著者
小澤 哲也 山田 洋 佐藤 弘二 小島 健 薮上 信 小林 伸聖 中居 倫夫 荒井 賢一
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
Journal of the Magnetics Society of Japan (ISSN:18822924)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-7, 2013-01-01 (Released:2013-01-08)
参考文献数
12
被引用文献数
10

We report the results we obtained from applying a magnetic system to detect cracks using a thin film magnetic field sensor to measure the hole of aluminum. The thin film magnetic field sensor consisted of a coplanar line and amorphous CoFeSiB film. The main characteristic of the sensor is that the phase of the carrier signal changes when a magnetic field is applied. The sensitivity of the developed sensor was 70 deg./Oe. We used the thin film magnetic field sensor in an experiment to measure leakage magnetic flux from the surface of the aluminum while applying an AC magnetic field to the aluminum. The surface of the aluminum was scanned by an electric stage with a motor. The phase value of the sensor was converted to a voltage value, and then measured with a lock-in amplifier. As a result, the hole of aluminum was detected by measuring the distribution of the leak magnetic flux on the aluminum surface.
著者
柳澤 慧 高橋 陸 中村 文彦 住谷 陽輔 飯田 良 新田 明央 倉 千晴 戸口 侑 小島 遼人 藤吉 隆雄
出版者
北海道大学高等教育推進機構 高等教育研究部 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.145-154, 2015-12

記者発表による市民への情報伝達過程では,情報はおおむね研究者,広報担当者,ジャーナリスト,市民の順で伝わる.そこで,記者発表に関与する専門職と考えられる研究者,広報担当者,ジャーナリストの役割を考え,情報伝達過程における課題と解決策を博士後期課程1 年次の大学院生の視点から考察した.市民に研究成果を届ける記者発表をする理由は二つある.税金を原資として運営する研究の市民に対する説明と,「トランス−専門知」が関わる領域での社会の意思決定のための情 報提供である.ここで記者発表をめぐる課題は六つ挙げられるだろう.研究成果の間違った理解と伝搬,研究成果の強調,社会からの関心の研究成果以外への集中,研究者個人と組織の立場の相反,研究不正や倫理的問題の発覚,そして,市民・ジャーナリスト・科学者の態度の違いである.これらの課題の解決策はおおむね,それぞれの専門職としての役割の認識と倫理教育,情報のフィードバック回路の形成に大別できる.ここから,記者発表に関わる三者の役割の違いを認識したうえで, 規範と現実の食い違いは生じるとの前提でシステムの設計をするのが重要である.そして,その設計において大事なことは認識のずれを許容し吸収する仕組みの準備である.そのためには,バッファーとしての役割を担う中間的専門家が活動できる基盤が必要である.
著者
小島 理永
出版者
国際学院埼玉短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02896850)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.45-52, 2007-03

コンテンポラリーダンス作品上演過程において,ダンサーが得るフロー体験について日本語版FSSを用いて質問紙調査を行った。調査時期はコンテンポラリー作品上演過程における,作品完成時,ドレスリハーサル時,本番終了時に設定した。その結果,ダンサーは,以下のようなフロー体験を行っていた。1)ダンサーは,作品完成時,ドレスリハーサル時,本番終了時の各過程において,自己目的的活動を行っており,明瞭な目標をもっていた。2)ダンサーは,作品完成時,ドレスリハーサル時,本番終了後において,作品を踊る際に時間感覚の変化に有意差があり,(p<O.Ol)特に本番終了時において変化を感じていた。3)ダンサーは,作品完成時やドレスリハーサル時に比べて,作品上演時に行為の自動化,コントロール感を得ていた。4)作品完成時,ドレスリハーサル時,本番終了時におけるフロー体験では,作品完成時と本番終了時に有意差がみられた(p<0.05)。従って,コンテンポラリーダンス作品上演においてダンサーは,舞台上演に際してよりフロー体験を得やすい。また,ダンサーとコレオグラファーとの相互関係について,ダンサーは常にコレオグラファーより与えられた振付や演出を,常にアフォードされており,その環境と自らの行為を適合していることが明らかとなった。
著者
山本 杏子 小島 隆矢
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.80, no.710, pp.323-330, 2015 (Released:2015-05-12)
参考文献数
18
被引用文献数
2

This study examines the model of evaluation structure by experience value in a comedy theater. First surveys researched the factor of strategic experiential modules in comedy theater was decided by factor analysis. Second surveys researched the factor and evaluation structure which affects ACT. Third surveys researched the evaluation-structure model by comparison with theater types and user type. The results are as followings: 1) The factor of FEEL“the upsurge of emotions” and THINK “attachment” affects the ACT “revisit” intention of a theater. 2) The "evaluation-structure model" differed, depending on ACT and the types of theaters
著者
中島 喜代子 小島 里英 服部 いつか
出版者
三重大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要 (ISSN:13466542)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.13-21, 2013-03-01

