著者
山本 忠利 津久井 公平 大塚 徳勝
出版者
公益社団法人 日本アイソトープ協会
雑誌
RADIOISOTOPES (ISSN:00338303)
巻号頁・発行日
vol.31, no.8, pp.407-412, 1982-08-15 (Released:2010-09-07)
参考文献数
5

85Kr使用装置から漏れ出た放射性Krの回収と精製を目的として, 気密容器による閉じ込め方式をとり, その中に漏洩する放射性Krを回収, 精製できる装置を試作し, その特性試験を行った。85Kr使用装置を収納する気密容器内の放射性Kr濃度は0.3ppmまで低下し, そのときの回収率は99.976%に達した。さらに回収した放射性Krを精製することによって, その純度は99.9908%に達した。すなわち, 気密容器内に漏洩した放射性Krをほとんど100%近くまで回収可能であり, かつ回収した放射性Kr中のHeを100ppm以下まで除去することができる。
著者
山本 智章 佐藤 成登志 石川 知志 Yamamoto Noriaki Sato Naritoshi Ishikawa Tomoji
出版者
新潟医療福祉学会
雑誌
新潟医療福祉学会誌 (ISSN:13468774)
巻号頁・発行日
vol.8, no.2, pp.46-50, 2008-12

We reported clinical results of the treatment of lumbar disk disorder patients by using active traction apparatus DRX-9000(Axiom Worldwide, Tampa, FL, USA). Fifty patients were received 30-minites sessions every week or 2 weeks, for 3 months. Pain as measured on visual analog scale rating significantly decreased at 4.91±0.93 to 2.69±1.02 (p<0.01), and 76% patients indicated satisfaction for treatment. . DRX-9000 spinal decompression is expected to improve discogenic low back pain producing negative pressure in intervertebral disc by different mechanism from conventional traction. Further studies are requires to demonstrate the evidence of effectiveness of DRX-9000 treatment on lumbar disc disorders.能動的牽引治療器DRX-9000による椎間板障害患者の治療を行い、76%の患者で疼痛の改善効果が得られた。これまでの牽引装置と異なるメカニズムで椎間板に陰圧を生じることにより除圧効果が期待される。本治療器の有効性の確立にはさらなる検討が必要であり、Randomized double blind trialを含めた研究の蓄積が求められる。
著者
山本 明歩 Akiho YAMAMOTO 京都文教大学総合社会学部 KYOTO BUNKYO UNIVERSITY Department of Social Relations
出版者
京都文教大学
雑誌
総合社会学部研究報告 = Reports from the Faculty of Social Relations (ISSN:21888981)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.11-26, 2012

Anabaptists, who reside in many countries throughout the world, include the Mennonites, the Amish, the Brethren and Hutterites. The customs in some of the old-order groups in Anabaptists are distinguishable in many ways from those of the society around them. This difference, along with their religiousness, makes them look fundamentalistic and conservative. In short, they are often viewed as groups of people who restrict personal freedom and resist any changes in lifestyle. In contrast to such observations, this paper argues that Anabaptists actually put emphasis on individual choice and that this leads to the diverse cultural traits and behavior which include what seems to be the resistance to assimilation or acculturation observed in traditional groups.
著者
金折 裕司 小林 健治 安野 泰伸 割ヶ谷 隆志 山本 哲朗
出版者
一般社団法人 日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.220-230, 1999-10-10 (Released:2010-02-23)
参考文献数
27
被引用文献数
1 3

1997年6月25日に発生した山口県北部地震 (M6.1) の震央付近の阿武川河床で確認された断層露頭の性状を記載するとともに, 地震動による家屋被害のデータを再検討し, 震源断層と断層露頭や被害域との関係を議論した. 断層露頭は地質境界として指摘されていた迫田-生雲断層の北東端付近に位置し, NE-SW方向で幅5m以上のカタクレーサイト化したゾーンが発達している. このゾーン内部には最大幅50cmの断層ガウジ帯が “杉” 型に雁行配列して発達し, 右横ずれの運動センスを示唆する. この運動センスは山口県北部地震の発震機構と一致した. さらに, この地震の余震は迫田-生雲断層北東部に集中する.家屋被害率を被害家屋総数/世帯数と定義し, 山口県阿武郡阿東町とむつみ村の地区 (字) ごとに被害率を計算した. 被害率の最も高かった生雲西分地区は震央の南西約5kmに位置し, 迫田-生雲断層上にあった. また, 被害域は生雲西分を中心とし, 迫田-生雲断層を軸とする半径10kmの円内に収まっている. これらのことから, 山口県北部地震は迫田-生雲断層北東部の活動で発生したことが裏付けられた.
著者
長坂 英明 川中 普晴 山本 晧二 鈴木 清詞 高瀬 治彦 鶴岡 信治
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
日本知能情報ファジィ学会 ファジィ システム シンポジウム 講演論文集 第28回ファジィシステムシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.739-742, 2012 (Released:2013-07-25)

