著者
五十嵐 敏明 今野 彩 塚本 仁 矢野 良一 渡辺 享平 中村 敏明 政田 幹夫 後藤 伸之
出版者
一般社団法人 日本医薬品情報学会
雑誌
医薬品情報学 (ISSN:13451464)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.66-71, 2018-08-31 (Released:2018-09-12)
参考文献数
10

Objective: We have developed an automatic vigilance system (AVS) that automatically reports adverse drug reactions (ADR) based on laboratory finding abnormalities and symptom keywords in electronic medical records. In this study, we aimed to evaluate the impact of detecting ADR using AVS on medical treatment. Methods: In AVS, drugs and their ADR signals, which would be detected and reported by AVS to pharmacists, were defined. Pharmacists evaluated the severity of these signals to identify whether these signals should be discussed with the doctor, continued to be followed up, or ignored. We investigated detection of ADR at University of Fukui Hospital between April 2016 and March 2017 along with whether prescriptions were modified because of ADR and the contribution of AVS. Assuming that ADR had worsened without appropriate treatment, medical expenses needed for treating severe ADR were calculated. Results: In total, 325 signals were defined for 146 drugs. There were 9,103 ADR signals confirmed by pharmacists for 8,531 subjects. Of these, 12 and 164 signals were discussed with the doctor and continuously observed, respectively. The pharmacist's suggestions based on AVS led to prescription modifications in 10 cases, corresponding to a reduction of 2.56 million yen in medical expenses in the event that these cases become severe. Conclusion: AVS assisted prescription revisions because of ADR and is thought to contribute to the prevention of worsening of ADR and reduction of medical expenses.
著者
塚本 勝巳
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.72, no.3, pp.350-356, 2006 (Released:2006-06-07)
参考文献数
43
被引用文献数
2 4
著者
塚本 博之
出版者
静岡産業大学
雑誌
静岡産業大学情報学部研究紀要
巻号頁・発行日
vol.9, pp.57-70, 2007

現在、喫煙行動が健康に害を及ぼすことは広く認識され、社会全体へ浸透している。公共の乗り物内では禁煙は当然、建物内では喫煙場所の限定、もしくは分煙、外に出れば条例で歩きタバコやポイ捨て禁止など、数年前とはうって変わって喫煙者にとって厳しい社会となった。その甲斐あってか、近年の成人喫煙者は全国的に減少傾向をみせている。しかし未成年、特に中・高・大学生の喫煙行動は確実に増加している。本学部においても喫煙学生が年々増加傾向にある一方で、特に女子学生の喫煙者の増加、および喫煙状況も大変気になるところである。女性の喫煙者は男性と比較して、その死亡率は3割〜5割高いという報告があるからである。また、学内には所構わずタバコの吸い殻がポイ捨てされ、毎日事務局の職員や大学で契約した清掃会社の職員が拾っているという、高等教育機関とは言い難い光景が見受けられる。昨年度まで学内にあった5ヶ所の喫煙所が、平成18年度からは1ヶ所になったことも原因のひとつであろう。今後は学生への喫煙マナーに関する教育や禁煙指導の必要性が一層高まると考えられる。このプロジェクトを発足するに当たり、まずどのような喫煙経験を持つ学生が入学してきているのか、またその喫煙に関してどのような認識でいるのか、これら現状把握が急務であると考え、入学生全員にアンケート調査を行った。まず、平成18年度情報学部入学生236名全員に喫煙経験の有無、性別、年齢、国籍を調査した。次に喫煙者には、喫煙開始年齢・喫煙のきっかけ・一日の平均喫煙量・喫煙の状態・罪の意識の有無・禁煙への意識・家族の喫煙環境・タバコの害・未成年の喫煙について、また吸わない学生には、家族の喫煙状況・周囲での喫煙に関する意識・今後の喫煙・タバコの害・未成年の喫煙について調査した。その結果、喫煙者は30名(男29名・女1名)、非喫煙者は206名であった。この30名の喫煙者をその環境や意識の違いでいくつかのパターンに分けクロス集計し、さらに深く分析した。また喫煙に関しての認識度や、現在は非喫煙者でも今後喫煙者と成りうることなど、アンケート調査から読み取れる傾向をここに報告する。

