著者
和田 実
出版者
日本応用心理学会
雑誌
応用心理学研究 (ISSN:03874605)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.171-182, 2019-03-31 (Released:2019-08-15)
参考文献数
25

This study examined infidelity in heterosexual romantic relationships and its effects of gender, attitudes toward infidelity and romantic relationships, and the desire to have an affair. Participants were heterosexual 77 males and 98 females. They were presented with 25 behaviors which were exchanged between males and females and answered their own permissible level of their partners' behaviors and the estimate of their partner's permissible level of their own behaviors in their romantic relationhips. Cluster analysis revealed six clusters: "sexual behaviors", "pleasure behaviors", "companionship and intimate disclosure", "mutual supportive behaviors", "eating and drinking, and giving a present", and "companionate chat". Males' permissible level was higher in sexual behaviors and lower in companionate chat than females'. Their partner's permissible level were higher in sexual behaviors, companionship and intimate disclosure, and mutual supportive behaviors than their own permissible level. Companionate chat was highest and sexual behavior was lowest in both permissible levels. The more permissive attitudes toward infidelity, the stronger desire to have an affair, the less romanticism, and the less romantic power they have, the higher both permissible levels were. The effects on infidelity are discussed.
著者
和田 実
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.9-19, 1996
被引用文献数
1

The purpose of this study was to investigate the adolescents' attitudes toward gay men and lesbians and to examine the effects of sex and gender-role identity on them. Subjects were 312 (124 male and 188 female) undergraduates. Sixty-three males and 95 females rated the attitudes toward gay men. Sixty-one males and 93 females rated the attitudes toward lesbians. Major findings were as follows: 1. From factor analysis, three factors were extracted: social acceptance, psychological distance, and positive images. 2. As compared with females, males scored lower on social acceptance, higher on psychological distance, and lower on positive images. Especially, males avoided gay men more psychologically than lesbians. 3. Males in high masculinity (HM) accepted gay men less and avoided them more psychologically than males in low masculinity (LM). 4. Females in LM accepted gay men and lesbians less and avoided them more psychologically than females in HM. Females in high femininity (HF) accepted gay men and lesbians less and avoided them more psychologically than females in low femininity (LF). Females in HM imaged gay men and lesbians more positively than females in LM. These findings were discussed in terms of the sex differences of socialization (gender role expectation) and same-sex friendship.
著者
三浦 誠司 西岡 道人 野澤 慶次郎 藤田 正信 青木 久恭 和田 浩明 捨田利 外茂夫 三重野 寛治 小平 進
出版者
The Japan Society of Coloproctology
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.18-23, 1998-01
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

22歳,男性.主訴は入工膣からのガス・便の排出.1年10か月前に海外で膣造設術を含む性転換手術を受けている.造影および内視鏡検査では瘻孔は高位にあり,直腸膣中隔の膣側上皮は広汎に欠損していた.手術は経仙骨的アプローチで施行し,直視下に瘻孔を切除して層々に縫合閉鎖した.術後3年以上経過した現在,再発はない,本症例は腹部や大腿部に創痕が残るような術式を拒んだため,瘻孔を閉鎖できたが,膣を安全に使用できるような術式ではなかった.男性性転換手術者に発生する直腸膣瘻の治療は困難で,その理由として発生原因が人工膣の萎縮防止用ステントを長期間使用したための圧迫壊死であること,および造膣手術時に広範囲に剥離が行われていて周囲組織を瘻孔閉鎖手術時の修復に利用できないことなどがあげられている.欧米の報告では本症の発生率は低いが,観察期間が短いものが多いことから過小評価されている可能性が考えられる.
著者
大和田 直希 鈴木 智也
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第34回 (2020)
巻号頁・発行日
pp.2L4GS1305, 2020 (Released:2020-06-19)

本研究では新しいアセットクラスである暗号資産に着眼し,共和分ペアトレード戦略の有用性を検証した.暗号資産は通貨間の相関関係が強く,互いに共和分関係にある可能性が高い.もし通貨ペアが共和分の関係にあれば,ペアの価格差は定常過程となり平均回帰性を有する.そこで価格差が均衡水準から乖離した時,相対的に割高な通貨を売り,割安な通貨を買う.そして乖離が元の水準に回帰した後に反対売買により収益を得る.この共和分ペアトレードが暗号資産市場においてどの程度機能するか検証すべく,実際の暗号資産データを用いて投資シミュレーションを実施した.さらに共和分関係が壊れるリスクを考慮し,分散投資によって収益を安定化できることを確認した.

