-455, 2017 (Released:2018-01-25)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

症例は65歳女性.X-17年に間質性肺炎合併多発性筋炎と診断されステロイド薬が開始.X-8年に関節リウマチを合併しタクロリムス(Tac)が併用となっていた.X年2月上旬から全身倦怠感と高血圧が出現,さらに血液検査で,血小板減少,溶血性貧血,破砕赤血球,LDH高値,高クレアチニン血症を認めたことから,血栓性微小血管障害症(TMA)と診断.TMAの原因としてcalcineurin inhibitor(CNI)腎症を疑い,Tacを中止し血漿交換を開始した.以降,破砕赤血球は消失し,血小板減少,溶血性貧血は改善したが,高血圧,腎機能低下が遷延したため腎生検を施行.その結果はTMAの病理組織像であった.ただしCNI腎症としてはTacの血中濃度は既存の報告と比較し低く,また薬剤中止後も腎機能低下が遷延していた点が非定型的であった.後に抗PL-7抗体が陽性であることが判明.本症例は強皮症の診断基準は満たさなかったが,同抗体陽性例では強皮症を合併したとする報告がある.すなわち潜在的な強皮症素因を背景にCNI腎症が重篤化した可能性が示唆された.抗PL-7抗体陽性の患者にTacを投与する際はTMAの発症に十分留意する必要がある.
著者
宮ノ下 明大 今村 太郎 古井 聡 曲山 幸生
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.57-60, 2020-09-25 (Released:2021-09-25)
参考文献数
15
被引用文献数
1

唐辛子製品におけるノシメマダラメイガの発育について,28℃,相対湿度70%,日長:16L8Dの条件で調べた.供試試料として唐辛子は,ホール(無傷),横半分に切断,輪切りを用い,一味唐辛子はそれぞれ製造元の異なる5製品を用いた.試験は,孵化幼虫2個体を各唐辛子2.5 gに投入し,羽化までの発育日数,羽化率,成虫生体重を記録し,10~15回繰り返した.ホール唐辛子(無傷)では発育しなかった.横半分に切断したものでは,羽化率25%,平均発育日数(平均値±SE)は65.0±2.9日であった.輪切りでは,羽化率90%,平均発育日数は35.0±0.5日であった.平均成虫生体重は,横半分に切断したものに比べ,輪切りでは重くなった.これらの結果は,幼虫の発育に唐辛子の形状や硬さが影響を与えることを示している.一味唐辛子では,4製品では平均発育日数は42.5~48.3日の範囲に含まれ有意差がなかったが,1製品では81.0±10.2日で,他と比べ有意に長かった.乾燥唐辛子の揮発性成分には,昆虫に対する殺虫,忌避効作用が知られているものもある.これらの結果は,唐辛子の揮発性成分量は製品毎に異なり,幼虫の発育に影響を与える可能性を示している.
著者
古賀 幹朗 西尾 淳 中山 鎭秀 山本 卓明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.721-724, 2022-09-25 (Released:2022-11-07)
参考文献数
8

【目的】当科で経験した7例の血管平滑筋腫の臨床像,MRI所見,病理組織像を検討する.【対象と方法】2016年1月から2021年4月までに病理組織学的に血管平滑筋腫と確定診断された7例(男性3例,女性4例,平均年齢60.1歳)を対象に発生部位,局在,疼痛の有無,チネル兆候の有無,自覚時から生検あるいは手術までの期間,術前X線所見,術前MRI所見,病理所見,再発の有無を調査した.【結果】発生部位は足関節・足部4例,下腿2例,膝部1例で,局在は全て皮下であった.疼痛があるものは6例,チネル兆候は全て陰性であった.MRI検査は全例で施行され,腫瘤はT1強調像で低~等信号,T2強調像で不均一な高信号を示した.造影MRI検査が施行された4例では全て強い造影効果を認めた.6例で辺縁切除が行われ,再発はなかった.1例は生検のみであった.病理所見において森本の分類では全例solid typeであった.【結論】血管平滑筋腫は下肢の皮下に発生する有痛性軟部腫瘤の鑑別診断として考慮すべき疾患である.
著者
古澤 仁美
出版者
一般社団法人 日本治山治水協会
雑誌
水利科学 (ISSN:00394858)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.78-96, 2015-02-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
65
被引用文献数
1
著者
古川 慈之
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会第二種研究会資料 (ISSN:24365556)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.KST-22, pp.04, 2014-07-22 (Released:2021-08-28)

