著者
近藤 万里 寺田 美穂 田部井 亮 宇都宮 信博 松山 和義 山本 一郎
出版者
Japan Society of Nutrition and Food Science
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.36, no.5, pp.383-388, 1983

高血圧自然発症ラットを用い, わかめの高血圧発症に対する影響を検討し, 胎生期よりのわかめの投与は発育期に次のような作用を示した。<BR>1) わかめは甲状腺機能を増強し, 血中サイロキシン濃度を上げ, また, 血漿中カテコラミン濃度を下げる。<BR>2) わかめは血清中KおよびCa濃度を上げる。<BR>3) わかめ投与によって体重増加が抑制されるもの, および体重増加傾向に差が認められるものがあった。<BR>4) わかめには胎生期から投与した場合, SHRの高血圧発症を遅らせる効果があったが, 高血圧発症そのものを抑制する効果はなかった。
著者
山本 和彦
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.438-442, 2012-03-15
著者
山本 勝
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

金星や地球を含めた地球型惑星大気力学の理解を深めるために,金星大気大循環モデルの高度化に向けた微細擾乱の数値実験を行った.地表付近と雲層内の3次元マイクロスケール気象シミュレーションによって,対流調節や対流混合が静的安定度の鉛直構造や地表風の構造に与える影響を調査した.微細擾乱の数値実験と並行して,高度化するベースモデル(大気大循環モデルと微物理モデル)の整備を行った.特に,金星大気大循環モデルの妥当性を議論するために,モデルの中の極渦の力学等を明らかにした.
著者
藤目 ゆき 山本 ベバリー 南田 みどり 今岡 良子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

大規模な国際組織であるWIDF(国際民主女性連盟)による世界平和運動の取り組み、またアジア各地の女性運動の展開を調査し、朝鮮戦争真相調査団の活動をはじめとして冷戦時代の国際女性運動の諸相を明らかにした。
著者
山本 ベバリーアン (2010) 山本 Beverley Anne (2009) DALES Laura
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

本研究では,日本の男女共同センターや女性センターを中心とする女性運動について、主に結婚していない女性達の多様な経験を考察することによって、男女共同参画政策が想定しているのが「結婚して子どもがいる働く女性」であり、彼女達がこのディスコースの枠を意識的あるいは無意識的に越えている'unconventional'な存在である点をまず明らかにした。その上で、少子化・高齢化社会における彼女達の存在を考察するとともに、同政策を批判的に再考した。研究では20-40代の結婚していない女性33名(平成22年度は21名)に対して、ライフスタイルや結婚観、仕事観、社会観1、将来の展望等について綿密なインタビュー調査を実施した。その結果、彼女達の多くが結婚制度そのものを否定しているわけではなく、仕事と家庭の両立の問題や社会から「嫁」として期待されること、家制度などの社会的な理由から非婚を選択しているに過ぎないことが明らかになった。彼女達は現代日本の社会システムの中での婚姻制度とその期待に当てはまらない存在なのである。また、現在の男女共同参画社会の対策には彼女たちも含まれるごく一部の長時間勤務する専門職の独身女性を支援するものはあっても、依然として家族と仕事への責任をともに果たすことを可能にするようなものではない。このような状況下において仕事と結婚の二者択一を迫られ、女性達は働くことを選んできたのである。ただ彼女達自身の家族とのつながりは強く、多くが親の介護について責任をもっていると感じている。こうした女性達にとって男女共同センターはむしろ同じような立場の女性達とのネットワーキングの場であり、独身生活を支える原動力として機能している。以上の研究によって、女性達の多様な経験をもとにこの少子化・高齢化社会において国の男女共同参画政策はより現実に即した観点から再考することが求められていると指摘した。
著者
奥津 文子 星野 明子 江川 隆子 荒川 千登世 横井 和美 本田 可奈子 山田 豊子 赤澤 千春 山本 多香子
出版者
滋賀県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

