著者
佐々木 謙太朗 吉川 大弘 古橋 武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.53-60, 2014-03-28

Latent Dirichlet Allocation(LDA)は,様々な分野で応用されているトピックモデルであり,Twitterにおけるユーザ属性の推定や話題の要約などに適用した研究も数多く報告され始めている.LDAをツイート集合に適用する場合,1ツイートを1文書とすると,文書の短さやノイズの多さにより,LDAが有効に機能しないことが多いため,1ユーザの全ツイートを1文書とする方法が一般的に用いられる.これに対して,1ツイートが1トピックからなるという仮定に基づいたトピックモデルであるTwitter-LDAが提案され,前者の方法に比べて,トピックの意味のまとまりの面で優れていると報告されている.しかし一方でTwitter-LDAは,オンライン学習ができないという課題がある.本論文では,Twitter-LDAを改良し,Twitterに適したオンライン学習可能なトピックモデルを提案する.提案モデルでは以下の2点についてTwitter-LDAを拡張する.第1に,一般語とトピック語との比率をユーザごとに推定することで,より高精度にツイートの生成過程をモデル化する.第2に,ユーザの購買行動をモデル化したTopic Tracking Model(TTM)の機構をモデルに加えることで,Twitterにおけるユーザの興味と話題の時間発展をオンラインで学習可能とする.Latent Dirichlet Allocation (LDA) is a topic model which has been applied to various fields. It has been also applied to user profiling or event summarization on Twitter. In the application of LDA to tweet collection, it generally treats aggregated all tweets of a user as a single document. On the other hand, Twitter-LDA which assumes a single tweet consists of a single topic has been proposed and showed that it is superior to the former way in topic semantic coherence. However, Twitter-LDA has a problem that it is not capable of online inference. In this paper, we extend Twitter-LDA in the following two points. First, we model the generation process of tweets more accurately by estimating the ratio between topic words and general words for each user. Second, we enable it to estimate temporal dynamics of user interests and topic trends in online based on Topic Tracking Model (TTM) which models consumer purchase behaviors.
著者
新田 秀樹 里見 まり子 吉川 和夫 太田 直道 浅野 治志 桂 雅彦
出版者
宮城教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

教科横断的な表現教育を教員養成教育に導入するため、芸術家や民間芸術教育者を招き、ミュージアム等とも連携し、「美術」「音楽」「言語」「身体表現」などの複数分野を融合する授業の開発研究を下記のとおり行った。1.「表現教育の教育臨床的研究:五感アート・ラボ=共感覚の森」(大学サテライトギャラリー)視覚、聴覚、触覚を総合した描画の臨床心理学的研究、展覧会、ワークショップ。2.「響くことば、黙することば:能・パントマイム・即興ダンスの出会い」(大学サテライトシアター)金春流宗家他の芸能者、音楽家等とのコラボレーションによる授業開発。3.「遊具をデザインする:遊びながら学ぶために」遊具デザイナーを招いて遊具を創作するプロダクトデザインのカリキュラム開発。4.「身体と映像:身体表現演習」映像アーティストと作曲家との協同による、身体、映像、音が融合した表現教育のプログラムの開発。5.「映像・音・からだをつなぐ」(大学サテライトスタジオ)倉庫空間を活用し、映像インスタレーションと音響彫刻「音のかけら」を組み合わせた、からだの諸感覚を覚醒する授業モデルの構築。6.「音具をつくる、音を感じる、音で対話する」(大学サテライトスタジオ)土や竹を使った音具づくり、コントラバス奏者による即興演奏を組み合わせ、ことばを使わないコミュニケーションを創造する実践研究。7.能楽・パントマイム、即興ダンスの融合授業を大学で展開する「ステージアートとクラスルーム」の研究活動。8.国内、米国、ドイツ等の領域横断型芸術表現の教育プログラム事例調査と資料収集。表現教育に関する情報発信ができる仮想研究ラボ「五感アート・ラボ」ウエッブサイトの開設。
著者
杉本 雅則 楠 房子 稲垣 成哲 高時 邦宜 吉川 厚
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-情報処理 (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.1152-1163, 2002-12-01
被引用文献数
8