3 0 0 0 OA 筆算訓蒙

著者
塚本明毅 (桓甫) 著
出版者
沼津学校
巻号頁・発行日
vol.巻2, 1869
著者
塚本悠馬 笹野遼平 高村大也 奥村学
雑誌
研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.2013-NL-214, no.14, pp.1-8, 2013-11-07

近年,Twitter をはじめとするマイクロブログを利用した商品やイベントの告知に対し,多くのユーザが感想など告知の投稿者やその告知への感想に関心があるユーザにとって有益な関連投稿を行うようになってきている.しかし,関連投稿の多くは告知投稿とは明示的に関連付けられてはいないため,告知の投稿者がこれらの関連投稿を見つけるのは容易ではない.そこで本研究では,特に Twitter の機能であるリツイートに注目し,告知に対する非明示的な関連投稿を効率的に収集する手法を提案する.
著者
高安 義行 塚本 哲治
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.5, pp.303-309, 2016 (Released:2016-05-13)
参考文献数
8

バイオ後続品(バイオシミラー)は,品質,安全性および有効性について,先行バイオ医薬品との比較から得られた「同等性/同質性」を示すデータ等に基づき開発される.国内では既に7剤のバイオ後続品が販売されており,バイオ後続品の開発や承認申請に関する企業側の経験も蓄積されてきている.高額な先行バイオ医薬品に比べ,薬価が低く設定されるバイオ後続品は,高騰する国民医療費の抑制策として,また,患者の医療費負担軽減策として大いに期待されており,今後,大型バイオ医薬品の特許が次々と満了することも相まって,この分野の開発競争は激化するものと予想される.一方,医療の現場におけるバイオ後続品の認知度は依然として低く,十分にその価値が発揮されるためには,国の政策に加え,開発・販売する企業がバイオ後続品に関する正しい情報を発信し,医療機関や患者と共有してくことが重要である.
著者
福澤 仁之 塚本 すみ子 塚本 斉
出版者
島根大学
雑誌
Laguna : 汽水域研究 (ISSN:13403834)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.55-62, 1998-03
被引用文献数
6

