著者
古野 朗子 茅野 政道 山澤 弘実
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.229-240, 2006-09-25 (Released:2010-01-21)
参考文献数
20
被引用文献数
7 7

This paper describes a method of estimating source term, i.e., location, period and amount of atmospheric release of radioactive material in real-time during nuclear emergency. This method consists of: (1) trial simulations of atmospheric dispersions on the possible combinations of these parameters and (2) statistical comparison of model predictions with offsite measurements of air concentrations of radionuclides and/or air dose rates from monitoring stations, to find a set of release condition providing model prediction that fits best to the measurement. A parallel execution method for efficiently processing many possible initial conditions is also developed. The performance of this method is favorably evaluated by a verification study using the dataset from European Tracer Experiment.
著者
五島 淑子 大石 奈津美 竹中 りえこ 古川 和樹
出版者
山口大学
雑誌
研究論叢. 人文科学・社会科学 (ISSN:02860589)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.A31-A50, 2003-12-20
被引用文献数
2

大学生の朝食の実態を把握する目的で、山口大学学生を対象にアンケート調査を行い、以下のような結果を得た。1)山口大学学生の起床時刻は平日では7時台が多く、休日はより遅い傾向にあった。また、就寝時刻では0時〜2時が多かった。2)17時以降アルバイトをしている学生は4割であった。外食(市販の弁当などの利用を含む)の利用頻度は、7割の学生が週1回以上外食を利用していた。3)朝食を食べる習慣のある学生は約6割であり、4分の1の学生に欠食傾向があった。朝食を食べない理由は、「時間がない」「面倒くさい」であった。4)6割の学生は起きて20分以内に朝食を食べ始めていた。また、朝食摂取時間は20分以内で済ませるものが9割であった。朝食の内容は、「パンを食べる」ついで「ご飯を食べる」であった。5)朝食を約半数が作っていなかった。作らない理由は、「作る時間がない」「店で買った物を食べる」「面倒くさい」であった。6)朝食を外食で済ませたことがある学生は、4分の1で、「半年に2〜3回」がそのうちの半数であった。場所はファミリーレストランが最も多く、和食が半数を占めていた。朝食を外食する理由は、「作るのが面倒くさいから」が多かった。今後、朝食の外食が増える可能性がある。7)平日早く起きる学生は、休日の起床時間も早く、平日の就寝時間が早い傾向があった。平日早起きの学生は、起床から朝食までの時間、朝食摂取時間が長く、朝食を料理する学生が多かった。朝食にかける時間が短い学生ほど作らない学生が多かった。8)自宅の学生は、平日早起きが多く、朝食を毎日食べている学生が多かった。9)アルバイトの回数が増えると就寝時刻が遅くなる傾向があった。アルバイトをしている学生の方がしていない学生より朝食を食べていない。10)学年別にみると、高学年になるにつれ、平日の起床時刻、休日の起床時刻、平日の就寝時刻が遅くなっていた。1年生では、朝食を「毎日食べる」が5割であったが、学年があがるにつれてその比率が減少し、「ほとんど食べない」が増加した。また、朝食を作らない学生も増加した。朝食の外食は、学年が上がるに従い増加した。11)理想の朝食を和食と答えた学生が多かった。品数は2〜4品が多かった。食生活の問題点として、朝食、栄養、食生活に関する内容があげられていた。12)朝食を食べるためには、まず早起きの習慣をつけることが必要である。高学年になるほど欠食率の増加、外食への依存が高まることから、「食べること」の意識を改めて問い直すための総合的な食教育が必要と考える。
著者
鯉渕 幸生 小野澤 恵一 中村 格之 原本 英二 片山 浩之 古米 弘明 佐藤 愼司 岡安 章夫 磯部 雅彦
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
海岸工学論文集 (ISSN:09167897)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.886-890, 2005-10-07 (Released:2010-06-04)
参考文献数
6
被引用文献数
2 4

