著者
小泉 政利 安永 大地 木山 幸子 大塚 祐子 遊佐 典昭 酒井 弘 大滝 宏一 杉崎 鉱司 Jeong Hyeonjeong 新国 佳祐 玉岡 賀津雄 伊藤 彰則 金 情浩 那須川 訓也 里 麻奈美 矢野 雅貴 小野 創
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2019-04-01

主語(S)が目的語(O)に先行するSO語順がその逆のOS語順に比べて処理負荷が低く母語話者に好まれる傾向があることが報告されている。しかし,従来の研究はSO語順を基本語順にもつSO言語を対象にしているため,SO語順選好が個別言語の基本語順を反映したものなのか,あるいは人間のより普遍的な認知特性を反映したものなのかが分からない。この2種類の要因の影響を峻別するためには,OS語順を基本語順に持つOS言語で検証を行う必要がある。そこで,本研究では,SO言語とOS言語を比較対照することによって,人間言語における語順選好を決定する要因ならびに,「言語の語順」と「思考の順序」との関係を明らかにする。
著者
坂井 陽一 越智 雄一郎 坪井 美由紀 門田 立 清水 則雄 小路 淳 松本 一範 馬淵 浩司 国吉 久人 大塚 攻#橋本 博明
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科
雑誌
生物圏科学 (ISSN:13481371)
巻号頁・発行日
vol.49, pp.7-20, 2010

瀬戸内海安芸灘に位置する大崎上島の沿岸魚類相について,餌釣りと潜水観察による調査を実施した。ガラモ場の存在する桟橋を中心に調査定点を島の南部北部それぞれに設定し,オキアミ類とゴカイ類を餅に約10名が1時間釣りを行う作業を2007年5月から2008年3月まで隔月で実施し,出現魚類の季節変化を検討した。また,2007年5月から7月にかけて,屋代島から竹原までの安芸灘広域に9ゾーン26調査点を設け,同様の調査を実施し,出現魚類の水域ゾーン間の相違を検討した。本調査により総計29科63魚種を記録した。そのうち高水温期にのみ出現する南方系魚種は4種のみであった。記録した魚種の76%(48種)は伊予灘で記録されているものであった。一方,宇和海での魚類相データとの魚種共通率は30%前後に留まり, 安芸灘を含む伊予灘以北の水域が生物地理学的に中間温帯区(西村, 1981)と定義されていることの妥当性が裏付けられた。大崎上島において周年および冬期を除き常時記録されたのは,カサゴ,メバル,ハオコゼ,クジメ,アサヒアナハゼ,マダイ,ウミタナゴ,スズメダイ,メジナ,コブダイ,ホシササノハベラ,キュウセン,ホンベラ,クラカケトラギス,ホシノハゼ, イトヒキハゼ,ヒガンフグ,コモンフグであった。これら18魚種の多くは安芸灘広域調査においても広く出現が認められ,安芸灘の浅海魚類群集の基本構成種と考えられた。ホシササノハベラは愛媛県中島周辺水域での出現頻度が極めて高く,同様の安芸灘における主要な個体群が安芸灘南西エリアに存在する可能性が示唆された。また,過去に瀬戸内海での記録のないホシノハゼが安芸灘広くに確認され,急速に分布拡大を進めていることが示唆された。
著者
大塚 基広 平 博順 真貝 寿明
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では,解答解説機能付き微積分ソルバの開発を行った.開発した自動解答ソルバは,主に大学生1年生レベルの微積分学について,教育目的として開発された.今まで,数式処理ソフトは多数開発されてきたが,解説を付与するものは少なく,答えのみを返すものが多かった.そこで本研究では,計算結果を出力するだけではなく,導出過程も出力し,加えて,グラフ描画や,接線を求める機能,Taylor展開や偏微分といった問題にも対応できるソルバの開発を行った.本ソルバでは,本学部1年生の講義「微積分学I」の期末試験の過去問について,70%の精度で解答として通用するものを作成できた.また現在,ソルバで解けない問題に対しても,ヒントを提示するようにして,対処している.
著者
大塚 守康
出版者
日本造園学会
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.54-58, 1981 (Released:2011-03-05)
著者
本村 陽一 村田 知佐恵 大塚 裕子 大森 隆司 山田 徹志
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.4L2J1303, 2019 (Released:2019-06-01)

