著者
小野 清美
出版者
千葉県立衛生短期大学
雑誌
千葉県立衛生短期大学紀要 (ISSN:02885034)
巻号頁・発行日
vol.3, no.2, pp.59-64, 1984

近年になり「フリーセックス」という言葉が流行し,性に対する考え方が解放的になってきた。そして,生殖と性欲の分離や,結婚に対しても,同棲などのように法律と結婚を区別したり,また,結婚のありかたか子を育てる場合とそうでない場合などを目標とするように,選択して性を生きる考え方が広まってきている。こうした状況下で生殖と性欲を分離する手段として避妊法がある。そこで若者たちの男女交際の実状,人工妊娠中絶の考え方,避妊知識と教育の必要性に焦点をあてた調査の結果を報告する。性教育をしていくための一資料になろう。なお,調査の手続きは以下のとおりであった。 調査期間--1983年5月23日 調査方法--無記名アンケート方式 調査対象--看護学科学生162名,歯科衛生学科学生41名。合計203名。全員女子。
著者
西 智弘 割田 悦子 上元 洵子 小野寺 馨 山中 康弘
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.556-561, 2012 (Released:2012-09-14)
参考文献数
11

【緒言】黄疸に合併する掻痒は, 抗ヒスタミン剤無効例が多く, 緩和に難渋する例がある. 近年, 掻痒に対するパロキセチンの効果が報告されているが, パロキセチン無効例への報告はまれである. 今回, パロキセチン無効の掻痒に対してミルタザピンが著効した1例を経験したので報告する. 【症例】56歳, 女性, 膵頭部がん・腹膜播種. 閉塞性黄疸に対してドレナージ術など行うも黄疸が遷延し, NRS (numerical rating scale) 9~10程度の, 抗ヒスタミン剤無効の全身掻痒が続いていた. 当院受診後, パロキセチンへ変更したが, 2週後にも掻痒は改善せず, 黄疸も遷延していた. しかし, ミルタザピンへ変更したところ, 翌日に掻痒はNRS 1となり, その後も掻痒の再燃は認められなかった. 【結語】パロキセチン無効の掻痒に対し, ミルタザピンは選択肢の1つとして重要である.
著者
若尾 純子 嶋寺 伸一 小野 滋 岩井 直躬
出版者
特定非営利活動法人 日本小児外科学会
雑誌
日本小児外科学会雑誌 (ISSN:0288609X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.327-330, 2011

症例は10歳女児.強い下腹部痛と尿閉を主訴に小児科救急外来を受診した.当初,腹部X線検査と腹部超音波検査にて腹腔内腫瘤が疑われたが,腹部CTおよび局所所見より処女膜閉鎖症による腟留血腫と診断し,MRIにて合併奇形のないことを確認した.手術では閉鎖した処女膜を輪状切開し,粘稠な旧血性内容液を350ml排出させた後,処女膜の切開縁を全周性に縫合した.術後経過は良好で,定期的な月経の発来を認めている.本症は比較的まれな疾患であり,新生児期および思春期に発見されることが多い.思春期例では外陰部の視診が躊躇されがちで,診断が遅れることがある.下腹部痛を主訴とする初潮未発来の年長女児においては,鑑別診断として本疾患を念頭におき,外陰部の視診を必ず行うことが重要である.
著者
小野 善康
出版者
北海道大学法学部
雑誌
北大法学論集 (ISSN:03855953)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1-58, 1976-08-02
著者
高宮 正之 渡邊 充 小野 莞爾
出版者
日本植物分類学会
雑誌
植物分類・地理 (ISSN:00016799)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.89-121, 1998-02-28

日本産ミズニラ属(Isoetes)植物のサイトタイプ6種について, 各々の形態学的・解剖学的形質と地理的分布について比較検討し, 分類学的取り扱いを整理した。その結果, 日本産ミズニラ属植物には, 以下の4種1雑種1変種が認められた:I. asiaticaヒメミズニラ(二倍体), I. japonicaミズニラ(六倍体), I. pseudojaponicaミズニラモドキ(新種;八倍体), I.× michinokuanaミチノクミズニラ(新雑種;ミズニラとミズニラモドキの種間雑種で七倍体), I. sinensis var. sinensisシナミズニラ(狭義;四倍体), I. sinensis var. coreanaオオバシナミズニラ(新称新組み合わせ;六倍体)。ミズニラモドキとミチノクミズニラは, 大胞子が網目状模様を, 小胞子が針状突起を持つことで特徴付けられる。ミズニラモドキは, 稔性のある胞子を作り有性生殖するのに対し, ミチノクミズニラは, 不稔性のF_1雑種である。シナミズニラとオオバシナミズニラとは, 葉の断面の形や, 小胞子の大きさ・孔辺細砲長などによって区別される。
著者
河内谷清久仁 古関 聰 小野寺 民也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌プログラミング(PRO) (ISSN:18827802)
巻号頁・発行日
vol.44, no.15, pp.13-23, 2003-11-15
被引用文献数
1

