著者
板谷 浩男 夏川 遼生 守屋 年史
出版者
日本鳥学会
雑誌
日本鳥学会誌 (ISSN:0913400X)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.185-191, 2022-10-24 (Released:2022-10-31)
参考文献数
27

都市部における人口増加に伴い,人為活動が都市近郊に生息する猛禽類に悪影響を与えることが懸念されている.本研究では,東京都内の都市近郊に生息するオオタカ Accipiter gentilis の繁殖成功率を調査し,立入制限区域内外での占有巣間の繁殖成功率を比較した.その結果,立入制限区域内の巣では区域外の巣よりもおよそ3倍高い繁殖成功率を示した(63.6% vs. 21.4%).この結果は,都市近郊に生息するオオタカであっても人為活動に対して寛容であるとは限らないことを示唆しており,営巣林での人為活動を制限することが重要と考えられる.
著者
守屋 純二 竹内 健二 上西 博章 赤澤 純代 元雄 良治 橋本 英樹 金嶋 光男 小林 淳二 山川 淳一
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.87-93, 2014 (Released:2014-10-17)
参考文献数
25
被引用文献数
1

慢性疲労症候群(Chronic Fatigue Syndrome : CFS)は6ヵ月以上持続する,休息後も改善しない強い疲労感を主症状とする。発熱,睡眠障害,頭痛などの症状を呈し,著しく生活の質が損なわれる。原因として,ウイルスによる先行感染,免疫学的な変調,中枢神経系の,特に海馬における形態的・機能的変化などが報告されている。しかし,明らかな原因は不明で,診断マーカーや治療法は確立していない。今回報告する症例は16歳男子高校生で,インフルエンザ罹患後の持続する発熱と強度の倦怠感などを主訴とした。既に複数の医療機関において約1年間の精査・加療を受けるも原因は不明で,CFSと診断された。当科紹介時に再度CFSの診断基準を満たすことを確認し,三黄瀉心湯エキス7.5g/分3とデュロキセチンを併用したところ,4週後には疲労・倦怠感は軽減した。しかし,熱型は不変,食欲低下を認めたため,補中益気湯エキス7.5g/分3を追加したところ,劇的に症状が改善した。西洋医学的に治療に難渋するCFS のような疾患に対して,漢方治療が有効な治療方法として使用できると考え報告する。
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
小山 有子 守屋 孝典
雑誌
FAB
巻号頁・発行日
vol.3, pp.39-51, 2022-12-01
著者
銅冶 英雄 村田 淳 浅野 由美 守屋 秀繁 吉永 勝訓
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.44, no.5, pp.286-292, 2007-05-18 (Released:2007-06-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1

The purpose of this study was to resolve the confusion existing in the terminology for describing foot motion, particularly the definitions of inversion and eversion. First, the definitions of foot motion used by the Japanese Association of Rehabilitation Medicine and the Japanese Orthopedic Association were compared with those used by the American Orthopaedic Foot and Ankle Society (AOFAS) and with those used by the International Society of Biomechanics (ISB), to identify agreements and differences. Next, the terminology utilized in the literature was explored by examining several major textbooks and related academic papers retrieved through a search of the PubMed medical literature database. In the definitions of AOFAS and ISB, inversion and eversion, which correspond to triplane motions in the definition used in Japan, were regarded as motions in the coronal plane. Terminology in the textbooks was very diverse. Of the 141 academic papers explored, 92 papers (66%) regarded inversion/eversion as coronal plane motion, and 4 papers (3%) regarded it as a triplane motion. In the remaining 43 papers (31%), the definition was unspecified. In academic articles addressing foot motions, to avoid confusion in terminology, the definitions of inversion and eversion need to be specified.
著者
守屋 文葉
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.12-20, 2013-04-01 (Released:2013-04-01)
参考文献数
2
被引用文献数
1 1

世界各国には多数の図書館コンソーシアムが存在する。本稿ではその中からイギリス,フランス,韓国,カナダの事例を紹介し,それらと比較しながら,大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)の組織と活動を概観する。また,2013年度から会員制への移行と会費の徴収が行われるが,その意義について述べる。

5 0 0 0 金毘羅信仰

著者
守屋毅編
出版者
雄山閣出版
巻号頁・発行日
1987
著者
守屋 進 大澤 隆英 渡辺 健児 中野 正 永井 昌憲 多記 徹 金井 浩一
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集E (ISSN:18806066)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.790-797, 2006 (Released:2006-11-20)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本報告は,ISO/TC156に採択された国際共同暴露試験地の1つである駿河湾大井川沖に設置された海洋技術総合研究施設において実施された重防食塗装系の海上暴露試験結果である.下塗りに厚膜形ジンクリッチペイントを用い,上塗にふっ素樹脂塗料を用いた重防食塗装系は海上暴露という厳しい腐食環境下でも20年を経過しても良好な防錆性と耐侯性を有することが確認できた.一方,重防食塗装系でもエッジ部でさびが発生しているものがあり,エッジ部の防錆対策が重要であることが認識された.
著者
守屋 以智雄
出版者
駒澤大学
雑誌
北海道駒澤大學研究紀要 (ISSN:02866978)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.A107-A126, 1975-01
被引用文献数
6