近年,認知症を患う高齢者数の増加が医学的・社会的な問題となっており,認知症の予防・改善は重要な課題である.これらの課題を解決する手法の一つとして,現在,ロボットセラピーが注目されている.一方,認知症の進行度を評価する方法として対面式の認知症チェックテストが実施されている.しかしながら,これらの方法では「テストである」ことを対象者が意識してしまうため,緊張等から普段とは異なる回答を行う可能性がある.また,対象者の中にはテスト自体に嫌悪感を抱く人も少なくない.そのため,認知症チェックテストは対象者に意識されることなく実施できることが望ましい.そこで本研究では,対象者にテストを行っていることを意識されないような認知症の進行度評価システムの構築について検討する.ここでは,会話型ロボットとの簡単な会話から被験者の認知症の進行度を評価するシステムを試作し,評価実験を行った.本稿では,試作したシステムについて紹介するとともに,その有効性と問題点についても議論した.
著者
山本 珠美
出版者
東京大学
雑誌
生涯学習・社会教育学研究 (ISSN:1342193X)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.47-55, 1997-03-31

In the Meiji era the fruits of science and technology were seen only in public enterprises, while in the Taisho era they started to affect home life. The impact of WWI caused science boom in the political, the business, the academic circles. At the same time, new attention was paid to home life. For example, home life was displayed in many kinds of expositions, which were held originally for the development of domestic industries. Then the connection between science and life was completed. The concrete examples were (1)special exhibitions in Tokyo Educational Museum about health and sanitation, efficient homework (food, clothing, shelter, and bringing up a child), and economical life through; (2)many kinds of articles in Friend of housewives (Shufu no tomo) , Scientific Knowledge (Kagaku Chishiki) etc. In this phase, women were expected to carry out "Saientification of Life". Though they were named 'science', many of them were how-to instructions about daily life. First of all, 'Scientification of Life' meant a source of national wealth and power, and secondary the presentation of civilization. But women regarded it as an almighty means for an achievement of enjoyable and beautiful life. There was a gap between scientists and women, but they had agreement in that science would make up desirable future.
著者
山本 信吉
出版者
国史学会
雑誌
国史学 (ISSN:03869156)
巻号頁・発行日
no.192, pp.1-14, 2007-04
著者
岩月 奈都 久保田 勝俊 山本 喜之 中根 久美子 粕谷 法仁 植田 祐介 鈴木 和人 花之内 基夫
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.41-44, 2015 (Released:2015-07-10)
参考文献数
3

近年, HBs抗原陰性, HBs抗体もしくはHBc抗体陽性者のB型肝炎ウイルスが, 再活性化されることにより引き起こされるdenovoB型肝炎の重症化の報告がなされている。免疫抑制・化学療法患者が発症するdenovoB型肝炎は, 医療訴訟にまで発展することもあり, その対策として, 2009年1月に厚生労働省より『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン』が公表され, 2013年には日本肝臓病学会より『免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン (改定版)』(以下ガイドライン) が公表され, 各施設での対応が急務とされている。当院でも, 化学療法委員会で協議され, 医療の安心・安全及び迅速化を提供するためHBc抗体の院内測定を実施することとなった。 調査期間中, HBc抗体が測定された理由は, 化学療法対象患者並びに免疫抑制剤使用患者, 輸血前感染症検査, ウイルス性肝炎検査であった。当院においても, ガイドラインに適応する症例は218例中15例あり, 通常の感染症スクリーニングでは見つけることの出来ないHBs抗原陰性かつHBc抗体陽性の患者は決して少なくない結果となった。 今後も免疫抑制・化学療法の対象患者は増加することが予想されるなか, 安心・安全な医療の提供の為にもガイドライン遵守の必要性が示唆された。
著者
金折 裕司 小林 健治 安野 泰伸 割ヶ谷 隆志 山本 哲朗
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.220-230, 1999-10-10
参考文献数
27
被引用文献数
5 3