Javaでは言語の性質上,オブジェクトに対するロック操作が頻繁に行われる.これを高速化することは,システム全体の性能向上に非常に重要である.オブジェクトがそれぞれどのスレッドにロックされているかに着目した調査を行ったところ,特定のスレッドにのみ頻繁にロックされているという「スレッド局所性」が見られることが分かった.この性質に着目し本論文では,各オブジェクトごとに特定のスレッドに「ロック予約」を与え,ロック処理を高速化する手法について述べる.予約を持っているスレッドは,従来よりも軽い処理でそのオブジェクトのロックを行える.具体的には,従来ロック処理に不可欠と考えられていたcompare_and_swapなどの不可分命令ではなく,単純なメモリアクセス命令でロックを獲得/解放できる.予約者以外のスレッドがロックを行った時点でロック予約が解除され,以後そのオブジェクトは従来の方式でロックが行われる.この予約ロック機構を,IBM Java VMとJITコンパイラに実装し,いくつかのベンチマークを走らせたところ,従来のロック手法に比べて最大で53%の性能向上が確認された.In Java execution, lock operations are performed very frequently to realize exclusive oper-ations among multiple threads. Therefore, accelerating the lock performance has been very important to execute Java-based applications faster. We investigated the lock behavior of Java programs, focusing on the relation of each object and threads acquiring the object's lock. It turned out that for many objects, the lock is acquired by only one thread specific to the object, even in multi-threaded Java programs. By utilizing the thread locality, this paper shows a novel ultra-fast locking technique for Java. The algorithm allows locks to be reserved for threads. When a thread attempts to acquire a lock, it can do without any atomic operation if the lock is reserved for the thread. Otherwise, it cancels the reservation and falls back to a conventional locking algorithm. We have implemented the lock reservation mechanism in IBM's production virtual machine and JIT compiler. The results show that it achieved performance improvements up to 53%.
著者
佐藤 健司 小野 芳 三輪 弌 奥島 修二
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.26-31, 2006-08-31
被引用文献数
1 1

近年,ポーラスコンクリートを多自然型護岸に採用する事例が増加しているが,多自然化効果を検証した事例は少ない。そこで,ポーラスコンクリート水路と従来型のコンクリート水路および土水路について動植物調査を行い,ポーラスコンクリートに形成される生物生息環境の特性把握を試みた。その結果,ポーラスコンクリート水路はコンクリート水路と比較して多くの動植物が生息することが明らかとなった。また,ポーラスコンクリート水路内に形成される環境は植生域,底泥域,砂礫域に大別され,それぞれの環境に適応した生物が生息していたため,水路全体の生物多様性を作り出していた。
著者
麻生 英樹 高崎 晴夫 小野 智弘 土生 由希子 竹中 毅 本村 陽一
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J95-D, no.4, pp.846-854, 2012-04-01

推薦などの個人化サービスでは,ユーザの購買履歴やWeb閲覧履歴等のライフログ情報を利用してユーザの嗜好等を推定し,個々のユーザに適応したサービスを実現している.システムが自分の購買履歴等の情報を収集・利用することについて,漠然とした懸念を感じているユーザも多く,米国を中心とした調査では,インターネット上のプライバシーに関する懸念がサービスの利用意向に負の影響を与えることが示されている.我々は,ライフログ等のパーソナルな情報を利用する個人化情報サービスの利用意向とパーソナル情報の二次利用の受容性に関する大規模なインターネット調査を実施した.調査においては,様々な属性をもつ模擬サービスを60種類構築し,4,000名を超える被験者に対してサービスを体験してもらった後にアンケートを行った.本論文では,そこで得られたデータに構造方程式モデリングを適用して,推薦サービスの利用意向に影響を与える因子の分析を行った結果について報告する.
著者
小野 哲也 池畑 広伸
出版者
東北大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1996

