著者
山本 孝司
出版者
サレジオ工業高等専門学校
雑誌
サレジオ工業高等専門学校研究紀要 (ISSN:18812538)
巻号頁・発行日
no.35, pp.117-126, 2009

本論分では, 3次元幾何ソフトCabri 3Dv2を利用して,円錐曲線の定義を視覚化する.また平面幾何ソフトCabre Geometry II plusを使って,パッポスが証明した統一的な定義にしたがって円錐曲線を作図する.更に円錐曲線の極方程式を導き,方程式から離心率の意味を考察しフリーソフトGrapesで視覚化する.
著者
山本 哲也 長谷川 香子 小野田 誠 田中 啓一
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.136, no.6, pp.905-911, 2016 (Released:2016-06-01)
参考文献数
13
被引用文献数
1 7

Iguratimod (IGU), a disease-modifying antirheumatic drug launched in September 2012, has been reported to carry a risk of severe hemorrhages through a suspected interaction with warfarin (WF) in the all-case surveillance and early postmarketing-phase vigilance. To elucidate possible mechanisms of adverse interaction between IGU and WF, we analyzed the effects of IGU on the pharmacodynamics and pharmacokinetics of WF in rats. IGU was orally administered to male Wistar rats once daily for 5 d at 10 or 30 mg/kg in combination with WF at an oral dose of 0.25 mg/kg. Coadministration of IGU 30 mg/kg enhanced the anticoagulant activity of WF; prolonged blood coagulation time (prothrombin time and activated partial thromboplastin time) and decreased levels of vitamin K (VK)-dependent blood coagulation factors (II, VII, IX, and X) were observed. On the other hand, the pharmacokinetic parameters of WF including maximum plasma concentration (Cmax) and area under the plasma concentration-time curve from 0 to 24 h (AUC0-24 h) were not affected by the combination with IGU. IGU alone did not change blood coagulation time at doses up to 100 mg/kg, while VK-dependent blood coagulation factors decreased slightly at 30 and 100 mg/kg. These results suggest that the pharmacodynamic effect of IGU on VK-dependent blood coagulation factors is involved in the mechanism of drug-drug interaction of IGU with WF.
著者
山本 淳一
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.297-303, 1997-07-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
8

本論文では, 自閉症児の音声言語獲得の基盤となる前言語的伝達行動 (共同注視, 叙述的指さし, リファレンシャル・ルッキング) が成立するための条件を, 「環境の中にある刺激」, 「大人」, 「子ども」の3項関係の中で明らかにし, それを確立するための心理学的指導技法について検討を加えた.まず, 自閉症児の対人的相互作用, 意志伝達の困難の基礎にある知覚・認知系の障害を検討した.その結果, 重度自閉症児に, さまざまな伝達機能を形成する場合, (1) 社会的刺激に対する視覚的注意を高めるための訓練, (2) 特定の方向に注意を定位するための腕や指の運動反応形成訓練, (3) 大人の視線の動きや, 自分自身の視線の動きと指さしなどの運動反応を協応させるための訓練, (4) 外界からの社会的フィードバックに対する応答性を高める訓練が有効であることが明らかになった.
著者
山本 貴士 安原 昭夫
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.49, no.6, pp.443-447, 0001-01-01 (Released:2001-06-29)
参考文献数
19
被引用文献数
10 15

ビスフェノールA(BPA)は,エストロゲン活性を示すことから内分泌撹乱化学物質と疑われている物質であり,社会的にも注目を集めている。この物質はポリカーボネート(PC)やエポキシ樹脂等の原料であることから,このような製品からの溶出について多くの関心が払われてきた。しかし,著者らが廃プラスチックからのBPAの溶出について検討したところ,塩化ビニル(PVC)製品からの溶出量が極めて大きいということが分かった。家庭において,よく水にさらされるPVC製品にホースがある。これらPVC製ホースからのBPAの溶出を調べたところ,実験に供した9製品すべてから溶出が確認され,濃度範囲は4.0~1730μg/lであった。製品の一つについて,水との接触時間を24時間まで変えて溶出濃度を求めたところ,最大558μg/lであった。単に水を通過させただけでも8.7μg/lのBPAが溶出した。これは,PC製品からの溶出濃度に相当する。
著者
吉川 聡 渡辺 晃宏 綾村 宏 永村 眞 遠藤 基郎 山本 崇 馬場 基 光谷 拓実 島田 敏男 坂東 俊彦 浅野 啓介 石田 俊 宇佐美 倫太郎 海原 靖子 大田 壮一郎 葛本 隆将 黒岩 康博 桑田 訓也 古藤 真平 小原 嘉記 坂本 亮太 島津 良子 高田 祐一 高橋 大樹 竹貫 友佳子 谷本 啓 徳永 誓子 富田 正弘 中町 美香子 長村 祥知 根ヶ 山 泰史 林 晃弘 藤本 仁文 水谷 友紀 山田 淳平 山田 徹 山本 倫弘 横内 裕人 栗山 雅夫 佃 幹雄
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009-04-01