リンパ浮腫セルフケア支援における携帯電話使用群・通常支援群共、6か月間に蜂窩織炎等の合併症を発症した者はいなかった。周囲径については、有意差は見られなかったが、インピーダンスによる水分量については、携帯電話使用群が有意に減少しており、浮腫が改善していることが分かった。セルフケア実施状況については、携帯電話使用群が有意に実施状況が高かった。抑うつ状態については、携帯電話使用群が有意に低かった。以上より、リンパ浮腫患者に対する携帯電話による支援は、セルフケア実施や継続、水分量の減少、および抑うつ症状の改善に有効であることが分かった。
著者
後藤 正司 岡本 卓 中野 淳 中島 尊 桝屋 大輝 劉 大革 亀山 耕太郎 石川 真也 山本 恭通 黄 政龍 横見瀬 裕保
出版者
特定非営利活動法人日本呼吸器外科学会
雑誌
日本呼吸器外科学会雑誌 (ISSN:09190945)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.132-135, 2004-03-15
被引用文献数
4 3

左側は66歳,女性.64歳時に右乳癌にて右胸筋温存乳房切除術を受けた.病理病期はstage II で,術後DMpC療法(5'-DFUR : 800mg,MPA : 800mg,CPA : 100mg)を施行中であった.2003年1月16日,胸部CTで左S^8にspicula, notchを伴う小結節陰影の出現を認めた.結節陰影の増大を認め,またFDG-PETで,左S^8の結節陰影に一致して集積を認め,精査目的で,2003年3月24日当科へ入院した.CT下肺生検では確定診断に至らず,2003年4月23日,胸腔鏡補助下肺生検を施行し肺クリプトコッカス症と診断された.腫瘤陰影を呈する肺クリプトコッカス症のCT所見は肺癌と類似し,PETでも陽性を示すことがあるため画像上の鑑別は困難である.
著者
前澤 裕之 山本 智 鵜澤 佳徳 長濱 智生 入交 芳久 山本 智 鵜澤 佳徳 長濱 智生 入交 芳久
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

大気中の酸素原子(OI)やOHラジカルは、オゾン層回復・破壊や地球温暖化、揮発性有機物質の消失過程について理解を深める上で鍵を握る成分である。我々はこれらのガス種の1.8-4THz帯スペクトル線のリモートセンシグを実現すべく、NbTiN超伝導細線を集積したホットエレクトロンボロメータミクサと呼ばれる次世代のヘテロダイン検出素子の改良・開発を行った。さらに、低振動のパルス管冷凍機を用いた冷却性能評価システムを開発し、これを実際に用いて、1.5THz帯でのHEBM素子の雑音性能、動作安定性を評価した。その結果、1600K以下の雑音温度(RF/LO結合効率とレンズ表面での反射を校正)を実現した。さらに、この最小雑音温度域には、中間周波(IF)出力(0.8-1.5GHz)の極大値が存在し、この場所において実用的な10秒以上の安定時間(アラン分散)を得られることが分かった。これは、電流電圧(局部発振波パワー)の揺らぎの影響がIF極大域では緩和されることを示唆する。我々のHEBM素子は特異な特徴をもつことが分かったが、これらは、本申請において安定・高信頼の冷却系・バイアス回路系などの評価システムをあわせて開発したことで、初めて得ることができた成果である。今後HEBMの1.8-4THz帯での高感度化・安定化を図り、測器搭載による実観測を目指す。
著者
山本 光正 宇田川 武久 齋藤 努 三宅 宏司 保谷 徹 山本 光正 坂本 稔 PAULJACK Verhoeven 前川 佳遠理 高塚 秀治 村上 藤次郎 法華 三郎信房 法華 三郎栄喜 伊達 元成 服部 晃央
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

国内・国外に所蔵される銃砲に関する文献史料(炮術秘伝書)および実物資料(銃砲)の調査を行い、16世紀なかば鉄炮伝来から19世紀末の明治初年までの日本銃砲史が5期に区分できることを示し、またその技術的変遷を明らかにした。鉄炮銃身に使用されている素材である軟鉄を作るための精錬方法である大鍛冶はすでに技術伝承が途絶えていたが、文献記録にある各工程の意味を明らかにし、その再現に成功した。
著者
宮浦 憲夫 山本 靖典
出版者
北海道大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

