著者
山本 禎紀 藤田 正範 坂本 竜一 古本 史 安保 佳洋 SULONG Adnan 安保 佳洋
出版者
日本家畜管理学会
雑誌
日本家畜管理学会誌 (ISSN:13421131)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1-9, 1996-07-23

乳量の高い泌乳牛に対して、一時的に飼料摂取量を変化させた場合の熱産生量と体温調節性生理反応の応答性について、秋の常温期と夏の高温期に調べた。熱産生量はTDN摂取に応じて直ちに反応し、常温期での平均熱産生量は明らかに摂取量に応じて変化した。しかし、高温期の熱産生量は常温期に比べて明らかに高く、摂取レベル間の差も常温期ほど明らかではなかった。飼料摂取と気温上昇に伴う体温調節性生理反応の発現順序は、直腸温と体幹部体表温の上昇につづく呼吸数の増加であり、放熱機能の稼動には、体熱量の増加や体温の上昇が必要不可欠であると考えられた。飼料摂取量と各反応レベルとは密接に関係しており、給与飼料量の制限によって体温の上昇をある程度抑制できるものと思われた。なお、心拍数と熱産生量との関係から、平均心拍数を用いた精度の高い熱産生量推定式を提示した(Y=-0.27+0.552X、r=0.95、PE(Sy・x/y^^-)=4.4%、Y=熱産生量(kJ/kg^<0.75>h、X=心拍数(/min))。日本家畜管理学会誌、32(1) : 1-9.1996.1995年10月9日受付1996年2月22日受理
著者
磯谷 泰知 村谷 博文 古田 憲一郎
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.235, pp.9-14, 2006-09-06
被引用文献数
4

予めデジタルコンテンツに対してIDを埋め込んでおき,コンテンツが不正に流出した際に,IDから不正者を追跡するフィンガープリンティングという技術がある.フィンガープリンティングにおいては異なるIDの埋め込まれた複数のコンテンツを用いてIDを改ざんする結託攻撃への対策が必要であるが,結託攻撃に対して耐性を持つ結託耐性符号は符号長が長く,実用化に向けてはできるだけ短い符号長での構成法が求められる.結託耐性符号の一つとしてTardosが符号の構成法と符号長を与えているが,しかし,この構成法はパラメータをアドホックに決めている部分があり,符号長の観点からは最適なものとはなっていない.そこで,これらのパラメータを変数とみなし,符号長を決定付ける評価式を一般化することとTardosの与えた符号が結託攻撃耐性を有するであることの証明過程において用いられている不等式を厳密に評価することで符号長の短縮を図ることを試みる.またこれらの解析に加え,数式の評価が困難な部分に関しては数値解析を用いることにより,結託者数が多い場面においてはTardosの構成法の1/4以下の符号長で符号が構成できることを確認した.
著者
近藤 彰則 鎌田 紗由美 藤川 真樹 古澤 健治 西垣 正勝 吉沢 昌純
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMD, 機構デバイス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.466, pp.37-40, 2009-02-27

近年,盗難や持ち出しなどにより公務員や企業の制服が流出している.このような流出した制服や,偽造された制服を利用して警察官や宅配業者などを装うなりすまし犯罪が増加している.そこで,不正に制服を用いた犯罪を防止することを目的として,制服にコンピュータを組み込むことにより制服自身が着用状態を識別し,周囲に着用者の正当性を示すシステムを開発している。今回は,同一の人間が継続して制服を着用していることを識別するために,人体通信を利用した脱衣検知システムについて述べる.
著者
古賀 崇
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、日本および諸外国の制度に関する比較研究を通じ、「政府情報の保存・アクセス」について「情報管理」と「法制度」の側面から学際的知見を獲得することを目指した。中心的な成果としては以下の論文を上梓することができた。(1)日本での「政府情報の保存・アクセス」に関する最近の政策動向について、「公文書」「政府ウェブサイト」「政府刊行物」という中心的動向を意識しつつ、これらの枠を越えての「電子環境下での包括的な政府情報管理の必要性」という観点で論じた。(2)米国アリゾナ州での「電子的な政府情報の保存・アクセス」の取り組みについて、従来の「図書館的枠組み」「文書館的枠組み」を越えた枠組みをモデルとして想定していること、またオープン・ソフトウェアを駆使しつつ政府機関自身が柔軟な「保存・アクセス」のシステムを構築していること、を論じた。本研究ではこれらに加え、「MLA連携(博物館・図書館・博物館の連携)」についても、「政府情報の保存・アクセス」というテーマとのつながりを意識しつつ、成果を示すことができた。
著者
一田 昌利 古澤 壽治
出版者
京都工芸繊維大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1993