Considerable parts of the foots of stratovolcanoes are occupied with volcanic fans composed of stratified tuff breccias. A volcanic fan has smooth and gentle slopes which are 3-16km in length, 300-700m in height, 2.5-7 degree in gradient, 20-30km in area and linear in profile. In many volcanoes some volcanic fans connect with one another and build confluent volcanic fans surrounding the stratovolcanoes. A volcanic fan is composed of stratified tuff breccias which are chaotic mixture of volcanic sub-angular breccias and their fine materials. As a distance from the center of a volcano increases, roundness of breccias, sorting of the deposit and the fine materials in the deposit increase. The stratified tuff breccia may be a deposit composed of volcanic detritus which flows down along valleys as a density flow caused by heavy rain-falls. Volcanic fan may have been progressively made through all the time of building of the volcano. And it may have been actively made in the stage when pyroclastic materials were mainly produced. But climatic change may have exerted upon development of the volcanic fan.
著者
守屋 以智雄
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.123, no.1, pp.89-122, 2014-02-25 (Released:2014-03-07)
参考文献数
43
被引用文献数
5 5

The evolution of 84 volcanoes in the Philippines is outlined geomorphologically on the basis of interpretations of volcanic landforms using aerial photographs, topographic maps, satellite images, and geomorphological and geological field surveys. Fifty-six stratovolcanoes, three caldera, three lava domes, four scoria cones, four lava fields, and 10 shield volcanoes are identified. Large basaltic volcanoes such as lava fields and shield volcanoes were found unexpectedly in subduction zones. No lava field or shield volcano has been discovered on the Japanese Islands. Among the 34 subduction zones in the world, 19 do not have lava fields or shield volcanoes. Two oblique subduction zones form the Philippine Fault Zone. The fault zone mostly coincides with the eastern volcanic zone. At the southwestern part of Mindanao Island, a volcanic chain, consisting of Bulibu, Basilan, and Cagayan Sulu lava fields, Balatukan, Mangabon, Katangrad, Kalatungan, Makaturing, Bacolod, and Pagayawan shield volcanoes, and Pagadian lava domes (monogenetic volcanoes) trends northeast-southwest, in parallel with the trenches and main arcs. The association of the volcanoes with the trenches and arcs suggests that the volcanic chain is a marginal sea ridge between Sulu Sea and Celebes Sea and that the back-arc basin ridge might have extended under Mindanao Island from Moro Gulf to the northern part of Mindanao Island.
著者
吉永 進一 安藤 礼二 岩田 真美 大澤 広嗣 大谷 栄一 岡田 正彦 高橋 原 星野 靖二 守屋 友江 碧海 寿広 江島 尚俊
出版者
舞鶴工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、仏教清徒同志会(新仏教徒同志会)とその機関誌『新佛教』に関して、基礎的な伝記資料を収集しつつ、多方面からモノグラフ研究を進めた。それにより、新仏教運動につながる進歩的仏教者の系譜を明らかにし、出版物、ラジオ、演説に依存する宗教運動という性格を分析した。新仏教とその周辺の仏教者によって、仏教の国際化がどう担われていたか、欧米のみならず他のアジア諸国との関係についても論証した。
著者
市川 雷師 守屋 達美 保坂 辰樹 福西 智子 沖崎 進一郎 小川 顕史 鈴木 貴博 松原 まどか 高田 哲秀 田中 啓司 藤田 芳邦
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.7, pp.495-500, 2010 (Released:2010-08-19)
参考文献数
19
被引用文献数
2

症例は65歳の男性.2型糖尿病で食事療法,インスリン療法を受けていたが,HbA1cは7~9%台であった.2008年9月下旬感冒を契機に食思不振となり,インスリン注射を中断した.10月12日意識障害,異常行動を主訴に当院を受診し,糖尿病性ケトアシドーシス(Diabetic ketoacidosis:以下DKAと略す)の診断で入院した.第2病日から腹痛を訴え,腹部CTで門脈ガスを認めた.腸管壊死を疑い上腸間膜動脈造影を行なったが,血栓や閉塞はなく非閉塞性腸管虚血症(Nonocclusive mesenteric ischemia:以下NOMIと略す)と診断した.血管拡張薬の持続投与も効果なく,第3病日緊急手術を施行し救命できた.NOMIは特徴的所見がなく診断が困難であり死亡率も高い.DKAでは腹痛を訴える症例が少なくなく,鑑別としてNOMIも念頭に置き診療にあたる必要がある.