著者
唐木 清志 山田 秀和 森田 真樹 川崎 誠司 桑原 敏典 橋本 康弘 吉村 功太郎 渡部 竜也 桐谷 正信 溝口 和宏 草原 和博 桐谷 正信 溝口 和宏 草原 和博 磯山 恭子 藤本 将人
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

アメリカ社会科で展開されるシティズンシップ教育の動向を, 理論レベルと実践レベルから多面的・多角的に考察し, その現代的意義及び日本社会科への示唆を明らかにした。具体的な研究成果としては, 2009年3月に刊行された最終報告書に載せられた13名の論文と, 2009年1月13日にミニシンポジウムを開催したことを挙げることができる。研究を通して析出された「多様性と統一性」や「争点」といった分析枠組み(本研究では「視点」という言葉を用いている)は, 今後日本の社会科においてシティズンシップ教育を推進するにあたっても, 重要なキーワードとなるであろう。
著者
ANATOL N. Kirillov 有木 進 中島 啓 野海 正俊 山田 泰彦 前野 俊昭 柏原 正樹
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

平成15年度〜17年度にわたり採択された本研究課題について私ならびに研究分担者は優れた数学雑誌に14の論文を発表した。また、研究集会を自ら組織するとともに研究遂行上必要な打ち合わせのため、国内外の研究集会に参加した。討論や共同研究は定期的に行った。15年度の主なものとして、私とGuest氏(首都大学東京)が組織した国際ワークショップ「Quantum Cohomology」(於:京大数理研6月実施)があげられる。このワークショップにはこの分野での著名な数学者中島啓氏(京都大・理学研究科)、齋藤恭司氏(京都大・数理研)、B.Kim(S.Korea)、A.-L.Mare(Canada)、A.Buch(Sweden)をはじめ国内からもおよそ50人の参加者があった。16年度の主なものとして、私と野海氏(神戸大)が組織した国際ワークショップ「Tropical algebraic geometry and tropical combinatorics」(於:京大数理研8月実施)があげられる。このワークショップには「トロピカル数学」において世界をリードする数学者、A.knutson(UC Berkeley, USA)、E.Miller(Univ.ofMinnesota, USA)、G.Mikhalkin(Toronto Univ., Canada)、D.Speyer((UC Berkeley, USA)、O.Viro(Uppsala Univ., Sweden)、柏原正樹(数理研)、尾角正人(阪大)、山田泰彦(神戸大)をはじめとして約60名の参加者があった。両ワークショップともに盛況で日本におけるトロピカル数学と量子コホモロジーに対する関心を高めることとなった。その他、中国南海大学での国際ワークショップ「Combinatorics, Special Functions and Physics」に招聘され、講演を行った。本研究課題の主目標の一つである放物型コストカ多項式については一般化されたsaturation conjectureを証明した他、放物型コストカ多項式やSchur関数の新しい興味深い性質を示した。Schubert Calculusと非可換微分法の関係についてはいくつかの重要な結果が、私と前野氏によって示された。特にある種の非可換代数多様体に対し平坦接続の生成する代数を記述することに成功しB_n型非可換Schubert多項式のMonk公式を証明した。
著者
内山田 康
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

南インド、ケーララ南部の丘陵地帯に住むクラヴァたちの、宗教的実践と政治的実践の変容とその相互関係について平成16年度から19年度にかけて調査を行うなかで、2年目にプラーティと呼ばれるクラヴァの降霊術師に偶然に出会ったことは幸運だった。クラヴァについては19世紀の終わりに実施された民族誌的調査の短い記録がE. Thurston (1909) Caste & Tribes of South Indiaの中に再録されている。その中に、プラーティが行う降霊会について言及されているが、その内容は明らかではなかった。また、私は1992年から行ってきたフィールドワークにおいて、一度も降霊術師に会ったことがなかった。しかし、この調査の2年目に降霊術師に会い、もう行われていないと聞いていた降霊会に参加してその内容を知ることができた。プラーティは死者を呼び戻して、死者と親族が話せるようにする。親族たちが知りたいのは次の二点だ。(1) 死者はなぜ死んだのか。(2)死者はどのような負債を抱えているのか。知られないまま弁済されない負債は、生きている近い親族たちの不幸の原因となるため、死者にそのことを尋ねる。近年、教育を受けたクラヴァの中には、問題を降霊会によってではなく、裁判で解決しようとする者も現れた。このような状況のもと、降霊会を成功させることは困難になっている。しかし、降霊会は無くなっていない。クラヴァの生活環境は、ゴムブームによっても大きく変わっていた。1991年の経済自由化の後、クラヴァの生活環境は急速に変化している。また、クラヴァの社会上昇を目指した政治運動は、降霊会と祖先祭祀をやめさせ、メインストリームの宗教実践を取り入れようとするものでもあった。しかし、政治運動、生活改善運動、意識改革運動と結びついた、そのような宗教改革的な運動を通して、クラヴァは自律性を失い、地方の有力者にその土地や聖地を支配されるようになっていた。クラヴァが土地を失ったという証言は、数多く得られていたが、それに加えて百年前の土地査定の記録を入手して、その証言を記録によっても部分的に裏付けることが出来た。
著者
山田 光穂 福田 忠彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:09135713)
巻号頁・発行日
vol.J69-D, no.9, pp.1335-1342, 1986-09-25

