著者
宮島 江里子 角田 正史 押田 小百合 五十嵐 敬子 三枝 陽一 美原 静香 吉田 宗紀 野田 吉和 大井田 正人
出版者
一般社団法人 日本総合健診医学会
雑誌
総合健診 (ISSN:13470086)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.378-386, 2017

【目的】我が国の喫煙率は最近5年は約20%前後と横ばい状態であり、30~40代の労働年代が他の年代に比べて高い。本研究では、禁煙指導や受動喫煙防止のための参考資料を得ることを目的に、喫煙労働者の禁煙無関心者の特徴、非喫煙者への配慮状況、非喫煙労働者の嫌煙意識を調査した。<br>【対象と方法】某2事業所(A, B)の製造業労働者に質問紙票調査を行い、回答に欠損のない815人分を解析した。調査項目は、基本事項(年齢、性別、事業所)、喫煙状況(現在/過去・非喫煙)、喫煙影響の考え方3項目(喫煙者の健康影響、周囲の健康影響、周囲の迷惑)、喫煙者には1日の喫煙本数、禁煙への関心、非喫煙者への配慮、受動喫煙の害の知識、禁煙・減煙の理由、非喫煙者には嫌煙意識(苦痛・気になる/気にならない)を尋ねた。喫煙者の禁煙関心と配慮の有無について、基本事項、喫煙影響3項目、喫煙本数、受動喫煙の知識の有無との関連を、&chi;<sup>2</sup> 検定又はFisherの直接確率法で検討した。<br>【結果】喫煙率は44.3%で、喫煙者の48.5%が禁煙無関心者であり、B事業所、1日21本以上喫煙、喫煙者への健康影響意識が低い群に有意に多かった。禁煙・減煙の理由は「健康に悪い」「お金がかかる」「吸いにくい環境」が多かった。非喫煙者へ無配慮は40.7%であり、受動喫煙の知識無の群に有意に多かった。非喫煙者の嫌煙「気になる・苦痛」は91.4%であった。<br>【考察】喫煙率の高い労働年代が多い製造業職場での喫煙率は高く対策が必要である。禁煙無関心者には健康影響の指導が関心を引き出すために有効である。関心者には、健康指導に加え、金銭的メリットや環境整備及び禁煙外来についての情報提供が禁煙に繋がる可能性がある。非喫煙者の殆どに嫌煙意識があり、喫煙者が配慮するようになるためには受動喫煙の害の啓発が有効と考える。
著者
吉田 香奈
出版者
日本高等教育学会
雑誌
高等教育研究 (ISSN:13440063)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.161-179, 2012

<p> 本稿では,アメリカ連邦政府が実施する学生ローンの延滞・債務不履行問題を検討し,その抑制策の特徴として以下の点を指摘した.すなわち,(1)債務不履行者の多い大学に対し連邦学生支援の利用資格を停止・剥奪するペナルティを実施していること,(2)破産者への学生ローン返還免責の禁止等,日本にはない厳しい回収制度が存在すること,(3)段階型・延長型・所得連動型返還といった返還方法の多様化が図られていること,である.これらの取り組みにより債務不履行率は大幅に減少しており,一定の成果が得られている.ただし,(3)については「返したくても返せない者」をより一層困難な状況に追い込んでおり,セーフティネットの面からみて問題視されている.以上を踏まえ,最後に日本への示唆として3点を述べた.</p><p></p>
著者
吉田 肇 高西 哲朗 根本 哲也
出版者
石油技術協会
雑誌
石油技術協会誌 (ISSN:03709868)
巻号頁・発行日
vol.74, no.5, pp.432-436, 2009-09-01

