著者
山田 裕司 宮本 勝宏 小泉 彰
出版者
Japan Health Physics Society
雑誌
保健物理 (ISSN:03676110)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.237-244, 1986
被引用文献数
3 1

It is very important in a nuclear air cleaning system that HEPA (High Efficiency Particulate Air) filter is for reduction of releasing amounts of airborne radioactive particles. HEPA filter, by definition, has a minimum collection efficiency of 99.97% for 0.3μm particles. However, <i>DF</i> (Decontamination Factor), which is necessary for safety management, can not be directly derived from the efficiency. And the current standard defined for 0.3μm particles has no scientific justification, because it has been found that the most penetrating particle size through HEPA filter is not always 0.3μm.<br>In the present paper, a numerical experiment was made in order to estimate a relationship between <i>DF</i> and the efficiency. And new standard, in which the minimum <i>DF</i> is able to be easily obtained, was proposed. In the multistage filtration system, it was found that lower values of <i>DF</i> was possible to be experimentally indicated in the second and the third stages, even if the collection performance of the each filter is the same.
著者
福井 壽男 國井 崇 藤城 吉正 守田 有道 新家 光雄 山田 史郎 長谷川 二郎
出版者
一般社団法人日本歯科理工学会
雑誌
歯科材料・器械 (ISSN:02865858)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.49-55, 2000-01-25
被引用文献数
6

最近チタン-タンタル系合金が歯科用インプラントや整形外科の範疇で研究されている.この種合金は無刺激性で生体親和性に富みさらに優れた機械的性質と高い加工性を有している.この系の合金化は一般に行われているアーク溶解および高周波誘導加熱方法では難しいといわれている.それはチタンとタンタルでは密度が大きく異なりチタンの4.5g/cm^3に対してタンタルは16.6g/cm^3である.しかもチタンの融点は1, 680℃であるのに対しタンタルの融点は2, 990℃と高くいずれも酸素との反応性が高いためである. 今回我々は85wt%チタン-15wt%タンタルの二元系合金の溶製に高周波誘導加熱方法の一種である浮揚融解法(CCLM)の応用を試みた.浮揚融解法は水冷るつぼに高周波誘導により渦電流を発生させてるつぼに接触しないように合金を浮揚させながら溶解する方法である. この方法で1kgの85wt%チタン-15wt%タンタルの二次元合金の溶製に成功した.この結果CCLMによれば高融点で酸素活性が高く, 密度が大きく異なる金属でも合金化が可能であることが判明した。

1 0 0 0 OA 感情は虚構か?

著者
山田 健二
出版者
京都大学
雑誌
京都大学文学部哲学研究室紀要 : Prospectus
巻号頁・発行日
vol.2, pp.58-66, 1999-12-01
著者
鈴木 和夫 奈良 一秀 山田 利博 宝月 岱造 坂上 大翼 松下 範久
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

マツ材線虫病の病徴発現原因物質と宿主細胞との相互関係を明らかにする目的で、材線虫-宿主細胞間で引き起こされる反応について調べた結果、以下の諸点が明らかにされた。(1)感受性の異なる針葉樹5樹種を用いて、宿主の病徴進展とキャビテーション発生との関連についてみると、マツ材線虫病感受性が高い樹種ほど病徴進展にともなって、表面張力が大きく低下することが明らかにされた。このことは、表面張力に関与する物質が病徴進展と密接な関係にあることを示唆している。(2)感染後に産生される異常代謝産物の樹体に及ぼす影響についてみると、材線虫感染によって表面活性物質および蓚酸が産生され、これらの物質によってキャビネテーションの発生が促進されるものと考えられた。(3)表面張力の低下に関与する物質として蓚酸およびエタノール投与では、顕著な影響が認められずエスレル投与によって表面張力は低下した。このことから、病徴進展とエチレン生成が密生な関係にあることが示唆された。(4)キャビテーションの発生は、70%の壁孔閉塞が木部含水率の著しい低下を引き起こすことから、このことが樹体内のランナウェイエンボリズムの発生と密接な関係にあるものと考えられた。(5)光合成阻害処理によって、当年生葉の黄化・萎凋が他処理に比べて促進されたことから、光合成阻害による低糖類の減少が材線虫病の病徴進展と密接な関係にあるものと考えられた。以上の結果から、いままでブラックボックスとされてきた病徴発現原因物質と宿主細胞の相互関係が、病徴進展やキャビテーション発生の観点から明らかにされた。
著者
宇野 英満 山田 容子 奥島 鉄雄 小林 長夫 森 重樹 KIM DongHo
出版者
愛媛大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

