著者
清水 裕介 大西 鮎美 寺田 努 塚本 昌彦
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.468-481, 2022-02-15

本論文では,パソコンを利用した作業時のキー入力を身体動作で置き換えることにより,運動不足を解消するシステム,DeskWalkを提案する.長時間の座位作業は健康に悪影響がある.歩行や立ち上がりを行うことでその影響を低減できるが,これらは作業の中断をともなう.DeskWalkは下肢に取り付けたストレッチセンサで歩行と同等に筋肉が動く動作を認識し,それらの対象動作にあらかじめ割り当てたキーの入力を行う.これにより,ユーザは座位作業を続けながら運動ができる.さらに,日常生活での運動を記録しておき,座位作業時にDeskWalkを用いて不足分の運動を補わせるアプリケーションを提案,実装した.評価実験の結果,DeskWalkは対象動作を平均F値0.98と高精度に認識できた.システム使用時は未使用時と比較して2割から3割程度入力速度が減少したが,通常のパソコン作業において問題のない速度で入力ができていた.
著者
塚本 泰造
出版者
熊本大学文学部国語国文学会
雑誌
国語国文学研究 (ISSN:03898601)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.409-419, 2002-02-23

本稿では、本居宣長の著述に見られる「から」の考察(塚本(二〇〇一)に引き続き、賀茂真淵の著述に見られる「からに」「からは」(以下これを「から」系とする)を取り上げ、擬古文という表現の背後に、日本語の、論理的性格への変貌がどのようにうかがわれるかを考察する。

2 0 0 0 OA 有朋堂文庫

著者
塚本哲三 等編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.〔第20〕, 1917
著者
穴見 江梨子 坂本 豊伸 磯尾 優子 德山 智治 塚本 賢児 興津 暁子 天方 奉子 稲葉 一郎 宮野 恭彰 木戸 宏幸 湯川 栄二
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.135-142, 2021-11-30 (Released:2021-12-14)
参考文献数
14

Objective: Soon after two massive earthquakes in Kumamoto, Japan, on April 14 and 16, 2016, the Shirakawasuigen pharmacy located in the Minamiaso village received prescriptions for disaster medications. Since prescriptions for disaster medications are typically used at temporary emergency shelters, pharmacies usually do not receive requests for them. On checking the content of these prescriptions, we found numerous prescription errors and queries. This study aimed to assess issues with dispensing medications after disasters.Methods: We reviewed all disaster medication prescriptions received by the pharmacy from April 20 to May 28, 2016 and the medication histories of these patients. We confirmed each patient’s data and medical and medication histories. Furthermore, we classified disaster prescription errors and queries into five categories according to their content and summed them in each category.Results: We obtained patients’ medical and medication histories from 100 (77.5%) of the 129 prescriptions received. Of the 129 prescriptions, a total of 158 prescription errors and queries pertaining to 96 (74.4%) prescriptions were confirmed: 88 (55.7%) for unclear medication usage and dosages, 22 (13.9%) for incorrect medication names, 34 (21.5%) for pharmaceutical queries, 8 (5.1%) for exceeding fixed prescription days (within seven days), and 6 (3.8%) for other issues.Conclusion: Nearly 80% of the prescriptions for disaster medications had prescription errors and queries. Therefore, we evaluated that the prescription’s format and entry method can be improved. Furthermore, to ensure a smooth drug supply and to reduce prescription entry deficiencies and formal prescription queries, pharmacists need to effectively manage disaster prescriptions.
著者
塚本 明
出版者
史学研究会 (京都大学文学部内)
雑誌
史林 (ISSN:03869369)
巻号頁・発行日
vol.79, no.6, pp.819-851, 1996-11

