著者
和田 健太郎 野田 智之 槇 英樹 雄山 博文 鬼頭 晃
出版者
一般社団法人 日本脳卒中の外科学会
雑誌
脳卒中の外科 (ISSN:09145508)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.452-457, 2013 (Released:2014-01-29)
参考文献数
17
被引用文献数
1

A 49-year-old woman presented with a sudden onset of right hemiparesis and motor aphasia. Computed tomography (CT) and magnetic resonance imaging (MRI) showed subarachnoid hemorrhage (SAH) localized in the interhemispheric fissure and cerebral infarction in the territory of the left anterior cerebral artery (ACA). Digital subtraction angiography (DSA) demonstrated segmental narrowing and dilatation at the left A2 segment, leading to a diagnosis of ACA dissection. The day after the onset, we planed trapping of the dissecting portion and A3–A3 side-to-side anastomosis. As a result, we performed only the wrapping of the dissection portion, because the dissection was longer than we expected. Neither aneurysmal dilatation nor narrowing progressed almost six months after the operation. This case indicates wrapping is also effective as a treatment of dissecting aneurysms, and it is important to consider longer-than-expected ACA dissections.
著者
高野雅典 和田計也 福田一郎
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS)
巻号頁・発行日
vol.2013-MPS-95, no.20, pp.1-6, 2013-09-19

最近のソーシャルゲームでは,ユーザはギルドというチームを組み協力して課題を達成することを目的としたものが多い.このとき,同じギルドのユーザは基本的には協力関係にあるが,他方の振る舞いが必ずしももう一方にとってプラスになるとは限らず,複雑な社会関係が存在している.本稿ではそのような社会構造を持つソーシャルゲームの特定の状況に焦点を当て,ユーザの関係性や振る舞いを分析する.その状況を分析した結果,その特定の状況におけるユーザ間の関係は SnowDrift ゲームに類似しており,そこでのユーザの振る舞いに基づきユーザを利他的・非利他的という性質で分類できた.また,利他的なユーザ同士はある程度固まってギルドに所属しており,利他的なユーザ同士で協力し合い,効率のよいゲームプレイをしていることがわかった.
著者
川西 幸貴 森畠 康策 加藤 順 村田 顕也 深津 和弘 玉置 秀彦 伊藤 大策 和田 有紀 一瀬 雅夫
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.112, no.1, pp.62-69, 2015-01-05 (Released:2015-01-05)
参考文献数
30

症例は37歳女性.腹痛を主訴に入院,前医で特発性の慢性偽性腸閉塞症と診断されたが,当院での精査の結果,抗gAChR抗体陽性の自己免疫性自律神経節障害が原因疾患であると疑われた.コリンエステラーゼ阻害薬やステロイド,免疫調節薬の使用,単純血漿交換や二重膜濾過血漿交換,胃・腸管の減圧目的で胃瘻および腸瘻を内視鏡的に造設,大量免疫グロブリン療法とさまざまな治療を行ったが,治療抵抗性であった.
著者
大和田 茂
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.47-50, 2006-10-26
被引用文献数
3

我々は,形状をゼリーの内部にプリントするゼリープリンターを提案する.このプリンターでは,出力形状が柔らかいゼリーであるために,加工が非常に容易であることが大きな利点としてあげられる.これにより,コンピュータの内部の情報を実世界に取り出し,変形したり加工したり食用にすることが可能となる.さらに,三次元の標高データを出力することもできるので,自由に切ってその断面をみることも可能である.
著者
中山 泰一 中野 由章 角田 博保 久野 靖 鈴木 貢 和田 勉 萩谷 昌己 筧 捷彦
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:21888930)
巻号頁・発行日
vol.2015-CE-131, no.11, pp.1-9, 2015-10-03

本論文では,高等学校情報科の教科担任の現状を明らかにするため,都道府県教育委員会における臨時免許状の授与と,免許外教科担任の許可の状況を調査した.その調査結果を報告するとともに,わが国の情報教育のありかたについて考察する.
著者
松本 成史 橋爪 和純 渡邊 成樹 和田 直樹 北 雅史 柿崎 秀宏
雑誌
排尿障害プラクティス (ISSN:09195750)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.172-177, 2012-06