筆者らはこれまで,RFID技術を用いたセンシングボードを用い,物理世界と仮想世界とを融合することによるface-to-faceでのグループ学習支援システムを構築してきた.このシステムを用いた実践から,コンピュータの使用が苦手な学習者でも容易に学習に参加できる,教科書等を通して得た知識を物理世界で試せる,などの点で有効であることを示せた.しかし,発言の場においてリーダーへの依存が強くなる点や,より本物性の高い設定での学習支援ができないか,などの点も指摘されていた.そこで,本論文で提案するシステムでは,学習者のグループが互いにface-to-faceで話し合えないよう,複数のセンシングボードを別の場所に配置した.そして,各ボード上での操作が互いに影響を及ぼし合うよう,それらをネットワークでつないだ.グループ内の学習者はボードを囲みながらface-to-faceで問題を解決するとともに,別のグループの学習者とは,チャットシステムを介して交渉を行う.小学校の授業の中で,都市設計と環境問題の学習を学習者に行ってもらい,提案システムの有効性を検証した.
著者
仙波 恒雄 萩原 弥四郎 中村 征一郎 吉川 武彦 大塚 明彦
出版者
千葉大学
雑誌
千葉医学会雑誌 (ISSN:00093459)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.277-283, 1969

われわれは,熱電効果による手掌皮膚血流の測定が精神生理学領城において,情動の指標として用いられる可能性を指摘した。今回は更に本法と指尖容積脈波とを比較し,かつ若干の測定条件に検討を加えた。1.情動負荷刺激により一過性の指尖容積脈波の振幅の減少,指尖容積の減少が,手掌皮膚血流の減少に伴っておこる。また指尖容積の変化は,皮膚血流の消長とほぼ平行する。しかしその特徴は,GSRと同じく指尖容積脈波はon-reactionの判定に便であり,皮膚血流はon-off-reactionを示すので3者をポリグラフ的に記録を行なうことが望ましい。2.四肢の挙上により,皮膚血流の減少,指尖脈波振幅の増大,指尖容積の減少がみられ,垂下により皮膚血流の初期減少,のち増大,指尖脈波振幅の減少,指尖容積の増大を示す。3.各情動負荷により,個人が惹起されるべき皮膚血流の変化は,テストに対する検者の不安,緊張などの構えや,反復による慣れにより影響をうけるので測定時考慮されるべきである。
著者
來村 徳信 吉川 信治 笹島 宗彦 池田 満 小澤 健二 溝口 理一郎
出版者
社団法人人工知能学会
雑誌
人工知能学会誌 (ISSN:09128085)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.132-143, 1997-01-01
被引用文献数
5

This research is concerned with causal understanding and qualitative reasoning of behavior of physical systems, which are crucial issues of model-based problem solving. In this paper, we describe a domain ontology of fluid systems and an ontology of time for generating causal ordering in terms of components. Our ontology design has been done according to the following three criteria : cognitive causal explanations in terms of components, reusability of components and disambiguation of reasoning results. We discuss in-depth requirements for domain ontologies and propose a causal specification scheme to represent component's local causal properties and an ontology of time to enable intuitive causal ordering of complex behavior originated in the combination of components. We identify causality of fluid systems following the requirements and describe reusable models of crucial components of plants and general properties of fluid and heat for deriving global knowledge. A method of qualitative reasoning and causal ordering is discussed together with its capability and mechanism. The ontologies have been successfully applied to nuclear power plant modeling and its qualitative simulation. Reasoning results matched those obtained by domain experts.
著者
吉川 信幸 伊藤 伝 八重樫 元
出版者
岩手大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

従来病原が未定であったオウトウ芽枯病、リンゴ輪状さび果病、リンゴ奇形果病、およびリンゴえそモザイク病の病原ウイルスの解析に、次世代シークエンサーによるバイローム解析を応用し、オウトウ芽枯病からはオウトウBウイルス(ChVB)、リンゴえそモザイク病からはリンゴえそモザイクウイルス(ApNMV)の2種の新ウイルスを発見するとともに、リンゴ輪状さび果病の病原は、リンゴクロロティックリーフスポットウイルスの一系統であることを明らかにした。
著者
稲垣和人 吉川大弘 古橋武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.18, pp.1-6, 2013-12-04

