著者
万井 真理子 辻仲 利政 西庄 勇 三嶋 秀行 吉川 宣輝
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.335-341, 2001-05
被引用文献数
13 7

症例は58歳男性. 右下腹部痛と下痢を訴え受診. 7年前胃癌にて胃全摘術施行. 注腸で横行, 下行, S状結腸と直腸に壁の辺縁硬化や鋸歯状不整を伴う全周性狭窄と粘膜の顆粒状小隆起を認めた. 内視鏡で同部の粘膜が浮腫状に肥厚し, 浅い潰瘍や半球状の顆粒集族も認めた. 生検上低分化腺癌・印鑑細胞癌を認め原発性びまん浸潤型大腸癌または胃癌による転移性びまん浸潤型大腸癌を疑い手術施行. 腹膜播種なく左半結腸切除および直腸切断術を施行. 病理組織で初回手術の胃癌同様, 粘膜下層中心に漿膜下までの癌浸潤と間質結合組織増生を認め, 胃癌による4領域を越える転移性大腸癌と診断した. 転移性大腸癌は原発巣術後5年以上でも発症し, 臨床的所見に乏しいことがあるため注腸等による定期的な画像診断が有用だが原発性びまん浸潤型大腸癌との鑑別が必要である. 転移巣切除後の予後は良好でないが, 治癒切除可能ならば原発性大腸癌に準じた手術を行うべきである.
著者
原田 実 吉川 彰一 永井 英一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ソフトウェア工学(SE)
巻号頁・発行日
vol.1994, no.73, pp.97-104, 1994-09-08

プログラムの保守を効率化するためには、プログラムから仕様への逆生成が重要である.本研究では、ファイル処理問題に対するCOBOLプログラムから形式的な要求仕様を逆生成する手法を提案するとともに、それを実現するシステムCOBOL Reverse Engineer for Modules:CORE/Mを開発した.プログラム理解の結果を表す要求仕様としては、等関係仕様を採用した.この仕様は、ファイル処理問題における実体や関連の属性項目間の関係と出力・更新要求を等関係式という数式の集合で表したもので、要求を非手続的に表現できる.ここでは、各計算式の項目は、"."を介してそれが所属する実体の識別子によって、また"_"を介してそれが格納されているファイル名によって修飾されている.従って、等関係式はその左辺項目の充分な意味定義になっている.CORE/MはまずCOBOLプログラムを構文解析し、ブロック構造に展開する.次にブロックが処理対象とする実体や関連を表す照合基準を抽出する.この照合基準を元に、実体識別子とファイル修飾子を導出し、ブロックに含まれる処理文内の項目を適切に修飾して等関係式に変換し出力する.事例として、176行のCOBOLプログラムを変換した結果、元のプログラムと同値の等関係式仕様を得た.今後の課題として、等価変換を用いて行儀の悪いプログラムも理解できるようにすることなどがある.I propose a technique of reverse engineering of COBOL programs, and develop a "COBOL Reverse Engineer-CORE/M-" based on this technique. CORE/M generates the non-procedural EOS specifi-cation from COBOL programs, especially performing the file processing. EOS specification consists of a set of equations, called equality relation. Each equality relation shows the relationship among the attribute items of entities. In this, each item is modified with "." by the entity having it as an attribute, and suffixed with "_" by the file storing it. CORE/M, first, parses the COBOL program, and develops it into a block structure. Next, CORE/M decides which entities are processed under what conditions in each block. It can be thought that all the statements in a block are processing the same entity fulfilling the same condition. Thus, CORE/M basically modifies every item in such a statement with the same entity identifier and the same file modifier. CORE/M actually converted the sample Cobol pro-gram consisting of 176 lines, and has generated its EOS specification bearing the same meanig.
著者
茅根 創 吉川 虎雄
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.18-36, 1986-01-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
39
被引用文献数
17

海成段丘の形成過程を考察したり,それらを利用して地殻変動や海水準変動を論ずる場合には,現成の海岸地形に関する知見にもとついて,海成段丘を構成する諸地形要素の成因や意義などを明確にしておくことが重要である.このような視点から筆者らは,房総半島南東岸において,現成ならびに完新世に離水した浸食海岸地形の比較研究を行なつた. その結果,まず, (1) 現成の浸食海岸地形はベンチー小崖-海食台という-連の地形からなる地形系であり, (2) 汀線高度はベンチによって示されることを明らかにした。次に,房総半島南端に近い千倉町南部において,4群の離水したベンチ群一小崖一海食台系を認定し, (3) これまで汀線アングルと考えられていた小崖基部の傾斜変換線は,必ずしも旧汀線に対応しないこと, (4) これらの離水したベンチ群一小崖一海食台系は,4回の海食台まであらわれる3~6mの隆起と,それらの間に2~3回ずつはさまれたベンチだけが離水した1~2mの隆起との累積によつて形成されたことを明らかにした.
著者
内田 由紀子 竹村 幸祐 吉川 左紀子
出版者
社会技術研究会
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.194-203, 2011
被引用文献数
1 1