1.3年にわたって絹糸虫類(天蚕)の無菌人工飼料育法の検討を行った。蚕の人工飼料を基本とし、飼料樹葉乾燥粉末の割合を40%に引上げ、無機塩混合物についてはウエッソン塩混合物から不必要な成分を排除して、極力簡単な組成とした。ビタミンB混合物についても改変を行った結果、2眠まで到達する個体が認められたが、糖を含まない組成では3齢に達する個体はなかった。そこで、人工飼料に添加する糖の種類(グルコース、シュークロースおよび市販の精製糖)および添加割合の検討を行った結果、無添加では、虫体は大きくなるものの5%が3齢になっただけであったのに対し、いずれの糖類を添加した区においても3齢到達率が顕著に高くなった。特に、シュークロース10%添加区では3齢率が90%を越え、発育スピードも早くなったことから、人工飼料に添加する糖類としてはシュークロースが良く、添加量は10%が実用的濃度と考えられた。2.上記人工飼料による全齢人工飼料育および、1-3齢人工飼料育とクヌギおよびシラカシによる4-6齢飼育を組み合わせ、ヤママユガ(天蚕)の周年飼育を試みた結果、年間を通しての飼育が可能であることが明かとなったが、このことは、絹糸虫類の安定的飼育を考える上で意義は大きい。3.絹糸虫類卵の過冷却点を比較した結果、温度の高いものから3つのグループ(1)ヤママユガ、(2)クスサンおよびウスタビガ、(3)ヒメヤママユガに分けられた。また、2.5°C以下に卵を保護することでヤママユガの場合、産卵1年後においても80%を越える孵化率が得られた。このことは、イミダゾール化合物による休眠打破技術と組み合わせることで、年間を通しての随時孵化の可能性を示唆している。
著者
古木 葉子 (鬼頭 葉子)
出版者
京都大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

社会学者ギデンズの議論とティリッヒ思想を比較検討し、社会状況におけるティリッヒ思想の役割について研究を行った。近代以降、伝統的な共同体が変化する中で、個人の行為の基準とは何か、道徳的判断について考察した。ティリッヒまたギデンズによれば、我々の時代において、近代以前の伝統的な共同体の物語や展望が揺らいでいる。そのため、個人の行為の基準や体系的認識に対する信念が個人の判断に委ねられるようになった。しかし、人間は何らかの共同体に起源を持ち、自分がどこへ向かうのかを、自らの行為によって選択していかざるを得ない存在である。ティリッヒは、個人が共同体において、何をなすべきかの基準を「道徳的命法」として提示した。道徳的命法とは、共同体において他者の人格を肯定せよ、という命令であり、その根底には宗教的次元がある。現在、個人の行為が影響を及ぼす「他者」の範囲は拡大しつつあり、この基準は、より個人の高い見識や判断を必要とする困難な問題である。また、ティリッヒの死の思想について、同時代の実存主義・実存哲学ならびに同時代のキリスト教神学における死についての考察と比較しつつ明らかにした。ティリッヒは存在論に基づく実存の分析を行う点で、ハイデガーやヤスパースとの接点を持つ。また、「私個人の死」を思惟の対象とする点で、ジャンケレヴィッチの方法とも共通する。二つ目に、ティリッヒはさらに死の向こう側について語るが、この立場は、人間から見た時間軸(過去-現在-未来)と、神の時間軸(始め-終わり)が異なるという時間概念の特徴に基づく。三つ目に、ティリッヒの死の思想に関する問題点。ティリッヒが希望を見出している「永遠」については「わからなさ」を残し、モルトマンのように今「わかる」希望を語る立場とは異なる。また実存的分析に基づく「死」は、他者や世界との関係性といった観点から捉えることは難しい。
著者
中村 俊輔 古殿 幸雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.211-217, 2008-04-15