INPEX Browse Ltd. has drilled 6 wells in the Browse Basin in order to appraise the production permit WA-285P from 2000 through 2004 (at the 1st and 2nd Drilling Campaign). All of wells have encountered stuck pipe problems while drilling the unconsolidated Grebe formation sandstone and they have provided a lot of Non Productive Time (NPT) due to fishing or sidetrack. According to the desk top study of Grebe, which was performed after drilling in 2004, it was concluded that the stuck pipe problems result from the collapse of unconsolidated sand, in other words, such collapse is caused by the absence of an effective filter cake capable of stabilizing the well bore. Eventually, INPEX Browse Ltd. has decided to drill the unconsolidated Grebe formation sandstone by closed circulation system using drilling mud instead of Seawater.<br>In order to achieve this objective, Riserless Mud Return (RMR) system was introduced by AGR (Norwegian Company) before 3rd Drilling Campaign. Through this system, all three (3) wells have been successfully drilled without any hole collapse and no NPT was recorded. That is a major improvement rather than last two (2) drilling campaign and RMR system was demonstrated as one of an effective procedure to drill unconsolidated formation in Browse Basin.
著者
杵淵 恵美子 吉田 安子
出版者
駒沢女子(短期)大学 学長 光田 督良
雑誌
駒沢女子大学研究紀要. 人間健康学部・看護学部編 = The faculty journal of Komazawa Women's University (ISSN:24347574)
巻号頁・発行日
no.1, pp.61-68, 2018

1961年から2016年までの55年間で、家族計画に関する女性の行動として避妊法の利用にどのような変化があったのか明らかにするため、既存資料から検討を行った。先行研究および統計資料から、避妊の実行状況、避妊の実施方法、不妊手術件数・実施率、人工妊娠中絶件数・実施率の経年変化についてデータを収集した。その結果、最も利用されていた避妊方法は55年間変化なくコンドームであった。避妊効果の高い低用量経口避妊薬や子宮内避妊器具・子宮内避妊システムは利用率が低いままであった。不妊手術件数(女性)は約1/9に減少し、人工妊娠中絶件数も約1/6に減少していた。しかし、20歳未満の人工妊娠中絶件数は一時期増加し、実施率も1961年の水準には戻っていなかった。日本女性の避妊法利用に顕著な変化は確認できず、若年世代への教育支援やライフステージおよび女性個々の状況に合った避妊効果の高い方法を選択できるような働きかけが必要と考えられた。
著者
吉田 琢哉 高井 次郎
出版者
日本感情心理学会
雑誌
感情心理学研究 (ISSN:18828817)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.89-106, 2008 (Released:2008-08-06)
参考文献数
78
被引用文献数
4 1

The effects of expression or non-expression of negative emotions have been of particular interest to researchers of emotion regulation. Among the variety of negative emotions, anger poses a particularly detrimental consequence on interpersonal relationships and mental health, whether expressed or not. The constructive expression of anger and trial of revision has been the recent focus of an effective method of anger regulation. However, the most effective tactic is contingent on the interpersonal relationship with the agent of arousal, as norms pertaining to emotional expression may differ depending on the level of intimacy or power distance. Thus, the present study examined the moderating effect of relational variables with the agent of anger arousal. A native anger regulation scale suggested a five-factor structure: Emotional expression, Constructive expression, Expression toward third person, Suppression, and Reappraisal attempt. To confirm the moderating effects of interpersonal relations, evaluations of past anger-arousing experiences between two conditions, one toward a non-intimate target with higher status, and another toward an intimate target with equal status, were compared. Results suggested that Reappraisal attempt had a positive effect on relationship evaluation in the non-intimate, higher status condition, while constructive expression had a positive effect in the intimate, equal status condition. Further examination of relationship factors, content of anger experience, and other moderating factors was discussed.
著者
松本 理器 菊池 隆幸 山尾 幸広 中江 卓郎 小林 勝哉 下竹 昭寛 吉田 和道 國枝 武治 池田 昭夫 宮本 享
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.6, pp.316-325, 2019 (Released:2019-06-25)
参考文献数
12

適切に選択された2種類以上の抗てんかん薬で単独あるいは併用療法が行われても, 1年以上発作が抑制されないてんかんは薬剤治療抵抗性てんかんと定義される. 全てんかん患者の30~40%を占め, 外科治療適応を検討することが推奨されている. 本稿では, 最近の診断技術の進歩も踏まえて, 部分てんかんのてんかん焦点診断のためにキーとなるてんかん関連領域を概説し, 実際の症例提示から, てんかん焦点の術前診断のプロセスを紹介する. 焦点関連領域の評価にはさまざまな検査法を行うが, 単独で焦点診断に至る 「万能な」 検査はなく, 各検査の特性・限界を理解して, 各種検査間の結果の整合性を検討しながら, 包括的に術前評価を行うことが重要である.
著者
吉田 拓弥 川原 純 井上 武 笠原 正治
雑誌
研究報告アルゴリズム(AL) (ISSN:21888566)
巻号頁・発行日
vol.2017-AL-165, no.16, pp.1-7, 2017-11-09