視線の動きから画像を分折する試みを行っている.そのためには,視線の動きを視対象から情報を受容するための成分と,視対象を移動するための成分に分離する必要がある.前者を注視点と呼び,その注視点をここでは,眼球運動の随従運動の性質から定義した.すなわち眼球運動速度の5度/秒をしきい速度として注視点を分離するというものであり,その結果,視線の動きを注視点と注視点間の移動成分に明確に分離することが可能となった.また,この注視点の定義を組み込んだ注視点情報分析装置(Vision Analyser)を開発し,視線の動きをリアルタイムで総合的に分析することが可能となった.更に,このVision Analyserを用いた分析例としてVDT画像と一般動画像の見方の違いおよび芸術方面への応用例として写楽の浮世絵の分析の参考資料となった実験結果についても併せて述べ,注視点の定義が妥当であることを示す.
著者
片井 秀幸 高橋 誠 平岡 宏一 山田 晋也 山本 茂弘 加藤 公彦 袴田 哲司 戸丸 信弘
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.93, no.2, pp.73-78, 2011 (Released:2011-06-22)
参考文献数
21
被引用文献数
2 2

静岡県のブナ集団の遺伝的系統を推定するため, まずブナの分布域全体にわたる55集団を用いて葉緑体DNA (cpDNA) ハプロタイプの地理的分布を調べた。調査した集団にはハプロタイプD, EおよびFの3種類が存在し, 中部地方の太平洋側に分布するDとEが大部分を占めていた。次にブナの分布域および明らかとなったハプロタイプの地理的分布にもとづいて6集団を選定し, 核マイクロサテライト (nSSR) により遺伝的多様性を調査した。nSSR座の対立遺伝子頻度から計算された集団間のDA距離にもとづいた無根近隣結合樹から, 調査した集団は全て太平洋側の系統群に属し, 地理的な位置関係と一致することが明らかとなった。nSSR座の対立遺伝子頻度は集団間でほぼ均一であったが, cp DNAハプロタイプの地理的分布には構造が認められた。この差異はcpDNAと核DNAの遺伝様式に起因する遺伝子流動率の違いを反映していると考えられる。
著者
池田 研介 清水 寧 中田 俊隆 篠原 晋 山田 弘明
出版者
立命館大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2002

<高速拡散過程の研究:>本年度は力の性質がはっきりしているアルカリハライド(AH)クラスターの高速混晶化過程の研究に一応のメドをつけた。AHクラスターでは表面空孔配列が異なる構造異性体に加え、体積内で空孔をもつ構造異性体(高位の異性体)がクラスターでは比較的低いエネルギーをもって安定に存在する。これらの異性体を巡る遍歴現象が動的に発生する。特に高位の異性体を巡る過程で混晶化が誘発される事が判明した。混入の活性化エネルギーが評価され1eV程度である事が分かった。この値はバルク中の拡散過程の2eVに比べその半分程度である。常温では混入速度が少なくとも$10^{12}$倍程度高速化する事が分かった。我々が関心をもつ、メソタイムスケールダイナミクスの観点からすると活性化エネルギーを与える、遷移状態とそれを乗り越える力学過程の解明が今後の大きな課題である。同時にanion-cation半径が顕著に異なるNaIの様なクラスターでは<動的ガラス状態>が現れる事が判明した。一方、数十個程度の超微小AHクラスターでは平衡状態であるにも拘わらず温度勾配があらわれる事。それが角運動量の保存の為である事も判明した。<カオス的トンネル効果の研究:>単純で且つトンネル効果をモデル化できる系としてHenon系をトンネルイオン化の基礎モデルに据えトンネルイオン化過程をカオスが理想的状態になく混合相空間として回転領域と混在する場合に解明してゆく作業がかなり進行した。重要な結果はトンネル効果に主要な寄与をもたらすLaputa chainに階層構造が存在し、しかも高次のchain構造が混合相空間でのカオス的トンネル効果に本質的役割を果たす事が解明された事である。理想的なカオス的トンネル効果では高次構造は効かず、低次構造のみでトンネルが良く近似できた事と大いに異なる。高次構造の役割は回転領域がカオス領域に占める割合に比べ相対的におおきくなる程重要になってくると考えられる。なお、本研究課題に対し、2005年8月25日-9月1日立命館大学に於いて国際研究集会{bf Complexified Dynamics, Tunnelling and Chaos}を挙行した。
著者
山田 哲 山城 迪 佐々木 正和 荒木 修一
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.123, no.8, pp.1011-1017, 2003-08-01
被引用文献数
12 8 11