本論文は,人間の日常生活行動の中で,購買行動に着目しつつ,企業のマーケティング活動や需要予測などを円滑に行うためのファジィ推論モデルの構築を試みる.具体的には,主成分分析の適用によって有用になるであろう気象要因の選定を行い,また,来客数と気象要因の相関分析をも試みる.そして,分散分析を適用する事によって,日々の売上高や来客数と気象要因との関係について解析を行う.これらの解析結果から,人間の購買行動に影響を及ぼす気象要因を選定し,ファジィ推論モデルが構築される.最後に,著者らは需要予測の想定の確立を試みる,同時に,本ファジィ推論モデルの有用性を明らかにするために,従来の予測手法である回帰分析の予測結果と比較する.
著者
中村 俊輔 古殿 幸雄
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.211-217, 2008-04-15 (Released:2008-07-04)
参考文献数
9

本論文は,人間の日常生活行動の中で,購買行動に着目しつつ,企業のマーケティング活動や需要予測などを円滑に行うためのファジィ推論モデルの構築を試みる.具体的には,主成分分析の適用によって有用になるであろう気象要因の選定を行い,また,来客数と気象要因の相関分析をも試みる.そして,分散分析を適用する事によって,日々の売上高や来客数と気象要因との関係について解析を行う.これらの解析結果から,人間の購買行動に影響を及ぼす気象要因を選定し,ファジィ推論モデルが構築される. 最後に,著者らは需要予測の想定の確立を試みる.同時に,本ファジィ推論モデルの有用性を明らかにするために,従来の予測手法である回帰分析の予測結果と比較する.
著者
[市古貞次著]
出版者
クレス出版
巻号頁・発行日
2003
著者
佐藤 馨一 清水 浩志郎 為国 孝敏 竹内 伝史 小林 一郎 馬場 俊介 古屋 秀樹
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

平成16年度の研究は個別の大規模社会資本の整備事例をもとに、これらの総合的な評価を行い、今後の課題を整理した。平成15年度は道路公団の民営化論議が集中的に行われたこともあり、その是非や問題点について活発な意見交換がなされ、研究分担者間の共通認識が確立した。以下に平成16年度の研究成果を取りまとめる。(1)「公共事業方式と政府企業方式の混同の危険性」が指摘された。最近の民営化論議は大規模社会資本の将来展望を持つこともなく、財務分析のみが突出している、との批判がなされた。また、中部国際空港の整備事例を研究した結果、大規模社会資本が公共事業方式でなくとも実施可能なことを検証した。(2)大規模社会資本の更新投資の問題が取り上げられた。新幹線も高速道路も減価償却という発想がなく整備されてきた。このことにより更新のための投資財源がまったく存在しない事態を招いている。その結果、「荒廃する日本」と言われる日も間近にせまり、民営化論議はそれに拍車をかけている。(3)受益者負担による社会資本の整備方式は社会的便益を無視しており、公的な財源を用いて大規模社会資本を整備し、その利用価格を安くすることによって社会的便益を増大するという基本的な考え方に立ち戻るべきである。(4)大規模社会資本は土地依存型であり、ITのように技術依存型とは整備の仕方や活用はまったく異なる。地形も気象条件も多様な国土において経済効率を追い求めると、地域格差が増大し、過疎地域の切り捨てにつながる。竹島という小さな島の領有をめぐって日本と韓国が深刻な諍いをしているとき、国内の過疎地域を無視する国土政策は根本的に間違っている。「均衡ある国土の発展」という目標は、極めて重要な国家政策となる。
著者
加藤 輝之 栗原 和夫 瀬古 弘 斉藤 和雄 郷田 治稔
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
Journal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II (ISSN:00261165)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.719-735, 1998-10-25
被引用文献数
6

