著者
加藤 英明 岡田 克彦 山崎 尚志
出版者
横断型基幹科学技術研究団体連合(横幹連合)
雑誌
横幹連合コンファレンス予稿集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.95, 2011

日本で対象者が最も多いであろう企業に勤めるサラリーマンの昇進について、早生まれの効果の存在の有無を検証することにした。戦後、サラリーマンは急増し、過半数を超える日本人がサラリーマンである。ある人はもの作りの専門家として、またある人は作られた製品を売買する営業マンとして企業に就職し、多くの場合、同じ会社でサラリーマンとしての人生を終える。順調に昇進をして、役員、あるいは、社長になることがサラリーマン人生のゴールのひとつとしたら、そのゴールにおいて、早生まれは不利になっているだろうか。幼少年期の劣等感が悪影響を及ぼしている可能性はあるのだろうか。この点を明らかにするために日本の上場企業における役員、社長の生まれ月から検証する。
著者
小林 準 名波 美代子 境 哲生 片山 英紀 松野 大樹 山口 崇 伊藤 修一 赤星 和人 永田 雅章 勝川 史憲 山崎 元
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2002, pp.848-848, 2003

【はじめに】我々は日常の理学療法場面で、肥満、糖尿病、高脂血症、脳卒中の患者群に対して、自主トレーニングのプログラムとして音楽に合わせた運動を実施している。この音楽に合わせた運動内容については、紹介および健常者群におけるデータを本学術大会において名波より報告している。本編ではさらに患者群と健常者群との比較検討を行ったので報告する。【対象と方法】対象は脳卒中片麻痺患者の女性10名と健常女性10名の合計20名であった。健常者は主に患者の介護者であった。実験の前には趣旨を説明して同意を得て行った。年齢、体重、身長は健常者群はそれぞれ56.2±6.6歳、152.9±3.2 cm、と53.3±7.3 kg であった。一方患者群はそれぞれ 58.0±9.6歳、157.6±5.3 cm、と66.0±13.3 kgであった。測定にはコスメデ社製「テレメトリー式呼吸代謝計測装置K4システム」を用いて、呼気ガス中の酸素摂取量(VO<sub>2</sub>)、炭酸ガス排出量(VCO<sub>2</sub>)、呼吸商(RQ)、および心拍数(HR)を計測した。測定方法としては、3から4分間程のオルゴールによる安静時間と3から4分間程の132拍/分のワールドベストヒット曲を交互に録音した自主トレーニングの為に作成した音楽テープに合わせて、以下に挙げた3種類の体操を座位にて行った。(1)膝の交互伸展、(2)手を組んで体幹の回旋、(3)手を組んで体幹の前後屈。データの統計的検討にはt検定および一元配置分散分析を用いて有意水準を5%とした。【結果】1,体操(1)から(3)におけるVO<sub>2</sub>の健常者と患者群の比較;健常者と患者群ともに体操(1)から(3)でVO<sub>2</sub>が8.3±2.1から12.2±2.6 ml/min/kg の幅で逐次VO<sub>2</sub>の増加を認め、分散分析でも有意の差を認めた。尚それぞれの体操における健常者群と患者群の比較では、患者群が低い値を示したがt検定での有意差は認めなかった。2,体操(1)から(3)における脂質代謝の比較;健常者と患者群ともに体操(1)から(3)で逐次0.87±0.35から1.49±0.72 kcal/minの幅で脂質代謝の増加傾向はあったが、統計的には各体操間での有意差を認めなかった。尚、RQは0.87から0.89であった。【考察】一般的にVO<sub>2</sub>については、運動負荷時に若干患者群のほうが低い値を示す傾向が言われているが我々の結果も同様な傾向が伺われた。と同時に健常者群も患者群もほぼ同じように、漸増的な運動負荷がかかるものと考えられた。一方脂質代謝については個人差が大きく、さらに日頃理学療法として体を動かしている患者群と、対象群とした健常者群は主に介護者であり、普段運動で体を動かす機会が少なくなっているという生活習慣と食事内容や体型の違いなどが、今回の結果には影響していたものと思われた。我々が行ってきた音楽テープとその体操は、主に座位で行えて総消費エネルギーが40kcal程になる。すなわち自転車エルゴメーターで40wで15分程の運動量に匹敵する。従って安全で効果的しかも気軽に楽しめるので臨床的にも有効であると確信している。今後はさらに心理面も含め総合的に経時的な変化についても検討していきたい。
著者
山崎 一穎
出版者
跡見学園女子大学
雑誌
跡見学園女子大学紀要 (ISSN:03899543)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.53-83, 1995-03-15