申請者は、高共役π電子系化合物の合成法として、前駆体を最終段階で熱逆Diels-Alder反応や光脱硫化カルボニル反応などのペリ環状分解反応によりπ電子系を融合する方法を開発した。これらの前駆体化合物は、通常の溶媒によく溶けて酸化されにくく、精製が簡単な化合物である。前駆体で精製しておけば、目的の高共役化合物を高純度で得ることができる。この方法を発展させ、高純度の様々なπ電子系の融合した化合物群を合成し、その基本的な諸物性を明らかにした。
著者
佐藤 雅彦 高橋 玄 渡部 英 根上 直樹 斎藤 徹也 山田 正樹
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.70, no.4, pp.1039-1043, 2009 (Released:2009-10-05)
参考文献数
17
被引用文献数
1

症例は36歳,男性.平成19年5月より嘔吐あるも自然に軽快した.同年10月再び嘔吐あり水分摂取も不可能となり入院精査となった.内視鏡検査では胃前庭部に約10cm大の粘膜下腫瘍が認められ,上部消化管造影では同部に境界明瞭な陰影欠損があり造影剤の通過は不良であった.腹部CTでは胃の前庭部に嚢胞性病変が認められた.絶飲食後の内視鏡検査で腫瘍は6cm大にまで縮小し,同時に施行した腫瘍穿刺では無色漿液性の液体を吸引し,細胞診はclassI,アミラーゼ19,588IU/l,CEA 253.9ng/ml,CA19/9 184716.0U/mlと異常高値を呈し,異所性膵,胃嚢胞などを疑った.症状の増悪軽快を繰り返し,また悪性疾患の合併も否定できず同年12月に手術を施行し,病理検査は胃の異所性膵であった.胃の異所性膵によって前庭部での狭窄をきたした症例は比較的稀であり,文献的考察を加えて報告した.
著者
山田 肖子 森下 稔 服部 美奈 黒田 一雄 日下部 達哉 大塚 豊 北村 友人 西村 幹子 小松 太郎 乾 美紀 鴨川 明子 澤村 信英
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

本研究では、実践や学問観が多様化する比較教育学に関し、学問観を整理、マッピングするとともに、異なる研究アプローチを持つ者がチームでフィールドワークを行った。成果として、「比較教育学の地平を拓く:多様な学問観と知の共働」という本(分担者の森下稔氏と共編)を刊行した(平成25年3月、東信堂)。また、共同フィールドワークは、モルディブ国で4回にわたって行われ、その成果は平成25年2月に、モルディブ国における成果報告会で発表された。この報告会は、教育省主催で行われ、強い関心を集めた。モルディブ調査に関係した研究者が個別に論文を投稿したほか、25年度に繰り越した予算で和文での報告書も作成した。
著者
高橋 均 豊島 靖子 山田 光則 小野寺 理
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