10km分解能気象研究所非静力学メソスケールモデル(MRI-NHM)が予想した降雨の精度検証を1996年梅雨期について行った。精度検証結果については気象庁の10km分解能静力学領域スペクトルモデル(RSM)の結果とも比較した。MRI-NHMには雲水、雨水を直接予報する暖かい雨タイプの降水スキームを用い、RSMでは2つの対流のパラメタリゼーションスキームを大規模凝結とともに用いている。MRI-NHMは1時間降水量1mm程度の小雨を僅かに過小に予測した一方、降水強度の最大値20mm以上の強雨の面積を相当に過大評価した。統計的なスコアを取ったところ、1時間降水量10mm以上の強雨についてはMRI-NHMの方がRSMより正確に予測していた。ただし、5mm以下の雨についてはMRI-NHMはRSM程成績は良くなかった。MRI-NHMは1時間降水量20mm以上の雨のほぼ半数を予想することができた。降水は九州北部より南部の方が精度良く予想されていた。このことは九州北部と南部とで強雨形成のメカニズムが異なるためだと考えられる。
著者
鈴木 厚人 井上 邦雄 末包 文彦 白井 淳平 古賀 真之 斎官 清四郎 山口 晃 阿部 浩也 吉村 太彦 橋本 治
出版者
東北大学
雑誌
特別推進研究(COE)
巻号頁・発行日
1997

研究代表者が率いるカムランド実験は,中核的研究拠点形成プログラムの支援(平成9年度〜平成15年度)を得て,平成13年度に1000トン液体シンチレータニュートリノ/反ニュートリノ観測装置を神岡鉱山の地下に完成させた。そして,平成14年1月よりデータ収集を開始し,現在継続中である。この間,平成14年12月に,原子力発電所の原子炉から生成される反電子ニュートリノ(原子炉起源)の消失現象を世界で初めて検出した。この現象は,ニュートリノが質量を持つことに起因するニュートリノ振動を強く示唆し,その証拠は次の論文(平成16年7月予定)で公表する予定である。また,原子炉反電子ニュートリノ消失現象の発見に関する論文(Phys.Rev.Lett.90,021802,2003)は,現在までに被引用数537となっており、Thomson ISI Web of Scienceデータに基づくScience Watch誌の最新号(March/April,2004)では本論文は月間被引用数で物理学分野の世界第1位、医学、化学、生命科学・物理学を合わせた総合順位でも世界第2位となっている。本研究では,反電子ニュートリノスペクトルにおけるウラン及びトリウム・ピークの同定による地球反ニュートリノ検出の挑戦も行なわれた。これまでの実験で検出器の充分な性能が示され、世界初の検出が期待されている。実現すれば地球内部のウランやトリウムの存在量、ウラン/トリウム比の測定など地球内部のエネルギー生成機構や地球進化史の解明に不可欠の情報が期待される。また検出器を更に高感度化し^7Be太陽ニュートリノの未曾有の高感度測定を目指した研究が進行中である。
著者
クリステワ ツベタナ 小峯 和明 スティール ウィリアム 小島 康敬 古藤 友子 ロビンソン ケネス 宮沢 恵理子 高崎 恵
出版者
国際基督教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の成果を大きく次の三つに分けることができる。すなわち1.パロディといういまだほとんど取り上げられていないテーマに焦点を合わせて、テーマの意義を証明し、研究方法を示したこと;2.日本文化におけるパロディのあらゆる可能性を分析することによって、すでにパロディとして取り扱われている作品やジャンルなどについて確認した上、いまだパロディと見なされていないが、パロディとして捉えるべき作品やジャンルについて指摘したこと;3.日本文化の発展におけるパロディの働きと役割の考察を通じて、意味生成過程のパターン、引用行為のメカニズム、文化的伝統の伝達など、日本文化の特徴に着目したことである。
著者
古郡 曜子 菊地 和美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.42, no.6, pp.410-416, 2009-12-20

