著者
山本 千映
出版者
関西大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本年度は、昨年度に収集したスタッフォードシャー州文書館所蔵の四季裁判所記録、Calendars of Prisonersのデータベース化を進めた。デジタルカメラで撮影した1777年から1860年までの記録のうち、1777年から1820年まで、タイプされている部分のみであるが、データ入力が完了している。欄外に手書きで評決や判決等の追加情報が書き込まれているケースも多々あるが、これは未入力となっている。平成19年2月9日から3月2日まで、資料収集のために渡英し、国立公文書館(NA)およびスタッフォードシャー州文書館(SRO)を訪れた。昨年度は、NA所蔵の巡回裁判の起訴状(indictments)のトランスクリプトを行ったが、情報量は豊富なもののデジタルカメラでの撮影が難しいため、数週間の渡英では意味のある年数分のトランスクリプトが不可能と判断し、代わりに、情報量は落ちるが、冊子の形態をとっていて撮影が容易な、Crown Minute Books(National Archives, ASSI 2)を閲覧し、1775年から1791年まで撮影した。これにより、Calendars of Prisonersに掲載されている拘留者のうち、巡回裁判での判決によるものの罪状があきらかになる。また、SROでは、Quarter Sessions Order Booksを閲覧した。これは、犯罪のみならず、民事訴訟や行政手続について、四季裁判所が下した判断を網羅したものであり、Calendars of Prisonersの作成の背景を知る上で重要な史料である。昨年8月には、早稲田大学社会科学部中野忠教授の科研セミナーにて「生存戦略と非公式経済」と題して、公式の経済活動以外の、生存(make shift)のための活動について報告した。またCalendars of Prisonersのパイロット的な分析を、「産業革命期イングランドの貧困と犯罪」として執筆中である。
著者
山本 明 吉田 哲也 安楽 和明 稲葉 進 井森 正敏 上田 郁夫 音羽 真由美 折戸 周治 木村 誠宏 佐貫 智行 鈴木 純一 田中 賢一 西村 純 野崎 光昭 槇田 康博 松永 浩之 松本 浩 元木 正和 矢島 信之 山上 隆正 吉村 浩司 Golden Robert Kimbell Barbara Mitchell Jon Ormes Jonahtan Righter Donald Streitmatter Robert
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙科学研究所報告. 特集 (ISSN:02859920)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.103-119, 1996-03

超伝導マグネット・スペクトロメーターを用いた宇宙粒子線観測・気球実験(Balloon Borne Experiment with a Superconducting Magnetic Rigidity Spectrometer)は,宇宙起源反粒子探索及び宇宙粒子線の精密観測を目的とする日米・国際共同実験として推進されている[1-7]。NASAおよび宇宙科学研究所を相互の代表機関とし,東京大学,高エネルギー物理学研究所,神戸大学,ニューメキシコ州立大学が研究に参加している。日本側グループがスペクトロメーター本体を準備し,アメリカ側グループが気球の飛翔,制御を担当している。この実験計画は,1980年代にNASAを中心に検討されたASTROMAG計画の準備研究に於て,ソレノイド型超伝導マグネット・スペクトロメーターの構想を提案し,基礎開発を行なった事から,その第一段階となる気球実験としてスタートした[8-9]。この実験協力が1987年にスタートして以来6年の準備期間を経て,1993年に第一回の気球飛翔実験に成功した。1994年には第二回,1995年には第三回・気球飛翔実験に成功した。実験は,北磁極に近いカナダ北部のマニトバ州リンレークからアルバーター州ピースリバーにかけて実施され,合計約50時間の科学観測に成功し,実験機器も無事回収されている。これまでにBESS93の気球飛翔実験についてデータ解析を完了し,運動エネルギー500MeV以下の運動エネルギー領域で,反陽子を4イベント検出した[10-12]。この結果は,低エネルギー領域(<500MeV)での初めての明確な宇宙線反陽子の観測として評価を受けている。BESS93&acd;95の総合的なデータ解析からは,途中経過として,運動エネルギー<1.2GeVに於て,合計&acd;50イベントの反陽子候補を検出している。また反ヘリウムの探索については,1993年&acd;1995年のデータを合わせ,従来の観測よりも一桁高い感度での存在上限値(反ヘリウム/ヘリウム比=8×10^<-6>,@95%CL)を得ている[13-15]。実験は,結果が現われ始めた段階であるが,経過と現状を報告する。
著者
山本 孝司 久保田 治助
出版者
九州看護福祉大学
雑誌
九州看護福祉大学紀要 (ISSN:13447505)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.79-90, 2012-03