臨床的、病理組織学的にこれまで報告のない小脳変性症の3家系、3剖検例について臨床症状、および病理組織学的所見を検討した結果、それぞれが独自の臨床症状を呈し、中枢神経系の障害部位が明らかに異なり、1C2免疫染色によって陽性となる多数の核内封入体もまた、それぞれ特徴ある分布で存在していることを確認した。そのうち、1家系1剖検例でSCA17のホモ接合体であることが判明した。SCA17ホモ接合体の報告はこれまで全くなく、臨床病理学的所見と併せ、報告した。当研究所ではすでに、胎児脳cDNAライブラリーより単離された300個以上の新規クローンに基づく、増大CAG繰り返し配列を持つcDNAシークエンスとプライマーセットを開発しており、これを用いた未解明神経変性疾患の大規模スクリーニングシステムが確立している。未知の2家系についてはこれらのヒト脳で発現している増大ポリグルタミン鎖について増大の有無を確認したが、その異常伸長を認めたものはない。さらに未知の2家系中の1家系では通常のウエスタンブロッティング法により、1C2により染色される蛋白の存在を確認していたが、同サンプルの2次元電気泳動と2次元のウェスタンブロッティングを行うことで、原因蛋白(ポリグルタミンを有する)と考えられるスポットを複数同定するに至った。同定したいくつかのスポットを単離し、MALDI-TOF MS(当研究所備品)を用いてポリグルタミン鎖を持つペプチドの周辺アミノ酸配列を決定した。単離したスポットには短いポリグルタミン鎖を有する蛋白が含まれていた。
著者
上野 修 永井 均 入不二 基義 古荘 真敬 青山 拓央 郡司 ペギオ幸夫 小山 悠 勝守 真 中野 昌宏 三平 正明 山田 友幸 重田 謙 入江 幸男
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

独在的<私>と独今的<いま>が非常によく似た仕方で現実概念の根本にあることが明らかとなった。<私>と<いま>が世界のどの個人、どの時点を開闢点とするかは偶然である。にもかかわらず、いったん開闢されるとその特異点は諸個人のうちの一人物と歴史時間の現在に位置づけられ、特異性を失う。そしてこのことがむしろ現実性の条件となっている。このような二重性は、言語の使用者がまさにその使用によって言語世界の限界内に位置づけられる、その仕方によって理解されねばならない。
著者
森本 容介 辻 靖彦 山田 恒夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. LOIS, ライフインテリジェンスとオフィス情報システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.42, pp.13-17, 2010-05-13

学習資源の流通・共有化を推進するため,学習オブジェクトのメタデータデータベースを構築し,運用している.メタデータ数の増加に伴い,対象者や利用場面ごとに,検索対象レコードや検索インタフエースを用意する必要がある.このとき,複数の検索システムを効率よく実装するため,汎用的なメタデータ検索エンジンを開発した.本検索エンジンは, Movable Typeのプラグインとして実装した.開発した検索エンジンと,構築した検索システムの例として,OCWコースを検索できるシステムを報告する.
著者
山田 昌弘
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.17-20, 2009-04-30 (Released:2010-04-30)
参考文献数
11

2008年度の家族社会学会のシンポジウムでは,貧困を伴った家族の経済格差拡大という社会における子育て状況を解明するために,子育てする親の調査を精力的になされている3人の研究者を報告者としてお招きした。後藤憲子氏には親の経済状況の変化と親の子育てへの態度の現状を,片岡栄美氏からは,お受験などに熱心な高階層の親の子育て戦略と意識を,湯澤直美氏から,経済的に困難な家族における子育ての実態をご報告いただいた。討論者として,竹村祥子氏,吉川徹氏にお願いし,司会は渡辺秀樹と山田昌弘が当たった。
著者
山田 友幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究代表者は従来より、状況理論の枠組みのもとで、J.L.オースティンの真理の理論を拡張することにより、発語内行為の種類の違い(発語内の力の違い)を考慮に入れつつ、発語内行為全般を一貫した仕方で扱うことのできる、発話の内容の理論を構築することを目指してきた。本研究の目標は、この発話の内容の理論を、帰属準拠のアプローチのもとで定式化するとともに、同じアプローチのもとで、発語内の力の理論をも定式化し、両者を統合して、発語内行為の一般理論の基本的な枠組みを確立することである。帰属準拠のアプローチとは、行為者に発語内行為を帰属する形の言明をベースにして、発語内行為の内容と力を、帰属される行為そのものの特徴として統合的に扱おうとする本研究に独自のアプローチである。初年度にあたる平成10年度の研究により、このアプローチは状況理論と折り合いがよく、そのもとで、真偽が問題になる言明や報告などの発話と、真偽が問題にならない命令や約束などの発話の双方に、一貫した扱いを与える発話の内容の理論を定式化しうることが明らかになっている。第2年度および最終年度にあたる平成11〜12年度の研究では、発語内の力の理論に研究の重点を移し、その基礎となる出来事の一般理論に関する調査と、発語内の力の定式化のありうる方式の検討を行った。このうち前者に関しては、バーワイズとセリグマンのチャンネル理論の応用が有望であるとの感触を得ている。また後者に関しては、発語内行為の力の相違を、発語内行為がもたらす状況の変化のタイプの相違の観点から分析することを試み、個別事例に関して興味深い結果を得た。力の理論の形式化には、権利や義務、可能性、命題的態度等をも記述しうる言語が必要であるが、この面でも帰属準拠のアプローチの自然な拡張は、様相演算子の導入に頼ってきた従来の理論とは大きく異なる方向を示唆することが明らかになった。
著者
中嶋 康博 荘林 幹太郎 小川 茂男 合崎 英男 高橋 太郎 山田 七絵 佐藤 赳 鄭 暁雲 宋 敏 王 維真
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