Various models for the equivalent circuit of EDLC (Electric Double Layer Capacitor) have been presented so far. The multi-stage connection of RC circuit is a representative model to simulate the EDLC's charge-discharge characteristic. However, since high energy density type EDLC for electric power storage has the electrostatic capacity of thousands F, the phenomenon of being almost uninfluential for the case of conventional capacitor appears in an actual measurement notably. To overcome this difficulty, we develop an equivalent circuit model using a nonlinear model that considers the voltage dependency of the electrostatic capacity in this paper. After various simulations and comparison with experimental results, we confirmed the effectiveness of the proposed model.
著者
山田 由美子
出版者
信州大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

【目的】精神科領域の薬物を使用している授乳婦において、母乳の継続を判断する上で薬物の母乳移行性が問題となる場合がある。しかし、リスペリドン、セルトラリン、エピリプラゾールなど新薬においては特に母乳移行性に関するデータが少ない。本研究は、リスペリドン服用患者の母乳移行性について検討した。【患者背景及び分析方法】患者背景:患者は妊娠期間中、リスペリドン4mg/日を朝・夕食後2回に分けて服用、コントロールは良好であった。内服を継続していたが、出産後3日目より精神的に不安定となり6mg/日を毎食後3回に分けて服用することに変更となった。患者希望によりピーク濃度の1点のみの採血のため、出産後4日目、服薬1時間後の母乳と血液を患者から採取した。なお、本研究は信州大学医学部医倫理委員会の承認事項を遵守して行った。分析方法:分析カラム;SHISEIDO CAPCELL PAK ACR 3x150 5μm、温度;40℃、流速;0.5ml/min、検出器:クローケムII検出器(ECD検出器)、ガードセル;850mV、E1;400mV、E2;800mV、移動層:0.05Mリン酸緩衝液(pH3.0):メタノール:アセトニトリル(70:15:15)にて行った。前処理:血清0.5mlに20%炭酸ナトリウム溶液1mlを加え、内部標準(100ng/mlミアンセリン)20μl、ジエチルエーテル:イソアミルアルコール(99:1)6mlで抽出後、有機層を0.005M硫酸溶液0.2mlで逆抽出し、HPLCのサンプルとし、75μlをinjectionした。母乳は1mlに20%炭酸ナトリウム溶液2mlを加えた。以降は血清と同じ操作にて調製したが、母乳は100μlをinjectionした。母乳中のリスペリドン測定用の検量線は、母乳の代わりに粉ミルクを用いた。測定検出限界は0.5ng/ml。【結果】患者の血清及び母乳中のリスペリドンの濃度は各々18.6及び1.8ng/mlであり、母乳中への薬物移行の指標となる母乳中濃度/母親血中濃度比(M/P比)は0.096であった。【考察】リスペリドンのHenderson-Hasselbalchの式によるM/P比は0.5又は1.87、pH分配仮説による分配係数は約0.95-2.74である。また、蛋白結合率は90%、半減期3.9hであり、これらのデータから薬学的評価を行うと、リスペリドンの母乳移行はかなり少ないと予想できる。文献では、投与量の1~5%の移行、AUCO-24のM/P比は0.42との報告がある。これらと今回の実測値は、リスペリドンの母乳移行性は少ないことと一致しており、本薬物は計算上の薬学的評価から母乳への移行性を推測可能であることが裏付けられた。
著者
東條 友紀子 山田 深 門馬 博 前田 直 石田 幸平 松本 由美 栗田 浩樹 西山 和利 岡島 康友 山口 芳裕
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.35 Suppl. No.2 (第43回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.B1137, 2008 (Released:2008-05-13)