イリジウム触媒を用いるC-H結合直接ホウ素化反応を開発した。また触媒的付加・カップリング反応に活性な新規有機トリオールボレート塩を開発し市販した。さらに新規不斉二座ホスホロアミダイト配位子(Me-BIPAM, N-Me-BIPAM)を開発し、ロジウムおよびルテニウム触媒を用いたアリールボロン酸の不斉付加反応を達成した。
著者
山本 普康 馬場 勘次 柿本 純忠 石原 明 吾郷 康人 新留 照英 稲葉 光延
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.388-394, 1993-03-01
被引用文献数
1

A demand of quality improvement for flatness and edge-drop has been recently increasing in cold rolling of steel strip. The accurate control systems of strip shape and edge-drop have been developed for the new tandem cold rolling mill in Yawata Works, which has 5 stands of 6 Hi-UC・WR shift mill. The control system of strip shape consists of the initial set-up for roll benders, intermediate roll shifts of all stands, a feedback control for roll benders and roll levelling of No.5 stand by using signals of the shape meter which is installed at the exit of No.5 stand. The control system of edge-drop consists of the initial set-up for work roll shifts of No.1&acd;4 stands and the feedforward control for work roll shifts of No.1&acd;4 stands by using signals of the crown meter which is installed at the entry of No.1 stand. Application of these control systems to the new tandem cold mill shows the good controllability of flatness and edge-drop in cold rolling of steel strip. The strip flatness is within ±0.7% of inclination in an overall length of strip, and the accuracy of edge-drop is 1.2μm in average and within ±3μm in an overall length of strip.
著者
山本 潔
出版者
東京大学社会科学研究所
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.111-133, 2009-12-24 (Released:2011-06-01)

資料紹介 Research Source Guide A労働組合調査No.11『戦後労働組合の実態』(1947/8)により, 大河内一男教授は, 戦後の労働組合は「新人」が「大勢に順応」して結成したと主張. しかし組合結成時期別に調査原票を再集計すると, 敗戦直後の結成組合は, 戦前「労働運動経歴」「有」る者が「要求を出す」ために結成している. B労働市場調査No.18『京浜工業地帯』(1951/9)の労働者の「生家の職業」(農業46%)により, 大河内教授は「出稼型論」を展開した. しかし同調査『第二次集計表』では, 「親兄弟との経済的援助関係」「無」い労働者(52%)が, 「有」る者(25%)の約2倍で, 調査資料は「出稼型論」と逆の事実を示していた. C賃金問題の基本資料は『賃金台帳』であり, 社会科学研究所は電器・造船・化学・印刷・炭鉱・土建業等の台帳を保存している. D産業構造調査No.50『京浜工業地帯企業連関調査』(1959/9)は, 高度成長期に中小企業は大企業からの「独立性」を強化したとする. しかし各中小企業売上高中の特定親企業への納入比率を計算すれば異なる結論となろう.
著者
土器屋 由紀子 岩坂 泰信 梶井 克純 山本 正嘉 山本 智 増沢 武弘
出版者
江戸川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