本研究では、まちづくりに対する主体的な参画意識を育成するまちづくり学習の手法の一つと考えられる「こどものまち」を小学生対象に実践し、における意識について調査を行い、「こどものまち」が子どもに与える影響を明らかにし、「まちづくり力」について検討した。その結果、以下の知見を得た。(1) 本研究で定義したまちづくり力の要素である課題発見力、総合的思考・判断力、技能・表現力、コミュニケーション力、実践力のすべてがこどものまち体験を通して、向上したことが明らかとなった。(2) 技能・表現力とコミュニケーション力においては、店づくりや売り物品づくり、班での活動などまち体験を通じて実感しやすい部分で大きな影響を与えていることが明らかになった。しかし、擬似的なまち体験から自分のまちに直接つなげて考えることはやや困難であり、課題発見力や総合的思考・判断力における影響は小さい。(3) こどものまちの楽しさの側面では、働く楽しさなどが事前の期待より体験後の楽しさを感じる度合が最も大きくなっており、「こどものまち」は消費者の体験のみでなく、働く体験が子どもに大きく影響を与えていることが明らかになった。
著者
小島 洋一郎
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌E(センサ・マイクロマシン部門誌) (ISSN:13418939)
巻号頁・発行日
vol.124, no.4, pp.150-151, 2004 (Released:2004-07-01)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

In this paper, the waveform of an ultrasonic wave with frequency of approximately 5 MHz propagating through various taste solutions was measured. Furthermore, these solutions were investigated by using surface plasmon resonance (SPR). As a result, differences among solutions were clearly observed. Therefore it was found that the possibility of taste sensing using ultrasonic wave and SPR was obtained from taste solutions.
著者
青木 正博 梶野 リエ 小島 康 藤下 晃章 佐久間 圭一朗 竹田 潤二
出版者
愛知県がんセンター(研究所)
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、マウス生体での機能に基づいた探索により大腸がんの転移制御因子の同定を試み、HNRNPLLというRNA結合タンパクを見出した。大腸がん細胞でHNRNPLLの発現を低下させると転移能や浸潤能が亢進した。さらにHNRNPLLは、(1) CD44というタンパクをコードするpre-mRNAの選択的スプライシングを調節して大腸がん細胞の浸潤を抑制すること、(2) 大腸がん細胞の上皮間葉転換の際に発現が低下すること、(3) DNA複製因子をコードするmRNAの安定性を高めて大腸がん細胞の増殖を促進することを明らかにした。
著者
小島 清信 徳田 英幸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.148-160, 2015-01-15

講演会などイベント活性化のため,口頭によるコミュニケーションと並行してTwitterのハッシュタグを利用したオンライン上の会話が利用されている.一方,時間順に各々の投稿を同等に扱うため,件数が増加すると,投稿を逐一確認する認知負荷が高くなる.この問題を解決すべく,興味のあるトピックを参加者が短い文字数で入力し,リアルタイムで相互投票によるランキングを集計するTokenCastシステムを設計・実装し,講演会や勉強会などで運用した.その結果,傾向を把握しやすくする効果にとどまらず,興味を高めるのに時間がかかるようなトピックについて参加者の興味をあぶり出す効果が観測され,投票者数の多い55件のトピック中の22%が該当した.この現象を本稿では,"コミュニティの共振現象"と名付けて分析を行い,共振の要件を示した.参加者間で価値の発見が連鎖することにより,後から重要なものを見落とさないだけでなく,イベント自体を創発的な場に変化させる効果を持つ.Recent open conferences sometimes use Twitter to establish supplemental communication channel identified by hashtags. Still, many posts may cause a heavy cognitive load to track them for both speakers and participants because each post has the even priority and is listed in chronological order. We designed a real-time ranking system, TokenCast, which allows participants to post and vote their interests in short words as hashtag. Through experimental operation in some lectures, the trends of topics were aggregated even if spams exist. In addition, the system helps participants to extract their hidden interests by taking longer time than their straight interests. We found that 22% of top 55 topics were brought by this effect, which we name as social resonance, and discuss the requirement to bring the effect. The chain of discoveries by some participants helps others to find important topics and will help the conference to increase innovative interaction.
著者
安形 麻理 小島 浩之 上田 修一 佐野 千絵 矢野 正隆
出版者
日本図書館情報学会
雑誌
日本図書館情報学会誌 (ISSN:13448668)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.129-147, 2014-12-31