「大人になる」というテーマは、今日の日本の若者問題を論じる際のキーワードともなっている感さえある。「大人になる」ということは、他方で「子どもではなくなる」という意味合いを含んでいる。つまり「大人になる」ということ自体が、ある種の子ども性の否定のうちに成り立っている。 近代以前、こうした「大人化」については、制度としてシステム化されていなくとも、子どもたちは共同体の一員として、無意識的に社会教育を受ける機会が多々用意されていたのである。近代以降、「大人化」のプログラムは学校教育が中心的な場となり、そうしたコミュニティのなかでの「大人化」の取り組みは姿を消してしまった。それどころか、今ではコミュニティそのものが解体され消滅してしまっている。 このような時代を背に、「大人化」の問題は、社会教育の分野を筆頭に「市民性」(citizenship)の問題として再浮上している。もっとも、言葉として「市民性」は頻繁に耳にするようになったものの、その内実についてはいまひとつ定かになっていない。 そこで本稿の目的とするところは、近代以降「市民性」がどのように論じられてきたかをレビューした上で、あらゆる位相でボーダレス化している今日にあって、「大人化」という視点からあらためて「市民性」を捉え直すことである。There are a variety of remark theories about "Grow up" in not only the field of education but also various fields. The theme "Grow up" becomes a key word when the young person problem of Japan of today is discussed. "Grow up" It is a meaning "It is not child and become it". The chance to receive Social Education unconsciously had been prepared for childrena lot as a member of the community before modern ages. The school training came in a center place as for the program of "Change to the adult" since it was modern. And the approach of "Change to the adult" in the community has disappeared. On the contrary, the community is dismantled now and it disappears.. The problem of "Change to the adult" has surfaced again as a problem of citizenship with the field of Social Education at the top against the backdrop of such an age. It is not clarified though "Citizenship" is frequently heard as a word of the contents. The purpose of this text is to try to catch "Citizenship" again from the aspect "Change to the adult" in today.
著者
松久保 隆 大川 由一 田崎 雅和 高江洲 義矩 山本 秀樹 坂田 三弥
出版者
東京歯科大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1989

本研究は、食品の咀嚼性の評価方法や個人の咀嚼性を解析するための指標食品を得ることを目的としている。今期の課題は、平成2年度に得られた結果をふまえて食品咀嚼中の下顎運動解析によって得られる運動速度の各咀嚼サイクルが、食品の咀嚼中の状態変化をとらえることが可能かどうか、各咀嚼サイクルの出現頻度と被験者の咀嚼指数および歯牙接触面積とにどのような関係があるかを検討することを研究目的とした。顎関節に異常がない成人6名を被験者とした。被験食品は、蒲鉾、フランスパン、スルメ、もち、ガムミ-キャンディ-、キャラメル、ニンジンおよびガムベ-スとした。被験食品は一口大とした。下顎運動はサホン・ビジトレナ-MODEL3を用い、前頭面における下顎切歯点の軌跡を記録し、下顎運動速度の各咀嚼サイクルの開口から閉口までを1単位として分解し、パタ-ン分類を行なった。被験者の中心咬合位での歯牙接触面積ならびに石原の咀嚼指数の測定を行なった。下顎運動速度の各咀嚼サイクルは、被験食品で6種のパタ-ンに分類できた。すなわち、Uはキャラメル摂取の最初に認められるパタ-ンでとくに開・閉口時に食品の影響を著しく受けるもの、Vは開・閉口時に速度が遅くなるパタ-ン、Wは閉口時に速度が遅くなるパタ-ン、Yは開口時に速度が遅くなるパタ-ン、Xは人参の摂取初期に認められるパタ-ン、Zは開・閉口時ともに速度に影響がみられないパタ-ンであった。各パタ-ンの出現頻度と咀嚼指数および接触面積との関係を解析した結果、咀嚼性が高いと考えられる人は、硬い食品で、食品の影響をほとんど受けないパタ-ンZおよび閉口時に影響をうけるパタ-ンWが多く、閉口および閉口時に影響を受けているパタ-ンVが少ないと考えられた。このパタ-ン解析は、咀嚼中の食品の物性変化を表わすものとして重要な情報と考えられ、個人の咀嚼能力を示す指標食品の選択にも重要な歯科保健情報の一つと考えられた。
著者
小林 大二 高橋 祐一 山本 栄
出版者
日本橋学館大学
雑誌
紀要 (ISSN:13480154)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.15-29, 2006-03-30
被引用文献数
4