11 0 0 0 刀剣目録

著者
小和田泰経著
出版者
新紀元社
巻号頁・発行日
2015
著者
和田 崇
出版者
経済地理学会
雑誌
経済地理学年報 (ISSN:00045683)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.23-36, 2014-03-30 (Released:2017-05-19)
被引用文献数
2

大阪・日本橋は,1980年代後半から家電小売店数が減少する一方で,漫画やアニメ,ゲームなどオタク向け専門店が多数立地し,東京・秋葉原に次ぐオタクの街となった.20〜30歳代男性を中心とする関西圏のオタクは,自宅で密かに楽しんでいた漫画やアニメ,ゲームなどの趣味について,インターネット上で情報を収集したり,同人と交流したりしながら,オタク向け専門店が集積し,イベントが開催される日本橋に出かけている.彼らは日本橋を現実空間におけるホーム/居場所と認識し,そこで自己を表出し,趣味を他者と共有している.こうした状況を踏まえ,日本橋ではオタクを集客対象としたまちづくりが,2000年代半ばから商業者を中心に行われるようになった.その取組みは,既存の権力サイドにあたる商店街振興組合のキーパーソンが,オタクの街・日本橋の磁力に惹きつけられて集まった若者を巻き込み,彼らの意欲とアイデア,行動を引き出し,後押しするかたちで展開された.自らもオタクであり,オタクの感性と興味に応じた企画を立案できる若者の存在が,オタクの街・日本橋のプロモーションに重要な役割を果たした.
著者
和田 歩美 島田 文美 渡邉 哲意
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.362, 2017 (Released:2017-06-29)

本制作は(株)水鳥工業と宝塚大学の産学連携プロジェクトとして、同社商品の擬人化キャラクターを制作、様々なメディア展開を通じて、キャラクターコンテンツの広報展開への活用から、企業商品の認知度、イメージアップを目指す企画である。同社は主な商品ターゲットを若年層と海外に焦点を当て、キャラクターを使用したマンガ、ラインスタンプ、グッズ製作などのメディア展開を通して広報ツールとして活用していく予定である。今回第1弾として、同社のフラッグシップモデルである「KOKON」(下駄)の擬人化を行なった。
著者
和田 崇
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.100309, 2014 (Released:2014-03-31)