【はじめに】 当院は2006年5月に脳卒中センターを開設し、初期治療と平行して発症早期からのリハビリテーション(以下、リハビリ)を積極的に行う脳卒中ユニットケアの実践に取り組んでいる。診療チームにおける理学療法士の重要な役割の一つとして、患者のADLに関する予後を早い段階から見通し、介入方針を決定することが求められるが、急性期からの予後予測モデルに確立されたものはない。今回、入院時の重症度から群分けを行い、退院時のADLを予測する方法を検討したので報告する。【対象】 2006年5月から2007年6月までに当センターに入院しリハビリを行った脳卒中患者のうち、死亡退院および入院期間が1週間以内であったものを除く332名(平均年齢71.8±12.6歳、男性196名、女性136名、平均在院日数29.7±19.2日、リハビリ開始まで平均1.45±1.36日)。【方法】診療データベースを参照し、患者の年齢、入院時NIHSS、入退院時FIM、リハビリ開始までの日数、在院日数、転帰先を後方視的に調査した。対象を入院時NIHSSによって軽症例群(6点以下)、中等症群(7点以上14点未満)、重症例群(15点以上)の3群に分け,それぞれの調査項目を比較した。群間比較については一元配置分散分析を用い、有意水準を5%とした。【結果】 軽症例群、中等症、重症例群における平均在院日数はそれぞれ23.2±15.7、37.0±19.0、40.0±19.0日であり、軽症例群と中等症群間に有意差が認められた。FIM運動項目合計点はそれぞれ76.0±20.0、43.0±26.0、27.0±23.0点、認知項目合計点は31.6±6.0、22.0±11.0、13.0±9.4点で、いずれの得点も各群間で有意差が認められた。退院時FIM合計得点から入院時FIM合計得点を引いた差分(FIM利得)は各群で30.5±19.8、26.0±26.0、16.0±24.0点であり、重症例群は他の2群と比べ有意に低値であった。自宅退院率はそれぞれ61.5%、9.4%、10.1%であり、回復期リハビリ病院への転院は30.8%、54.7%、33.3%であった。【考察】 軽症例は入院期間においてほぼADLの自立が得られるが、リハビリの継続が必要となるものも少なからず存在することが示された。一方で重症例はリハビリ介入によるADLの改善が限られており、自宅への退院が困難であった。入院時NIHSSは退院時のADLや転帰先を予測する上で有用な指標になりうると考えられる。NIHSS得点とFIMの関係はこれまでにも報告がなされているが、大都市圏における急性期脳卒中ユニットとしての特性を踏まえた予後予測モデルとしての有用性が示唆された。
著者
山田 喜一
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 : 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.2, pp.95-103, 2004-04-01

交通事故の低減,運転負荷の軽減のための一つの方策として運転支援システムの実用化が進んでいる.本報告では,まず事故の発生を脳の構造的メカニズムから検討するとともに,ドライバの反応時間をベースにシステム信頼性工学的考えを導入し,事故の発生プロセスを確率論的モデルとして検討した結果を報告する.次に,本モデルを運転支援システムの効果,リスク評価に適用し,運転支援システムによるドライバの反応時間の短縮が交通事故低減に有効であることを検証した結果を報告する.最後に,運転支援システムのリスク評価について述べる.
著者
山田 正 高橋 信博
出版者
東北大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1999