大正十三年 (一九二四) 九月五日、松本女子師範学校附属小学校 (現信州大学教育学部附属松本小学校) では、川井清一郎訓導 (現在の教諭) が森鴎外の『護持院ケ原の敵討』を教材にして、四年生の「修身」の授業を行っていた。川井訓導は「児童に与えられる教材は、一面には彼らの心意の発達、特に道徳意識の発達に応ずるものであるとともに……感動あるものでなければならぬ」(「信濃教育」<大正13年10月> 掲載の『修身の取扱ひについて』)と考え、「現行修身書に応じ、これを生かさんが為めの一案」(同) として補助教材を使用した。折からこの授業を参観した文部省視学委員樋口長市東京高師教授や県の教育行政担当者一行が、国定教科書を使用しないのは国法違犯であるという理由で、生徒の面前で川井訓導を詰問し、後の講評の席で批難攻撃してやまなかった。若き教師川井氏は休職処分となり、遂に退職せざるをえなくなる。これが教育史上 <川井訓導事件> と呼ばれているものである。この事件は国の文教政策としての「教育の新主義」の弾圧に呼応して、大正中期以降の信濃教育界に漲る信州白樺派の自由主義教育を県当局は <気分教育> と決めつけ排除に動き、視学委員の視察を要請した。最初から意図を持った視察の見せしめとして、川井訓導は処分される。信濃教育会は <師道の擁護と教権の確立> のために戦っていく。川井訓導を休職、退職に追い込んでいくジャーナリズムの動向が、従来無視されて来た。本稿ではここに重点を置いて <川井訓導事件> を追求する。さらに、この事件の波紋を森鴎外に焦点を当てて見ると、何が見えてくるのか。この新視点から分析してみたのが本稿である。中世文学者、国語教育学者の西尾実氏に、何故森鴎外の作品研究があるのか。京都帝大の哲学科を卒業して、信州の教育界に身を置いた唐木順三氏が、『鴎外の精神』を執筆する土壌は奈辺にあるのか。信濃教育界に於ける森鴎外の系譜を川井清一郎氏、西尾実氏、唐木順三氏と辿ったのが本論である。
著者
太田 貴久 南 拓也 山崎 祐介 奥野 好成 田辺 千夏 酒井 浩之 坂地 泰紀
出版者
人工知能学会
雑誌
2018年度人工知能学会全国大会(第32回)
巻号頁・発行日
2018-04-12

本研究では,発明の新たな用途先を探す手法を提案した.提案手法では,はじめに,技術的特徴とそれに対応する効果を抽出する.その後,ユーザが指定した発明と,技術的特徴が類似し,かつ効果が類似しない他の特許を検索する.このような手法によって,発明の新たな用途先を探索する.提案手法に対して実験を行った結果,実際に別用途へ展開された特許の例を再現することでできた.
著者
山崎 幹泰
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会計画系論文集 (ISSN:13404210)
巻号頁・発行日
vol.65, no.535, pp.239-245, 2000
参考文献数
41
被引用文献数
1 2

The Restration of Todai-ji Daibutsu-den in the Meiji Era began in 1891 and was completed in 1913. The design of restoration changed many times, but the last they designed "Katetsutyu", it put steels into wooden pillars and fasten steel truss. This paper introduces these designs, and analyzes the last plan based on 1) the plan of wooden truss designed by Suketaro Kagotani and others, and 2) the hoop-iron construction it was also known as Tsumakishiki-koho. It is the transitional technique in the first stage of introducing steel structures to Japan.
著者
山崎 晶
出版者
The Japan Sociological Society
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.56, no.4, pp.915-930, 2006-03-31 (Released:2010-04-23)
参考文献数
23

明冶維新期に路上でのふるまいを規制した風俗統制令, 違式?違条例への民衆の反応を通して, 当時における「公共」の捉え方を考察する.維新期の政策は, 日本社会の近代化の骨格となった.従来の維新期研究は, 当時の民衆の政策への反応形式として順応/反抗のいずれかに重きを置いて論じる傾向にある.しかし, 新政への不満が反抗という形に結実することは極めてまれであり, 民衆の日常的な反応を照射しきれているとは言いがたい.本稿は順応ても反抗でもない反応を「やり過ごし」と称し, 明冶初年にどのように現れていたかを明確にすることを目的とする.それに際し, 当時の庶民の生活慣習を禁じた違式?違条例に関する新聞記事の分析を行う.分析の結果, (2) 取締りの様子を茶化して報じる記事が多数存在し, その記事が (2) 取り締まる側のみならず, 取り締まられる側も笑いの対象としていることから, 「やり過ごし」の形式としてのおどけが確認された.おどけとは, 何がおもしろおかしいのかを客観的にとらえている状態である.ゆえに取り締まりをおどけてやり過ごした民衆は, ただ無意識のうちに〈迷蒙〉状態にあったのではなく, 政府と自らの思惑のズレを自覚していたといえる.この後, おどけが新聞に現れなくなることから, おどけは維新期に特徴的な「やり過ごし」のスタイルであり, 政府と民衆の「公共」の捉え方の違いから生したものと考えられる.
著者
杉山 二郎 山崎 幹夫
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.15, no.6, pp.463-468, 1979-06-01