日本は65歳以上の高齢者が人口に占める割合が高い高齢社会である.政府や地方自治体では,高齢者が公共サービスを自宅で受けられるようにするために,インターネット主体の情報ネットワークを整備しているが,依然として多くの高齢者が生活に必要な公共サービスや年金などの情報を入手することが難しいのが現状である.例えば,高齢者の20%以上はインターネットに接続できる環境にあるが,ウェブページなどから情報を取得することが難しいと感じている.この理由として,非英語圏に住む日本の高齢者がパソコンのキーボード操作に慣れていない点や,高齢者の心的特性やウェブページのアクセシビリティが確保されていない点などが挙げられる.本研究では,高齢者がウェブページを通して情報を収集する際のアクセシビリティに着目し,現在の高齢者が抱えるウェブ閲覧における難点を明らかにした上で,その改善案を提案した.まずは高齢者がノートパソコンとマウスを用いてウェブを閲覧した際に経験するマウス操作の問題点を明らかにした.次に,ウェブページにあるリンク対象にマウスカーソルを合わせることが難しい問題の要因を探った.さらに,高齢者に画面内の9箇所をクリックさせる実験を行い,リンク位置とリンク対象の大きさがマウス操作に与える影響を探った.これらの実験では,独自に開発したソフトウェアを用いて高齢者のマウス操作を記録した.以上の実験を通して,ウェブ閲覧を難しくする高齢者のマウス操作の実態が明らかになった.そこで,高齢者のマウス操作を,より確実にするためのアクセシビリティ・ツールを開発した.このツールは,マウスカーソルを正しいリンク位置へ戻す機能,クリックするリンク対象を拡大表示する機能,クリックに必要なマウスの左ボタン以外のボタンを無効化する機能によって構成した.アクセシビリティ・ツールの有効性を検証した結果,このツールによってウェブ閲覧の難点が取り除かれる可能性が高いことが判った.
著者
山本 和雄
出版者
岡山市立岡山後楽館高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

