著者
大塚 俊明
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.63, no.4, pp.121-126, 2014-04-15 (Released:2014-11-14)
参考文献数
48
被引用文献数
1 2

最近の金属不働態化ならびに不働態皮膜の研究に関してレビューした.また,最近の分析手法ならびに装置を紹介した.最近20年ではラマン分光法,走査型プローブ顕微鏡(SPM),ならびにX線分光が広く使われるようになってきている.鉄の不動態皮膜に関しては,γ-Fe2O3-Fe3O4の組成が検出されている.以下の点に関して議論された:不動態酸化物皮膜の成長機構ならびに不動態皮膜の脱水和.不動態化ならびに不動態皮膜の研究における将来の課題として,充分に速い応答を持ち,サブnmレベルでのin-situ測定手法の開発が望まれる.
著者
行村 純 池田 良 宮崎 和典 大塚 憲衛 植木 実
出版者
近畿産科婦人科学会
雑誌
産婦人科の進歩 (ISSN:03708446)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.163-168, 1980

先天性副腎過形成による副腎性器症候群は女性においては男性化徴候と卵巣機能不全による不妊症とを特徴とする疾患である.<br>最近われわれは原発性無月経, 外性器異常などを主訴とする症例に内分泌学的検索をはじめとする諸検索を行ないC-21-OH・lase障害による先天性副腎過形成と診断した.<br>形成的に陰核部分切除術を施行後, glucocorticoid療法をprednisolonc 20 mg perdayにて開始した. 治療開始後3週間で整調排卵性周期が確立し, 2ヵ月後には妊娠に成功した. しかし初回妊娠は17週で自然流産に終った.<br>3年後再び妊娠し順調な経過ののち経膣的に正常女児を得た. 本疾患における妊娠分娩例, 特に経膣分娩例は稀なため報告する.
著者
大塚裕太 田村 大輔 石原 進
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.44, pp.15-20, 2007-05-17
参考文献数
7
被引用文献数
1

RTPやTFRCといったリアルタイム通信を行うためのトランスポートプロトコルは通信環境観測によるフィードバック制御によって送信レート制御を行っている.そのため無線LAN環境においてハンドオーバが発生した場合,ハンドオーバ前もしくはハンドオーバ中に発生したパケットロスといった観測情報がハンドオーバ後も保持され,正確なレート制御ができない可能性がある.本稿ではシミュレーションによって,TFRCを採用したDCCP OOID3によるビデオストリーム通信を行う移動端末が混雑した環境にハンドオーバを行った場合のハンドオーバ実行中に発生する接続不能期間がハンドオーバ後の通信品質に与える影響を評価しその対策を検討する.Transport protocols such as RTP and TFRC take control of sending rate by feedback-controls which measure RTT, packet loss rate, etc. On wireless LANs, the communication condition changes drastically when a node hands over from an uncongested access point to a congested one. However, the node keeps measured values after handover. Because of this, the node may not be able to control the sending rate accurately. In this paper, we present the result of simulations of DCCP CCID3 video streams adopting TFRC focused on disconnection period due to heavy loaded wireless LAN handover. We also discuss some schemes to avoid the effect of handovers.
著者
谷川 広樹 大塚 圭 才藤 栄一 伊藤 慎英 山田 純也 村岡 慶裕 冨田 昌夫 橋本 修二
出版者
医学書院
雑誌
総合リハビリテーション (ISSN:03869822)
巻号頁・発行日
vol.38, no.12, pp.1175-1181, 2010-12-10

要旨:〔目的〕視診による異常歩行重症度スコアリングの評価者間信頼性を検討した.〔方法〕臨床経験6年以上の理学療法士10名を評価者とし,片麻痺患者13名のトレッドミル歩行ビデオ画像を観察させ,分回し歩行とトゥクリアランス低下の重症度を5段階評価させた結果の評価者間信頼性をCohenのκ係数を用いて検討した.また,評価者を経験年数と観察した部位・相で分け,κ係数を求めた.〔結果〕評価結果のκ係数は0.09~0.58であり,経験年数にかかわらず低かった.観察部位・相を揃えた群のκ係数も0.03~0.32と低かった.〔考察〕一致率の程度はslight~moderateにとどまり,評価者間信頼性は低かった.観察部位・相を揃えても信頼性は向上せず,評価者の主観的尺度と評価基準の相違が主な原因と思われた.視診による歩行分析の信頼性を高めるには,異常歩行を定義したうえで,明確な重症度基準を定める必要があると考えられた.
著者
富田 真紀子 西田 裕紀子 丹下 智香子 大塚 礼 安藤 富士子 下方 浩史
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
pp.89.17223, (Released:2018-11-15)
参考文献数
37
被引用文献数
4