知識・技術・技能の伝承支援研究会(SIG-KST)は2007年に設立されて以来,関連する研究講演を100件以上実施してきた.また,2012年からはほぼ毎回討論会を実施し,対象とする分野や技術の体系的な整理を試みている.本発表では,これまでの研究会活動から得られた知見をまとめ,考察を行う.
著者
岡本 洋子 多山 賢二 古田 歩 吉田 惠子
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.229-235, 2018 (Released:2018-08-17)
参考文献数
14

ミラクルフルーツは味変革物質として知られている。健康な女子学生23~27名を評価者に選び,甘味,酸味,塩味,苦味,うま味を含む代表的な食品12種類(グラニュー糖,グレープフルーツ,レモン,穀物酢,食塩,コーヒー,かつお削り節等)と日本宮崎県産ミラクルフルーツを試料として官能評価を行った。食品→ミラクルフルーツ→食品という順序で味わい,両極7点評点法を用いて呈味強度やおいしさを調べ,対応のあるサンプルのt検定を行った。酸味食品5試料では,味わった後は,味わう前に比べ,酸味強度の低下および甘味強度の上昇とともに,苦味強度の低下およびうま味強度の上昇が確認された(いずれもp<0.01)。さらに,酸味を含まない食品においても甘味強度のさらなる上昇を認めた (p<0.01)。酸味食品8試料では,「おいしさ評価」が上昇したが,甘味・塩味・苦味・うま味食品では,「おいしさ評価」には変化がみられなかった。ミラクルフルーツを味わう前と後では,我々の感じる甘味・酸味強度とともに,苦味・うま味強度にも変化がみられた。
著者
荒巻 吏志 野上 裕子 服部 寛士 泉 清徳 古賀 さとみ 堤 千代
出版者
一般社団法人 日本地域理学療法学会
雑誌
地域理学療法学 (ISSN:27580318)
巻号頁・発行日
pp.JJCCPT22007, (Released:2023-10-13)
参考文献数
31

【目的】訪問リハビリテーション利用者に対する転倒リスク評価の一助とするために,居宅で行える身体機能評価と転倒との関連を明らかにすることを目的とした.【方法】訪問リハビリテーション利用者88名を横断的に調査した.過去1年間における転倒歴の有無で2群に分け,カルテ情報および身体機能評価(握力,SS-5,開眼片脚立位),FRI-21を群間で比較し,関連を分析した.身体機能評価は,転倒歴を判別するカットオフ値を求め,オッズ比と95%信頼区間を算出した.【結果】転倒歴有り群は,無し群より身体機能が有意に低く,FRI-21は高い結果であった.身体機能評価のカットオフ値とオッズ比は,握力は17.50 kg,3.95(95%CI: 1.56~10.00).SS-5は18.38秒,8.17(95%CI: 2.74~24.38).開眼片脚立位は5.58秒,4.60(95%CI: 0.88~23.94)であった.【結論】訪問リハビリテーション利用者に対する居宅で行える身体機能評価は,転倒歴との関連が認められ,転倒リスクを評価する指標となる可能性が示唆された.
著者
山田 和豊 喜久田 啓明 古川 雅人 郡司嶋 智 原 靖典
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集B編 (ISSN:18848346)
巻号頁・発行日
vol.79, no.801, pp.900-916, 2013 (Released:2013-05-25)
参考文献数
28
被引用文献数
1 1

Flow fields near rotating stall inception in a low-speed axial compressor rotor with two different tip clearances have been investigated by instantaneous measurements of casing wall pressure distributions using 30 high response pressure transducers and by detached eddy simulations (DES) using 120 million grid points. It is found that the stall inception process in the large tip clearance case is dominated by the breakdown of the rotor tip leakage vortex, in contrast to the spike-type stall inception in the small tip clearance case which is dominated by the leading-edge separation near the rotor tip. The vortex breakdown induces the large oscillation of the tip leakage vortex with its unsteady nature, resulting in the low-pressure regions in the instantaneous casing wall pressure field and the high pressure fluctuation region on the pressure side of the adjacent blade tip in the ensemble-averaged casing wall pressure field. The large blockage effect due to the tip leakage vortex breakdown causes the rotating disturbance propagating in the circumferential direction, which can appear and disappear with a slight change in the flow rate.