環境中の変異原物質が少量づつ長期間にわたって働いた時のリスクが大量で1回作用した時に比べどのように変わるかを理解するために、マウスの肝臓と皮膚、睾丸のDNAへの突然変異誘発効果を指標として調べた。使用したマウスは大腸菌のlacZを含んだラムダゲノムDNAを導入されたMutaマウスを用い、変異原としてはX線と紫外線(UVB)を用いた。4GyのX線を1回照射してから16週後の突然変異頻度は肝で(12.76±2.12)×10^<-5>、睾丸で(13.26±3.22)×10^<-5>であった。同じエイジの非照射マウスの自然突然変異はそれぞれ(7.63±1.41)×10^<-5>、(7.14±1.07)×10^<-5>であったので誘発された分は5.13×10^<-5>、6.12×10^<-5>と計算された。一方、1回0.15GyのX線を週3回づつ、6ヵ月間(総計11.7Gy)照射後16週目でみた突然変異頻度は肝と睾丸でそれぞれ(17.36±5.01)×10^<-5>、(17.18±3.66)×10^<-5>であり、同じエイジでの自然突然変異頻度は(10.73±1.39)×10^<-5>、(9.06±1.04)×10^<-5>、で、誘発された量は6.63×10^<-5>、8.12×10^<-5>であった。これらの値から1Gy当たりに誘発された量を比較してみると少線量多数回照射では1回照射の時に比べ肝でも睾丸でも約45%に減少している。これは変異原に曝される時に少量づつを繰り返して行われた時のリスクは1回で曝露された時のリスクに比べ半減することを示唆している。しかもその量は肝でも生殖細胞でも変わらない。生殖細胞での値は以前にRusselらが数百万匹のマウスを使って得られた値である1/3にほぼ類似した値である。次に皮膚組織での影響を知るべく紫外線による突然変異誘発効果を調べた。0.5kj/m^2までのUVBは皮膚の紅斑を起こさず、しかも突然変異を誘発することを確認した。この線量を1日1回づつ4日連続して照射した所約250×10^<-5>の突然変異頻度が得られた。これは0.5kJ/m^2を1回照射した時の1J/m^2当たりの変異誘発率に比べると約70%であり、紫外線による突然変異誘発についても、分割された曝露は1回曝露でのリスクより少なくなることが示唆された。ただし、ここで行った実験は予備的なものであり、線量や曝露間隔などについてさらに検討する必要がある。
著者
加納 千恵子 衣川 隆生 小林 典子 酒井 たか子 小野 正樹
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

非漢字圏学習者の漢字語彙処理能力を字形識別力、意味理解力、読み処理能力、書き処理能力、用法処理能力、音声処理能力などの観点から測定するための標準テストを開発した。平成12年度は、筑波大学留学生センター及び米国カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)において予備テスト(第1版テスト)の実施・検討を行い、本テストに関する資料を準備し、次年度以降のテスト実施に協力してくれる機関、教育関係者に連絡を行った。平成13年度は、本テスト(第2版テスト)を完成し、筑波大及びUCSDにおいて実施、受験者のデータを収集した。また、テスト資料および実施マニュアルを作成し、本研究の協力校として米国ハワイ大学の日本語教育担当者に配布、3月に打合せと研究成果報告を行った。平成14年度は、第2版テストの結果の分析・考察を行って標準化を図り、その研究成果を米国カリフォルニア大学サンディエゴ校で7月11日〜14日に開催された第3回「日本語教育とコンピュータ」国際会議『CASTEL/J2002』において発表した。またその成果に基づいて、テスト問題の形式、内容を修正・改訂し、WEB上で受験可能な漢字語彙力測定テストのプロトタイプ版(第3版テスト)を完成した。そして筑波大の日本語コースにおいてこのWEB版テストを実施し、受験データを収集した。さらに、3月に韓国の慶熙大学校国際教育院を訪問し、現地の日本語教育関係者との意見交換および情報収集を行って、テスト受験者として想定している非漢字圏学習者の中に韓国人学習者を含めるかどうかを検討した。平成15年度は、WEB版テストの外部公開を目指し、筑波大においてさらに受験データを収集、テスト画面および内容の改善を行った。WEB版(プロトタイプ版)漢字語彙力測定テストは、海外の協力機関においては動作環境の確保が難しくまだ実施できていないが、最終年度に当たり、研究成果報告書および「受験のためのマニュアル」資料を作成して印刷した。