本研究では、保育施設への人工知能(AI)導入プロジェクトについて、その構想の背景にある必然性や技術導入プロセスについての現状を総括する。また、保育士など保育従事者に対するヒアリングやインタビュー調査を行い、保育従事者の価値観や評価構造を明らかにし、それに基づき検討したAI技術活用の可能性、現場への導入のユースケースや期待される効果についても議論する。保育施設へのAI導入プロジェクトは、①保育の質向上のための保育技術の指標化、②既存のAI技術の活用、③新たなAIシステムの開発という3つの方向性で進めている。保育士目線での開発を重視した結果、アノテーションソフトなど、必要な技術開発が明確化された。また、保育とは何かを定義づけるための保育の質に着目した研究を行うことで、業務効率化に留まらないAI導入の社会実装化モデルとなり得ると考える。
著者
菊田 文夫 近藤 四郎 大塚 斌 高橋 周一
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.511-525, 1992 (Released:2008-02-26)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

日本人成人の男子149名,女子178名について,足部および下腿部の26計測項目の計測を行い,左右足の差の検討を行なった。本論文では,各計測項目の左右差だけでなく,靴を選択するときに重要な足長,足囲ボール,足幅などの組み合せにおける足の左右差を重視した。左右差データに「入れ子式」分散分析法を適用することにより,見かけの左右差に含まれる計測誤差の割合を計算し,左右差があると認める境界値を設定した。その結果,足長については,左右足ともに等しい者の割合は男子で約17%,女子で約74%,足幅では男女ともに約53%,足囲ボールでは男女ともに約45%であった。また,足長,足囲ボール,足幅の組合せにおける左右差パターンをみると,男子では足長が左>右で足幅と足囲ボールの左右が等しい者が全体の約15%で最も多く,一方,女子ではこれら3項目ともに左右足が等しいパターンが最も多く,全体の約17%を占めていた。
著者
川本 健治 片山 祐介 櫻木 悟 西原 大裕 辻 真弘 市川 啓之 横濱 ふみ 谷本 匡史 大塚 寛昭 山本 和彦 田中屋 真智子
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.S2_152-S2_157, 2016

<p></p><p>症例は74歳,女性.前医のホルター心電図にて50%を超える心室期外収縮や非持続性心室頻拍を認めた.心室期外収縮は,下壁誘導でのpeak deflection indexが0.66と0.6を超えており,心外膜側起源が疑われた.さらに心室期外収縮は,単形性で,右脚ブロック型+下行軸,Ⅰ誘導でrS,V5-6でS波を認め,下壁誘導にてノッチは認めなかった.大心静脈(以下,GCV)遠位部にて,局所電位はQRS起始部に30ms先行し,perfect pace mapが得られた.さらに,GCV遠位部近傍の左室心内膜側にてactivation mappingを行い,QRS起始部に12ms先行し,good pace mappingが得られた.GCV遠位部での通電も考慮したが,まず左室心内膜側の最早期興奮部位からの焼灼を行うこととし,焼灼開始25秒で心室期外収縮は消失し,その周囲に追加通電を行い,その後,再発を認めない.</p>
著者
鈴木 克洋 中村 文彦 大塚 慈雨 正井 克俊 伊藤 勇太 杉浦 裕太 杉本 麻樹
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.379-389, 2017