個人情報保護のため削除部分あり近世日本の朝鮮観については、主に朝鮮から江戸幕府に派遣された朝鮮通信使を通して論じられてきたが、その総体を把握するためには当時の社会における朝鮮に関する知識の多様な要素を検討する必要がある。本稿はそのひとつとして、これまで十分な分析がなされてこなかった神功皇后伝説の影響について考えるものである。 神功皇盾伝説は蒙古襲来を期に、朝鮮を畜生視する内容を伴うようになる。だが秀吉の朝鮮侵略後には、神国観の転換に規定され思想家レベルでは中世的観念を脱し、近世中期以降には『古事記』、『日本書紀』に基づいて朝鮮蔑視論が展開される。しかし民衆の祭礼、信仰などの世界においては、中世的な伝説・異境観により、朝鮮を犬、あるいは鬼と表現する蔑視観が存在した。これらは統治者、思想家の影響によるものではない、近世民衆独自の朝鮮観であり、そして近代初期の征韓論を支え、また明治国家が神功皇后を国民統合のシンボルとなしえた、社会的な背景でもあった。
著者
木下 節子 大森 正子 塚本 和秀 大塚 五郎 益子 まり 藤生 道子 高橋 司 星野 斉之
出版者
JAPANESE SOCIETY FOR TUBERCULOSIS
雑誌
結核 (ISSN:00229776)
巻号頁・発行日
vol.82, no.10, pp.749-757, 2007-10-15 (Released:2011-05-24)
参考文献数
23

〔目的〕都市における結核発病の実態を報告し,今日の都市結核対策を検討する。〔方法〕症例研究を中心に行った。各症例の社会背景と結核菌DNA指紋分析を加えた菌情報により感染経路を調査した。〔結果〕2005年2月よりの1年5カ月の間に,川崎市川崎駅周辺の約500m四方の地域で9例の結核発病を確認した。9症例は16~55歳の比較的若い年齢層で,3例はホームレスであった。接触者健診の過程で,すべての症例が川崎駅周辺を生活活動圏としており,ネットカフェ等での関連が推測された。9例中7例はSM耐性菌であり,そのうち5例はDNA指紋分析により同一パターンを呈した。〔考察〕本事例はネットカフェ等の不特定多数利用施設を中心とした感染と考えられた。都市にはこのような施設が多く,若年者層とともにホームレス等の社会的弱者も利用する。結核未感染の若年者層と結核ハイリスク層とが閉鎖的空間を長時間共有する環境は,いったん結核菌の喀出があれば,容易に感染が起こりうることを示唆した。結核の都市偏在にはこのような社会環境も影響しており,それらを加味した総合的対策が求められる。
著者
山内 保生 長沢 浩平 多田 芳史 塚本 浩 吉沢 滋 真弓 武仁 仁保 喜之 草場 公宏
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.65, no.7, pp.851-856, 1991-07-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

全身性エリテマトーデス (systemic lupus erythematosus, SLE) に帯状疱疹 (herpes zoster, HZ) が高頻度に発症する要因を解明するために水痘一帯状疱疹ウイルス (varicella-zoster virus, VZV) に対する免疫能を検討した. 当科のSLE患者119例中56例 (47%) と高率にHZの罹患がみられた. 9例はSLE診断以前にHZに罹患していた. SLE診断後のHZの発症頻度は100 person-yearsあたり5.45であった. HZ罹患と腎障害の関連はみられなかった.VZVに対する中和抗体価, CF抗体価の検討ではSLEでHZの既往のある例は, HZ既往のないSLEや健常者よりも有意に高い抗体価がみられた. VZV抗原に対する皮内反応は, SLE患者ではHZの既往の有無にかかわらず健常者よりも有意に低い陽性率を示した. また, 皮内反応時の副腎皮質ステロイド剤 (ス剤) の使用量が1日10mg以上の群はそれ未満の群に較べて有意に低い皮内反応の陽性率を示したが, ス剤を全く使用していない未治療SLEでも, 皮内反応陽性率は低下していた.SLEにHZが合併する1つの重要な要因として細胞性免疫能の低下が関与していると考えられた. 細胞性免疫能は, SLE自体による低下のほか, ス剤にも強く影響されていることが示唆された.
著者
松崎 政代 春名 めぐみ 大田 えりか 渡辺 悦子 村山 陵子 塚本 浩子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.2_40-2_49, 2006 (Released:2008-06-30)
参考文献数
42
被引用文献数
7 5