「漢方薬」は免疫増強作用などホスト側の体質の改善を主目的とし、結果として疾患を改善させようとするものが多い。その中でも日常的に「健胃薬」などとして用いられている漢方薬は、副作用の心配が少なく、口腔内局所投与によっても影響が少ないと思われる。そこで、本研究計画では、黄連や黄柏がもつ(1)各種歯周病関連菌の増殖に対する影響、(2)その作用様式、(3)有効成分、(4)プロテアーゼなどの菌体外酵素に対する影響などを明らかにし、これらの漢方薬の抗菌メカニズムを解明することを目的とし、以下の結果を得た。1.黄連・黄柏の水抽出物は歯周病関連菌Porphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia、Actinobacillus actinomycetemcomitans、Actinomyces naeslundiiの増殖を抑制した。一方、齲触関連菌であるStreptococcusとLactobacillusの増殖はあまり抑制しなかった。2.黄連・黄柏水抽出物の有効成分はベルベリンに代表されるアルカロイドであることが分かった。3.この抗菌効果の作用様式は殺菌作用であることが明らかになった。2.さらにPorphyromonas gingivalis、Prevotella intermedia、Actinobacillus actinomycetemcomitansの菌体外プロテアーゼを阻害することが分かった。しかし、プロテアーゼ抑制に必要な黄連・黄柏水抽出物の濃度は増殖阻害に必要な濃度よりも高かった。以上の結果から、黄連・黄柏は歯周病関連菌に対して抗菌作用を示すことが明らかになった。また、プロテアーゼ活性阻害効果があるものの、抗菌効果の本質は殺菌作用であることが推察された。
著者
中川 尚史 中道 正之 山田 一憲
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 (ISSN:09124047)
巻号頁・発行日
pp.1111280025, (Released:2011-11-30)
参考文献数
29
被引用文献数
4 7

Questionnaire on infrequently-observed behaviors (IOBs) in Japanese macaques (Macaca fuscata) were given to primatologists. This survey aimed to provide basic information on the degree of rarity of each behavior. The questionnaire consisted of questions for respondents themselves, (e.g., name, research carrier, daily observation time), focal group (name of group and local population, captive, provisioned free-ranging, crop-raiding or purely wild), and IOBs. Experience of direct observation of 36 candidates of IOBs was also requested to answer by yes, no, or impossible to answer because of ambiguous memory or unawareness of its behavior. In total, 39 answer sheets were obtained from 32 respondents. The top 10 IOBs and the number of those answering "yes" in parenthesis are as follows: mating interruption by juveniles (1), simultaneously nursing different-aged offspring (1), tool-use (1), single mount ejaculation (2), transporting the older offspring (2), nursing the older offspring (2), simultaneously transporting different-aged offspring (3), pulling the hair of female chin as a courtship behavior by male (4), twin birth (4), and (diurnal) birth (6). Some of IOBs, such as mating interruption by juveniles, seem to be due to ambiguous memory or unawareness of its behavior. Apparent inter-population differences in the percentage of respondents answering "yes" to the all the respondents giving definite answers were found in some behaviors, such as embrace-rocking behaviors, mating behaviors in birth season, stone-handling, and feeding on vertebrates. Some of them, like the latter two, seem to have something to do with provisioning. With the modification of three categories by Nakamichi et al. (2009), we proposed the following five categories of IOBs: I) behaviors which are difficult to be observed despite its common occurrence; II) behaviors which rarely occur in every population: III) behaviors which rarely occur in some populations, but frequently occur in the others; IV) behaviors which are difficult to identify and memorize despite its common occurrence; V) behaviors which rarely occur during the most of the time but temporally occur.
著者
山田 顕 多勢 克己 中村 僖良
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.871-875, 1992-12-01
被引用文献数
9

Durninにより理論的に導き出されたベッセル形の無回折ビームは、有限開口の場合でもある程度長い距離にわたり広がらずに伝搬することから音響の分野でも注目され、研究が進められている。本報では、このようなベッセル形と類似の長距離集束超音波ビームを形成する実用的な方法として、放射面に重み付けを施したコニカル形トランスジューサを提案し、その放射音場について理論的に検討した。その結果、重み付けコニカル形は連続波駆動時に有限の開口を持つベッセル形と同等の放射音場特性を示すこと、また、パルス駆動時にはサイドローブが平坦化され、パルス長も短くなるなど、ベッセル形よりも有利な点があることが明らかになった。
著者
吉永 直生 板谷 聡子 デイビス ピーター 田仲 理恵 小西 琢 土井 伸一 山田 敬嗣
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.34, pp.1-6, 2010-05-06

近年、組織内のコミュニケーション解析・促進のため、ソーシャルネットワーク上でコンテンツの伝播特性を解析する研究が進んでいるが、コンテンツの種類に応じた特性変化への適応という観点では課題が残されている。実世界においては、ソーシャル0ネットワークは同一であっても、コンテンツの種類によって異なる伝播ネットワークが存在すると考えられる。そこで本研究では、コンテンツの種類に応じた戦略的な情報伝播手法を構築することを目的とし、コンテンツの解析と伝播特性の解析を融合した手法を提案する。具体的には、Enron社の電子メールを対象として解析を行い、コンテンツの六つのカテゴリと三種類の情報伝播特性との対応を明らかにした。