著者
石田 浩 陳 禮俊 小島 泰雄 川井 悟 潘 志仁
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

平成13年度〜平成15年度の研究実績は以下の通りである。中国農村実態調査は毎年夏、計3回実施し、初年度は上海市奉賢区Q鎮T村、2年目は上海市南匯区D鎮C村と上海市奉賢区Q鎮B村、上海市宝山区Y鎮S村、3年目は上海市松江区X鎮C村と松江区C鎮X村で、村幹部から村経済概況をインダビューし、農家を訪問して直接農民から聞き取り調査を行い、農家アンケート調査を実施した。さらに、比較研究の視点から内陸の成都市近郊農村、青島市近郊農村や杭州市近郊農村でも実態調査を行った。また、農村の工業化と都市化の進展が著しい江蘇省昆山市・蘇州市・呉江市、上海市区の松江区といった長江デルタでの労働力移動の分析を行うため、工業開発区や輸出加工区での聞き取り調査を実施した。特に、こられの工業開発区や輸出加工区に投資する外資系企業を訪問して、労働力の流動を中心に就業者の出身地や雇用条件などについてインタビューを行った。また、長江デルタと珠江デルタの農村開発を比較するために、珠江デルタの深〓市や東莞市などの日系企業と台湾系企業を訪問し、これら企業に就労する内陸農村からの出稼ぎ労働力についてインタビューを行った。これらの調査研究に基づいて、計19回の定例研究会を実施し、そのうち4回の研究合宿と2回の公開シンポジウムを開催した。それぞれの公開シンポジウムでは上海財経済大学の研究者3名と重慶社会科学院経済研究所の研究者3名を招聘して研究報告と討論を行った。これらの研究成果は論文として発表されているが、私たちの共同事業として平成14年度には研究成果中間報告書(全161ページ)を、平成15年度には研究成果報告書(全228ページ)を作成した。研究成果報告書はさらに検討を加え、出版助成金を得て公開する予定である。
著者
小島 紀徳 長嶺 淳
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.237-242, 2010-07-20

二酸化炭素問題の対策技術の一つとして,資源量が豊富である岩石の風化反応に注目した.しかしながら,岩石を利用する対策技術では,その風化反応速度は遅く,その反応速度がネックになると予想される.本研究では,基礎的知見を得るために,様々な珪酸塩鉱物について,速度論的検討を行った.<br>実験は,二酸化炭素飽和水を用意し,粉末状の鉱物を加え,恒温槽内(25°C)で撹拌を行いながら,二酸化炭素を流し続けた.そして,一定時間経過後,一定量採取し,手早くろ過し,ろ液からの再沈澱を防ぐために硝酸を加え,液中の主成分元素を定量した.<br>溶解反応は,瞬間的な溶出過程・一次的な濃度増加過程・風化反応の平衡からなることがわかった.さらに,風化反応の律速段階は,鉱物表面上に存在することから,風化反応速度を表面積当りの溶解速度として求めた.速度は2.1×10<sup>−5</sup>–7.3×10<sup>−4</sup> mol/(m<sup>2</sup>· h)の範囲であり,中でもCaを主成分とするCaSiO<sub>3</sub>,CaCO<sub>3</sub>の溶解速度が速いことがわかった.
著者
小島 輝之 山本 康高 吉川 大弘 古橋 武
出版者
日本感性工学会
雑誌
感性工学研究論文集 (ISSN:13461958)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.63-70, 2007-05-31 (Released:2010-06-28)
参考文献数
11

The purpose of this study is to visualize the impressions on words between two subjects. We employ Semantic Differential (SD) method that is one of the most popular methods to quantify individual subjectivity. The number of dimensions of eachi mpression word is same with that of objects in SD data. It needs to be reduced to less than three dimensions for visualization. This paper proposes the visualization method which focuses on correlations of SD data between two subjects. The impression words are visualized on three-dimensional space where impression words having high correlation between two subjects' SD data are put close one another. We can investigate and discuss the similarities/differences of impression words between two subjects through this visualized space.
著者
小島 正美
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.132, no.5, pp.555-559, 2012 (Released:2012-05-01)