目 的 妊娠期の健康度や生活習慣を評価する客観的評価指標は少ない。そこで,妊娠期において酸化ストレスマーカーの一つである尿中バイオピリンを測定し,妊娠期での値の特徴とその関連要因を明らかにし,その利用可能性を検討する。方 法 2004年7月2日から8月31日までの調査期間中にNクリニックに来院した妊婦のうち594名を対象妊婦群とし,妊娠初期・中期・末期に分類した。また,妊婦群の年齢にマッチングさせた,現病歴のない,非妊娠女性35名をコントロール群とした。妊婦群とコントロール群に対し,調査票および診療記録から基本情報,生活習慣,精神的ストレスとして精神的健康度(general health questionnaire: GHQ)の情報を得た。また午前中に採尿・採血を行い,尿中バイオピリン,血清中脂質代謝マーカー(アセト酢酸・3-ヒドロキシ酪酸・トリグリセリド・総コレステロール・LDLコレステロール・HDLコレステロール・遊離脂肪酸)と糖代謝マーカー(グルコース・グリコアルブミン)の測定を行った。結 果 妊娠初期・中期・末期における妊婦の尿中バイオピリン値は非妊娠女性に比して有意に高値(p<0.001)であった。妊娠末期の尿中バイオピリン値は,妊娠初期,中期の値に比して有意に高値(p<0.001)であった。 尿中バイオピリン値に関連する要因として,現病歴があること,高血圧や蛋白尿といった妊娠高血圧症症状があること,グルコースおよび精神的健康度GHQ得点と正の関連,HDLコレステロールと遊離脂肪酸と負の関連が明らかになった。尚,妊娠高血圧症症状は,3-ヒドロキシ酪酸などの脂質代謝と関連があった。結 論 妊婦の尿中バイオピリン値は,妊娠末期に最も高値を示し,非妊娠女性よりも高値を示すという特徴が明らかになった。また,脂質代謝と関連のある妊娠高血圧症症状や現病歴,糖代謝,精神的健康度との関連が見出され,尿中バイオピリン値の妊娠中の酸化ストレスマーカーとしての利用可能性が示唆された。
著者
山田 哲治 塚本 浩史 白石 友紀 野村 哲也 奥 八郎
出版者
The Phytopathological Society of Japan
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.532-540, 1990-10-25 (Released:2009-02-19)
参考文献数
19
被引用文献数
17 22

サクラてんぐ巣病菌(Taphrina wiesneri),モモ縮葉病菌(Taphrina deformans),スモモふくろみ病菌(Taphrina pruni)など,植物に増生病を引き起こすタフリナ属病原糸状菌はインドールピルビン酸(IPyA),インドールアセトアルデヒド(IAAld)を中間代謝物としてトリプトファン(Trp)からインドール酢酸(IAA)を合成する。これらの糸状菌はまた,インドールアセトニトリル(IAN)をIAAに転換する能力をもつ。IANをIAAに転換する酵素,IANニトリレースは基質誘導を受ける適応酵素であるが,TrpをIPyAに転換する酵素,Trpアミノトランスフェラーゼは基質によって誘導を受けない。
著者
塚本 東子 石川 達也 張 尚美 水野 久美子
出版者
THE JAPANESE SOCIETY OF CHILD NEUROLOGY
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.523-527, 2001-11-01
参考文献数
22
被引用文献数
2

歳で発症したナルコレプシーの1男児例を報告した. 症例は, 昼間の眠気過剰・睡眠発作で発症し, その後, 情動性脱力発作および夜間睡眠分断を呈した.睡眠ポリグラフ検査では, 入眠時REM睡眠期 (sleep-onset REM period, SOREMP) が出現し, ヒト主要組織抗原 (HLA) は, DR2およびDQB1*0602が陽性であった. 治療は, 昼間の眠気に対しmethylphenidate, 情動性脱力発作に対しclomipramineを用い有効であった. 思春期前発症のナルコレプシー患者は行動異常を伴うことが多く, てんかん, 注意欠陥多動性障害と誤診されたり, 周囲から怠け者とみられることもあり, 特に本症例のような就学児の場合は, 早期診断治療と周囲の理解, 援助が必要である.