We have been collecting and analyzing sediment cores of non-glacial varved sediments around the Japanese Islands. In 1995, we were able to be collected 8 meters-long sediment core by using piston core sampler and recognized varved sediments of the last 3,000 years in the bottom sediments of Lake Ogawara, northern Japan. And also, two tephra layers which are named Towada-a tephra(To-a)and Baegdusan-Tomakomai(B-Tm)by Machida and Arai(1992)were recognized in the varved sequence. Machida(1992), and Koyama and Hayakawa(1995)have suggested that the chaotic eruption of Towada Volcano caused falling of To-a tephra over northern Japan occurred in AD 915. Based on varve counting of this sediment core, we can indicate that the sediments between To-a and B-Tm tephra layers were continuously deposited for 22 years. If the falling age of To-a tephra can be confirmed as AD 915 from historical documents, then we can show that B-Tm tephra was deposited from spring of AD 937 to summer of AD 938.13;7世紀から10世紀初頭にかけて,朝鮮半島北部から中国東北区やシホテ・アリンにかけて,東アジアの大国として繁栄した渤海国は,当時の日本と親密な関係を維持していたにもかかわらず,その成立と滅亡については謎の部分が多く,謎の王国と呼ば滅亡については謎の部分が多く,謎の王国と呼ばれる。しかも,渤海国はまわりの諸国とくに新羅や契丹などとの関係上,日本に対して渤海使を35回も派遣している(日下,1992)。この渤海国は西暦698年に建国され,西暦926年に契丹の侵入によって滅亡するまで約200年間繁栄したと考えられている。渤海国の繁栄に比べて,その滅亡はより謎が多い。これは,契丹に滅ぼされた時に,徹底的な破壊を受けたためにその痕跡をほとんど残していないことに理由がある。13;この渤海国の滅亡については,1988年にNHKが特別番組として制作した「まぼろしの王国・渤海」で,渤海国の突然の消滅・滅亡が渤海国南部にそぴえる白頭山(標高2,744m)の大噴火によって,その首都上京龍泉府がかのベスビオス火山の山麓の街ポンペイのように一日にして火山灰に埋もれたためことが原因であるとするドラマチックな仮説が示されたことがある。これに対して,渤海国の歴史に詳しい上田 雄などの歴史学者から厳しい反論がある(上田,1992)。それによれば,上京龍泉府は白頭山の北北西方250kmにあり,白頭山が大噴火を起こしたとしても,偏西風の風下にもない上京龍泉府に多量の火山灰が降下したとは科学的にまったく考えられないという(上田,1992)。そして,渤海国の滅亡は極めて突然であり,そして忽然と消え去ったことは事実であるが,その滅亡の直接の原因は,契丹の耶律阿保機に襲撃されたためであり,そのことは「遼史」ほかに詳細に記録されていると述べ,白頭山の噴火の時期も地層(堆積物)からだけで歴史学の求めるオーダーの世紀,年代を決めつけることは不可能であると述べている(上田,1992)。13;白頭山の大噴火と渤海国の滅亡との関係を明らかにする目的で,町田 洋は中世における白頭山の噴火規模およびその年代の推定に精力的に取り組んでいる。それによれば,この白頭山の噴火規模はフィリピンのピナツボ火山における1991年の噴火規模のおよそ1O倍の規模であり,過去2,000年間で最大の噴火であるスンダ諸島のタンボラ火山における1815年の噴火に匹敵するものと考えられている(町田,1992)。そして,この大規模噴火の火山灰は東北日本北部から北海道南部・道央南部に分布しており,白頭山一苫小牧火山灰(B-Tm)と呼ばれている(町田・新井,1992)。また,東北日本北部で白頭山一苫小牧火山灰層の直下1cm~2cm下位に発達する十和田a火山灰(To-a)の「扶桑略記」に記載された降灰年代やそのラハール堆積物に埋没した秋田杉の年輪年代学的検討によって,十和田a火山灰降灰が西暦915年であることが明らかになり,白頭山一苫小牧火山灰の降灰年代は西暦915年以降である可能性を示した(町田,1992;1994)。この見解は,渤海国の滅亡に対して,自然環境変動の面から白頭山の大噴火が大きな影響を与えた可能性を指摘したものである。13;一方,町田(1992;1994)の見解に対して,小山真人と早川由紀夫は歴史資料として「高麗史」や「興福寺年代記」の記載を引用して,中世における白頭山の噴火は946年以前のあまり遡らない時期に開始して,西暦947年前半ぐらいに終了したことを示した(早川・小山,1998)。そして,渤海国がその噴火で滅亡した仮説(町田,1992)があるが,渤海国の滅亡は西暦926年であり,白頭山の噴火開始がその滅亡を決定づけたことはあったとしても,直接の誘因ではなさそうであるとの見解を示した(早川・小山,1998)。13;本論文では,白頭山一苫小牧火山灰の降灰ひいては白頭山の中世における大噴火に関して,青森県太平洋側に位置する小川原湖の湖底堆積物に認められた「年縞」を用いて,以下の2つの問題に対して答えを与えることを目的とする。1)渤海国の滅亡に白頭山の中世における大噴火が本当に影響を与えたか?、2)白頭山一苫小牧火山灰と十和田a火山灰の降灰した季節はいつ頃で,どれくらい継続したのか?
著者
鈴木 恵祐 塚本 充紀 永井 二郎
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
熱工学コンファレンス講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2013, pp.329-330, 2013-10-18

A new type of heat pipe, called BACH (Bubble-Actuated Circulating Heat pipe), was revised so as to be capable of both top-heat mode and bottom-heat mode by valve switching. In this research, heat transport characteristics of the BACH between underground and ground surface were measured experimentally. The working fluid was R134a. The obtained results show that at bottom-heat mode, BACH can transport heat of 200W maximum, while it can transport heat of 300W maximum at top-heat mode. The heat transport characteristics were affected by underground length and cooling method of intermediate cooled section, and in general the underground length 4m was optimal.