東大寺図書館が所蔵する未整理文書のうち、中村純一寄贈文書と、新修東大寺文書聖教第46函~第77函を調査検討し、それぞれについて報告書を公刊した。中村文書は内容的には興福寺の承仕のもとに集積された資料群であり、その中には明治維新期の詳細な日記があったので、その一部を翻刻・公表した。また中村文書以外の新修東大寺文書からは、年預所など複数の寺内組織の近世資料群が、元来の整理形態を保って保存されている様相がうかがえた。また、新出の中世東大寺文書を把握することができた。
著者
上野 智子 山本 昭子 島田 直子 和佐野 仁代
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.369-378, 2005-06-15

Concerning the consciousness of body shape of Japanese students in the Kyushu area, an investigation was made on 598 males and 557 females ranging in age from 18 to 29 from the viewpoint of differences between the sexes. The results were as follows: 1) The degree of satisfaction with their own body proportions is lower in females than in males. The principal body parts with which over 50% of subjects are dissatisfied are body height, upper limb girth and bust girth in males, and all the body parts in females. 2) Males and females differ on what constitutes the ideal female body shape. Females desire leaner bodies than males desire for them. 3) According to correlation analysis, the regression lines of the ideal body weight to ideal height show a bias toward leanness in females, while the regression line for males is centrally situated in the normal range based on BMI.
著者
塙 賢哉 福島 亜梨花 山本 詩子 廣安 知之
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.28, 2014

fNIRS装置から得られる脳血流変化量が生体的な特徴と相関があるかどうかは議論の余地がある。本研究では、脳血流変化量を特徴量とし被験者の識別を行い、その結果の優位差を検討することで、着目する相関を議論する。本発表では、記憶タスク時に音環境を変化させた際に男女の成績の違いが見られた知的作業時の脳血流変化量をDeepLearningを用い,男女の識別を行う。結果から、着目する相関が見られることを示す。
著者
山門 實 新原 温子 山本 浩史 山本 麻以 谷 瑞希 戸田 晶子 石坂 裕子
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.673-677, 2013 (Released:2014-03-28)
参考文献数
19
被引用文献数
2

目的:がん患者と健常人の血漿中アミノ酸濃度(PFAA)のバランスの違いを「アミノインデックス技術」を用いて統計解析し,がん罹患の確率を予測する新規がん検診として,アミノインデックス®がんリスクスクリーニング(AICS)が開発され,現在,肺,胃,大腸,前立腺,乳腺,子宮・卵巣の6種のがんに対するスクリーニング検査が実用開始された.本研究では,AICSの精密検査対象となるランクCの割合とAICS値の分布の妥当性について,AICS導出時の理論値と人間ドック受診者での検査結果を比較検討した.方法:三井記念病院の人間ドック受診者799名(男性494名,女性305名,平均年齢59±11歳)を対象とし,各がん種に対するランクCの割合とAICS値について,AICS導出時の理論値と比較した.結果:人間ドック受診者のランクC割合は,AICS(大腸),AICS(乳腺),AICS(子宮・卵巣)では,6.8%,3.0%,3.8%であり,理論値の5%と有意差がみられず,AICS値の分布も理論値と同等であった.AICS(肺),AICS(胃),AICS(前立腺)のランクC割合は,10.1%,10.8%,11.3%と理論値より有意に高く,AICS値分布も理論値と有意差がみられた.結論:ランクC割合およびAICS値分布が理論値とほぼ同等であったことは,AICSが新規がん検診として応用可能であることを推察させた.
著者
八木 千鶴 大喜多 祥子 奥山 孝子 樋上 純子 細見 和子 山本 悦子 米田 泰子 渡辺 豊子
出版者
The Japan Society of Cookery Science
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.112-121, 2015
被引用文献数
1