著者最終原稿版高齢化に伴い、下部尿路機能障害(LUTD)を有する人が増加しているが、その多くが「歳のせい」等の理由で受診していない。(株)セガの「トイレッツ」は、既存の男性用トイレに設置する広告機能付きゲーム機で、おおよその尿量が主に表記される。その結果により多くの人が排尿を身近に感じ、受診のきっかけになる可能性があると思われる。今回、「トイレッツ」を体験した中高年男性を対象に、LUTDの啓発として有効なツールになり得る可能性があるか否かをアンケートにより調査をした。その結果、81.5%が「トイレッツを体験して排尿状態を意識した」と回答しており、「トイレッツ」にて自分の排尿を知るきっかけになり、LUTDの啓発ツールに利用できる可能性が示唆された。
著者
和田 治 飛山 義憲
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.163-167, 2022-04-28 (Released:2022-04-28)
参考文献数
30

人工膝関節全置換術のリハビリテーションは術前期,急性期,回復期,維持期に分けることが出来る.これまで諸外国を中心に各々の時期のリハビリテーションに関するエビデンスが蓄積されてきている.具体的には術前からの患者教育を含めたリハビリテーションが術後の期待値調整や不安の軽減に有効であることが示唆されている.急性期から回復期では低周波刺激装置を用いた筋力トレーニングが術後の筋力回復に効果的であることが報告されている.一方,回復期から維持期では,身体活動量の向上が目標の1つとなるが,身体活動量向上のための介入方法に関するエビデンスは極めて少ない.当院ではこれらのエビデンスを元に,術前患者教育を含めた介入,術後翌日からの低周波刺激を併用した筋力トレーニング,回復期から維持期での身体活動量向上を目的としたウォーキングプログラムを実施してきた.本論文ではシンポジウムにて発表した内容をまとめることとする.
著者
嶋根 卓也 邱 冬梅 和田 清
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.140, no.2, pp.173-178, 2020-02-01 (Released:2020-02-01)
参考文献数
8
被引用文献数
1 2

This study aimed to review the current state and trends in cannabis use in Japan, using data from several national epidemiological surveys. The number of cannabis users in the general population was estimated approximately 1.3 million people. Cannabis use increased between 2015 and 2017. In 2017, the lifetime prevalence of cannabis use was greater than that of inhalants, and cannabis had become the most abused drug in Japan. The increase in cannabis users is thought influenced by increased access to illegal cultivation and positive thinking about cannabis use among many people, especially younger individuals.
著者
草野 佑典 太田 伸男 湯田 厚司 小川 由起子 東海林 史 粟田口 敏一 鈴木 直弘 千葉 敏彦 陳 志傑 草刈 千賀志 武田 広誠 神林 潤一 志賀 伸之 大竹 祐輔 鈴木 祐輔 柴原 義博 中林 成一郎 稲村 直樹 長舩 大士 和田 弘太 欠畑 誠治 香取 幸夫 岡本 美孝
出版者
一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
雑誌
日本耳鼻咽喉科学会会報 (ISSN:00306622)
巻号頁・発行日
vol.123, no.6, pp.469-475, 2020-06-20 (Released:2020-07-01)
参考文献数
14

スギ花粉症に対する舌下免疫療法薬が2014年に発売されてから4シーズンが経過したが, 実臨床における診療の実態は不明な点が多い. 2016年, 2017年にも同様の調査を行い報告してきたが, 今回2018年花粉飛散シーズン後に, スギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始してから1~4シーズン経過した患者431例を対象として, 服薬状況, 自覚的治療効果, 副反応, 治療満足度, 治療に伴う負担などについて自記式質問紙を用いたアンケート調査を行った. 年齢分布は10歳代と40歳代に二峰性の分布を示した. 自覚的効果については1シーズン目と比較して2シーズン目以降で治療効果を自覚していると回答した患者割合が高い傾向にあり, 治療効果を自覚するためには少なくとも2シーズンの治療継続が望ましい可能性が示唆された. 副反応については, 1シーズン終了群では23.4%の回答で認めたが2シーズン目以降は5.6%, 5.0%, 1.2%と減少する傾向が見られ, 1シーズン継続することができればそれ以降の治療継続に大きな影響を及ぼす可能性は低いと考えられた. 4シーズン目になると積極的に治療継続を希望しない患者がおり, 今後は治療の終了時期に関する検討が望まれる.
著者
後藤 和久 飯嶋 耕崇 和田 浩二 今村 文彦 常 昱
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.207-213, 2013-12-25 (Released:2017-08-25)