A lot of healthcare professionals experienced annoyance with biased mass media news regarding medical and health issues. In this paper, I propose “news profiling method” and “media guideline” to improve the medical and health journalism.
著者
櫻井 しのぶ 小島 照子 小島 照子 中野 正孝 池田 浩子 櫻井 しのぶ
出版者
三重大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

平成11年度に行われた研究の結果、「女性」では、従来からの「女性性」を表現する言葉が多く挙がる一方で、「心・芯は強い」という従来には見られなかった女性性の概念が抽出された。また「男性」では、「たくましい」「強い」「頼りになる」等の、従来の「男性性」と一致した表現となっていた。しかし「女性」とは反対に「気が弱い」等の精神的な弱さを挙げた者も多く、これらの傾向は20代の対象者に強く見られた。これらを元に、平成12年度は、「看護」との関連性に焦点を当て調査した。分析した結果では、「看護」に対し、「優しい」「大変・しんどい」「強い・強い精神力」という項目が上位を占めた。さらに、「女性・女性中心の仕事」という項目も、対象者の10%が挙げていた。また、看護に対するイメージと「女性性」、「男性性」としてあげられた項目において、共通する言葉を分析したところ、「女性性」との共通の方が有意に高いことが確認できた。以上の結果から、一般の人々が抱いている「看護」に対するイメージは、従来の「女性」をイメージする「優しい」等と、新しい「女性」を表す「強い」というイメージの両方を持ち合わせていることが明確となった。看護教育を考える上で、「看護」と「女性性」というものが強く結びついていることを理解し、看護者は看護に対する伝統的な女性的役割である「やさしい」だけでなく、「頼りになる」「強い」という看護の側面も、社会的に要求されていることを事実として受け止めなければならない。以上の結果をもとに、現在論文を作成中である。
著者
籠田 勝基 岩瀬 俊男 小島 敏之 新山 雅美 波岡 茂郎
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.41, no.2, pp.131-138, 1979-04-25

非タンパク態窒素化合物の豚発育に及ぼす効果を知るために, クエン酸2アンモニウム(DAC)を用いて豚の飼養試験を実施した. 給与飼料は厳しい低タンパクの条件のもとで, 必須アミノ酸はNRC標準の要求量を満たすように添加し, 非必須アミノ酸が窒素の制限因子となるように設計された. すなわち, 1) 粗タンパク(Cp)含量6.4%, 非必須アミノ酸制限(基礎飼料区). 2) 基礎飼料+DAC 3.6%添加(DAC区). 3) DAC区とCPを等しくしたDAC無添加区(Positive Control, PC区)である. 消化エネルギーは各区とも3.3kcal/gとした. 平均体重22.5kgのsecondary SPF豚12頭を4群に分け, それぞれ単飼ケージに収容し, 1日2回の制限給餌で28日間飼養した. 日増体重および飼料要求率の測定とともに窒素代謝試験とHt, TP, BUNおよび血中アンモニアを測定した. DAC区の平均日増体重は508gで基礎飼料区の426gおよびPC区の455gより有意に高い値を示した(P<0.05とp<0.10). 飼料要求率は基礎飼料区3.14, DAC区2.86およびPC区2.94で基礎飼料区が他の区より高い傾向を示した. Ht, TPおよび血中アンモニアは何れの区でも正常範囲内にあり, 臨床所見からもアンモニア中毒は認められなかった. 以上の成績から, 非必須アミノ酸を制限因子とした飼養条件下ではDACが豚の発育に利用されることが明らかとなった.
著者
神薗 雅紀 西田 雅太 小島 恵美 星澤 裕二
雑誌
コンピュータセキュリティシンポジウム2011 論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.3, pp.474-479, 2011-10-12

