著者
宮内 賢治 山田 大彦
出版者
Japanese Society of Steel Construction
雑誌
鋼構造論文集 (ISSN:18809928)
巻号頁・発行日
vol.14, no.55, pp.37-46, 2007-09-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
8

The purpose of present study is to propose the approximate technique taking deflection of foundation girders and pile-soil into consideration for structural analysis. Separation of the upper structure from the pile-soil structure is the practical method in case of structural frames with foundation girders constructed from reinforced concrete of high stiff ness, but it isn't a general method in case of foundation girders of finite rigidity. In the pres ent analysis, two approximations are applied, and those enable to separate the analysis of the upper structure from that of the pile-soil structure. This is proposed as a new approximation method of rotation-rigidity.
著者
山田 浩喜 佐藤 忠彦
出版者
日本行動計量学会
雑誌
行動計量学 (ISSN:03855481)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.41-57, 2020 (Released:2020-12-11)
参考文献数
52
被引用文献数
1

We attempt to clarify the mechanism of the amount of money of purchase by each customer in a department store in Nagoya city using the Bayesian regression model. Specifically, we use two types of explanatory variables, “Direct mail”, and “Events”, to research a relationship between the purchase amount and department store's strategy. Direct mail means the number of mails that the department store uses to inform their customers about new items, privileges of card holders, and storewide events. We also add “frequency coming to the store” as explanatory variables. Additionally, we adopt type-1 Tobit model to presume the optimal value for the dependent variable, if the dependent variable in the regression model is zero. Furthermore, we examine the relation between department strategy and the customer's attributes by incorporating customer's attributes into the hierarchical model.
著者
高野 正太 山田 一隆
出版者
日本大腸肛門病学会
雑誌
日本大腸肛門病学会雑誌 (ISSN:00471801)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.233-238, 2016 (Released:2016-04-25)
参考文献数
31

便失禁に対する脛骨神経刺激療法(PTNS)は簡便で侵襲も少ないが,効果は仙骨神経刺激療法より劣り効果を疑問視する論文もある.両側PTNSの便失禁に対する効果を検討した.対象は2014年3月~2015年3月に6ヵ月以上の便失禁を訴えた患者22名.両側の脛骨神経部体表に電極パッドを貼付する両側PTNS 30分を週2回,6週間(計12回)施行.治療前後に1週間の便失禁回数,Wexnerスコア,FIQL,肛門内圧検査を行った.Wexnerスコアは10.2→6.9に低下(p=0.048).1週間の便失禁回数は4.7→1.5に減少(p=0.039),76.2%で回数が半分以下に減少した.FIQLは羞恥心の項目のみ2.2→2.8と改善したが(p=0.02),総合では2.7→3.1と有意な改善は認めなかった.PTNSは簡便で低予算だが効果はSNMに比べて低く,説明を十分に行った上で治療の選択肢の1つとすべきである.

1 0 0 0 OA 新式 節用辞典

著者
山田武太郎 著
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1892-12-27

1 0 0 0 OA 光と気分

著者
村上 純一 山田 尚登
出版者
一般社団法人 照明学会
雑誌
照明学会誌 (ISSN:00192341)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.378-380, 2002-06-01 (Released:2011-07-19)
参考文献数
12
著者
山田 肖子
出版者
国際開発学会
雑誌
国際開発研究 (ISSN:13423045)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1-2, pp.17-33, 2016-11-15 (Released:2019-09-27)
参考文献数
31

Based on the analysis of the discourse in the process of consensus building toward a post-2015 education agenda, this paper will examine if commonly accepted notion of “global governance” represents the reality or is in need of revision.The paper examines the interplay among actors who took part in the discourse via different channels of global governance, including both formal and informal channels. Most of the forums and entities established as part of the global governance structure are composed of representatives from UN or UNESCO member states, civil society organizations (CSOs), and UN agencies. However, each of these categories has diverse constituent groups; representing these groups is not as straightforward a task as the governance structure seems to assume. Therefore, based on interviews and qualitative text analysis, this paper will introduce major groups of actors and their major issues of concern, decision-making structure, mode of communication, and relationship with other actors. Then, based on an understanding of the characteristics of the various channels and actors, it will present the structural issues which determined the nature of discourse and the educational issues that emerged as the shared concerns of the “education community”.What was the post-2015 discourse for the so-called education community, which in itself has an ambiguous and virtual existence? The key words post-2015 and post-EFA provide us with an opportunity to untangle how shared norms and codes of conduct were socially constructed in the vertical and horizontal spaces of discourse at the global, regional, and national levels.Given that the most of such processes toward constructing the norms and decision-making framework happened outside of the formal United Nations-led mechanism, the paper argues that the global governance theories based on the relationships between states and their representative “international bodies” are losing relevance to the global dynamics of consensus building.
著者
山田 拓実 大津山 堅介 廣井 悠 加藤 孝明
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.1110-1117, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
32