1研究目的(1)郷土出身の文学者坪田譲治を媒体として高校教育において生徒に<郷土への愛着>を育成し、現在の自分と地域との関わりを考えさせ、学習者個々人の<郷土愛と郷土理解>を深めさせる。(2)<地域文化の伝承>を啓蒙し、<生涯学習>の場での応用活用を模索する。(3)坪田譲治周辺の<地域文化資源>についても調査・発掘し、記録する。2研究方法(1)市民講座「坪田譲治研究」、公開市民講座、授業、文芸部活動の連携・融合をはかった。(2)岡山市立の図書館2館と連携し、生涯学習施設での公開講座を実施した。(10.24-土,11.1-日,11.22-日,11.29-日-うち、10月24日は、新型インフルエンザ流行のため中止とした。)(3)岡山市主宰の「岡山文学フェスティバル」に協力した。とくにノートルダム清心女子大学教授山根知子氏の企画に協力し、譲治実家の現在の当主である坪田醇氏への取材を行い、具体的資料が残されていない生家の家屋・庭などについて、建築模型としての復元に尽力した。また、高校教育と大学教育との連携を視野に入れ、模型製作の依頼先として岡山県立岡山工業高等学校建築科科長三好教諭を紹介し、工業高等学校長の許可のもと、建築科生徒による模型製作を実現した。この成果は、坪田譲治生誕120年を記念して行われる清心女子大学と岡山市との共催行事で発表された。(新聞記事参照)(4)夏季休暇を利用して東京に譲治子息坪田理基男氏を訪ね、取材した。また、譲治著作物の使用についても許可をいただいた。取材後、国立国会図書館で資料調査を行った。3研究成果(1)市民講座での作品研究で、今日まで指摘されていない点が明らかになった。具体例として、キリスト教関係の雑誌に発表しながらも仏典からの引用がある作品での、仏典の出典が「親鸞」の著述であることが明確になった。また、従来作品の舞台は郷里岡山が多いと漠然と考えられていたが、作中の植物の科学的分布状況から推測して、必ずしも岡山が舞台となっていない作品群が最初期に存在することが判明した。これらの事柄は、高校での授業で即時的に活用した。(2)国立国会図書館の調査において、公の記録から漏れている作品の存在が多数確認された。その位置づけ、評価については今後の課題としたい。(3)坪田理基男氏、坪田醇氏の取材を通して、人間坪田譲治の一面を知ることができた。今後の教材開発に活用できればと考える。同時に、<郷土の先人>としての譲治に対して一般市民・高校生が親近感を覚えるものとして利用できればと思っている。さらに、生家の模型の完成は、譲治の作品世界をより具体的に知る契機となるものである。
著者
金山 尚裕 シャイナロン リンバラパス 成瀬 寛夫 山本 信博 藤城 卓 前原 佳代子 森田 泰嗣 寺尾 俊彦
出版者
社団法人日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.44, no.4, pp.477-482, 1992-04-01
被引用文献数
4

切迫早産において頚管に浸潤した顆粒球から放出される顆粒球エラスターゼ (エラスターゼ) が頚管の熟化, 開大に密接に関係することが知られている。エラスターゼのインヒビターであるウリナスタチン (UTI) の腟剤が切迫早産の治療に有効であるかを検討した。43例の切迫早産を4群に分類し次の治療法を行った。A群 (N=12): Ritodorine点滴, B群 (N=9): UTI (1,000U) 頚管内投与, C群 (N=14): Ritodorine点滴+UTI頚管内投与, D群 (N=8): Ritodorine点滴+UTI頚管内投与+全身抗生物質療法。これら4群のエラスターゼ値は治療前A群0.76±0.40μg/ml (Mean±SD), B群0.93±0.43μg/ml, C群0.85±0.40μg/ml, D群0.90±0.41μg/mlで各群間で有意差を認めなかった。治療開始後 (3日目から7日目) のエラスターゼ値はA群0.75±0.47μg/ml, B 群0.27±0.35μg/ml, C群0.27±0.33μg/ml, D群0.30±0.19μg/mlとなりB, C, D群は著明に下降した。子宮収縮の改善度を検討すると, 子宮収縮が30分に1回以下になるまでの時間は, A群65±66分, B群375±336分, C群70±64分, D群58±53分で, B群が有意 (p<0.05) に時間を要した。4日以上子宮収縮抑制が得られた時点で上記治療を中止した。その後の子宮収縮の再発率はA群58%, B群11%, C群14%, D群13%でA群の再発率が高かった。以上よりUTI腟剤の頚管内投与は頚管内エラスターゼ量を低下させ子宮収縮抑制の補助療法として極めて有用であることが判明した。
著者
吉田 和男 井堀 利宏 石黒 馨 竹内 俊隆 鈴木 基史 依田 高典 江頭 進 橋本 敬 瀬島 誠 藤本 茂 遊喜 一洋 秋山 英三 八横 博史 山本 和也 中川 真太郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2005

テロや紛争、環境破壊、通商摩擦、金融危機といった今日の世界の秩序を脅かす諸問題は、相互に複雑に関連しあっているため、その解決には従来の個別対応的な方法では不十分である。本研究は、これら諸問題を総合的に分析し処方箋を提示するため、グローバル公共財(GPG)概念に依拠したシミュレータ(GPGSiM)を構築し、世界規模での秩序形成に必要なメカニズムを理論的・実験的に解明して、政策提言に役立てることを目指した。
著者
繁野 麻衣子 山本 芳嗣 吉瀬 章子 八森 正泰 岩田 覚 後藤 順哉
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