ネットワーク信頼性評価とは,ネットワークの各リンクに静的な故障確率が設定されている場合に,2 頂点間が通信可能である確率を求める問題である.確率を厳密に計算する手法として,二分決定グラフ (BDD) を用いた計算方法が知られている.BDDは 論理関数を圧縮して効率よく表現できるデータ構造である.本稿では,ネットワークの 2 つ以上のリンクの故障に依存関係がある場合の信頼性評価を行う.本手法では,リンク間に存在する依存関係を BDD で表現し,依存関係を考慮しない場合に構築した BDD との二項演算を行うことで,依存関係を考慮した信頼性 BDD を生成し,確率を計算する.本手法を 3 つの計算方法で実装し,各方法を処理時間と生成される BDD のノード数の観点から比較を行う.
著者
川村 隆一 筆保 弘徳 山本 勝 富田 裕之 森本 昭彦 柳瀬 亘 吉田 聡 宮本 佳明
出版者
九州大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

台風と爆弾低気圧による被害事例が日本全国広範囲で多発している。両ストームの発達・進路予測の改善、関連するストーム起源の極端現象の発生予測、そして変わりゆく気候環境下で両ストームの活動度がどのように変調するのかを解明する事は減災の観点からも喫緊の課題である。その問題解決に大きな不確実性をもたらしているのが黒潮・黒潮続流が熱・水蒸気供給を介して両ストームに与える影響である。暖水渦のような海洋中規模渦と低気圧の空間規模は1 桁程度異なっており、スケール間大気海洋相互作用の実態は依然として未解明である。そこで本課題では台風と爆弾低気圧の発達プロセスに果たす中緯度大気海洋相互作用の包括的研究を展開する。
著者
吉田 瑠美 富加見 美沙都 木谷 庸二 藤戸 幹雄
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.148, 2012 (Released:2012-06-11)

1990年以降集客やイメージ向上の効果から、商業施設等民営の公共トイレのデザインが積極的に改善されてきた。しかし公営の公衆トイレについては、福祉設備の充実やメンテナンスの改善がみられる一方で、依然として5K(暗い、臭い、危険、汚い、怖い)のイメージが払拭されていない報告が目立つ。また屋外の公共トイレでは屋内に比べ、利用者は一層デリケートな心理状態になっており、ユニークなデザイントイレが、過度なデザインとして不快感を高める要因になることも指摘され始めている。官民が協力した公共トイレの適正配置が見直され、屋外の公衆トイレの整備が進む近年において、利用者の求めるイメージ、及びそれらを形成するデザイン要素に注目し、設計者への知識の獲得を試みた。
著者
吉田 博 藤本 水石 林 淳三
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.122-129, 1991

クリタケの栄養世代における栄養要求性(無機塩類,ビタミン類,核酸関連物質,植物ホルモン)を基礎培地を設定して静置培養法により検討した.<BR>(1) 燐酸カリウムおよび硫酸マグネシウムはクリタケの栄養生長に不可欠であり,添加量の増加に伴い生育速度ならびに菌糸体収量は増加し,30mg/lの濃度で最大生長に達した.硫酸亜鉛も生長促進効果を示し,3mg/<I>l</I>の濃度で最大生長に達した.<BR>(2) チアミンは栄養生長に不可欠であり,添加量の増加に伴い生育速度ならびに菌糸体収量は増加し,30μg/<I>l</I>の濃度で最大生長に達した.しかし,チアミンの単独添加では栄養生長は不十分であり,他の8種のビタミン類(ニコチンアミド.リボフラビン,パントテン酸,ピリドキシン,葉酸,シアノコバラミン,ビオチン,イノシトール)の添加により栄養生長は促進された.<BR>(3) 核酸塩基(アデニン,グァニン,シトシン,チミン,ウラシル,オロット酸),ヌクレオシド(アデノシン,グアノシン,シチジン,イノシン,ウリジン,チミジン),ヌクレオチド(アデニル酸,グアニル酸,シチジル酸,ウリジル酸)は生長促進効果を示したが,核酸塩基類,ヌクレオシドおよびヌクレオチド間の効果には顕著な差は認あられなかった。<BR>(4) IAA, NAAおよびGA<SUB>3</SUB>は1mg/<I>l</I>の濃度で若干の生長促進効果を示したが,IAAおよびNAAは10mg/<I>l</I>の濃度で逆に生長阻害作用を示した.
著者
尾関 教生 吉田 行夫 加藤 貞臣 河村 孝彦 坪内 凉子 柴田 幸雄 伊藤 秀夫 申 七郎
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.183-190, 1994-08-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
18
被引用文献数
3