メカニズムデザインの手法を用い、中国南西部の湿潤地域と中国北西部の乾燥地域のそれぞれにおいて、農業生産者の土地資源および水資源の利用に対する望ましい政策介入について分析した。分析においては地理情報システムおよびリモートセンシングの技術を活用し、地域の空間的な特徴を内生化した経済モデルの設計を行った。
著者
小山田 一 守時 由起 茆原 順一 植木 重治
出版者
秋田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

プロスタグランジンD2(PGD2)はアレルギー炎症の形成に重要な役割を担っている。PGD2の作用は細胞表面受容体であるCRTH2/DP1、もしくは核内受容体を介していることが知られていたが、これまでの検討から未知の細胞表面受容体の存在が示唆された。われわれはPGD2がケモカイン受容体CCR3の発現を抑制し、これが通常リガンド刺激で認められるinternalizationによるものであることを見いだした。そこでPGD2がCCR3を介して機能している可能性を、トランスフェクション細胞を用いた受容体結合試験やカルシウムシグナルによる検討を行ったが、いずれにおいても否定的な結果が得られた。
著者
西沢 麦夫 山田 英俊
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
ファルマシア (ISSN:00148601)
巻号頁・発行日
vol.29, no.8, pp.867-872, 1993-08-01
被引用文献数
1
著者
徳永 美貴子 齋藤 和義 中塚 敬輔 中山田 真吾 中野 和久 辻村 静代 大田 俊行 田中 良哉
出版者
The Japan Society for Clinical Immunology
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 = Japanese journal of clinical immunology (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.304-309, 2003-10-31
被引用文献数
2

症例1;14歳女性,平成13年5月多関節痛,蝶形紅斑を認め当院受診.抗核抗体陽性,腎障害,溶血性貧血(Hb 63g/dl, D-クームス(3+)), 抗ds-DNA抗体高値より全身性エリテマトーデス(SLE)と診断. PSL 60mg/日に免疫吸着・ステロイドパルス療法,シクロスポリン併用したが溶血性貧血は持続. 7月シクロホスファミドパルス療法(IV-CY) 500mg/回を開始し, 6回終了後Hb 11.4g/dlと改善.症例2;53歳女性,昭和53年SLEと診断, PSL 5mg/日で維持療法中の平成13年6月発熱と貧血(Hb 5.9g/dl)の為7月当科入院. Hb 3.4g/dl, D-クームス(3+)と進行性溶血性貧血に対しPSL 50mg/日とステロイドパルス療法施行するも改善なく8月IV-CY (500mg/回)開始. 3回終了後Hb 13.2g/dlと改善した. SLEに併発する治療抵抗性溶血性貧血に対し, IV-CYの著効例の既報は乏しく,今後の治療選択に於いて貴重な症例と考え報告する.