<p>The head-mounted displays (HMD) allow people to enjoy immersive VR experience. A virtual avatar can be the representative of a user in the virtual environment. However, the expression of the virtual avatar with a HMD user is constrained. A major problem of wearing an HMD is that a large portion of one's face is occluded, making facial recognition difficult in an HMD-based virtual environment. To overcome this problem, we propose a facial expression mapping technology using retro-reflective photoelectric sensors. The sensors attached inside the HMD measures the distance between sensors and a face. The distance values of five basic facial expressions (Neutral, Happy, Angry, Surprised, and Sad) are used for training the neural network to estimate the facial expression of a user. Our system can also reproduce facial expression change in real-time through an existing avatar by using regression.</p>
著者
平井 みどり 八木 敬子 木口 敏子 長嶺 幸子 冨田 尚子 上田 久美子 平井 由華 加藤 史恵 寺岡 麗子 大塚 誠 岩川 精吾 松田 芳久
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.461-467, 2002-10-10 (Released:2011-03-04)
参考文献数
5
被引用文献数
5 5

Effective communication is central to patient-centered care in the successful practice of pharmacy. As well as communication skills, a pharmacist should acquire an effective presentation technique to establish interpersonal communication at a more than purely on a verbal level. Most undergraduates of Kobe Pharmaceutical University undergo practical training in hospitals or community pharmacies. It is essential for students to acquire communication skills in order to derive the full benefit from the practical training. We introduced a presentation and communication program at the pre-practical training stage. In the presentation component, students were asked to make a presentation on eight different aspects of a certain drug; in the communication component, students took part in a session where they learned and discussed interview skills, non-verbal communication, open-ended questioning and effective communication. Questionnaires answered by the undergraduates suggested that this training course had made a strong impression on them and had served as a useful guide to acquiring the presentation and communication skills essential in pharmaceutical care.
著者
飯森 隆昌 村井 安 脇坂 康尋 大塚 晏央 大内 章吉 児玉 佳男 大石 武
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.41, no.4, pp.775-777, 1993-04-15 (Released:2008-03-31)
参考文献数
14
被引用文献数
2 8

Conformational restrictions of sangivamycin (1) could be achieved by the use of the gauche effect of the substitutents on the ribofranose moiety. The conformational deviations obtained by this method were found to nicely correlate with the inhibitory activity of PKC.
著者
萩原 文子 中村 とも子 大槻 かおる 寺尾 詩子 大島 奈緒美 井上 早苗 堀 七湖 大塚 敬三
出版者
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
雑誌
関東甲信越ブロック理学療法士学会 (ISSN:09169946)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.98, 2008

【はじめに】日本理学療法士協会や神奈川県理学療法士会の報告では会員の退職や休職の理由として出産や育児が大きな比率を占めているとされている。制度的には男性も育児休業(以下育休)の取得が可能であるが厚生労働省の調べによると2006年度の男性育休取得率は0.57%であり政府目標の10%には程遠い状況である。今回育休の取得経験のある男性理学療法士(以下PT)及び作業療法士(以下OT)より経験談や意見を聴取し,男性の目から見た育児・仕事との両立・制度などの問題点などを明らかにするため,調査を行なったので報告する。<BR>【方法】事前に作成した調査票により面接又はメールにより実施した。<BR>対象者:男性PT3名・OT1名<BR>調査内容:家庭環境・職場環境・育休取得について<BR>【結果】育休取得時年齢:28~40歳 <BR>育休取得期間:2~12ヶ月(平均5.75ヶ月) 3名は妻の育休取得後・1名は妻の産後休暇期間<BR>職場:公的又は準公的施設<BR>職場のPT・OT数:2名~28名(平均11.25名) <BR>休業中の代替者の確保:2施設あり・2施設なし<BR>職場内保育所の設置:4施設共なし<BR>職場での女性の育児休業取得:3施設取得し易い・1施設退職圧力等はなし<BR>リハビリ部門の対応:4施設とも協力的。3施設では代替者の募集が行なわれた。<BR>良かったこと:親としての責任感が持てた。子供とゆっくりとした時間が持て向き合うことが出来た。人としての幅が広がった。病院以外の世界にも目を向けるきっかけとなった。患者さんが帰っていく家庭や地域がみえ,指導へもつながることがたくさんあった。<BR>困ったこと:特になし<BR>要望:育休が取得可能であることや取得によるメリットなどの情報発信をして欲しい。事務職員が制度を理解しスムーズな手続きが行なわれるようになって欲しい。待機児童をなくしいつでも認可保育園に入れるようにして欲しい。<BR>男性PT・OTに対して:育児に深く関ることにより父親として,人として,職業人として多くのメリットがあるのでどんどん取得して欲しい。<BR>【考察】今回の調査は偶然アクセスできた5名のうち協力を得られた4名という非常に少ない数の調査であるが全ての職場が公的又は準公的な施設であった。<BR>職場の規模や職員数・取得期間や時期などは様々であった。<BR>困ったことは全員が特になしと,良かったこととして子供や家族との関係・人としてやリハビリテーションを担う職業人としての向上を挙げており育休取得によりメリットが大きいことがわかった。<BR>女性の育休取得がし易い職場では男性も取得し易いのではないか,保育所の必要性,どうしたら育休をすすめていけるかなど更なる状況把握・育休制度の啓発と代替者の補充が容易になるよう人材バンクなどの整備なども進めていく必要があると思われ,今後も活動を続けていく。<BR>
著者
大塚 栄子 若林 利明 田中 正治 田中 俊樹 押柄 和幸 長谷川 明 池原 森男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.318-324, 1981-02-25 (Released:2008-03-31)
参考文献数
25
被引用文献数
7 14