近年の不正サイトは,マルウェアなどにより自動生成されたポリモーフィックなJavaScriptが利用され,他のURLに誘導する手法が多くみられる.著者らはこのようなJavaScriptの動的解析システムを開発したが,条件分岐やタイマー処理による遅延処理,さらにはイベント処理などにより期待した結果が一部得られないという動的解析技術の課題も存在した.そこで本稿では動的解析技術を用いずJavaScriptを分析するための新たな特徴点として,抽象構文解析木を用いる手法を提案する.そして,本手法の検証として,抽象構文解析木を用いて自動生成されたポリモーフィックなJavaScriptの検知および分類を行う.
著者
小島 憲之
出版者
岩波書店
雑誌
文学 (ISSN:03894029)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.p1-20, 1979-05
著者
田谷 修一郎 前原 吾朗 小島 治幸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.328, pp.49-52, 2006-10-19
被引用文献数
1

視覚刺激呈示中の後頭部の血流変化を近赤外分光分析(NIRS)によって計測した.刺激は7.5Hzで明暗が反転する直径12度の放射状チェッカーパターンであり,視野全体,もしくは上下左右に4分割した視野に呈示された.1計測セッションでは15秒の刺激呈時と30秒の休息を5回繰り返し,この間の後頭部の血流変化を3cm間隔で正方形状に配置した4×4のプローブによって計測した.呈示視野条件別にそれぞれ2セッションの計測を行った結果,下半視野に刺激が呈示される場合にのみ,刺激呈時視野に対応した領野で酸化ヘモグロビン濃度の上昇と脱酸化ヘモグロビン濃度の減少が認められた.
著者
小島 毅
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
vol.107, pp.1-87, 1988-10

Correlative cosmology was the heart of the political theory in justification of all the dynasties in China.Various kinds of natural anomalies showed Heaven's warning to the ruler against his political errors.This theory, which was established under Han dynasty, was still effective in Song, by changing its substance.It is explained in Chapter One how the correlative thought served political purposes in Northern Song.Some of the scholars criticized the schematized form that said a phenomenon was the response to one particular governmental misconduct, but they also relied on correlative theory.In Chapter Two, the samples are introduced from the texts on the crop losses by locusts and on the solar eclipses.While refuting Han schema, the scholars insisted that emperor should recfify his mind.When the Song philosophers were changing the schema, they were giving a higher position to the term of li (principle).As it is made clear in Chapter Three, in the new scheme of correlative theory, li was pursued in one's mind.
著者
小島 望
出版者
日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 = Japanese journal of conservation ecology (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.61-69, 2006-06-25
参考文献数
42
被引用文献数
2

セイヨウオオマルハナバチ排除活動(在来および外来マルハナバチのモニタリング)が2004年5月21-23日に北海道日高地方南部の鵡川町と厚真町で行なわれ、36人、延べ人数90人が参加した。排除活動中に捕獲または目撃された頭数を用いて外来種と在来種の比率を調べた結果、エゾオオマルハナバチに対するセイヨウオオマルハナバチの比率は前年度の約30倍に達した。本排除活動は、(1)セイヨウオオマルハナバチの実質的な抑制効果に加え、(2)研究者と市民の交流の場とすること、(3)次世代の人材育成を意識すること、(4)協賛企業を募ることを目的とした。外来種対策にとって最も重要な点は、ボランティア調査員を含め市民の参加を促し、研究者と協働することによって外来種問題を深く理解することにある。市民と研究者が協働で行なう外来種排除活動は、環境教育的な側面から外来種問題を訴える効果的な普及啓発の方法となり、かつ情報共有のための有力な手段となると考える。
著者
小島 大輔
出版者
地理科学学会
雑誌
地理科学 (ISSN:02864886)
巻号頁・発行日
vol.63, no.2, pp.49-65, 2008-04-28
被引用文献数
2

本稿の目的は,近年注目の集まりつつある都市観光(urban tourism)について,熊本市の都心の集客施設への来訪者の行動から,観光行動についての空間的特性とその規定要因を明らかにすることである。調査対象は,中心市街地およびそれに隣接し,熊本市の観光入込客数の上位に含まれる主要な集客施設である。分析は,熊本市内および熊本市外の2つの地域スケールについて行い,さらに,数量化III類によって両者の行動の関係およびその規定要因を検討した。分析の結果,熊本市は,熊本県内周遊,九州横断,および九州周遊という3つの主要な旅行ルートによって,階層的な観光流動に組み込まれていることが明らかになった。また,熊本市内における行動について,トリップ数の増加に伴い,行動が多様化し,さらに行動空間も拡大することが示された。さらに,現地への滞在時間の増大または来訪経験の増加によって,滴下効果が生じ,ツーリストの卓越する施設に加えてレクリエーショナリストの卓越する施設への来訪行動が現れることが確認された。
著者
安井 至 中杉 修身 高月 絋 松尾 友矩 小島 紀徳 川島 博之 山地 憲治 定方 正毅
出版者
東京大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1993