天体が海洋に衝突した場合,巨大津波の発生が懸念される.本稿では,太平洋への隕石落下頻度を検討し,数値計算に基づき日本への衝突津波リスク評価を予察的に行った.その結果,他の災害に比べれば衝突津波の発生頻度は低いものの,現実的な災害リスクとして認識する必要があることがわかった.衝突津波のリスクは確率的に評価が可能なため,現在の量的津波予報のような形でデータベース化することが可能であると考えられる.将来的には,衝突から津波伝播・遡上までの一連の過程の計算を連続的に行うことが望ましい.数値計算技術の高度化が進めば,火星の古海洋の存在可能性の検討など,惑星科学分野での応用範囲も広いと考えられる.
著者
荒川 政彦 和田 浩二 はやぶさ2 SCI/DCAM3 チーム
出版者
日本惑星科学会
雑誌
日本惑星科学会誌遊星人 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.152-158, 2013-09-25 (Released:2017-08-25)

はやぶさ2には小型の衝突装置(SCI)が搭載されており,これは秒速2kmで小惑星表面に衝突してクレーターを形成する.このクレーターは小惑星内部を覗くための小窓であり,リモートセンシング観測やサンプル回収から,小惑星表面の宇宙風化や浅内部構造に関する知見を得る.一方, SCIが衝突する様子は分離カメラ(DCAM3)により撮影され,イジェクタカーテンの拡大する様子や小惑星周囲を飛び交うダストを観察する. SCIによる小惑星への衝突は宇宙衝突実験ともいえる.我々はこの世界で最初の小惑星における宇宙衝突実験の機会を利用して,微小重力下における「本物の小惑星物質」のクレーター形成過程を明らかにする.

12 0 0 0 OA 淫祠と邪神

著者
和田徹城 著
出版者
博文館
巻号頁・発行日
1918
著者
神山 麻由子 岡本 博照 細田 武伸 和田 貴子
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.557-564, 2013-08-31 (Released:2013-10-15)
参考文献数
20

救急隊員の仕事のストレスを把握する目的で,X 市消防局職員1,246 人に対して勤務状況調査票と職業性ストレス簡易調査票を用いて悉皆調査を行い,このうち救急隊員を消防・救助隊員と比較した。救急隊員215 人は消防隊員418 人と救助隊員163 人に比べ,出場時間と出場関係の業務時間が有意に長く,休憩時間と仮眠時間は有意に短かった。救急隊員の不良なストレス要因は,消防隊員と比較して心理的な仕事の負担(質)および仕事の裁量度,救助隊員と比較して心理的な仕事の負担(量)および仕事の適性度を認め,ストレス反応は救助隊員と比較して不良であった。一方,男性標準集団との比較では,救急隊員のストレス反応は良好であり,ストレス要因の少なさと良好な社会的支援の影響が示唆された。救急患者の適切な搬送はきわめて困難な業務であるため,ストレス要因対策だけでなく上司,同僚,家族や友人からの社会的支援が重要であることが示唆された。
著者
厳島 行雄 和田 万紀 末永 俊郎
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.35, no.1, pp.70-79, 1995-07-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
24

自己生成効果とは, 被験者によって生成された項目が実験者から与えられた項目よりも再生において優れているという現象をいう (Greenwald & Banaji, 1989)。この現象を説明するために厳島・和田・末永 (1992) は記憶のネットワーク理論0による説明を試みた。この理論によれば, 自己生成条件では生成した概念ノードを形成することが可能で, それを既存のノードと強く結合できると仮定される。さらにこのネットワークの活性化は十分に拡散されるような水準にまで高められていると仮定される。しかしながら実験者から項目を与えられる条件ではこの情報ノードを産出できない可能性があり, また活性化の水準も低いとされる。以上の仮説を検討するために, 実験1では生成および非生成条件で文章作成課題における目的語に修飾語を付与させ, さらに実験2では主語および目的語にも修飾語を付与させて, それらの文章に使用された単語の自由再生・手がかり再生を行なった。結果は, 両実験における生成条件で, 新しく付与された修飾語の再生が非生成条件よりも多く再生されるというものであった。この結果は, 生成条件における文章作成が当該ノードの形成を促進し, その後の検索における活性化の水準を高めたためと解釈された。考察では, 自己と記憶の関係についても討論が行われた。