2'-and 3'-O-(o-Nitrobenzyl) derivatives of uridine, cytidine, adenosine and guanosine were synthesized by treatment of uridine, N-benzoylcytidine, N-benzoyladenosine and N-isobutyrylguanosine, respectively, with o-nitrophenyldiazomethane followed by isolation and deblocking. 3'-O-(o-Nitrobenzyl) guanosine is a novel compound. By using N-acylated nucleosides, separation of the 2'-and 3'-substituted isomers on silica gel became feasible and these compounds were useful intermediates for the synthesis of oligoribonucleotides. Some physical properties of these compounds were studied by ultraviolet, nuclear magnetic resonance, circular dichroism and the 2'-substituted isomers were found to have more stacked structures than the 3'-isomers.
著者
大塚 栄子 田中 正治 池原 森男
出版者
The Pharmaceutical Society of Japan
雑誌
Chemical and Pharmaceutical Bulletin (ISSN:00092363)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.949-959, 1977-05-25 (Released:2008-03-31)
被引用文献数
25 36

Previously 2'-O-(o-nitrobenzyl) uridine was synthesized via 2', 3'-O-(stannylene) uridine and used in the synthesis of UpA and UpU. 2'-O-(o-Nitrobenzyl) derivatives of cytidine and adenosine were synthesized with o-nitrobenzyl bromide in the presence of sodium hydride. 3'-O-(o-Nitrobenzyl) cytidine was also isolated. Using these 2'-protected nucleosides, partially protected trinucleoside diphosphates, CpA (o-nitrobenzyl)-pA and CpCpA (o-nitrobenzyl) were synthesized using a diester method or a triester method. These oligomers are candidates as suitable substrates of ribonucleic acid (RNA) ligase. Removal of the o-nitrobenzyl group was effected by irradiation with ultraviolet spectrum (UV) light (wavelength longer than 280 nm) and the completely deblocked oligonucleotides were characterized by enzymatic hydrolysis.
著者
大塚 周一 田中 直樹 今井 拓司
出版者
日経BP社
雑誌
日経エレクトロニクス (ISSN:03851680)
巻号頁・発行日
no.1132, pp.63-66, 2014-04-14

東芝、日立製作所、ソニーの中小型液晶事業を統合し、2012年4月に発足したジャパンディスプレイ。「ロケットスタートさせる」という大塚社長の号令のもと、初年度に黒字化し、設立からわずか2年弱で株式上場へこぎ着けた。「弱者連合」「うまくいくわけがない」…
著者
大塚 敏広 河崎 秀樹 鷹村 和人 吉田 金広 篠原 永光 久山 寿子
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.42, no.9, pp.1517-1522, 2009