映画制作業は文化・コンテンツ産業あるいは創造産業の一つであり,都市への集積が顕著にみられる。その一方で近年,芸術的および経済的な理由から撮影工程がハリウッドから離れた国内外の他都市で行われるケースが増加しており,映画産業の空洞化をもたらす「逃げる生産問題(Runaway production)」として認識されている。撮影工程の空間的分離は,撮影隊の滞在に伴う経済的効果に加え,映画公開を通じた知名度および地域イメージの向上,住民らによる地域魅力の再発見とまちづくり機運の高まり,撮影地を訪れる観光客数の増加など,撮影地に多面的な効果をもたらす可能性がある。そのため近年,自治体や経済団体はフィルム・コミッションを組織し,映画撮影の誘致および支援,映画公開に乗じた観光振興に積極的に取り組むようになっている(Beeton 2005ほか)。 以上を踏まえ本報告は,映画制作業にみられる撮影工程の空間的分離とそれへの地域的対応の実態を報告することを目的とする。具体的に,制作本数(2010年)が世界最多で,近年は「バージン・ロケーション」を求めて海外での撮影が急増しているといわれるインド映画をとりあげ,2013年から新たな撮影地の一つとして注目されつつある日本における撮影実態を日本のフィルム・コミッションによる誘致・支援活動とあわせて報告する。 富山県では2013年4月,タミル語映画の撮影が行われた。富山で撮影が行われることになったきっかけは,2012年9月に駐日インド大使が富山県知事を表敬訪問した際に,同大使が知事にインド映画の富山ロケ誘致を提案したことにある。知事がその提案に関心を示すと,インド大使館は東京でICT関連事業と日印交流事業などを営むMJ社を富山ロケーション・オフィスに紹介した。MJ社がインド人社員N氏の知人であるチェンナイ在住の映画監督を通じてタミル映画界に富山ロケを働きかけたところ,U社が上記映画のダンスシーンを富山で撮影することを決定した。2013年3月に事前調整のために監督などが富山に滞在したのに続き,同年4月に27名の撮影チームが富山を訪問し,9日間にわたり富山市内のほか立山や五箇山合掌造り集落などで撮影を行った。この映画は2014年6月からタミル・ナードゥ州はもとより隣接3州,海外の映画館でも2か月以上にわたって上映され,公開後3週間はタミル語映画売上ランキング1位を記録するなど,興行的に成功した。一方,富山ロケによる地域波及効果は,撮影チームの滞在に伴う経済効果として約360万円が推計されるほか,日本とインドのメディアによる紹介,俳優らによるFacebook記事,映画および宣伝映像を通じた風景の露出などを通じて,相当のPR効果があったとみられている。映画鑑賞を動機とした観光行動については,インド本国からの観光客は確認できないものの,在日インド人による富山訪問件数が若干増加しているという。 大阪府では2013年8月にタミル語映画,同年11月にヒンディー語映画の撮影が行われた。大阪とインド映画の関わりは,大阪府と大阪市などが共同で運営する大阪フィルム・カウンシルがインドの市場規模と映画が娯楽の中心であることに着目し,2012年度からインド映画の撮影誘致活動を展開するようになったのが始まりである。具体的には2013年2月にムンバイを訪問し,映画関係者に大阪ロケを働きかけたが,そこでは十分な成果を挙げることができなかった。一方で同じ頃,神戸で日印交流事業などを営むJI社のインド人経営者S氏が大阪フィルム・カウンシルにインド映画の撮影受入の可能性を打診しており,2013年5月にはいよいよタミル語映画の撮影受入を提案した。大阪フィルム・カウンシルはこの提案を受け入れ,撮影チームとの調整業務についてJI社と契約を締結した。2013年8月に25名の撮影チームが大阪と神戸を訪れ,水族館や高層ビル,植物園などで撮影を行った。その後,JI社からヒンディー語映画の撮影受入が提案され,同年11月に約40名の撮影チームが大阪城公園などで撮影を行った。 大阪ロケによる地域波及効果については,富山ロケと同様に,撮影チームの滞在に伴う経済効果と各種メディアを通じたPR効果があったとみられるが,映画鑑賞を動機としたインド人観光客数の増加は確認されていない。 2つの事例に共通する点として,①フィルム・コミッションがインドからの観光客増加を目指して撮影受入・支援に取り組んでいること,②実際の撮影受入・支援には在日インド人が重要な役割を果たしていること,③現段階ではインド人観光客数の増加は確認できないこと,が挙げられる。この他,両フィルム・コミッションとも撮影支援を通じて日本とインドのビジネス慣行や文化の違いが浮き彫りになったと指摘している。
著者
和田 哲郎
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.121, no.9, pp.1146-1151, 2018-09-20 (Released:2018-09-29)
参考文献数
26
被引用文献数
1

感音難聴は治療が困難なことが少なくない. 代表的な感音難聴疾患である突発性難聴についても, 現在までにエビデンスの確立した治療法は存在しない. だからこそ, 現時点で最善と考えられる治療戦略を理解し, その有効性と注意点に配慮しつつ日々の臨床を行っていくことが肝要である. 先ごろ, 平成26~28年度厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業難治性聴覚障害に関する調査研究班 (代表: 宇佐美真一) により,「急性感音難聴の診療の手引き」が作成され, 最新の知見がまとめられた. この手引きの内容を踏まえて, 感音難聴の治療について現場の医師が抱くであろうクリニカルクエスチョンへの回答を概説する. また近年, 治療が困難な感音難聴について, 予防を推進していく取り組みがいくつか始められている. 現状で最善と考えられる治療を行いつつ, 並行して予防にも取り組んでいくことが感音難聴の克服のために重要と考える.
著者
大久保 紀一朗 和田 裕一 窪 俊一 堀田 龍也
出版者
日本教育メディア学会
雑誌
教育メディア研究 (ISSN:13409352)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.19-35, 2018 (Released:2018-11-30)
参考文献数
31
被引用文献数
1