A work-family balance scale was developed for middle-aged and elderly individuals. Employed people (N =1,351, 788 men and 563 women; age range, 40 to 85 years; mean age, M = 54.82, SD = 9.86 years) in the seventh study-wave of the National Institute for Longevity Sciences-Longitudinal Study of Aging participated in the study. We hypothesized a four-factor structure consisting of “work-to-family conflict,” “family-to-work conflict,” “work-to-family facilitation,” and “family-to-work facilitation.” An item pool based on previous studies was developed and administered to the participants, and confirmatory factor analysis was conducted on their responses. The results identified 16 items related to work-family balance with a four-factor structure, which supported the hypothesis (GFI = .924, RMSEA = .073). Multiple-group analysis of populations based on age group (middle-aged, elderly) and gender established the configural and measurement invariance of the scale. Moreover, reliability (α = .69―.85) and criterion-related validity were confirmed based on mental health. Furthermore, age (the 40s, 50s, 60s, over 70) and gender differences were partially identified in the four subscales that were developed.
著者
中島 崇行 大塚 健治 富澤 早苗 増渕 珠子 上條 恭子 八巻 ゆみこ 吉川 聡一 長谷川 恵美 小鍛治 好恵 渡邊 趣衣 橋本 常生
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.59, no.5, pp.234-238, 2018-10-25 (Released:2018-11-14)
参考文献数
9
被引用文献数
5

殺虫剤であるクロラントラニリプロールの実態調査を行った.試験溶液は,QuEChERS法を応用した抽出とC18/GC/PSAによる精製により調製し,LC-MS/MSにより測定・定量を行った.8食品で分析法の性能評価(n=5)を行ったところ,回収率は50.2~93.4%, RSDは9.7%以下であった.本分析法を用い,野菜207検体および果実163検体を分析したところ,検出限界(4 ng/g)を超える検体数(検出率)は野菜で17検体(8.2%),果実で2検体(1.2%)であった.なかでもオクラ(10検体中4検体),パプリカ(23検体中4検体)およびトマト(6検体中2検体)の検出率が高く,さらに葉菜類では高濃度に残留している検体があり,最も高濃度の残留が認められたのは国産のみず菜(571 ng/g)であった.また,国産を含めてアジア圏の検体からの検出が大半を占めた.しかし,いずれの検体においても,MRLを超える残留は認められなかったことから,クロラントラニリプロールの適切な使用が伺えた.
著者
大塚 宣夫
出版者
日経BP社
雑誌
日経ヘルスケア21 (ISSN:13463799)
巻号頁・発行日
no.189, pp.100-105, 2005-07

待機者500人という超人気を誇る青梅慶友病院。経営者の大塚宣夫氏は、1980年の開院当初から制度に縛られない経営を志向。保険外負担を原資に、手厚い人員配置と、きめの細かいサービス提供を実現し、全国有数の老人病院を作り上げた。氏独自の経営手法に迫る。
著者
大塚 宣夫
出版者
公益財団法人 医療科学研究所
雑誌
医療と社会
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.1-2, 2015
被引用文献数
1
著者
吉位 尚 濱本 嘉彦 村岡 重忠 糀谷 淳 古土井 春吾 麻柄 真也 大塚 芳基 中尾 薫 寺延 治 島田 桂吉 古森 孝英
出版者
特定非営利活動法人 日本口腔科学会
雑誌
日本口腔科学会雑誌 (ISSN:00290297)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.479-488, 1999-11-10 (Released:2011-09-07)
参考文献数
47
被引用文献数
5

The clinical efficacy of long-term roxithromycin (RXM) treatment was examined objectively in 8 patients with chronic diffuse sclerosing mandibular osteomyelitis. RXM was administered orally at a dose of 300mg per day for 68 days to 66 months.As a result, the results of 7 out of 8 cases (87.5%) were assessed effective, and the symptoms had disappeared in 1 to 12 months. One case assessed poor had several operations and various kinds of antibiotic therapy for more than 11 years before this therapy. In 7 cases assessed effective, the improvement of osteolytic changes on X-ray was observed. However, most of the X-ray findings remained osteosclerosis or the osteosclerosis became more predominant, when this therapy was terminated. It was considered that X-ray findings would take a long time to be normalized. Therefore, the optimum duration of administration which is the time to terminate this therapy should be decided according to the improvement of symptoms along with the disappearance of osteolytic findings on X-ray. Diarrhea and stomach discomfort in 1 case, and liver dysfunction in 1 case were found, however, these side effects were slight.The mechanisms of RXM are unclear however, these results indicate that long-term RXM treatment has therapeutic possibilities for diffuse sclerosing mandibular osteomyelitis and should be used as the first choice followed by surgical treatment if necessary.
著者
大塚 誠也 黒崎 奏澪 小川 充洋
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.472, 2017