お台場海浜公園周辺において, 栄養塩類, 大腸菌, アデノウイルスなど雨天時越流水起源物質の時空間変動過程を詳細に観測した. 微生物の変動傾向は, 栄養塩類のそれとは異なり, 大腸菌については数mmの降雨でも, 降雨後数日間にわたって遊泳には不適切な糞便汚染を疑わせるレベルとなった. これらの微生物は下水管路内の堆積物に存在していると考えられ, 降雨量よりも先行晴天日数により濃度が大きく変動する. 現在では, 糞便性大腸菌群数により感染リスクを評価しているが, 細菌類とウイルスの変動過程は異なるため, 今後はアデノウイルス等の観測結果を蓄積することが, 都市沿岸域での感染リスクを正しく評価するために望ましいと考えらえる.
著者
若林 明子 菊地 幹夫 井上 亙 川原 浩 古井戸 良雄
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.119-124, 1975-12-25 (Released:2010-03-10)
参考文献数
10

界面活性剤の水棲生物に対する影響をヒメダカに対する半数致死濃度測定で調べた。界面活性剤はn-ラウリル硫酸ナトリウム (C12-AS), n-ミリスチル硫酸ナトリウム (C14-AS), n-セチル酸ナトリウム (C16-AS), 直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム (LAS) および脂肪酸ナトリウム塩 (セッケン) を用いた。ASは蒸留水中でLASとセッケンについては蒸留水および人工軟水中で試験を行なった。これらの界面活性剤の蒸留水中の毒性はC16-AS>セッケン=C14-AS>LAS>C12-ASの順であり, ASはアルキル基の長短により毒性が大きく異なった。LASは人工軟水中で共存塩の影響を強く受けて毒性が増大するが, セッケンは反対に毒性が急激に減少し, LASに比較して毒性はずっと小さくなる。したがって実際の河川水中の毒性はC16-AS>C14-AS>LAS>C12-AS>セッケンの順となる。
著者
伊藤 玄 旗 薫 北村 淳一 古屋 康則
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.20-24, (Released:2021-10-05)
参考文献数
27

Non-native populations of Tanakia lanceolata were found in the Naruse River system, Miyagi Prefecture (Northern Honshu), Japan. Examination of nucleotide sequences of the mitochondrial DNA cytochrome b region indicated that the population was a genetic lineage of those naturally distributed in Western Honshu, Japan. In particular, a haplotype present in the Naruse River populations was consistent with one identified in populations in the Asahi and Kurashiki River systems, Okayama Prefecture.
著者
中澤 達哉 近藤 和彦 森原 隆 小山 哲 小森 宏美 池田 嘉郎 古谷 大輔 小原 淳 阿南 大
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

本研究は、「王のいる共和政」の国際比較を通じて、近代ヨーロッパ共和主義の再検討を行った。この結果、ハンガリー、ドイツ、ポーランド、スウェーデン、オーストリアにおいて、「王のいる共和政」というジャコバン思想と運動が存在したことを解明した。さらに、これらの地域における「王のいる共和政」論の源流を、16世紀の政治的人文主義(political humanism)による古代ローマ共和政の近世的再解釈に見出した。加えて、この思想が啓蒙絶対王政を正当化するための主導的原理として機能したことを実証した。このようにして、この原理が1790年代の中・東欧において広範に拡大することになったのである。
著者
古田 雅一 伊藤 憲男
出版者
日本食品照射研究協議会
雑誌
食品照射 (ISSN:03871975)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.43-46, 2013-09-30 (Released:2014-04-01)
参考文献数
5
被引用文献数
1
著者
平田 美紀 流郷 千幸 鈴木 美佐 古株 ひろみ 松倉 とよみ ヒラタ ミキ リュウゴ チユキ スズキ ミサ コカブ ヒロミ マツクラ トヨミ Hirata Miki Ryugo Chiyuki Suzuki Misa Kokabu Hiromi Matsukura Toyomi
雑誌
聖泉看護学研究 = Seisen journal of nursing studies
巻号頁・発行日
vol.2, pp.51-57, 2013-04