2004年に無人化された富士山測候所を有効に活用し、国際的な視点に立って、多方面に開かれた総合研究施設とすることを目的として調査研究を行った。主要な行事としては、2006年11月22,23日に国際ワークショップ/シンポジウムを開催した。以下に内容を要約する。(1)富士山は工業発展の著しい東アジア大陸の東に位置しており、偏西風の通り道であり、大気汚染の観測サイトとしての価値は大きい。(2)富士山測候所の施設はまだ十分利用可能であり、利用されずに放棄されるのは資源の無駄と考えられる。最近、中国のWaliguan山、台湾のLulin山に大気化学観測地点が新設されている。ハワイのマウナロア、さらに中央アジアの山などを含めた高所観測ネットワークの中で富士山の観測が不可欠である。(3)航空機の宇宙線被爆の観測にとっても、富士山はユニークな連続観測地点である。(4)日本で唯一永久凍土が確認された富士山におけるコケ類の調査は地球温暖化を目視できる「指標」であり、今後、より詳しい継続的な観測には測候所を基地として利用することが望ましい。(5)富士山頂で7年間サブミリ波望遠鏡による冬季観測を成功させた技術を活かすことによって、天文学並びに超高層大気化学への利用が可能である。(6)高山病の原因の究明や高所トレーニングにとって富士山測候所は有用な施設である。(7)脂質の代謝機構の解明や、耳の蝸牛機能に対する低圧低酸素環境の影響など医学研究にも測候所の施設は有用である。(8)廃止になった筑波山測候所を生き返らせ、リアルタイムの気象データの配信を含めて水循環の研究に用いている筑波大学の業績に学ぶところが大きい。(9)新しい分析化学的な手法や新素材の開発・応用などにも低温・低圧の高所研究施設として測候所は利用できる。
著者
村井 源 山本 竜大 徃住 彰文
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.111-128, 2008-06-30 (Released:2008-08-11)
参考文献数
9

複雑な人間関係を数理的に解析するために、近年ネットワーク解析が盛んに用いられるようになった。また、解析用のネットワークを構築するための基礎データとして、WWWのハイパーリンクが用いられるケースが増えてきている。本論文では政治家間の人間関係を示すネットワーク構造の構築に、ハイパーリンク関係を用いる妥当性を検討するため、日本の国会議員のWebページをデータとして用い、議員間のハイパーリンクと議員の名前のテキスト上での言及関係によって二種類のネットワークを構築した。また、得られたネットワークに対してネットワーク解析の手法中心性とクリーク分析の解析を適用し、結果を比較した。得られた結果より、言及関係によるネットワークは、集団における重要性を表す指標としての妥当性があり、ハイパーリンクによるネットワークでは派閥の分析が可能であることが分かった。現状として、大規模政党においては、比較的Webの利用は進んでいないが、今後政治領域でもWebの利用がより一般化することが期待される。このため、将来的にはより多様な関係性の計量的解析にWebデータが利用可能になると考えられる。
著者
山本 昌宏 代田 健二 斉藤 宣一
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2008

逆問題に対して、再生核ヒルベルト空間ならびに多重スケール核に基づいて、多次元の任意形状をもつ領域における数値解析手法の研究と開発を目指したが、この方法は正則化手法と密接に結び付いており、また離散化のためには有限要素法などを駆使しなくてはいけないことが、より鮮明になり、その方面の研究を進めた。実績は以下のとおりである。(1)相転移問題や熱伝動現象で初期値を決定する逆問題などの応用逆問題で上記の着想に基づいた数値解析手法を開発し、成果として公表した。(2)再生核ヒルベルト空間の手法をチホノフの正則化に適用した場合の近似解の安定性・収束の理論や正則化パラメータの最適な選択原理の講究を実施し、成果を出版した。逆問題個有の不安定性があり、データの微小変動に対して逆問題の解の偏差が極めて大きくなる可能性があるが、そのために正則化の数値計算のためには必要な離散化には特別の注意が必要である。すなわち、逆問題の数値解の精度をあげるために離散化を細かくしていくと、逆問題自体の不安定性からしばしば精度が悪くなる。そこで、逆問題の数値解法においては、要求されている解の精度の範囲において離散化の精度を適宜コントロールすることが必要不可欠である。これへの1つの解答を与えた。該当年度においては正則化法に有限要素法を用いて安定な数値解法を提案し、論文を完成させ公表した。(3)また、継続中の課題としては、再生核ヒルベルト空間の1つの数値手法である多重スケール核の方法の逆問題への応用についての研究があるが、これまで得た成果を本萌芽研究での知見を活用して将来的に大きく発展させる素地ができたと判断している。