本研究は,平成2年前後に生まれた学生を対象とした保育所・幼稚園における「食の思い出」アンケート調査をまとめたものである。調査時期は2008年4〜5月に実施し,有効回答数は732人,調査対象者の平均年齢は18.5歳であった。アンケート調査の結果は以下のとおりであった。食生活の出来事における思い出の回答では,「印象に残っていること」は「いただきます・ごちそうさまという挨拶」を多く挙げていた(74.5%)。通園先における「食事が楽しかった」という回答が82.2%であり,「楽しい思い出」の質問には,みんなで食べたこと,お弁当に関すること,食べ物の栽培をしたことなどを回答していた。一方,幼児期の家庭における「食事のしつけ」の記憶数は,平均4.0±2.2個であった。「現在,食事のマナーが身についていると思う」と回答した学生は,幼児期の家庭における「食事のしつけ」の記憶数が多いという,関連性がみられた。
著者
吉元 洋一 勝田 治己 長谷川 博一 杉浦 昌己 宮川 博文 古川 良三 青山 賢治 三橋 俊高
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.321-328, 1988-07-10
被引用文献数
4

脳卒中患者87例に対し, Brunnstrom Stageと姿勢反射機構検査を行い, 以下の結論を得た。1. 上・下肢Brunnstrom Stageと本検査得点の比較では, 全てのStageにおいて健側との間に有意な得点差を認めた(下肢StageI : p<0.05, 他は全てp<0.01)。2. 上・下肢StageIIとIIIの比較では, 健側及び麻痺側共に有意差を認めた(p<0.01)。3. 上肢StageVとVI, 下肢StageIIIとIV, IVとV, VとVIの麻痺側間の比較において有意差を認めた(p<0.05)。4. Brunnstrom Stageと本検査得点の相関係数は, 上肢健側r=0.555, 麻痺側r=0.825, 下肢健側r=0.613, 麻痺側r=0.872と中等度以上の相関関係を認めた。
著者
古賀 徹
出版者
九州大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

本年度は、デザインに関する前年度の調査・研究を引き継ぐ形で、これを補充すると共に、主に理論的な面からの考察を発展させることに重点を置いた。倫理に関する基礎理論の研究としてはレヴィナスの他者論に立脚する論文「死と残余」を日本現象学会の学術誌『現象学年報』に発表したほか、アドルノのデザイン論である「今日の機能主義」にかんして、これを翻訳・解説した文章を本学の紀要『芸術工学研究』に発表し、それにもとづいて、西日本哲学会にて「象徴と機能-アドルノの啓蒙批判を通じて」という題目にて研究発表を行った。また、九州大学哲学会にて、「プログラムとしての僕らの生き方-映画『マトリックス』の超越論的考察」という題目にて、メディア論の観点からの講演も行った。11月には、「日本におけるドイツ年」の一環として、ヘッセン州のデザイン系の大学より、教員と学生が来日し、デザインに関する研究成果の発表を行った。この発表会を古賀が組織し、その内容を記録した。これと並んで、福岡市内の知的・情緒障害者の無認可作業所である「工房まる」におけるデザインを中心としたあらたな試みについてのインタビューを行った。また、デザインやアートを中心とした都市構築の試み、共同体再生の試みなどについても主に福岡を中心として幅広く研究した。これと並んで、公立美術館の役割の変化など、アートとデザインの役割の変化についても研究した。これらの現実の活動を哲学・倫理学的観点から深く掘り下げて検討し、その研究成果は、九州大学出版会より、『アート・デザイン・クロッシングVol2-散乱する展示たち』というかたちで、古賀の編著として出版された。以上が本年度の研究実績の概要である。