都市計画と河川整備が連携した流域治水の観点より、本稿では河川整備の効果と将来の世帯増減の変化を踏まえ、即地的かつ流域全体を見据えた都市側の治水対策を検討することを通じて都市計画分野において生じる課題を抽出することを目的とする。河川整備前後の浸水リスクの比較から流域自治体により河川整備の効果が異なることが明らかになった。将来の世帯増減と合わせて検討したところ、長期的な都市の状況を考慮する必要性や周辺区域の治水対策・自治体が主導する都市計画制度との整合性が求められることが明らかとなった。
著者
山田 拓也 山田 正
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会研究発表会要旨集 第18回(2005年度)水文・水資源学会総会・研究発表会
巻号頁・発行日
pp.138, 2005 (Released:2005-07-25)

津波の河川遡上や洪水波の流下等,河川を伝播する波動現象は河川管理上非常に重要な問題である. 特に河川蛇行部では曲率に伴う遠心力の影響により,波の振幅が増大する事が考えられる.従って川を遡上・流下する波動の解析には河川形状の影響を正確に反映する必要がある.従来,波動論では水深変化に伴う波形変化や砕波・分散の影響に関する1次元解析が幾多の研究者により研究され,優れた成果が示されている.一方,河川で生じる波動現象に着目し,河川形状を正確に考慮した二次元理論解析を行った研究は著者が調べる限り存在しない.本研究では, 任意河川形状に適合する一般化座標系を用いて河川形状を解析に正確に反映した河川に於ける波動解析を行う.
著者
粟生田 友子 長谷川 真澄 太田 喜久子 南川 雅子 橋爪 淳子 山田 恵子
出版者
一般社団法人 日本老年看護学会
雑誌
老年看護学 (ISSN:13469665)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.21-31, 2007-11-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
20
被引用文献数
4

本研究の目的は,(1)せん妄発生因子を患者へのケア実践過程にしたがって構造化し,(2)その発生因子とせん妄発症との関連を明らかにすることである.せん妄発生因子は,【背景・準備因子】【身体・治療因子】【患者因子】【周辺因子】の4領域102項目と,薬剤104種類について,せん妄発症との関連を検証した.研究の場は一般病院1施設の,産科,小児科,脳神経外科病棟を除く7病棟であり,2005年1〜3月の3か月間に,基点となる週から2週間ごとに等間隔時系列データ収集法を用いて,6クールのデータ収集を行い,75歳以上の入院患者の全数を調査した.その結果,対象はのベ461名得られ,DRS-Nによってせん妄発症の有無を判定したところ,せん妄発生群96名(DRS-N平均得点16.16点),非せん妄発生群365名(2.44点)となった(発症率20.8%,t=37.687,p=.000).【背景・準備因子】では,「年齢」「入院ルート」「認知症または認知障害」「脳血管障害」「せん妄の既往」の5項目で両群に有意差が認められ,【身体因子・治療因子】で,身体因子の「せん妄を起こしやすい薬物の投与数」「高血圧の既往」「脳血管疾患の既往」「消化器疾患の既往」「感染症徴候(CRP,発熱)」「低血糖/高血糖」「肝機能障害(LDH)」の7項目,治療因子の「緊急手術」「緊急入院」の2項目に有意な差があった.【患者因子】では,日常生活変化の「陸眠障害(夜間不眠,昼夜逆転)」「排尿トラブル(尿失禁,おむつ使用)」「排便トラブル(下痢)」「脱水徴候」「低酸素血症(O2 sat)」「ライン本数」「可動制限(生活自由度)」「視覚障害(眼鏡使用)」の8項目,【周辺因子】では,物理的環境の「部屋移動」,物理的環境への認識/反応の「日にちの確認(カレンダーで確認)」「時間の確認(時計で確認)」「点滴瓶やルートが気になる」の4項目に有意差を認めた.今回抽出できた因子は,せん妄の発症リスクの判断指標となりうるもの,あるいは看護介入によって発症を予防できる可能性をもつものであり,看護職が日々のケアの中で介入可能なものに対して介入方法とその効果を明確にしていくことが今後必要であると考えられた.
著者
都築 知香枝 石黒 彩子 浅野 みどり 三浦 清世美 山田 知子 奈良間 美保
出版者
一般社団法人 日本小児看護学会
雑誌
日本小児看護学会誌 (ISSN:13449923)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-31, 2006-03-20 (Released:2017-03-27)
参考文献数
8
被引用文献数
1