2 0 0 0 OA 十八史略

著者
塚本哲三 編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1924
著者
塚本 直幸 林 良一
出版者
大阪産業大学
雑誌
大阪産業大学人間環境論集 (ISSN:13472135)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.83-93, 2009-06

本論文では,道路空間の「公共性」に関する市民意識を形成する構造をアンケート調査から日独比較分析することで,道路空間利用に関する社会的合意形成のための有効な方策に資することを目的とした。アンケート調査結果によれば,日本(堺市)でもドイツ(ヴュルツブルク市)でも,現在の都心部における自動車による交通混雑,交通事故,生活・歩行環境の悪化,商店街等の活力低下などの面から,都心部への自動車乗り入れ規制を容認する意識が強い。次に,日本では自宅直近の道路に対する「私的」感が強いが,ドイツでは,他の人々による道路の多様な使われ方に寛容であり「私的」感は薄い。逆に,自宅前道路の通行規制や道路整備に伴う建物移転など,公共による私権制限に対する反発はドイツの方が強く,日本の方が公共的な事業に対する協力意識は高い。以上のことを路面公共交通整備のための道路空間の再配分という観点から整理すると、以下のことがいえる。まず、ドイツでは意識面から私的制限に対する抵抗の大きさの反映として、社会的合意を得るための法体系、ガイドライン・基準の整備状況、情報公開制度、予算的裏付け等が適切に整備されていると考えることができる。わが国では、これらがあいまいなまま、ある場合には行政の恣意的施策と地域有力者だけの根回しで進められた事業も多いと考えられ、行政と市民の不幸な相互不信感を生み出す一要因となっている。近年のわが国市民の権利意識の増大と行政活動の公平性・透明性・客観性の確保という点から、ドイツに倣った同様の「仕組み」を整えればLRT整備が急速に進む可能性はある。その際、わが国の直近道路空間に対する「私的感」にも十分に配慮した計画内容とすることが合意を進める上で重要である。

2 0 0 0 OA 日記紀行集

著者
塚本哲三 校
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
1922
著者
吉原 智仁 森本 忠嗣 塚本 正紹 園畑 素樹 馬渡 正明
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.845-848, 2016-09-25 (Released:2016-12-06)
参考文献数
15

比較的稀な脊髄硬膜外血腫の3例を経験した.症例は,男性1例,女性2例,年齢は49歳,71歳,73歳である.発症時の症状はいずれも突然の背部痛であり,2例はその後麻痺を認めた.既往歴は高血圧2例,Hippel Lindau病1例であった.抗凝固薬内服例はなかったが,1例は片麻痺を呈していたため脳梗塞と判断され,t-PA治療がなされていた.血腫部位は頸椎部1例,頸胸椎部2例であった.背部痛のみで麻痺を認めなかった1例は保存治療を行い,不変・増悪の2例(t-PA治療例含む)は手術を行い,2例ともに改良Frankel分類でC1からEへと改善した.麻痺を呈さない症例については保存治療,麻痺の程度が不変・増悪例については手術治療が有効であった.また脊髄硬膜外血腫は片麻痺で発症する場合もあり,脳梗塞と誤診されt-PA治療により血腫増大,麻痺増悪を来たした報告も散見され,注意を要する疾患である.
著者
塚本 克彦 柴垣 直孝 齋藤 敦 長田 厚 北村 玲子 今井 佳代子 樋泉 和子 島田 眞路
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.515-519, 1999-08-01 (Released:2010-10-14)
参考文献数
13
被引用文献数
4 5