3 0 0 0 OA 脚本集

著者
塚本哲三 編
出版者
有朋堂書店
巻号頁・発行日
vol.上, 1922
著者
本多 照幸 小野 剛 塚本 篤 松野 弘貴
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.58, pp.139-139, 2011

本研究では、東京近郊の川崎市郊外(西部)を中心とした事故後の大気及び土壌試料におけるγ線核種(131I、134Cs、137Cs、95Nb、129Te等)の解析結果について報告する。大気試料は粒子状物質(APM)と降下物であり、何れも都市大原研(川崎市西部)で採取した。土壌試料は、同研究所のほか多摩川河川敷等で深度方向に採取し、U8容器に充填した。γ線の測定にはGe半導体検出器を用い、10000~80000秒測定した。
著者
山崎 伸二 飯島 義雄 塚本 定三 塚本 定三 OUNDO Joseph O. NAIR Gopinath B. FARUQUE Shah M. RAMAMURTHY Thandavarayan
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

インド、ケニアでの主要な下痢原因菌と考えられる下痢原性大腸菌とコレラ菌について解析した。下痢症患者便をマッコンキー寒天培地で培養し得られたコロニーからボイルテンプレートを作製しReal-time PCRで下痢原性大腸菌の病原因子を網羅的に解析した。インドでは、ipaH遺伝子陽性菌(腸管組織侵入性大腸菌)が最も陽性率が高く、次にeaeA遺伝子陽性菌(腸管病原性大腸菌)の順であったが、ケニアではelt遺伝子陽性菌(腸管毒素原生大腸菌)の陽性率が最も高く、次にaagR遺伝子陽性菌(腸管凝集性大腸菌)であった。我が国で陽性率の高いcdt遺伝子陽性大腸菌がインドやケニアではあまり検出されなかった。一方、コレラ菌に関しては、バングラデシュで見つかったハイブリッド型O1コレラ菌(エルトールバリアント)はインドでは1990年に既に分離されており1995年以降分離されたO1コレラ菌は全てハイブリッド型(エルトールバリアント)であることが明らかとなった。ケニアでのコレラの流行で分離されたコレラ菌もエルトールバリアントであり、エルトールバリアントがアフリカ、ケニアでも広く流行に関わっていることが明らかとなった。
著者
石渡 良志 内田 邦子 長坂 洋光 塚本 すみ子
出版者
日本地球化学会
雑誌
地球化学 (ISSN:03864073)
巻号頁・発行日
vol.44, no.3, pp.69-76, 2010

A 90 cm sediment core (HAR 99A) from Lake Haruna, Gumma Prefecture, Japan was dated by tephrochronology, lead-210 and cesium-137 methods and was compared stratigraphically with the cores obtained in 1966 (HAR 96B) and 1971 (HAR 71). For the HAR 99A core, the 24-26 cm depth layer was estimated to be AD 1963 by <sup>137</sup>Cs. The tephra layer in 62-66 cm depth was identified to be volcanic ashes from Asama volcano eruption (Asama-A tephra: As-A) in AD 1783. Average mass sedimentation rate (AMSR) for 1963 to 1999 (0-26 cm depth) is 0.050 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup> and that for 1783 to 1963 (25-62 cm depth) is 0.033 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup>. AMSR for the 0-62 cm depth obtained by <sup>210</sup>Pb ranges between 0.052 and 0.058 g cm<sup>-2</sup>yr<sup>-1</sup>. In addition, it is proposed that the previous assignment of As-B (AD 1108) for a tephra layer at 40-50 cm depth of the HAR 71 core should be changed to As-A tephra (AD 1783).
著者
筆保 弘徳 塚本 修
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.443-451, 2000-06-30
被引用文献数
2

台風9810号において, 進行方向の西側約150kmまでの九州南部から中国地方の地域で1.0〜7.5hPaのPressure Dipが観測された.特に台風経路に近い地域ではPressure Dipが起こる直前に気圧の急上昇(気圧の鼻)がみられ, それと同時に気温・露点温度の急低下, 突風, 一時的強雨が起こっていた.気圧の鼻やPressure Dipの起こった時刻で等時線を引いてみると, レーダー合成図でみられたレインバンドと気圧の鼻が良く一致し, 高層解析から高度2km付近でリチャードソン数の小さい層が確認された.これらの解析より, 気圧の鼻はレインバンドの通過に伴う現象, Pressure Dipはそのレインバンドに対応した内部重力波と考えられる.
著者
庄 ゆかり 塚本 絢子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータと教育(CE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.1, pp.1-6, 2009-12-04