目的:(1)AD児をもつ母親の生活困難度,育児ストレスについて非AD児の母親との比較を行なう。(2)ADの疾患特性,生活困難度が,育児ストレスにどのように関連しているかを明らかにする。方法:2〜6歳のAD児の母親と非AD児の母親を対象に,属性,生活困難度,Parenting Stress Index(PSI)の質問紙調査を実施した。年齢について1対1対応でペアマッチングさせ,AD群,対照群ともに121組を解析対象とした。実施に際し,学内の研究委員会の倫理審査で承認を得た。結果:1)AD児の母親と対照群での育児ストレス総得点の比較において,有意差はみられなかった。2)AD児の母親は対照群に比較して,子どもに問題を感じていた。3)重症である児の母親ほど,子どもの機嫌の悪さや子どもに問題を感じていた。4)合併症の有無と育児ストレスには相関がみられなかった。5)育児ストレスと生活困難度の間には有意な相関が見られた。
著者
福岡 範恭 山田 広行 安心院 康彦 池田 尚人 尾方 純一 杉田 学 髙松 純平 中村 光伸 溝端 康光
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.22, no.4, pp.580-586, 2019-08-31 (Released:2019-08-31)
参考文献数
5

救急隊員による病院前救護における疾病の観察・処置の標準化として『PEMECガイドブック2017』が出版されて以降,PEMECコースが開催されている。本稿ではコース概要と開催状況,参加者より得た意識調査結果から今後の課題について考察し報告する。2018年10月までに行われたコース受講者196名に意識調査を実施した結果,184名から有効な回答が得られた。全体的な評価で「よい」と回答した75名(40.7%)を高評価群,「まあよい」「普通」「あまりよくない」と回答した109名(59.2%)を低評価群に分類し,全体の評価に強く影響を与えたコースプログラムの各項目をロジスティック解析により分類した。その結果「アルゴリズムの理解」「インストラクターの知識」「インストラクターの解説」が評価に関連する主要な因子として明らかになった(p<0.05)。コース内容は,概ねよい支持を得ているが,インストラクターの教育技能を向上させること,アルゴリズムの理解を深める指導の必要性が示された。
著者
繁森 英幸 渡邉 諒子 須藤 恵美 山添 紗有美 成澤 多恵子 堀之内 妙子 渡邉 秀典 長谷川 剛 山田 小須弥 長谷川 宏司
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集 57 (ISSN:24331856)
巻号頁・発行日
pp.PosterP49, 2015 (Released:2018-10-01)

植物の具備する屈性現象については、これまで「オ-キシンが光側から影側に移動(光屈性)または上側から下側へ移動(重力屈性)することによって屈曲する」というCholodny-Went 説によって説明されてきた。しかしながら近年、「オ-キシンの横移動は全く起こらず、光側組織で成長抑制物質が生成され光側組織の成長が抑制される結果、光方向に屈曲する」という新しい光屈性の仮説 (Bruinsma-Hasegawa説)が提唱され、重力屈性についても同様に成長抑制物質が関与することが示唆された(図1)1-6)。そこで本研究では、Bruinsma-Hasegawa説に基づき、屈性現象に関わる生理活性物質を用いて、光刺激や重力刺激の感受から始まり、最終的に観察される屈曲といった一連の機序について、化学的ならびに生物学的手法を用いて分子レベルでの解明を行うことを目的とする。本討論会では、ダイコン下胚軸の光屈性制御物質の合成ならびに機能解明およびトウモロコシ幼葉鞘の重力屈性機構の解明について以下に報告する。図1.光屈性の仮説(左図、中央図)と重力屈性の仮説(右図)1.ダイコン下胚軸の光屈性制御物質の合成ダイコン下胚軸の光屈性制御物質として、MTBG、MTBIおよびRaphanusaninを見出した(図2)4)。MTBIおよびRaphanusaninはいずれも光屈性刺激によって光側組織で短時間に増量するが、影側や暗所下では変動しないことを明らかにした。また、光側において短時間で加水分解酵素の活性が高まることも見出した。そこで本研究では、これら光屈性制御物質の合成ならびにそれらを用いて機能解明を行った。図2.ダイコン下胚軸の青色光誘導性成長抑制物質の生成機構・MTBGの合成1,4-Butanediolを出発原料とし、TBDMS基で保護、酸化してアルデヒド体に誘導し、オキシム化に続いて塩素化を行った。このオキシム体をチオグルコシル化し、アセチル化、TBDMS基の脱保護、Dess-Martin酸化によるアルデヒド体への誘導、Wittig試薬によるメチルチオメチル化、アセチル基の選択的脱保護、硫酸エステル化、最後に脱アセチル化を行い、目的とするMTBGを合成した(図3)7)。図3.MTBGの合成スキーム・MTBIおよびRaphanusaninの合成 Thiolaneを出発原料とし、S-メチル化した後にNaN3を用いてアジド化合物へ誘導、この化合物をNCSで処理し加熱還流してビニルスルフィド化合物へ誘導した。これにCS2とPh3Pを用いてNCS化し、MTBIを合成した。MTBIをCH2Cl2中でシリカゲルと作用させることによって目的とするRaphanusaninを合成した(図4)。図4.MTBIおよびRaphanusaninの合成スキーム・MTBG、MTBIおよびRaphanusaninの生理活性MTBIおよびRaphanusaninについてクレス幼根およびダイコン下胚軸を用いた成長抑制活性試験を行った結果、両化合物とも天然物と同様、濃度依存的に成長抑制活性が見られ、また活性の強さもMTBIよりRaphanusaninの方が強かった。一方、Tissue Printing法により、MTBIおよびRaphanusaninをダイコン下胚軸に片側投与すると、青色光照射と同様に投与側でH2O2(View PDFfor the rest of the abstract.)
著者
尾分 達也 山田 咲月 藤原 敬大 佐藤 宣子
出版者
林業経済学会
雑誌
林業経済研究 (ISSN:02851598)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.17-25, 2022 (Released:2022-08-19)
参考文献数
14