1997年6月25日に発生した山口県北部地震(M6.1)の震央付近の阿武川河床で確認された断層露頭の性状を記載するとともに, 地震動による家屋被害のデータを再検討し, 震源断層と断層露頭や被害域との関係を議論した.断層露頭は地質境界として指摘されていた迫田-生雲断層の北東端付近に位置し, NE-SW方向で幅5m以上のカタクレーサイト化したゾーンが発達している.このゾーン内部には最大幅50cmの断層ガウジ帯が"杉"型に雁行配列して発達し, 右横ずれの運動センスを示唆する.この運動センスは山口県北部地震の発震機構と一致した.さらに, この地震の余震は迫田-生雲断層北東部に集中する.家屋被害率を被害家屋総数/世帯数と定義し, 山口県阿武郡阿東町とむつみ村の地区(字)ごとに被害率を計算した.被害額の最も高かった生雲西分地区は震央の南西約5kmに位置し, 迫田-生雲断層上にあった.また, 被害域は生雲西分を中心とし, 迫田-生雲断層を軸とする半径10kmの円内に収まっている.これらのことから, 山口県北部地震は迫田-生雲断層北東部の活動で発生したことが裏付けられた.
著者
山本 玄珠 長峰 崇 北垣 俊明 海野 友紀
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科学 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.375-388, 2004
参考文献数
32

筆者らは,青森県尾太鉱山跡地坑道内において,廃水性マンガン団塊を発見した.本マンガン団塊は,15年以内で形成されたものである.粗粒から中礫サイズのこのマンガン団塊は,ブドウ状表面構造を有すマンガンクラスとともに産出するが,それらは微生物のマットと思われる物質が広く発達している中に認められる.いくつかのマンガン団塊のコアや表面には微生物と思われる物質が含まれていた.今回発見されたマンガン団塊は全て球状を呈し、層構造を有すが,それらは深海のマンガン団塊の形状(Meylan 1974)で示すとs-m[SDP]sまたはs-m[SDP]s+rに分類される.本マンガン団塊が微生物的物質と共に存在することから,本マンガン団塊の形成には,微生物的物質が関係していると考えられる.
著者
山本 朋弘 池田 幸彦 清水 康敬
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.153-156, 2004-03-05
参考文献数
2
被引用文献数
2

体育の「跳び箱運動」で,教師がどの程度実技を提示できるかを調査し,高学年の種目において,動画コンテンツの有用性について検討した.また,動画コンテンツを活用した授業実践を進め,子どもの意識調査や習熟状況を分析し,動画コンテンツを活用した場合の学習効果について検討し,自ら課題を明確にさせる上で学習効果があることを明らかにした.また,動画コンテンツを用いた学習は早い段階でさせた方がいいことを示した.
著者
松本 賢一 諫早 勇一 山本 雅昭 高木 繁光
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

研究代表者を含め4人の共同研究者は、それぞれ1.ワイマール共和国時代のドストエフスキイ流行について、2.ベルリンにおける亡命ロシア人の活動と文学作品のかかわり、3.ワイマール時代のドイツにおけるユダヤ人問題について、4.映画製作の手法における独露の影響関係について、といったテーマを設定し、概ね次のような知見に達した。1.ワイマール時代のドストエフスキイ流行は、既にロシア第一次革命の直後に種子が蒔かれており、その仲立ちを務めたのがメレジュコフスキイとメラー-ファン-デン-ブルックであった。後者はドストエフスキイの過激な民族主義とナチズムをつなぐ役目を果たしてもいる。2.亡命ロシア人、ことにウラジーミル・ナボコフにとってベルリンは、サンクトペテルブルグを髣髴とさせる安住の地であったが、作品執筆に当たり、彼はロシア語版と英語版でベルリンを想起させる描写に相違を持たせ、作品に一層の普遍性を与えようとした。3.)ワイマール時代とは、ユダヤ人にとって「同化」を目指す変貌の極点であったが、同時に反ユダヤ主義とシオニズムが一層激しさを増した時代でもあった。そのような中に身をおいたユダヤ人が自らのアイデンティティーの基盤としたのが虚構の精神的共同体としてのJudentumであった。4.ワイマール期から第二次大戦に至る時期のドイツ映画に特徴的なディテールを分析していくとひとつの方向性を見出すことができる。それは、単に時代精神や社会的動向によってのみ説明される方向性ではなく、「バロック的アレゴリー劇」とでも名付け得る流れであり、その影響力は近年の映画製作にも及んでいる。
著者
谷澤 琢朗 山本 昭
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.158-164, 2016

日本語のテキストを対象に、漢字の部首による分類の可能性を調査した。Excel マクロを作成し、テキストの漢字部分を部首に変換した。部首の出現頻度、頻度順位を異なる分野のテキストにおいて比較した。タイトルと全文とで部首頻度、頻度順位は同様の傾向を示した。「頻出7部首」はどの主題分野においても上位に現れた。図書タイトルでは、分野に特徴的に多く/少なく出現する部首が見られた。同一雑誌を一冊単位で分析すると、どの号もほぼ順位は一定であった。一方、雑誌の個々の記事単位では差が見られた。バルクなテキストの分類に対して部首の利用が有効であることが示唆された。