著者
吉川 亮 中村 佐紀子 宮川 信一 北村 孝司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EID, 電子ディスプレイ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.495, pp.23-26, 2008-02-20

近年,その登場が期待されている電子ペーパーの表示方式の有力候補である電気泳動ディスプレイ(EPD)の表示制御を可能にする薄膜トランジスタ(TFT)の作製を試みた.フレキシブル性は電子ペーパーが持つ理想の形態であるため,制御素子も同様にフレキシブル性が要求される.そこで本研究では絶縁膜にポリマー材料,半導体層には有機化合物の銅フタロシアニン(CuPc)を用いた.EPDの制御素子として機能する特性の獲得のためにCuPcの膜厚の最適化や絶縁層表面の平滑性の向上を図り,EPDセルの制御を成功させた.また,フレキシブルTFTの試作も行った.
著者
吉川 智
出版者
関西法政治研究会
雑誌
憲法論叢
巻号頁・発行日
no.1, pp.37-47, 1994-04-15

January 28, 1994, the Senate in the United State Congress adopted the resolution that neither Japan nor Germany should be admitted as permanent members in the United Nations Security Council. As the negative reasons, the Senate pointed out that they were not capable of discharging the full range of responsibilities accepted by all current members of the Security Council. Generally, when we discuss joining the permanent menbers, the argument only from the possibility has often been put forward. But, in this article, I think that this problem should be discussed from a different viewpoint of the appropriateness.
著者
永吉 美香 吉川 ひろみ 高木 雅之 古山 千佳子 西村 玲子 山西 葉子 西村 玲子
出版者
県立広島大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

非行等の問題行動があり、児童自立支援施設で生活している子ども達の、社会交流技能について評価を行った。その結果、施設で生活している子ども達の社会交流技能の全体的なレベルには大きく2つの山があり、1つめは「平均より低いが社会生活に明らかな影響を及ぼすほどの低さではないレベル」に、もう1つは「社会生活に明らかな影響を及ぼすレベル」にあった。また入所児の多くが「対人関係」を自分の問題として報告していた。このことは未熟な社会交流技能であることが非行と関連している可能性を示唆しており、より年少期間での社会経験の格差解消や、早期介入を行うことで、将来の非行行動を回避できる可能性が考えられる。
著者
山原 條二 松田 久司 下田 博司 割石 紀子 矢木 信博 村上 啓寿 吉川 雅之
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.105, no.5, pp.365-379, 1995-05-01
被引用文献数
16 6

ツンベルギノールAのI~IV型アレルギ―に対する作用を検討した.ツンベルギノールAは,I型アレルギーモデルのラットおよびマウスの受身皮膚アナフィラキシー反応(PCA反応)に対し,反応惹起2時間前の300mg/kg以上および50mg/kg以上の経ロ投与で,それぞれ有意に抑制した.また,IgE受動感作ラットの気道狭窄反応に対しても,300mg/kg以上の経ロ投与で有意(P<0.05)な抑制効果を示した.一方,in vitroにおいて,IgE受動感作ラット気管標本およびIgG受動感作モルモット肺切片の,抗原刺激による収縮反応をそれぞれ濃度依存的(10<SUP>-7</SUP>~10<SUP>-4</SUP>および10<SUP>-5</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M)に抑制し,さらに感作ラット腹腔滲出細胞からのヒスタミン遊離に対しても,濃度依存的(10<SUP>-5</SUP>~10<SUP>-4</SUP>M)な抑制効果を示した.また,ケミカルメディエーターに対する拮抗作用として,マグヌス法およびマウス耳介血管透過性充進モデルを用いた検討で,シプロヘプタジンの1000分の1程度のごく弱い抗セロトニン様作用が認められた.ツンベルギノールAは,II型アレルギーの逆皮膚アナフィラキシー反応(RCA反応),III型アレルギーのアルサス反応を抑制しなかったが,IV型アレルギーモデルのマウス接触性皮膚炎の一次反応を,免疫翌日から反応惹起までの1日1回(100mg/kg)の経口投与で有意(P<0.01)に抑制した.また,マウス遅延型足浮腫反応に対しては,反応惹起直前と8時間後の2回経口投与(300,500mg/kg)で有意(P<0.01)な抑制効果が認められた.以上の結果より,ツンベルギノールAは,I型アレルギーに対して経口投与で有効で,その作用は肥満細胞からの脱穎粒の抑制と弱い抗セロトニン様作用に基づく可能性が考えられた.また,IV型アレルギーに対しても有効性が示唆された.
著者
吉川 雅博 三河 正彦 田中 和世
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.1, pp.93-103, 2009-01-01
被引用文献数
17