日本の農村社会において技術指導ならびに関係者間のコーディネート業務を行っている普及指導員の役割について検討した.近畿の普及指導員が回答した調査から,関連機関や農業者同士の連携など,コーディネートに関わる普及活動が地域の問題を改善している可能性が示唆された.また,コーディネートに関わる感情経験ならびに普及指導員の間の知識・技術伝達についても検討したところ,地域住民同士の信頼関係が業務内で普及指導員の感じるポジティブ感情を高めること,さらには対人的スキルのある普及指導員が評価され,そうした先輩の存在が普及活動にポジティブな効果をもたらすことが明らかにされた.日本の農村社会において,人をつなぐ役割の効果と,普及指導員の持つスキルについての考察を行った.
著者
吉川 恒夫 鄭 心知 森口 知規
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.60, no.578, pp.3335-3342, 1994-10-25
被引用文献数
3

A system for displaying feel information while manipulating dynamic virtual objects is presented. A unified description of the dynamics of virtual objects based on the Lagrangian formulation is derived. The detection of the grasp states and the friction effects at the grasp points on a virtual object surface, which are important to help us recognize the object and handle it more dexterously, are treated explicitly. Display algorithms which create and present the dynamic operating feel of an object as well as the fricton feel on the object surface to the operator are proposed. Experimental verification of the proposed approches is performed and the results are outlined.
著者
植村 俊亮 波多野 賢治 天笠 俊之 吉川 正俊 渡邉 正裕 前田 亮 石川 正敏
出版者
奈良先端科学技術大学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

インターネット時代を迎えて,地球規模の情報資源が現出しつつあると言われる.WWW(World Wide Web)は,その典型的な例である.しかし,WWWは,ばらばらに構築された,言語も文化も異なるホームページが互いに接続されて,利用可能になっているだけであって,そこから真に必要な知識を発掘する方式はまだ確立されていない.本研究では,WWWに代表される知識資源の大海から,必要な知識を発掘する方式を,とくにその多言語処理面から追求する.具体的には,次の多言語機能をもつ知識発掘システムの実現を目指す.1.ある言語で表現された情報資源に対して,それとは別の言語を使って問い合わせることができる.例えば,英語のホームページの集まりに対して,日本語で質問を出すことを可能にする.2.複数の異なる言語で表現された情報資源の集まりに対して,自分の一番使いやすい言語を使って,問合せを出し,必要な情報を発掘することができる、例えば,さまざまの言語を使ったホームページの集まりに対して,だれでも母国語を使って問い合わせ,知識を発掘することを可能にする.多言語知識発掘システムのため本研究では以下の項目について研究を実践した.1)対訳辞書を用いた検索語の翻訳手法,および並列コーパスによる統計的手法などを用いた効果的な多義性の除去手法,2)フォント埋め込み型HTML/XML文書による多言語文書のブラウジングシステムの実現,3)大量の多言語HTML/XML文書格納のためのHTML/XML文書データベースの開発.
著者
河津 弘二 槌田 義美 本田 ゆかり 大田 幸治 緒方 美湖 吉川 桂代 山下 理恵 山鹿 眞紀夫 古閑 博明 松尾 洋
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.23-29, 2008-02-20

本研究は,地域における一般高齢者向けの,介護予防を目的とした運動プログラム「長寿きくちゃん体操」の紹介をするとともに,地域主体での教室運営による運動プログラム介入前後の身体機能面と精神活動面で変化がみられたことを報告する。教室の対象は,老人クラブの21名(74.1±3.7歳)で,期間は3ヶ月問であり,教室は他機関の健康運動指導士が運営した。身体機能面の変化に対し,教室の前後で,10m全力歩行,開眼片脚立ち,握力,長座位体前屈,Timed Up & GO Test (TUGT),6分間歩行を評価した。また,日常生活活動や精神活動の変化に対し,アンケート調査で,主観的健康観,FallsEfficacy Scale (FES), MOS Short-Form-36-Item Health Survey (SF-36),グループインタビューを実施し,また痛みの変化ではNumeric Rating Scale (NRS)を実施した。結果は,身体機能面で,10m全力歩行,TUGT,6分間歩行,握力で有意な改善を認めた。また,精神活動面は,主観的健康観で有意な変化を認め,他項目でも改善傾向があった。地域リハビリテーションでの介護予防教室に対し,ポピュレーションアプローチでの間接的な運動プログラムの提供により,心身の変化の可能性を示唆したと考えられた。
著者
吉川 朗子
出版者
神戸市外国語大学研究会
雑誌
神戸外大論叢 (ISSN:02897954)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.87-100, 2002-09