症例は72歳の女性で,2007年11月CTで骨盤内腫瘤を指摘され,当院紹介された.腹部CTで骨盤内に5.0×8.0 cm大の造影される腫瘤を認めた.腫瘍の灌流静脈は上腸間膜静脈であった.回腸gastrointestinal stromal tumorの診断で開腹手術を施行した.回腸末端から約20 cm口側の回腸に腫瘍を認めた.腫瘍を含む回腸を切除した.切除標本では,腫瘍は大きさ9.0×7.0×6.0 cm大で,割面は白色から淡黄白色で一部に壊死や出血を認めた.病理組織学的検査では,腫瘍は主に回腸漿膜から壁外に増殖していた.硝子化した膠原線維バンドを伴い,粘液性間質の中に紡錘形細胞が不規則に増生していた.樹枝状に分岐する血管が認められ,血管周皮腫様構造も認められた.免疫組織化学染色検査ではvimentin,CD34,CD99,bcl-2が陽性で,<i>c-kit</i>は陰性でsolitary fibrous tumor(以下,SFT)と診断された.術後経過良好であった.まれな回腸原発のSFTの1例を経験したので報告する.
著者
福井 典代 武本 歩未 大塚 美智子
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.70, pp.59, 2018

<b>目的 </b>服装評価についてはSD尺度やリッカート尺度を用いて一般的に測定されているが,官能量と布の物性値との関係を明らかにした研究は見られない。本研究では,一対比較法を用いて上衣のゆるみの見え方を測定して,布の力学特性との比較を行い,それらの関係性を明らかにすることを目的とした。<br><b>方法 </b>(1)ジョーゼット,デシン,トロピカル2種類,タフタの計5種類のポリエステル平織白布を使用した。ドレープ法による剛軟度の測定を行うとともに,KESを用いて引張り剛性,せん断剛性を測定した。(2)実験衣はハイウエスト切り替えのギャザーチュニックとし,5種類の布を用いて同一デザイン・サイズのチュニックを製作して人台に着用させた。衣服の大きさ,美しさ,好みの評価について,5段階尺度により女子大生20名を対象として調査した。分析はシェッフェの一対比較法中屋変法を用いて算出した。(3)剛軟度に着目し,衣服の見え方と布の剛軟度との関係性を求めた。<br><b>結果</b> (1)衣服の大きさについて一対比較により分析した結果,タフタ,トロピカル,デシン,ジョーゼットの順に小さく見えた。美しさと好みは大きさと反対の結果になった。(2)衣服の大きさに関する官能評価と布の剛軟度との間に正の相関関係が得られた。美しさと好みに関しては,負の相関関係となった。以上の結果から,ギャザーのある本実験衣では布が柔らかいほど体型が小さく,美しく見えるということが実証された。
著者
大塚 みさ
出版者
実践女子大学短期大学部
雑誌
実践女子大学短期大学部紀要 = The Bulletin of Jissen Women's Junior College (ISSN:24344583)
巻号頁・発行日
no.40, pp.57-67, 2019-03-09

近年、媒体を問わず国語辞書の売れ行きは低迷傾向にある。筆者による調査結果では、大学生は辞書の代わりにスマートフォンを使用する傾向が見えるが、辞書アプリに代わってサーチエンジンやハッシュタグ検索が多く行われつつある。こうした状況下で、意味の分からない語への対処の実態を把握するにはどうしたらよいだろうか。その方法を探る目的でファッション雑誌記事における外来語を用いて行った予備調査の結果を報告する。Statistics clearly show that the number of paper and pocket monolingual electronic dictionaries published for Japanese native speakers is steadily declining. Surveys conducted by the author suggest that students have turned to smartphones as an alternative. However, fewer students seem to be using a dictionary app; instead, they use search engines or hashtag searches. Can the present state of students' reference practice̶that is, how they look up the meanings of unknown words̶be adequately captured? This paper reports a pilot study seeking insight into this issue by examining students' searches for defi nitions of loanwords in fashion magazine articles.