マーケティングにおいて,アンケート調査は市場調査を行う上での重要な手段の一つである.一方近年,個性の多様化により,回答者が評価対象に対して抱く印象は様々なものとなってきている.これにより,得られたアンケートの解析においては,全体の傾向を捉えるだけでなく,他の回答者とは大きく異なるが強い印象を持った少人数のグループ,いわゆるマイノリティグループの発見が有益である.しかし,アンケートデータ解析に用いられる従来のクラスタ解析手法は,基本的にマジョリティグループを抽出するものや,データを大きく分類することを目的としたものが多いため,これらマイノリティを適切に抽出することは困難である.そこで本稿では,局所的な類似性を考慮した上で,全体とのつながりの低いクラスタ抽出を特徴とするスペクトラルクラスタリングを用いた,アンケートデータにおけるマイノリティグループの抽出手法を提案する.In the field of marketing, a questionnaire is one of the most important approaches in order to research the market or to design a marketing strategy. On the other hand, people have a variety of individuality recently, then respondents have various impressions to evaluation objects. In the analysis of collected questionnaire data, it is important not only to analyze overall trends but also to discover minority groups which have strong impressions but are different from general groups. It is, however, difficult to extract minority groups by conventional cluster analyses applied to questionnaire data, because they generally aim at extracting majority groups or making a rough clustering. In this paper, we propose the extraction method of minority groups in questionnaire data using the spectral clustering method which considers local similarity and extracts the clusters having less connection to general groups.
著者
上岡 泰輔 堀 遼平 北森 達也 吉川 雅弥 藤野 毅
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.352, pp.93-98, 2011-12-08

宇宙・航空・原子力用LSIでは,放射線が誘起するソフトエラーに対する高い耐性が求められる.一方,携帯電話やデジカメといった民生用機器と比較すると,これら用途のLSIの生涯生産個数は少なく,フォトマスク等の初期開発コストにより,LSI1個当たりの製造コストが非常に大きくなるという問題がある.生涯生産個数の少ない用途に向けては,FPGAを使用することで製造コストを削減することが可能であるが,回路構成素子としてSRAMを用いたFPGAは放射線耐性が弱いのが問題とされている.このような少量生産でありながらFPGAの使用が困難な応用用途に対しては,論理変更をSRAMではなく,2枚程度のビアマスクで行う方式が有効であると考えられる.本論文では,当研究室で開発してきたビアプログラマブルロジックVPEXを,FPGAに代わる低コスト耐放射線LSIとして提案する.回路シミュレーションにより,VPEXのソフトエラー率を見積もった結果を報告する.
著者
吉川 周作 三田村 宗樹
出版者
日本地質学会
雑誌
地質學雜誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.332-340, 1999-05-15
被引用文献数
30 45

大阪平野中央部のボーリングコアの岩相・火山灰層序に基づいて, 地下第四系を淡水成層の都島累層と海成・淡水成互層の田中累層に区分し, 田中累層には, 20層の海成粘土層(Ma-1・Ma 0…Ma 12層)が挟まれることを報告した.これらの岩相層序, 火山灰・古地磁気層序や花粉・ナンノ化石などの資料を総合的に検討し, 大阪平野第四系層序と深海底の酸素同位体比層序との対比を行った.その結果, 各海成粘土層(Ma-1〜Ma 12)の形成時期は酸素同位体の奇数ステージ(37〜5)に対比できること, 花粉・ナンノ化石資料からみて, 温暖な気候のもとで高海面を示す海進によって堆積したと考えられるMa 3・Ma 6・Ma 9・Ma 10・Ma 12・Ma 13層は, Shackleton(1997)などが酸素同位体比変化曲線から指摘した特に寒冷な氷期から温暖な間氷期への急変を示すターミネーション直後の間氷期とそれぞれ一致することを明らかにした.本研究の結果は, 大阪平野第四系で認められる海進現象が深海底の酸素同位体比変化曲線と密接に関連しており, 地球規模の気候変動と同調していることを示している.
著者
吉川 尚宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.585, pp.60-63, 2012-10-01