林業は労働者千人当たりの年間死傷者数が,全産業の中で最も高い産業であり,その労働災害対策は,労働災害の発生の抑制だけではなく,発生時に負傷者の重症化を防ぐことが求められる。本研究は,徳島県庁林業戦略課と林業労働災害防止協会徳島県支部,徳島県南部の林業事業体,並びに消防署へ林業労働災害対策の取組みについて聞き取り調査を行い,労働災害発生時の連絡体制および負傷者の移送体制について明らかにした。緊急を要する労働災害が発生した場合,現場作業者は事業体を介さず消防署へ直接連絡を取っており,消防署と円滑に連絡を取るための通信インフラや事業体内での連絡体制の整備の重要性が明らかになった。また負傷者を早急に搬送するためには,通報する作業員が救急処置や状況を消防署へ説明するための当事者意識教育やマニュアルの整備,作業地の位置情報を消防署と事前に共有するなど緊急車両やヘリが現場へ迅速に到着できる体制づくりが求められていた。それゆえ,労働災害発生時の緊急合流地点を事業体と消防署の間で共有し,事業体は現場や状況が変わる度にミーティングなどで作業員へ安全の意識付けを行うことが課題として示唆された。
著者
山田 鋭生 小野 奈生子
出版者
共栄大学
雑誌
共栄大学研究論集 = The Journal of Kyoei University (ISSN:13480596)
巻号頁・発行日
no.17, pp.115-124, 2019-03-31

本稿の目的は,幼稚園における実践を「学校的社会化」という観点からとらえることにある。「就学前教育」ということばに表れるように,幼児教育は家庭における初期社会化と学校教育との間に位置するものである。事例を読み解くにあたって,本稿ではまず「第一次的社会化」と「第二次的社会化」という概念を援用し,「学校的社会化」を第二次的社会化の原初形態としてとらえる。その上で,幼稚園年少クラスにおいて撮影されたビデオデータをもとに,それが相互行為上どのような形式で生起しているのかを明らかにしている。その結果示されたのは「質問→同時多発的応答→評価」という,幼稚園児を一斉教授へ導くと考えられる相互行為形式である。
著者
湯浅 麻美 西尾 進 平田 有紀奈 大櫛 祐一郎 荒瀬 美晴 楠瀬 賢也 山田 博胤 佐田 政隆
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.71, no.3, pp.404-411, 2022-07-25 (Released:2022-07-25)
参考文献数
17

目的:潰瘍形成を伴うプラークは,要注意プラークとして脳梗塞発症のリスクを有するとされている。また,頸動脈エコー検査時に偶然発見される無症候性の潰瘍形成を伴うプラークは少なくない。本研究の目的は,頸動脈エコー検査において無症候で発見された潰瘍形成を伴うプラークが,同様のリスクを有する潰瘍形成のないプラークと比べ,経過観察中に脳梗塞を疑うような神経学的症状(以下,神経学的症状)出現が多いか否かを検討することである。方法:2014年1月から2018年12月までの間に,初回超音波検査で潰瘍形成を認めた87例を潰瘍形成群,初回検査で潰瘍形成を伴うプラークを指摘されなかった1,526例から,propensity scoreを用いてリスクファクターをマッチさせた87例を抽出し非潰瘍形成群とした。両群の神経学的症状出現の有無について後ろ向きに調査し,比較検討した。成績:検査後の経過観察中に神経学的症状の出現を認めたのは,潰瘍形成群87例中2例(ともに一過性脳虚血発作)であり,非潰瘍形成群では神経学的症状の出現を認めなかった。2群間の神経学的症状出現の有無について統計学的有意差を認めなかった。結論:無症候で発見された潰瘍形成を伴うプラークは,経過観察中の神経学的症状出現と有意な関連を認めなかった。