微細米粉を用いたスポンジケーキ生地とスポンジケーキの物理的特性を,小麦粉を用いた場合と比較することによって明らかにした。<br> 1. DSC曲線では糊化エンタルピー変化は米粉の方が大きく,デンプンを充分に糊化するための熱量は,米粉の方が小麦粉より多く必要であった。<br> 2. 米粉スポンジケーキ生地の粘度は小麦粉スポンジケーキ生地より小さかった。<br> 3. 焼成時の内部温度は,加熱初期には米粉スポンジケーキ生地の方が小麦粉スポンジケーキ生地より高かったが,加熱後半には低くなり,米粉スポンジケーキの焼成時間は小麦粉スポンジケーキより長くかかった。<br> 4. 米粉スポンジケーキは小麦粉スポンジケーキより,質量は軽くなったが形状はほとんど差がなかった。また,米粉スポンジケーキの内部は軟らかかったが上面端部は硬かった。<br> 5. 官能評価の結果,米粉スポンジケーキは上面端部が硬く甘いため好まれなかったが,米粉スポンジケーキの内部は小麦粉スポンジケーキに比べ劣るものではないと考えられる。
著者
桜井 直樹 岩谷 真一郎 寺崎 章二 山本 良一
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.31-35, 2005 (Released:2005-11-11)
参考文献数
13
被引用文献数
27 34

キュウリ3品種の肉質 (シャキシャキ感) を音響的に測定した. ガラスシリンジのピストンと先端を尖らせたプローブの間にピエゾ圧電素子をはさみ, シリンジに水をポンプで送り込みながら, プローブを毎分35 mmの速度でキュウリに挿入し, プローブが受信した音響的振動をピエゾ素子で直接検出し10000 Hzまでの信号を測定した. 振動信号は高速フーリエ変換し, 振動強度の周波数スペクトルを得た. 1~6 kHzの間の振動強度に, 品種間, 部位別の違いがもっともよく現れた. そこで, 高周波成分の振動強度を強調し, 全ての周波数成分を積分した値を計算し, シャキシャキ感を示す新しい指標“シャープネス”を提案した. シャキシャキ感を示す“シャープネス”が農産物の食感をどれくらい定量的に評価できるかについて議論した.
著者
塚 佳織 山本 信次
出版者
農村計画学会
雑誌
農村計画学会誌 = Journal of Rural Planning Association (ISSN:09129731)
巻号頁・発行日
vol.28, pp.231-236, 2010-02-28
被引用文献数
2

Currently, revitalisation of communities is a common issue both in urban and rural areas in Japan. Social capital (SC) has beenattracting attention as a key to solve this problem and this study focuses on festivals that are common community resources both to urban and rural areas. The research target is 'Kenka Tanabata Festival' of Kesen Cho, Rikuzentakata City in Iwate Prefecture. Ananalysis is made in the perspective that new SC is formed and existing SC is reinforced during the process of attempting tosupplement necessary human and economical resources within and from outside the community.
著者
山田 理恵 山本 徳郎
出版者
鹿屋体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2003

本研究では,日本各地において行われてきた伝統的な打球戯の形態と変遷について明らかにすることを目的とした.具体的には,今日まで継承されている八戸・長者山新羅神社の加賀美流騎馬打毯と徒打毯,山形・豊烈神社の騎馬打毯と徒打毯,宮内庁主馬班の騎馬打毯,薩摩・大隅地方のハマ投げ,徳島県で行われていた騎馬打毯などについて,文書を中心とした史料の調査・収集と収集史料の解読・吟味,現地調査による動画・静止画の撮影・編集とデータの蓄積を行い,それらをもとに,各地の伝統的な打球戯の形態と移り変わり,独自性について考察した.その主な内容は,次のようにまとめられる.1.現在薩摩・大隅地方において継承されているハマ投げは,伝統的な競技法に基づきながらも異なる形態で行われており,さらに普及のための活動もなされている.2.徳島県では,特に1938年5月以降,馬産熱の振興と馬の育成,馬術の向上,尚武の精神の高揚などを目的として騎馬打毯の大会や講習会が盛んに開催されるようになり,第二次世界大戦中まで続けられていた.戦後は,馬の需要の減少等に伴って徐々に衰退していったと考えられる.3.八戸と山形の騎馬打毯は祭礼・神事と結びついていること,また八戸では免許制度も確立されていることが,今日まで継承されてきた要因であると考えられる.4.徳島の騎馬打毯の場合は,儀礼的な要素をもっていなかったことが衰退した一因であると考えられ,ここに,八戸・山形の騎馬打毯の展開とは異なる徳島の騎馬打毯の独自性があるといえる.