背景 子どもの権利条約において親からの分離の禁止"が謳われているが,子どもの採血場面では親が付き添う施設は少ない現状である.採血場面に親が付き添い親の助けを受けた子どもは,安心を得ることができ,親の支援を受けながら自分なりの方法で採血に立ち向かうことができる.しかし,これらはほとんどが幼児後期の子どもが対象であり,親の存在の意義が大きい幼児前期の子どもを対象とした研究は少ない.目的 幼児前期の子どもの採血場面に,母親が付き添った場合の子どもの対処行動を明らかにすることを目的とする.方法 幼児前期の子どもに,母親が付き添った場合の行動をビデオ撮影し,採血終了後,母親へ半構成的面接を行った.結果 採血前は【緊張を高める】,【周囲を確認する】,【抵抗する】,【誘導に従う】,【安心を求める】,【覚悟する】の6カテゴリーと10サブカテゴリー,採血中は【緊張の持続】,【苦痛を表現する】,【誘導に従う】,【終了を予測する】,【安心を求める】,【進行を確認する】の6カテゴリーと11サブカテゴリー,採血後は【終了を確認する】,【緊張がとける】,【満足感を得る】の3カテゴリーと7サブカテゴリーが抽出された.結論 母親が付き添った場合の幼児前期の子どもの対処行動は,採血の経過をイメージすることができないため,母親が主体的に身体的接触を持ち,具体的な対処行動を示すことで見通しを得ることができる.また母親からの賞賛は,子どもの採血に対する緊張感を早期に解くことができる.
著者
古田 明子
出版者
神戸女学院大学
雑誌
女性学評論 (ISSN:09136630)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.201-224, 2000-03-31

The TV animation Sailor Moon,broadcast from 1992 to 1997,won an unusual popularity among the young female audience in Japan at that time. This study is an attempt to clarify an implicit message theanimation conveys to the audience under the disguise of a childish story of love, peace and justice by examining the underlying structure each episode of the animation has. A TV animation which repeats practically the same story every week is a very effective cultural apparatus but hasbeen seldom studied in detail. Each episode generally follows the pattern of a typical initiation story: the heroine undergoes a process of maturity through the experienceof symbolic death and rebirth. But the story at the same time cleverly escapes from such an interpretation. What is characteristic with the story is that the initiation process is definitely related to consumer behavior: endless pursuit of commercial goods. And in this sense the heroine never accomplishes the initiation and this incompleteness or failure in initiation indeed places Sailor Moon in a unique position in the lineage of popularlegends. We see many other examples of such incompleteness. The heroine's metamorphosis itself betrays this. For what she puts on after taking off her girlish clothes is, unlike a traditional heroine, a "sailor suit", the symbol of eternal girlishness which accompanies an implication of commercialized sexuality. In the last episode,the heroine discloses her naked body of a matured woman before she becomes the savior of the world. Seemingly she finally attains motherhood and succeeds in showing a role model to the young audience but only to turn out to be a false one. Forher final purpose remains to be to reproduce her duplicates: ideal consumersof the consumption society. It is at that moment that a "Girl" throws off the mask of "Lovely One" and exposes her true face of"Woman".
著者
川岡 勉 片桐 昭彦 新谷 和之 古野 貢 遠藤 ゆり子 佐々木 倫朗 野田 泰三
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の活動の柱は、全国の守護の受発給文書の調査・収集作業であり、活字史料の検索・集約と並んで、対象史料を収蔵している研究機関・各種施設・個人などへの出張調査を分担して行った。こうして集めた史料をもとに、国別または守護ごとのデータベースを作成し、これを収録したCD―ROMを添付した報告書を作成した。データベースを読み解く上で便宜を図るために、手引きとなる解説文も掲載した。本研究のもう1つの活動の柱は、各自が調査・収集した史料やその分析結果を持ち寄り、共同で検討を加える研究会・史料検討会であり、年に2~3回の割合で会合をもった。途中でシンポジウムも開催して研究成果を広く公開・発信した。