The purpose of this study is to elucidate the relationship between food histological structures and structural components in chicken meat of Nagoya-Cochin (Nagoya Breed). The results obtained were summarized as follows;1) There were no difference in the content of water. crude protein and crude fat in raw dark meat between Nagoya-Cochin and broiler.2) No significant differences could be admittea in breaking strength between two different kinds of raw dark meats: Nagoya-Cochin and broiler on both after the 3hrs. and also the 72 hrs. post-mortem storage at 4°C. On the other hand, there were signicant differences in breaking strength between two different kinds of raw dark meats: Nagoya-Cochin and broiler on both after the 24 hrs. (p<0.01) and the 48 hrs. (p<0.05) post-mortem storage at 4°C.3) The content of hydroxyproline in raw dark meat of Nagoya-Cochin was about 2.6 times that ot broilers dark meat.4) Z-line of the myofibril was more electron-lucent in the broiler dark meat than in the Nagoya-Cochin dark meat after 24 hrs. post-mortem storage at 4°C. The length of the Z-line of the myofibril in the broiler dark meat was sequentially shortened after prolonged post-mortem storage at 4°C, however, the length of Z-line of the myofibril in Nagoya-Cochin dark meat was not shortened after prolonged post-mortem storage at 4°C. One of the factors of hardness of chicken meat depends on the change of structures of Z-line of the myofibril in dark meat after prolonged post mortem storage at 4°C. These results support that the chicken meat of Nagoya-Cochin has better hardness to chew after more than 24hrs. post-mertem storage at 4°C than the broiler meat.
著者
吉田 恭
出版者
一般社団法人 グローバルビジネス学会
雑誌
グローバルビジネスジャーナル (ISSN:24340111)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.34-45, 2018 (Released:2019-07-01)
参考文献数
46

エリアマネジメントは地域が行う共益的な活動であり,これまでまちの景観形成・賑わいづくりなどの分野で成果を上げてきた.近年,日本を代表するビジネス街である大丸有(だいまるゆう)地区ではエリマネ活動として健康づくりが行われている.日本経済のエンジン部に当たるビジネス街で健康づくりに取り組むことは,職場環境の向上を通じて日本経済の効率を高める一方,立地関連産業へのフィールドの提供などを通じてその高度化に寄与する可能性も持っている.こうした活動を持続的なものとするためには,これを地域ビジネスの軌道に乗せていくことが有効と考えられる.エリマネとして行われている健康づくりについて,地域ビジネス化という観点からその現状と課題を明らかにするとともに,エリマネ団体の役割について考察する.
著者
吉田 耕士 土居 公司 福留 五郎
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.50, pp.237-238, 1995-03-15

ソフトウェアの品質メジャーとして信頼度成長曲線がよく用いられている。しかし、信頼度成長曲線を用いるための前提条件を満足するようなソフトウェアは稀である。そのため、・信頼度成長曲線を収束させるために不必要な試験を数多く行なわなければならない・信頼度成長曲線は収束したけれども信頼性に不安が残るなどのような問題点がある。今回、信頼度成長曲線を補完するため、試験項目の充実を目的としてバグデータの分析を行なった結果を発表する。テスト時に採ったバグデータをマトリクス状に表して分析し、試験項目の不十分なところを見つけ出し、再テストを行なうことでソフトウェアの信頼性を向上させた。
著者
宮地 直恒 金子 操 遠山 有能 菊池 慶行 吉田 康洋 池尻 公二
出版者
一般社団法人 国立医療学会
雑誌
医療 (ISSN:00211699)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.47-50, 1986-01-20 (Released:2011-10-19)
参考文献数
4