ネットワーク理論において横の広がりとなる基礎理論の構築と縦の広がりを作る実社会に適応したモデルの伸張を行い,基礎問題と拡張問題の両方に対して,アルゴリズム開発を行った.具体的には,修正可能性を考慮したネットワーク上の配置問題に対するアルゴリズム提案,通信ネットワークにおける耐故障性の指標開発,社会ネットワークにおけるコミュニティ抽出のハイパーグラフ上への拡張,グラフの向き付けに関する基本的性質やアルゴリズム開発などを行った.
著者
三浦 直是 山本 広志
出版者
山形大学
雑誌
山形大學紀要. 教育科學 (ISSN:05134668)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.213-223, 2011-02-15

There is a hypothesis that most characters in Japanese manga are modeled on the white races even if they are Japanese. In order to verify this hypothesis, (1) the ratios of eyes, mouths and noses to the faces, (2) the aspect ratios of length and breadth of the faces, and (3) the colors of hair, irises and skin of the sixty main characters in sixty popular manga were analized, and then compared to those of the Japanese and the White. As a result, (1) and (2) did not fit either the facial features of the Japanese or the White. They are completely different from existent features. Then, (3) turned out to fit those of the Japanese in manga for male readers, while those in manga for females varied including nonexistent colors of hair and irises. In addition, the same characters in manga for females are often drawn in unexpectedly different colors
著者
藤澤 正視 稲村 哲也 渡部 森哉 福山 洋 菊池 健児 高橋 浩 五十嵐 浩也 山本 紀夫 川本 芳 大山 修一 大貫 良夫 阪根 博 ワルテル トソ セノン アギュラール カルロス サバラ 鶴見 英成 藤井 義晴 阿部 秋男
出版者
筑波技術大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

ラス・シクラス遺跡の発掘を実施し、同遺跡の中核的遺構の北マウンドの様態を解明した。マウンド上部の建築群は形成期早期(紀元前2900~1800年)の神殿建築であり、少なくとも8回の神殿更新が認められた。その過程で多量のシクラが使用されたのがこの遺跡の特徴である。シクラ構造を模擬した試験体で振動台実験を行った。その結果、一定の制振効果をもつことが確認される一方で、ある条件のもとでは、その効果がなくなるという特徴が示唆され、シクラを持つ神殿の地震動に対する挙動と被害軽減効果を確認した。
著者
山本 大誠 奈良 勲
出版者
神戸学院大学
雑誌
神戸学院総合リハビリテーション研究 (ISSN:1880781X)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.97-104, 2006-03-20

この論文は精神疾患の理学療法に関する課題と展望について議論するものである。理学療法は身体的健康を維持するために不可欠である。また,身体的健康は精神保健に対して寄与している。しかし,わが国では精神疾患患者への理学療法による身体運動は確立されていない。精神疾患の治療は,主に医師,看護師,作業療法士,精神保健福祉士によって行われている。理学療法は身体症状の改善が主な役割であるとされ,精神科領域では重要視されてこなかった。しかし,近年では精神疾患患者に対する適正な医療が見直され始め,精神医療におけるリハビリテーションの重要性がさらに高まってきた。そして,精神科領域における身体医療の必要性から,理学療法の取り組みが期待されている。精神科領域のリハビリテーションにおいて理学療法を導入し,他職種と連携して取り組んでいくことが望ましい。
著者
金山 公夫 馬場 弘 山本 政樹
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.54, no.499, pp.p728-733, 1988-03

The renewable energy laboratory of Kitami Institute of Technology is a facility for the research of space heating, cooling and hot water supply using solar energy and underground water heat by means of a solar system and a heat pump system. Measurements for two types of combination of series-and parallel-solar heat pump systems has been carried out during the last five years. In this study, based on the measured data of the solar heat pump systems, a simulation program is produced to estimate the thermal performance of the systems, and the results calcuated by a personal computer are compared with the experimental results. The correlation between two dimensionless factors of X_H(=COP_<HP>Q_<EMAX>/Q_<TL>) and Y_H(=F_W/F_<WMAX>) can be obtained in order to calculate easily the performance of a stand along heat pump system.