1803年8月14日、出産したばかりのメアリーを置いて、ワーズワス兄妹はコールリッジと共にスコットランドに向けて旅立つ。コールリッジは途中で体調不良のため行動を別にするが、ワーズワス兄妹は9月25日に帰宅するまで、全43日間663マイルにも及ぶ旅をやり遂げる。そしてドロシーは、その思い出を兄ウィリアムの詩を織り交ぜながら一冊の旅行記Recollections of a tour made in Scotland, A.D.1803にまとめる。以下の論考では、この旅行記をドロシーとウィリアムの共同作品と捉え、詩と散文が互いに相補いながらどのような作品を作り上げているか、そしてこの旅行が二人の兄妹にとってどのような意味を持つものだったのかを考えてみたい。
著者
川本 淳平 吉川 正俊
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌トランザクション. データベース(TOD)
巻号頁・発行日
vol.4, no.3, pp.33-44, 2011-10-03

本論文では,キー・バリュー型データベースを対象に,利用者のプライバシを考慮した範囲問合せ手法を提案する.従来議論されてきたプライバシを考慮した情報検索 (PIR; private information retrieval) の枠組みでは,単独では範囲問合せが行えず,また検索用キー属性の値に重複が認められないという制限がある.提案手法では,キー属性の値と問合せそれぞれに摂動を加え暗号化を施すことで,これらの制限を設けることなく問合せへの頻度分析攻撃を防ぐ範囲問合せを実現する. In this paper, we introduce a new private range query method in key-value type database.Existing PIR (Private Information Retrieval) approaches have two limitations: it supports only equal queries but range queries;the key attribute used to query processing must be unique.Our approach, on the other hands, guarantees private range queries and allows tuples having a same value of the key attribute against frequency analysis attacks.For these properties, we add perturbations to both key attributes and queries, and encrypt them.
著者
吉川 昌之介 山本 達男 寺脇 良郎 笹川 千尋 江崎 孝行 檀原 宏文 渡辺 治雄 岡村 登 橋本 一 吉村 文信
出版者
東京大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

組換えDNA実験技術を始めとする分子生物学的、分子遺伝学的技術を病原細菌の病原性の解析に応用することを目的としてこの総合研究班を結成し、3年間補助金を受けた。研究分担者総数21名という大規模な班員構成からなり、各分担者の対象とする菌種も多岐にわたり、ビルレンス遺伝子の存在部位も染色体性、プラスミド性、およびバクテリオファ-ジ性と異るため各分担者の研究達成の難易度には著しい差があった。組換え体の選択方法、汎用される宿主・ベクタ-系でクロ-ン化できるか否か、EK系を用いることができるか否か、仮にクロ-ン化できたとしてそれが完全に形質発現するかなどにも大きな差があった。この壁を乗り切るためにベクタ-系を開発するところから始めたり、新たに宿主に特殊の変異を生じさせたり、遺伝子導入のために特殊の方法を採用したり多くの試行錯誤が行われた。幸に長時間にわたる班会議の議論を通じてこれら問題点の克服の方法が模索され、解決のための示唆が与えられた結果、各分担者それぞれがほぼ所期の目的を達した。セラチアの線毛、サルモネラの病原性、赤痢菌の病原性、大腸菌の表層構造、赤痢菌の抗原、らい菌の抗原、バクテロイデスの病原性、とくに線毛、腸管感染病原菌の粘着因子、コレラ菌の溶血毒、ナグビブリオの溶血毒、腸炎ビブリオの溶血毒、緑膿菌のサイトトキシン、Pseudomonas cepaciaの溶血毒などにつき、その遺伝子の存在様式、遺伝的構造、塩基配列の決定、形質発現の調節機構、前駆体物質のプロセツシング機構などを明らかにし、その病原的意義の解明に一定の知見を得ることができた。これらは多くの原著論文の他、シンポジウム、講演、研究会、総説などに発表したが、各分担者それぞれにより深く研究を堀り下げ、より完全な形で完成するべく努力を続けることになろう。ともあれ本邦のこの領域の発展に大いに寄与したことは間違いないと思う。
著者
大前 清嗣 小川 哲也 吉川 昌男 新田 孝作
出版者
The Japanese Society for Dialysis Therapy
雑誌
日本透析医学会雑誌 = Journal of Japanese Society for Dialysis Therapy (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.317-323, 2010-03-28