各研究分担者の研究課題については、各人の記述を参照されたい。ここでは、E40班全体としての研究活動について記述する。1.最終報告書の検討最終的な報告書の形態の検討を始めているが、現時点では、次のような形態を考えている。まず、当プロジェクト全体の結論を非常に分かりやすい形にまとめた一般図書を2冊発行する。1冊目は、新書として発行し、両方の図書ができるだけ多くの発行部数が期待できる形にしたい。この図書を目次として、さらに詳しく学術的にも厳密に記述された図書を何冊か発行するために、その企画を計画班の班長と共に検討した。2.共通データベースの構築E40全体としては、一般向けの報告書だけではなく、共通して利用できるデータベースの構築とその一般への公開を目指している。取り敢えず、なるべく多くのデータをコンピュータ可読の形にしておき、CD-ROMなどによるデータ提供を行う予定。3.電子的な手段による情報交換手法の活用E40内部の連絡は、できるだけe-mailなどの電子的な手法によって情報の交換を行い、その際に残った記録を上記データベースに活用できるような可能性を高めた。4.ビジュアルな方法論による結果の表示一般社会に結果をアピールするためには、最終的な結果が比較的短時間にしかもビジュアルなイメージとして受け入れられることが必要である。そのためには、WWW上で用いられる各種手法を検討しながら、最適な方法論を検討した。5.合宿形式による意思の統一本研究班は、以上のような日常的な情報交換によって結論への道のりを探るが、平成10年1月6日から7日に、豊橋ホリディインクラウンプラザにて合宿を行い、最終結論に向けての意見交換会をおこなった。
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 平海 晴一 山本 典生 坂本 達則 小島 憲 田浦 晶子 北尻 真一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって内耳発生に重要な因子が内耳再生医療に有用であることを発見した。細胞増殖制御因子p27Kip1を生後マウス蝸牛で抑制すると、増殖能がないとされていた生後哺乳類の蝸牛支持細胞が増殖した。HGFやEP4アゴニストが内耳障害の予防や治療に有用であることを発見し、そのメカニズムを解明した。Notchシグナルが、内耳内の細胞運命決定だけでなく感覚上皮前駆細胞の分化タイミングの制御や維持を担うことを発見した。

1 0 0 0 IR 雨の朝 : 詩歌

著者
小島 篤 [コジマ アツシ]
出版者
龍南會
雑誌
龍南
巻号頁・発行日
vol.181, pp.84-85, 1922-03-10
著者
小島 康夫 安井 洋介 折橋 健 寺沢 実 鴨田 重裕 笠原 久臣 高橋 康夫
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.88, no.5, pp.337-341, 2006-10-01 (Released:2008-01-11)
参考文献数
38
被引用文献数
3 4

東京大学北海道演習林では, 積雪期にエゾシカによる激しい樹皮剥ぎが発生し, おもに小径の樹幹が剥皮される。この演習林では, イタヤカエデ, イチイ, イヌエンジュ, ウダイカンバ, エゾマツ, オヒョウ, シウリザクラ, シラカンバ, ハリギリ, ハルニレ, ミズナラ, ヤチダモが森林施業や保全の上で重要である。われわれは, これら12樹種小径樹幹の内樹皮成分を分析し, 各成分とエゾシカの樹皮嗜好性との関連を検討した。エゾシカはイヌエンジュに対して低嗜好性を示したが, この樹種はアルカロイドを含む唯一の種であった。他の11樹種に関しては, エゾシカの樹皮嗜好性に対して灰分含有割合が正の, 酸性ディタージェントリグニン含有割合が負の関係をそれぞれ示した。