ユーカリエキスを配合した入浴剤のアトピー性皮膚炎に対する有用性を検討するために, セラミド誘導体などの油性保湿剤を配合した入浴剤を対照とし, これにユーカリエキスを配合した入浴剤を用いて臨床試験を行った。対象はアトピー性皮膚炎患者31例(ユーカリエキス配合入浴剤使用群15例, 対照入浴剤使用群16例)で, 入浴剤を4週間使用してもらい, 2週間毎に診察した。その結果, 1. 皮膚所見に関しては, 「そう痒」, 「紅斑」, 「落屑」において両群とも有意な改善が認められたが, 両群間に有意差は認めなかった。2. 「全般改善度」, 「有用性」に関しては, ユーカリエキス配合入浴剤使用群の方が対照入浴剤使用群に比し優れた傾向が認められた。特に, 入浴剤を20回以上使用した患者においては, 「有用性」に関して, ユーカリエキス配合入浴剤使用群(13例)の方が対照入浴剤使用群(12例)に比し有意に優れていた。以上の結果より, ユーカリエキスを配合した入浴剤の使用は, アトピー性皮膚炎の治療において一つの有用な補助療法となる可能性が示唆された。
著者
塚本 僚平
出版者
一般社団法人 人文地理学会
雑誌
人文地理 (ISSN:00187216)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.338-357, 2010 (Released:2018-01-19)
参考文献数
43
被引用文献数
1 1

Since the mid-1980s, Japan’s industrial structure has been considerably altered by economic fluctuations. These structural changes have had repercussions for local industry, and in particular for modern local industries in provincial areas. However, in recent years, research on local industries has been declining and has been insufficient. This paper examines the glove-making industry in the Higashi-Kagawa region, Kagawa Prefecture, which prospered due to the mass production and export of gloves during Japan’s rapid economic growth period. The author examined the factors behind the industry’s success through the analysis of the following two points: (1) the structural changes in the production and distribution system after the rapid economic growth period; and (2) business activities of each company after the same period.In the Higashi-Kagawa region, dynamic changes such as transfers of manufacturing functions overseas, growth of high value-added production, and expansion of glove-related products, have been ongoing since the 1950s. There were also some social and economic reasons (e. g. the Nixon shock, oil crises, and the increase in consumer demand for high-fashion gloves) behind these changes. Today, the scale of domestic production, characterized by the division of labor, in the region has declined, and overseas production now plays a large part. At the same time, the relationships between companies in the region and with companies in other regions has become stronger in the planning and development phases of new products. Therefore, interregional divisions of labor within a company, and with companies located in other regions, have been developed, along with an individualization of business behavior by each company as it takes steps to suite its economic circumstances. It seems that the Higashi-Kagawa region lacks unity and function as an industrial region.However, the results of the survey show that companies benefit from agglomeration economies, through for example, (1) accumulated technology and know-how, (2) a pool of skilled labor, (3) ease of raw material procurement, and (4) ease of information exchange within the industrial region. Moreover, the survey revealed the presence of “trust” and a strong reputation created through a long history of glove-making in the region, and this gives an intangible value to the companies in the region. This has been rarely noted in existing research. Therefore, the author believes that this may be one driving force in the survival of the industry in the Higashi-Kagawa region.
著者
泉 妃咲 冨永 晴郎 中島 チ鹿子 内田 淳一 渡辺 雄一 塚本 洋子 井上 岳 山田 洋子 山田 善史 山田 悟
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.380-385, 2012 (Released:2012-07-20)
参考文献数
14

糖尿病治療の根幹である食事療法は,一般的にカロリー制限で指導されることが多いが,患者にはストレスが強く,そのコンプライアンスが問題となる.そこで,血糖値の上昇を最小限に抑えながら食事のQOLを向上させるための甘味品として,低糖質ケーキに着目した.今回は糖尿病患者で検討する前段階として,健常者を対象として低糖質ケーキが糖脂質指標に与える影響を同等カロリーの通常ケーキと比較した.低糖質ケーキでは通常ケーキと比較して食後の血糖値上昇が抑制され,インスリンの分泌刺激は弱かった.また,低糖質ケーキは中性脂肪や遊離脂肪酸に悪影響を与えず,一方で食後の満足度は通常ケーキと同等であった.今後糖尿病患者を対象にした検討においても低糖質ケーキの有望な結果が期待される.