慢性透析患者において,心電図(ECG)上のST-T変化と心臓超音波検査(UCG)上の異常所見は,それぞれ独立して心不全死の予測因子となることが報告されている.今回われわれは,維持透析患者を対象に安静時ECG上のST-T変化に関連する因子を同定した.対象は,吉川内科小児科病院の外来透析患者のうち,6か月以上安定した透析が行われUCGを施行している149例(男性88例,女性61例)である.安静時ECG上のST-T変化の有無を目的変数に,左房径(LADs),左室拡張末期径(LVDd),左室後壁壁厚(PWT),左室短縮率(%FS),左室心筋重量(LVM)のほか,年齢,性別,原疾患(糖尿病DM,非糖尿病nonDM),冠動脈疾患(CAD)の合併,透析歴,血圧,透析間の体重増加量,生化学末梢血検査値,使用薬剤を説明変数に用い多変量解析を行った.UCGは透析後もしくは透析翌日午前に施行され,検査値については6か月間の透析前平均値を用いた.多変量解析はステップワイズ法による多重ロジスティック解析を用いた.特定されたST-T変化関連UCG異常について,ST-T変化の有無により2群に分類し,重回帰分析を用い各群のUCG異常に影響する因子の抽出を行った.平均年齢は66.7歳で,平均透析期間は14.4年であった.原疾患はDMが41例で,26例にCADの合併が認められた.UCG所見は,平均LADs 42.4 mm,LVDd 52.4 mm,PWT 10.8 mm,%FS 36.3%,LVM 224.4 gであった.内服治療は,アンジオテンシン変換酵素阻害薬8例,アンジオテンシンII受容体拮抗薬103例,βもしくはαβ拮抗薬52例,カルシウム拮抗薬(CCB)116例であった.ST-T変化は79例に認められ,多重ロジスティック解析ではCADの合併,LADsおよびCCBの使用が関連因子であった.オッズ比は,それぞれ5.141,1.087,0.339であった.ST-T変化を有する症例ではLADsがLVMと正に相関し,左室肥大を反映する可能性が示唆された.
著者
枝川 明敬 山本 眞一 小林 信一 加藤 毅 吉川 裕美子 柿沼 澄男
出版者
学術情報センター
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

学術研究の総合的推進のための重要な柱の1つである若手研究者の養成に関しては平成8年7月の科学技術基本計画における「ポストドクター等一万人支援計画」の閣議決定以降、着実に各省庁で施策の充実が図られており、平成11年度には1万人に達した。このため、この計画による若手研究者の養成の実績やその後の活動状況を検証し、大学院の拡充計画をも視野に入れた今後の長期的展望に立った量的・質的側面の両面を考慮した新たな若手研究者の育成・確保の在り方について研究を行った。本年度においては、昨年度に引き続き、以下の項目について調査・分析を行った。1)日本学術振興会特別研究員制度等の実態と効果に関する調査・分析2)将来の研究者需要に関する調査・分析3)全国の大学研究者に対するポスドクの研究評価及びポスドクの研究環境に関する調査・分析より具体的には、1)については対象者数5,500余社の特別研究員に対し、現在の研究環境を始め、当該人の処遇や勤務先・職場・キャリアパスについてはアンケート調査を行った結果をもとに、その更なる分析を行った結果現在の研究者としてのキャリアパスに少なからず特別研究員の経歴が役立っていることが知れた。一方、2)については、博士課程修了者等を雇用することが予想される企業に2,500余社に対しアンケート調査を行った結果を元にその更なる分析を行った。その結果、以前行った調査(「大学院の量的整備に関する調査研究」1,998)において予想された研究者需給見込みを大幅に変更する必要はなく、その後の経済状況を勘案しても一部に需給バランスが崩れることがあるもののおおよそ釣り合っていることが知れた。また、3)については、今年度初めて調査を行い、大学研究者から5,000名を抽出し、ポスドクへの評価やポスドクを巡る研究環境を聞いた結果、研究環境はかなり恵まれているものの、本人が評価している程には、指導研究者のポスドクへの評価は高くなかったが、概ね、助手クラスの研究活動の同等との評価が大勢であった。
著者
加藤 完 高橋 誠 吉川 清志
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.39, no.1, pp.47-55, 1986-03-25 (Released:2010-11-17)
参考文献数
16
被引用文献数
2

Weekly monitoring of radon concentration in soil gas in some active fault areas has been carried out using cellulose nitrate film as a part of earthquake prediction research. As the results of observation, we found increase of track density (tracks/cm2day) along the Median Tectonic Line (distance 100km) and the Matsushiro fault (_??_100km) since summer of 1982 and along the Ateta fault (_??_25km) since summer of 1983. We considered it as a precursor of the Western Nagano Prefecture Earthquake, 1984, by the reason that this increase just fit with the empirical formulas which relate the distance and apperance time of the precursory anomaly against the magnitude of an earthquake.At the same time, we found an annual variation of track density higher in summer and lower in winter. Supposing this annual variation being due to the seasonal variation of soil temperature, using uranium ore as source of random. As the result of experiment, it was clarified that track density increased with increased exposure temperature.