本稿の目的は,4年生大学図書館,大学院大学図書館,国立国会図書館,都道府県立図書館に悉皆質問紙調査を行うことにより,日本の図書館におけるマイクロ資料の保存の現状を把握することである。902件(回収率62.8%)の有効回答と予備調査4件の合計906件を分析した結果,回答館の52.3%にあたる474館がマイクロ資料を所蔵していた。マイクロ資料を所蔵している回答館のうち,47.5%がマイクロ資料を長期保存の媒体と位置付け,30.0%が1年に1回程度以上の頻度で受け入れを続けていること,11.4%の図書館で所蔵数が把握できていないこと,44.3%の図書館で代表的な劣化であるビネガーシンドロームが発生しているが,24時間の空調管理は31.6%,湿度設定は22.7%のみで可能であることなどが明らかになった。ビネガーシンドロームは加水分解により発生,進行するため,湿度の管理が非常に重要となるが,根本的な対策である環境改善が進んでいない現状が確認された。
著者
小島 一秀 渡部 広一 河岡 司
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第58回, no.人工知能と認知科学, pp.199-200, 1999-03-09
著者
小島 孝之
出版者
成城大学
雑誌
成城国文学 (ISSN:09110941)
巻号頁・発行日
no.32, pp.28-45, 2016-03
著者
小島 芙美子
出版者
国立音楽大学
雑誌
音楽研究 : 大学院研究年報 (ISSN:02894807)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.49-64, 2009

ヨハン・ゼバスティアン・バッハJohann Sebastian Bach(1685~1750)のカンタータ第199番《私の心は血の中を泳ぐMein Herze schwimmt im Blut》(1713年初演)は、数少ないソプラノ・ソロ・カンタータ作品の1つである。そして、私自身が実際に、初めてバッハのカンタータ全曲の演奏に取り組んだ、思い出深い作品でもある。詩人ゲオルグ・クリスティアン・レームスGeorg Christian Lehms(1684〜1717)は、歌詞台本の中に、「私」という人物を登場させ、その心の変容、すなわち「悔い改め」のプロセスを描いた。「悔い改め」とは、キリスト教の信仰において、最も重要な心的行為の1つである。それは、深いルター派プロテスタント信仰を持っていたバッハの宗教曲を理解するために、重要なキーワードになっている。では、バッハは、「悔い改め」をどのように表現したのであろうか。その問題を考察していく最初の手がかりとして、カンタータ第199番を取り上げた。聖書、及びルター派プロテスタント思想の理解をまず念頭に置きながら、カンタータ全曲の歌詞を研究していった結果、バッハのカンタータのテキストが、単に自由詩であるのではなく、詩人レームスのとても深い聖書理解と、整合された聖句箇所の組み合わせによって、テキスト全体が成り立っていることを、改めて実感することができた。この作品では、「私」が主人公である。演奏するものにとっても、「私」は私自身に置き換えられる。それは、ひとつ間違えると、曲の持つすさまじいまでの感情に、演奏者が埋没しかねないことをも意味する。しかし、第4曲目の「悔い改め」のアリアが持つ、その穏やかな音楽の中で、演奏者、そして聴き手は、なんともいえない安らぎに満たされることだろう。それは「悔い改め」という概念が、人にとって、宗教や時代という枠を超えた、普遍的なものであるからなのかもしれない。バッハの声楽曲を演奏する者は、歌詞(言葉)の理解を第一に求められる。そこで今回の論文は、作品に用いられたテキストの理解を研究の目的としている。
著者
保井 孝太郎 竹上 勉 小島 朝人 松浦 善治 宮本 道子 木村 純子 KIMURA-KURODA Junko 荻本 真美
出版者
(財)東京都神経科学総合研究所
雑誌
試験研究
巻号頁・発行日
1989

日本脳炎ウイルス(JEV)が属するフラビウイルスは、世界中に70種にのぼるウイルス種が存在しており、総合的で有効な対策が待たれている。現在黄熱病ウイルス、JEV、ダニ媒介脳炎ウイルスに対する生および不活化ワクチンが使用されているが、それぞれに問題点を含んでおり新しい形のワクチンの開発が要請されている。そこで、組換えDNA技術を用いてJEVに対する新しいワクチンの開発をはかり、他のフラビウイルスに対するワクチンの開発の基盤となる技術的・方法論的知見を提供することを目的として、研究を行なった。組換えバキュロウイルスおよびワクチニアウイルスを用いた研究によって、以下のことが明らかになった。1,ウイルス粒子エンベロ-プに存在する構造蛋白E,preM,Mは、ポリプロテインとして合成された後、細胞の酵素によって切断プロセシングされて完成する。2,これらの蛋白の上流にはシグナル配列があり、正常な抗原構造を持った構造蛋白を発現させるためには、正常にプロセシングされることが必要である。3,ウイルス粒子上のE蛋白は、E蛋白単独またはpreM,M蛋白とともにオリゴマ-を形成しており、モノマ-状態のE蛋白に比べて抗原的に安定であり免疫原性も高い。4,E蛋白をオリゴマ-粒子として細胞外に大量に産生・放出させ得る、組換えウイルス発現系を開発することができた。5,蛋白上の中和抗体エピト-プの位置を明らかにできた。6,E蛋白の一部分と融合し、中和などの特定にエピト-プのみを含むHBsAg粒子を産生する系を、開発することができた。以上の成果から、JEVを初めとするフラビウイルスの新しい人工コンポ-ネントワクチンを開発するための基本的な方法を提示することができたと言える。