<p>近年、Oculus Riftや PlayStation VRなどの3Dヘッドセットを用いた比較的安価なバーチャルリアリティ (VR) 環境が実現され、普及しつつある。VR 鑑賞中やVR環境下での労働時の生体計測のために、本研究では 3D ヘッドセットに組み込める生体計測を提案する。ヘッドセットを着用するだけで生体計測が可能となれば、VR環境下では必ず生体情報を取得可能となる。今回、最初の試みとして、VRヘッドセットに内蔵可能な光電脈波プローブを用いた脈波計測を行ったので報告する。光電脈波計測のために、小型の反射型プローブを開発し、被験者の前額部から脈波の導出を試みた。被験者は、光電脈波計測と同時にVRヘッドセットを着用した。計測に用いる光源には緑色LEDと近赤外LEDを試行した。結果、いずれの波長においても光電脈波を観察することができたが、近赤外を用いた光電脈波では、被験者の自発的な瞬目時に大きなアーチファクトを観察し、脈波を観察することができなかった。一方、緑色光電脈波においては、瞬目時においても安定した計測を達成することができた。また、緑色光電脈波において、VRモニタの明滅や被験者の呼吸などの影響を受けずに、脈波ピークを観測することが可能であった。以上の結果から、VRヘッドセットを着用しただけで計測を意識することなく光電脈波を計測可能なシステムの可能性が示されたものと考えられた。本研究の一部はJSPS科研費 15H02798の助成を受けたものです。</p>
著者
池上 大悟 五十嵐 勝秀 大塚 まき 葛巻 直子 成田 年
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.147, no.4, pp.225-229, 2016 (Released:2016-04-09)
参考文献数
46

生物は生きていく上で,外界から絶えず様々なストレスに曝されている.こうした外界からのストレスに対して生体は適切に反応し,外界の変化に適応していく.これは生体レベルだけでなく,細胞レベルでも同様に起こる生命現象であり,後生的な遺伝子修飾機構であるエピジェネティクスの関与が考えられる.エピジェネティクスは,その効果を発揮するための遺伝子配列の変化を必要とせず,膨大なゲノム情報の各所を修飾することにより,転写装置が効率よくアクセスできるようにゲノム情報を制御している.このような制御機構は,外界からの様々なストレスを受けた細胞が,その変化を記憶・保持するために,なくてはならないものである.一方,痛みは急性痛と慢性痛に大別される.急性的な痛み反応は,危害から生体を防御するシグナルであり,『生体防御』に関与する重要なバイタルサインである.それに対し,慢性疼痛は,その病変部位が治癒あるいは修復に向かっている状態にも関わらず断続的に疼痛が認められる症状を示す.慢性的な痛みという不必要な強いストレスに曝されることにより,細胞が誤った変化を記憶し,末梢ならびに中枢神経の各所で不可逆的な神経可塑的変化が生じてしまうのである.これが,いわゆる「難治性」の疾患として認識される状態である.本稿では,慢性的な痛みストレスによる中枢のエピジェネティクス異常について概説することにより,エピジェネティクスの特徴,難治性の疾患に対する関与の可能性について論じる.
著者
大塚 亮子 青山 隆夫 高柳 理早 清野 敏一 清水 秀行 中村 幸一 小滝 一 澤田 康文 伊賀 立二
出版者
一般社団法人 日本医療薬学会
雑誌
病院薬学 (ISSN:03899098)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.269-277, 1997-06-10 (Released:2011-08-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1 2