本論文では筋電義手を制御するための,筋電位を利用して意図する手の動作をリアルタイムで識別する手法を提案する.本手法では特徴量に積分筋電位信号と筋電位信号のケプストラム係数を用い,サポートベクターマシン(SVM)により学習と動作識別を行う. SVMは様々なパターン認識問題に有効であることが分かってきているが,筋電位を利用した動作識別においても有効かどうかは明らかになっていない. 8名の被験者によるオフライン動作識別実験の結果, SVMを用いた提案手法は線形判別分析, k-最近傍法,ニューラルネットワークを用いた手法よりも優れた識別性能を示した.また,リアルタイム動作識別実験を行った結果,動作識別が精度よく行われ,動作開始タイミングに遅れがなく応答性がよいことが示された.
著者
長橋 良隆 吉川 周作 宮川 ちひろ 内山 高 里口 保文
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.345-352, 2004-10-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
28
被引用文献数
2 7

火山ガラスの屈折率は,その主要成分化学組成に依存している.そのことを火山ガラスの主要成分含有量と屈折率(n)から,各成分ごとに屈折度(n-1)を算出することにより例示した.また,近畿地方および八ヶ岳山麓に産するテフラ(102試料)のEDS分析結果を用いて,主成分元素の酸化物含有量と屈折率との関係について検討した.SiO2はその含有量が多いことから,屈折率に寄与する割合が大きい.またSiO2量が増加すると,屈折率は低下する.SiO2と負の相関にある成分(TiO2・Al2O3・FeO*・MgO・CaO)は,含有量が増加するにつれて屈折率が高くなる.SiO2と相関のないNa2Oは,含有量と屈折率に相関がない.K2Oは,SiO2-K2O図でK2Oレベルの異なる複数のトレンドがあるが,含有量と屈折率には一続きの相関はない.火山ガラスの屈折率はテフラ同定・対比の際の重要な指標であるが,屈折率が近似する火山ガラスでも,主要成分化学組成は異なる場合がある.
著者
石黒 浩 平田 勝弘 小川 浩平 開 一夫 石井 カルロス寿憲 吉川 雄一郎 岩井 儀雄 西尾 修一 中村 泰 吉峰 俊樹 平田 オリザ 神田 崇行 宮下 敬宏 板倉 昭二 港 隆史 平田 雅之
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2013-05-31

本研究は,従来の遠隔操作型アンドロイドやロボットを,さらに進化させ,今後主流になると予測される遠隔操作型ロボットの研究開発プラットフォームとして,半自律遠隔操作型アンドロイドやロボットの実現を目指した研究開発を展開した.具体的には次の課題について研究に取り組んだ.多様な相互作用が可能な半自律アンドロイドの開発.社会的存在としてのアンドロイドやロボットの機能開発.現実社会おけるアンドロイドやロボットの社会における実証実験.アンドロイドのブレインマシンインターフェース(BMI)による遠隔制御の研究.
著者
佐々木謙太朗 吉川大弘 古橋武
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.3, pp.1-6, 2013-09-19

Latent Dirichlet Allocation (LDA) は,様々な分野で応用されているトピックモデルであり,Twitter におけるユーザ属性の推定や話題の要約などに適用した研究も数多く報告され始めている.LDA をツイート集合に適用する場合,1 ツイートを 1 文書とすると,文書の短さやノイズの多さにより,LDA が有効に機能しないことが多いため,1 ユーザの全ツイートを 1 文書とする方法が一般的に用いられる.これに対して,1 ツイートが 1 トピックから成るという仮定に基づいたトピックモデルである Twitter-LDA が提案され,前者の方法に比べて,トピックの意味のまとまりの面で優れていると報告されている.しかし一方で Twitter-LDA は,オンライン学習ができないという課題がある.本論文では,Twitter-LDA を改良し,Twitter に適したオンライン学習可能なトピックモデルを提案する.提案モデルでは以下の二点について Twitter-LDA を拡張する.第一に,一般語とトピック語との比率をユーザごとに推定することで,より高精度にツイートの生成過程をモデル化する.第二に,ユーザの購買行動をモデル化した Topic Tracking Model (TTM) の機構をモデルに加えることで,Twitter におけるユーザの興味と話題の時間発展をオンラインで学習可能とする.Latent Dirichlet Allocation (LDA) is a topic model which has been applied to various fields. It has been also applied to user profiling or event summarization on Twitter. In the application of LDA to tweet collection, it generally treats aggregated all tweets of a user as a single document. On the other hand, Twitter-LDA which assumes a single tweet consists of a single topic has been proposed and showed that it is superior to the former way in topic semantic coherence. However, Twitter-LDA has a problem that it is not capable of online inference. In this paper, we extend Twitter-LDA in the following two points. First, we model the generation process of tweets more accurately by estimating the ratio between topic words and general words for each user. Second, we enable it to estimate temporal dynamics of user interests and topic trends in online based on Topic Tracking Model (TTM) which models consumer purchase behaviors.
著者
吉川観方編著
出版者
洛東書院
巻号頁・発行日
1936
著者
山田 満 吉川 健治
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