図書館がリテラシー教育の授業を実施するにあたっては,授業担当者ごとの指導方法の差違,学生の学習意欲不足,授業内容と効果の評価不足など様々な課題がある.このたび広島大学図書館では,情報メディア教育研究センターとの連携授業 「情報活用基礎」 に WebCT を用いた e-Learning を導入し,いくつかの課題解決を試みたので報告する.Library tutorials have been facing a variety of challenges such as different instruction styles and skills of each librarian who takes a role of instructor for classes, needs for students' motivation about the topic and a lack of good evaluation of the tutorial contents and its efficacy. This is a report of an attempt to get over some challenges by employment of e-Learning tool, WebCT, to library literacy classes in the subject of information literacy "Elements of Information Literacy", conducted by Hiroshima University Library in cooperation with Information Media Center of Hiroshima University.
著者
寺田 努 塚本 昌彦 西尾 章治郎
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.266-275, 2003-02-15
被引用文献数
6

近年のモバイルコンピューティング技術の発展により,ユーザは自分用のPDA(Personal Digital Assistant)を持ち歩くようになった.PDAの用途は多岐にわたり,特に今後は音楽を中心としたエンターテイメント利用の重要性が高まると予想される.しかし,現在の音楽アプリケーションは基本的に聴くだけのものが多く,演奏を楽しんだり周りの音楽に参加したりするといった能動的なものがほとんど存在していなかった.そこで,筆者らの研究グループでは,PDAを用いて場所を問わずに気軽に音楽演奏を楽しむためのモバイル楽器に関する研究を進めている.本稿ではそのようなモバイル楽器の1つであるDoublePad/Bassを構築することを目的とする.DoublePad/Bassはタッチパネル式のPDAを2つ用いたシステムで,それぞれのPDAを左右の手の入力に割り当てることでエレクトリックベースの奏法を想定した入力方法を実現している.したがって,本物のベースを演奏できる人が場所を問わずにその腕前を披露できる.また,楽器初心者でもある程度の演奏ができるように簡易演奏モードを用意している.本システムを用いることでいつでもどこでも気軽に演奏でき,同じように演奏をしている人たちとのコラボレーションも可能となる.As a result of advancement in mobile computing technologies,it becomes common for users to carry a PDA (PersonalDigital Assistant) with them wherever they go. PDAs can be used forvarious purposes, and applications for entertainment, especially thosecentering on music, are expected to gain more importance. However,most current mobile applications only allow users to listen to music andthere are few applications that enable users to enjoy and participatein playing music. Therefore, our research group proposes mobile electronic musical instruments to enable users to enjoy playing music anywhere. In this paper, the goal of our study is to construct theDoublePad/Bass as such a mobile musical instrument. The DoublePad/Bass uses two PDAs with a touch panel display, and realizes the input by allocating two PDAs for inputs at each hand like playing an electric bass. Thus, musicians who can play an electric bass can also play the DoublePad/Bass with little practice. Moreover, the system provides asimple playing mode for users who are not familiar with playing musicto enable them to play music easily. Using this system, users can playmusic no matter where they are, by themselves or by collaborating withothers.
著者
塚本 敏夫 小村 眞理 橋本 達也 初村 武寛 田中 由里
出版者
公益財団法人元興寺文化財研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

小札甲は古墳時代には裲襠式と胴丸式の2型式が存在したとの通説があったが、今回の調査で裲襠式は確認できなかった。それに対して、鉄革併用小札甲が広範囲に流通していたことが明らかになった。また、小札甲が古墳時代から古代、中世にかけて、戦闘用の武具としての機能とは別に、祭祀に利用されている新事実が明らかになった。特に、噴火や火災に関する祭祀に小札片を絶切って利用する実態や人型に転用する事例も明らかになった。律令期の鉄甲から革甲への変換時の文献記述の検証のため、復元模造品による堅固性の比較実験を行った。その結果、革甲が小札甲には劣るが、短甲より堅固性であり、革組より組紐が堅固であることが判明した。