We studied the effect of advising outpatients on the rational use of ophthalmic solutions and compliance by a questionnaire (n=158), in order to establish the optimal consultation method. A total of 41.8% of the patients answered the questionnaire. In compairing the actual use of ophthalmic solutions before and after consultation, the rates of rational use increased for all items except for “applications per day”, which decreased slightly from 93.4% before the consultation to 90.2% after that. In particular, “eyelid closure” and “nasolacrimal occlusion” after instillation, and “the 5 min interval of instillation in the case of plural medication”, considerably increased from 34.8% before the consultation to 60.6% after that, from 9.5% to 50.8% and from 45.9% to 73.8%, respectively. The compliance remarkably improved in glaucoma patients after consultation regarding “the 5min interval of instillation” .Based on these results, our consultation method for the rational use on ophthalmic solutions was thus evaluated. However, since some patients who still did not appreciate the need for the rational use of such medication still presented, further improvements in the consultation method requires for the rational use.
著者
大塚 光雄 伊藤 美智子 伊藤 章
出版者
日本体育科教育学会
雑誌
体育科教育学研究 (ISSN:13428039)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-18, 2011-03-25 (Released:2013-03-26)
参考文献数
38

The effects of two methods of teaching elementary school 6th graders in a hurdle class were compared in the present study. One is a new teaching method which emphasizes jump over hurdles high and long. The other is a general teaching method which emphasizes hurdle clearance movement. The former refers to jumping over hurdles, trailing the back leg parallel to the trunk and to run in a three-stride rhythm. This method was used in experimental group (13 boys and 8 girls). The latter refers to stepping over the hurdles as low as possible, trailing the back leg parallel to the ground and to run in a three-stride rhythm if students can. This method was used in control group (13 boys and 8 girls). Each class comprised 6 days. The effects were assessed as pre- and post-test performance in 40-meter hurdle races filmed with six cameras. We analyzed measurement items in hurdling and interval run movements and time required to finish the race. The main findings were as follows. 1) All of the students in experimental group (p< 0.001) and 80% students in control group (p< 0.05) improved hurdle records in the post-test. 2) Post-test hurdling velocity in both groups significantly increased, while interval run velocity significantly increased in the experimental group. 3) Both hurdling and take-off distances significantly increased in the experimental group in the post-test. 4) Post-test hurdle clearance time in the control group significantly decreased. These findings suggested that the new method of teaching is effective in improving all of their hurdle records, and fundamental ability to repeat run and jump in turn without hitting hurdles.
著者
大塚 勲 オオツカ イサオ Ohtsuka Isao
出版者
熊本大学
雑誌
熊本大学社会文化研究 (ISSN:1348530X)
巻号頁・発行日
no.15, pp.51-70, 2017

This paper presents that expansion of government bonds in the late 1970s was caused bya control of the former Prime Minister Kakuei Tanaka. The government budgeted 2 trillionyen for revenue generated by the government bonds in the 1975 fiscal year and 15.3 trillionyen in the 1979 fiscal year. They expanded to 7.65 times in only four years. The budgets wereformulated according to an economic plan developed in 1976. Although the plan controlled thebudget inflation, the government depended on the government bonds because of shortage of taxrevenue. As a result, the government bonds expanded rapidly but the plan was realized. Theeconomic plan was formulated in the Takeo Miki Cabinet, not in the Tanaka Cabinet. However,the plan was in accordance with part of a 10 year economic plan which was examined but notdeveloped by Tanaka cabinet. Mr. Tanaka controlled the budgets in order to realize the planin the Tanaka Cabinet. As a result, government bonds were the inflated in the late 1970s. Thepaper therefore concludes that we should call them Tanaka government bonds policy.
著者
大塚 英明
出版者
日本保険学会
雑誌
保険学雑誌 (ISSN:03872939)
巻号頁・発行日
vol.2016, no.635, pp.635_21-635_41, 2016

今次の募集制度改革では,平成12年に規制緩和の流れの中で認められた「代理店と雇用関係にない使用人」による募集が見直され,新監督指針では,使用人は実質的に代理店との間に雇用契約の締結を要求されるようになった。しかもそこでは保険業法275条3項が強く意識されているため,「雇用関係にない委託型募集人は募集再委託の禁止に抵触する」という表面的・定式的な論法が定着しつつある。そのためにとくに「委託型」損保代理店の現状を混乱させることのないよう,ある種の妥協案さえ提示された。しかし,そもそも募集再委託の禁止は,絶対的な原理なのであろうか。そして,募集人の「適切な教育・管理・指導」は,本来,募集再委託の禁止とどのような関係で捉えられるべきなのであろうか。本稿はこれらの点をあらためて検討することにより,「募集」と「教育・管理・指導」の一致こそこの問題の本質であり,代理店の自立・自律を志向する募集体制変革においては,委託型募集人の現状よりはむしろ募集再委託禁止という理論の側を見直すべき可能性があることを提言する。