本研究は,マンガの読みに固有の読解力や,文章の読みと共通する読解力の内実を明らかにするために,マンガの読解力と文章の読解力の関係性について検討することを目的とした。マンガの読解力および文章の読解力の測定にあたっては,マンガと文章それぞれについて,van Dijk & Kintsch(1983)の文章理解モデルにおける3つのレベルの表象(表層レベル・テキストベース・状況モデル)を反映する設問からなる理解度テストを実施し,得点間の媒介分析ならびに相関分析を行った。その結果,マンガと文章の表層レベルに関する問題の得点はテキストベースに関する問題の得点を媒介して,状況モデルに関する問題の得点に影響していることが示され,マンガの読解においてもvan Dijk & Kintsch(1983)の文章理解モデルが適用できることが示唆された。また,マンガと文章の読解力の関連性に関して,表層レベルの理解では異なる認知能力が寄与している一方,テキストベースや状況モデルの読解では共通する認知能力が寄与していることが示唆された。本研究で得られた知見を踏まえ,マンガの読解と文章の読解の共通点や相違点について議論した。
著者
和田 啓伸 門山 周文 坂入 祐一
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.22, no.7, pp.1033-1037, 2008-11-15 (Released:2009-06-04)
参考文献数
16

症例は30歳代,男性.統合失調症で入院中だったが,自宅外泊中に自殺企図で約100mlの灯油を飲んで,当院に搬送された.初診時の理学所見,画像所見は異常なかったが,入院6時間後より頻呼吸,喘鳴,低酸素血症が出現し,右下肺野に浸潤影を認め,灯油誤嚥による化学性肺炎と診断し,直ちに人工呼吸管理を開始した.抗生剤を使用し肺炎像は収束していったが,中葉に肺膿瘍を疑わせる径6cmの腫瘤影が残存したため中葉切除を行った.術後経過は順調で,第30病日に前病院へ転院となった.近年の抗生剤の発達により,肺膿瘍に対する手術適応は限られているが,症例を選択すれば有効な治療手段になり得ると思われた.
著者
和田 英敏 瀬能 宏 星野 修
出版者
一般社団法人 日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
pp.21-030, (Released:2021-12-02)
参考文献数
40

During an ichthyofaunal survey of Sagami Bay (Japan) and surrounding waters, a single hawkfish specimen (55.7 mm standard length: SL) was collected from Izu-oshima Island, Izu Islands by handnet at a depth of 35 m on 7 December 2011. The specimen was subsequently identified as Cirrhitichthys guichenoti (Sauvage, 1880), having the following combination of characters: dorsal-fin rays X, 13; anal-fin rays III, 7; pectoral-fin rays 16, uppermost and lower six rays unbranched; lateral-line scales 52; horizontal scale rows between base of middle dorsal-fin spinous portion and lateral line 4; gill rakers 5 + 12; greatest body depth 31.1% of SL; snout length 35.6% of head length; enlarged canine teeth on front of upper jaw and central part of lower jaw; and lateral surface of body white with large brownish-red blotches when fresh. This species has been previously recorded from Indonesia, Mauritius, Réunion, Madagascar, Comoros and South Africa, the present specimen from Izu-oshima Island representing the first specimen-based record from the northern hemisphere and northernmost record for the species. Seventeen underwater observations (photographic and visual) from 8 November 2011 to 25 May 2021 of juvenile and adult (ca. 35–100 mm in total length) C. guichenoti, documented from Izu Peninsula, Izu-oshima Island, and Chichi-jima Islands, Ogasawara Islands, and encompassing both the coldest and hottest seasons, suggest that the population is established and reproducing in Japanese waters. The new standard Japanese name “Kiringombe” is proposed for the species, based on the present specimen.
著者
和田 勉
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.8, pp.858-861, 2020-07-15

第2回中高生情報学研究コンテストにおいて上位入賞をした5チームを紹介する.事前提出されたポスター原稿および400字の説明文に加え,受賞しての感想をあわせ掲載する.