今後の規制や制度がどう変化するのかを分析すれば、通信業界の将来像が見えてくる。A.T.カーニーでは、2014年頃に通信業界に大きな変化が訪れると考える。この変化を「通信業界の2014年問題」と称し、3回にわたってそのインパクトを解説する。第1回は消費税増税の影響である。
著者
大谷 吉生 瀬戸 章文 吉川 文恵 古内 正美
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ガス分子に近い大きさを持つナノ粒子をエアフィルタで捕集できるかどうかは、ナノ粒子製造工程における有害なナノ粒子への曝露に関連し、労働衛生の分野で大きな関心事である。本研究では、マクロ分子を単分散ナノ粒子代替粒子として使用し、エアフィルタのナノ粒子捕集効率を測定する試験法を提案し、その評価を行った。その結果、エレクトロスプレーと微分型静電分級器(DMA)を用いてポリエチレングリコール(PEG)分子を発生させ、荷電中和後、DMAで分級すれば、PEG分子量を変えることにより、粒子径2.6μm以上で、マクロ分子イオンをフィルタ試験用ナノ粒子として使用できることを明らかにした。
著者
座古 勝 吉川 秀樹 菅野 伸彦 倉敷 哲生
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2004

材料設計の可能な繊維強化複合材料を用いた人工股関節を提案し, CT画像に基づき患者の骨の力学特性を計測して設計に反映する人工股関節設計手法を開発した.さらに, 損傷異方性を考慮したマルチスケール解析手法を開発した.実際に複合材料製ステムを製作し, 実験・解析によりその有効性を示した.本成果は, 従来品よりも高性能なテーラーメード複合材ステムの実現化に大きく貢献すると考える.
著者
宮原 三郎 湯元 清文 廣岡 俊彦 河野 英昭 リュウ フイシン 渡辺 正和 吉川 顕正
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

中性大気の変動と電離圏変動の関係を,九州大学中層大気大循環モデルで得られたデータと九州大学が展開している全球的な地磁気観測データや,中性大気再解析データを用いて研究を行った。成層圏突然昇温の後に顕著な電離圏電流の変動が起こることが,観測データとモデル計算によって明らかとなった。また,成層圏突然昇温の後に電離圏電流が流れる高度領域の温度が全球的に降下することがモデルにより明らかとなった。この原因は半日大気潮汐の急激な変動によることも解明された。中性大気変動にみられる超高速ケルビン波の変動による電離圏電流の変動は赤道から低緯度域に限定され,大気潮汐波変動によるに変動の25%以下であることが判った。
著者
石田 泰雄 太田 一成 伊藤 滋之 中浜 龍夫 三木 秀樹 吉川 治利
出版者
日本農薬学会
雑誌
日本農薬学会誌 (ISSN:03851559)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.175-182, 1993-05-20
被引用文献数
10

アリール部分を種々の縮合複素環で置き換えた新系統のスルホニル尿素類を合成し, 除草活性をしらべた.その結果, イミダゾ[1, 2-a]ピリジン環を導入した化合物の多くが高い除草活性を示すこと, その中で2位にメチル, 塩素, 臭素またはトリフルオロメチルなどの置換基を有するイミダゾ[1, 2-a]ピリジン-3-イルスルホニル尿素類がイネに対しすぐれた選択性を有することを見いだした.その中から, 1-(2-chloroimidazo[1, 2-a]pyridin-3-ylsulfonyl)-3-(4, 6-dimethoxypyrimidin-2-yl)urea(Code No.TH-913)を選抜し水田用除草剤として開発中である.このものはイネに対する安全性が高く, 0.5∿1.0g/aの薬量で難防除雑草として知られるミズガヤツリやクログアイを含む高範囲の雑草に卓効を示した.
著者
吉川 尚宏
出版者
日経BP社
雑誌
日経コミュニケーション (ISSN:09107215)
巻号頁・発行日
no.586, pp.42-45, 2012-11-01

通信業界の2014年問題。今回は、電力システム関連の制度改革が起こる可能性に着目し、通信業界への影響を考察する。電力業界が垂直統合型からレイヤー型の産業構造へ転換することで、M2M(Machine to Machine)市場の拡大など、通信業界にもチャンスが訪れる可能性がある。