当院にて, 脳卒中リハビリテーシヨンを開設以来, 寝たきりからの脱却という目標で治療を行つてきた. 昭和56年~58年にわたる3年間の患者の動向について, 実際の入院や外来に当つての調査や体験である. まず病型では, 脳梗塞が脳出血より多く, 全国の平均に類似していた. 次に, 若年者の脳出血が増加している傾向がみられた. 合併症などもつものもいて, その理学療法も単一ではない. 体力や予備力測定の目安として運動時酸素消費は, 四肢機能が低いと低下する傾向があり, また3年間の統計では, 全身的にも運動機能的にも改善がみられ, Br. のstageで1度以上向上したものが下肢で45%にみられ, 理学療法の効果は著しい. またADLも日々変化する要求に対して応じてゆくには, 病院として, 今後の老人対策を考えながら, 多方面にわたる可能性を追求すべきであると思われた.
著者
植竹 智 山崎 高幸 下村 浩一郎 吉田 光宏 吉村 太彦
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2019-06-26

本研究は,レプトンのみからなる水素様純レプトン原子:ミューオニウム (以下Mu)の精密分光により,電弱統一理論の精密検証および新物理探索を行うことを目標とする.具体的には,(1) Muの1S-2S間遷移周波数の精密二光子レーザー分光;(2) 基底状態超微細分裂の精密マイクロ波分光;(3) 荷電束縛系のエネルギー準位に電弱効果が及ぼす影響を摂動2次の項まで取り入れた高精度理論計算;の3つを行う.実験精度を先行研究より大幅に向上させ,基礎物理定数であるミュー粒子質量の決定精度を大きく向上させると共に,理論と実験の比較を通じて電弱統一理論の精密検証と新物理探索を目指す.
著者
吉田 正昭
出版者
Japan Association for Wind Engineering
雑誌
日本風工学会誌 (ISSN:09121935)
巻号頁・発行日
vol.1990, no.44, pp.43-52, 1990-07-30 (Released:2010-09-28)
参考文献数
6

About twenty years have passed since the wind environment was taken up as a social problem in Japan. The physical phenomena of strong and uncomfortable winds caused bytall buildings have been studied and, to some extent, resolved over the years.On the other hand, the social phase of the wind environment still remains because of this problem's complexity and difficulty.The author want to report the status quo of the wind environment in Japan, through examples of wind environment damage, how to establish a comfort criteria, the present state of wind tunnel testing, and examples of research in which he participated.
著者
吉田 空久 内田 圭一 宮本 佳則 南場 敬志 柿原 利治
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.2-9, 2013 (Released:2013-01-24)
参考文献数
22

延縄や籠網などの受動的漁具では,漁具の浸漬時間や操業時間帯などの時間的要素が漁獲の成否に与える影響が大きい。本研究では,東京湾のあなご筒漁業を対象として,1 尾目のマアナゴが入筒した時刻を計測する装置を開発した。開発した計測器は,室内実験で動作検証を行った上で,実海域での計測実験を行った。延べ 192 件のうち 85 件の実験筒でマアナゴの入筒時刻を計測できた。夜行性と考えられているマアナゴであるが,日中の漁具投入にも関わらず,漁具投入後 1 時間以内に 35%,さらに全体の 63% が日没前に入筒していた。
著者
今井 美和 吉田 和枝
出版者
石川県公立大学法人 石川県立看護大学
雑誌
石川看護雑誌 = Ishikawa Journal of Nursing (ISSN:13490664)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.51-62, 2018-03

HPV ワクチン接種が推奨されていた世代の高校2,3 年生女子を対象として,子宮頸がんとその予防に関する知識,子宮頸がんと子宮頸がん検診に対する態度の状況を把握するため,2014 年度にヘルスビリーフモデルを用いた質問紙による調査を行い,179 人の結果について分析した.HPV ワクチン接種者は66.5% であった.半数以上の者は子宮頸がん,HPV ワクチン,子宮頸がん検診の用語,子宮頸がんの発症年齢を知っていたが,HPV の用語,子宮頸がんの症状,HPV,HPV ワクチン,子宮頸がん検診に関する知識のすべての項目については半数に満たなかった.子宮頸がんに罹患する可能性と子宮頸がん検診の有益性を認識していた者は20% 前後で,20 歳からの子宮頸がん検診受診の意識があった者は24.6% であった.子宮頸がんとその予防に関する教育を受けた者は38.5%,20 歳からの子宮頸がん検診の受診を周囲から勧められた者は15.1% であった.それ故に,子宮頸がんとその予防に関する情報を女子高校生に合った方法で提供して理解と認識を深める必要があると考えられた.