世界の文化史の中で, 毒や薬が果して来た役割は大変に大きく, 興味深い, お招きした杉山二郎氏には「鑑真」「大仏建立」「正倉院」「西アジア南北記」などの著書があり, その博学と見識の深さについてはつとに知られるところである。時間が足りなかったため, 今日はその一端をうかがうに止まったが, いわばイントロダクションとも言うべき今日のお話の中だけにも, 我々にとって興味ある問題のヒントがいくつもあったように思われる。
著者
保母 敏行 飯田 芳男 石橋 耀一 岡本 研作 川瀬 晃 中村 利廣 中村 洋 平井 昭司 松田 りえ子 山崎 慎一 四方田 千佳子 小野 昭紘 柿田 和俊 坂田 衛 滝本 憲一
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.363-392, 2008-06-05
被引用文献数
6

(社)日本分析化学会は1993年にU,Thの含有率を認証した二酸化ケイ素標準物質を開発して以来,燃焼灰,土壌,底質,河川水,排水,プラスチックス,工業材料,食品と多岐にわたる種類の標準物質の開発を続けており,現在頒布中の標準物質は23種類に上る.認証対象は特定成分の含有率で,成分はダイオキシン類,金属元素など環境分析で扱われるものが多いが,食品では栄養成分を対象とした.本会の標準物質の大きな特徴は純物質あるいはその溶液ではなく,上述のように,環境試料あるいは工業製品であること,つまり一般分析者が実際に扱う試料の形態であることである.認証値の決定方法は,まず均質性の保証された試料の調製と,多数の試験機関の参加による分析共同実験,そして得られた報告値をロバスト法を導入した統計手法で処理して評価し,信頼性ある認証値を得る,という手法によっている.また,これらの標準物質の開発時において,例えばダイオキシン類のガスクロマトグラフ分離の状況,PCBの抽出条件と塩素置換数の変化など,貴重な知見が得られたことは分析手法改善につながる収穫といえる.
著者
山崎 亜矢子 山田 七子 吉田 雄一 山元 修 大藤 聡
出版者
Western Division of Japanese Dermatological Association
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.405-407, 2009

39歳,女性。初診の3ヵ月前から頭頂部に脱毛斑が出現し,徐々に拡大した。近医受診前夜,洗髪中に髪の毛が絡まりほぐれなくなったため当科に紹介された。絡まった毛髪を実体顕微鏡で観察すると毛髪表面に白い結晶状物質が不規則に分布付着し,走査型電子顕微鏡による観察ではキューティクルが毛の表面から浮き上がり逆立ったような像を呈していた。エネルギー分散型X線分析では,毛髪表面に異常成分は検出されなかった。不適切なヘアケア(毛髪の手入れ)によって生じたものと思われた。
著者
大江 孝明 櫻井 直樹 山崎 哲弘 奥井 弥生 石原 紀恵 岡室 美絵子 細平 正人
出版者
園芸学会
巻号頁・発行日
vol.11, no.2, pp.273-279, 2012 (Released:2013-10-08)

ウメ果実の追熟条件の違いが梅酒中の香気成分および苦み成分に及ぼす影響について調査した。におい嗅ぎ分析により,熟した果実を原料とした梅酒の芳香香気に関与する成分の一部がγ-デカラクトン,δ-デカラクトン,酪酸エチル,酢酸ブチルであると判断された。これら芳香香気成分量は,より収穫を遅らせた果実を用いた方が多く,原料果実を20℃で4日,30℃で3日追熟すると高まった。梅酒の青っぽい香気に関与する成分と判断された安息香酸エチルは,20℃では5日以内,30および35℃では3日以内の追熟により,収穫直後に漬けた場合と比べて同程度かそれ以下で推移した。また,苦みに関与するプルナシンおよびシュウ酸含量は20℃で4日,30℃で3日追熟すると減少した。以上のことから,原料果実の収穫時期や貯蔵条件により梅酒加工品の香気成分および苦み成分が大きく変わることが確認され,芳香香気を高め,青っぽい香気成分や苦み成分を抑えるためには,より熟した果実を収穫して,20℃で4日もしくは30℃で3日追熟させてから加工するのが良いと考えられた。
著者
松本 大輝 松井 勇佑 山崎 俊彦 相澤 清晴 片桐 孝憲
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告コンピュータビジョンとイメージメディア(CVIM) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.6, pp.1-6, 2014-08-25

イラストは身近な表現手段であり,近年では,pixiv といったイラスト投稿 SNS サイトで多くのイラストが共有・閲覧されている.しかし,イラストの検索方法や表示方法にはあまり注視されていないというのが現状である.そこで,本稿では,著者の画風の類似性に基づいてイラストを平面上にマッピングし可視化する手法を提案する.これにより,ユーザは好みのイラストに似た画風のイラストを一度に複数閲覧することができ,より効率よくイラストを閲覧することができる.Illustration is a common way of communication. A lot of illustrations are uploaded, shared and viewed on illustration-sharing SNSs such as pixiv. However, how to retrieve and display illustrations has received relatively sparse attention. We propose a method of visualizing illustrations based on drawing style similarity of authors. By using this method, users can see illustrations which have similar drawing styles to their favorite one at a time and enjoy seeing illustrations more efficiently and effectively in illustration-sharing SNSs.