広義の平和構築を考えると、長期的視野を持った社会経済的開発が求められ、特に社会開発・人間開発の視角から平和構築に必要な適正規模の「開発」とは何かが問われている。本研究では、紛争経験国のラオスと新生国家で開発段階に至った東ティモールとの比較研究を行った。その結果、政治体制及び独立に至る歴史的背景、つまりラオスはインドシナ旧仏領諸国との連携、また東ティモールは国連やドナー諸国の援助という外部アクターとの関係性が開発方法の基本的な相違点として浮き彫りになった。
著者
長橋 良隆 吉川 周作 宮川 ちひろ 内山 高 井内 美郎
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.15-35, 2004-02-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
59
被引用文献数
43 77

Energy dispersive Xray Spectrometry (EDS) was applied to measure the major element composition of volcanic glass shards. One hundred three analytical tephra samples were collected from the Takashima-oki drilling core sample on Lake Biwa, as well as some representative drilling core samples in the Osaka coastal area and Middle Pleistocene tephra layers at the foot of the Yatsugatake Mountains. The ages of the principal tephra layers were estimated from the correlation between the biostratigraphic horizons from the core samples and the oxygen isotope stratigraphy. The estimated ages of the Kg, K-Ah, U-Oki, AT, Aso-4, K-Tz, Aso-3, BT44, BT51, Ata-Th, Aso-1, Ng-1, Kkt and BT72 tephra layers are 3.1ka, 7.3ka, 10.7ka, 29ka, 87ka, 91ka, 133ka, 203ka, 216ka, 238ka, 249ka, 294ka, 334ka, and 349ka, respectively. These principal tephra ages provide the estimated ages of other tephra layers using the sediment accumulation rates in the Takashima-oki core. Consequently, this study has reconstructed the tephrostratigraphy and chronology during the past 430ky. Furthermore, it is pointed out that caldera forming eruptions have occurred at low sea level periods just before the maximum high sea level.
著者
平地 健吾 高山 茂晴 吉川 謙一 大沢 健夫 辻 元 本多 宣博 山ノ井 克俊 伊師 英之 野口 潤次郎 山口 佳三 満渕 俊樹 奥間 智弘 神本 丈 松村 慎一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

4回の多変数関数論葉山シンポジウムを開催した.複素解析幾何の運営組織の世代交代を目標とし,世話人代表は順に吉川謙一,伊師英之,山ノ井克俊,本多宣博と神本丈が担当した.今後10年の運営組織が整ったと言える.後半では連携研究者に奥間智弘,松村慎一を加え,2度の特異点の幾何に関する国際研究集会および函数論サマーセミナーを開催した.また研究テーマを絞ったワークショップを3度(放物型幾何学,ベルグマン核,解析幾何学)を行い国際交流の活性化を図った.研究期間内に山ノ井克俊および本多宣博が日本数学会幾何学賞,大沢健夫がアメリカ数学会ベルグマン賞,平地健吾がICMの招待講演者になったことは特筆に値する.
著者
吉川 茂 武藤 葉子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.635, pp.13-18, 2001-02-15

ホルン奏者の上唇の運動を3次元的に理解する目的で, 透明のマウスピースとナチュラル・ホルンを用いて唇の運動を正面と横からのストロボによる擬似スロー・モーションとして観測し, さらに座標軸を設定して1コマごとに運動を解析した。上唇の開閉運動は上唇の先端を追跡することによって分かる。この開閉運動に重なってはいるが, 別種の波動が上唇表面に発生しており, その伝搬経路と伝搬速度は唇を横から観察するときに現れる可視化映像上の輝点(波頭に相当する凸部)の運動を解析することによって知れる。最低の2次モード音F_2(87.3Hz)を上級者が吹奏すると, 波動はマウスピースのリムに接する唇の端点から発生し, 唇の中央まで水平に伝搬し, そこから上方に曲がり, リムで反射されて元に戻る。波動が唇の中央まで水平に伝搬するとき, 唇は外向きに開いていく。高次モード音のF_3やF_4では波動は主に垂直方向にのみ伝搬する。伝搬速度は約1〜4m/sの範囲にあり, 唇の張力や吹奏圧の影響を除外すると, 約1.8m/sと推定された。さらに波動をレイリー型表面波と仮定すると, 唇のずり弾性率は約4×10^3N/m^2となった。また, 波動伝搬と開閉運動を再現できるような1質量-3バネモデルを提案した。