著者
山田 政寛 橋 洋平 香川 文恵 岡部 幸祐
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.53-56, 2011
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,図書館内に設置された協調学習空間の,学習者の学習の情意面に対する効果について検討を行った.協調学習空間内で学習していた利用者に対し,質問紙で協調学習空間内にある什器類,図書館内の文献利用のしやすさ等が学習者にもたらす効果と満足度について回答を求めた.その結果,可動性の高い机や小型のホワイトボードの有効性と図書館内の文献利用がしやすいことなどが高い値を示した.続いて各項目間で相関分析を行ったところ,協調学習空間内に設置された什器類のもたらす効果,図書館内の文献利用のしやすさ,協調学習空間内における学習の有効性の間に弱から中程度の有意な正の相関が確認された.
著者
奥山 圭一 加藤 純郎 山田 哲哉
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.55-75, 2005-03

REV was the first reentry capsule developed through pure domestic technology and successfully recovered. REV is thermally protected against the severe aerodynamic heating by carbon-phenolic ablator material. The present paper describes the feature of the heating test in the arc windtunnel and the ablator characteristics clarified during the research and development process of the REV heatshield. Because the heat flux anticipated on the stagnation surface is about 2 MW/m^2, the dominant surface recession mechanism is identified to be in the reaction control region. The thermochemical reaction data have been acquired through three arc-heater facilities with different enthalpy level for calibration and tuning of the ablation analysis code. The thermomechanical behavior of the ablator under the high heat flux environment such as delamination, or spallation also has been investigated for functional safety of the heatshield.
著者
黒田 佑次郎 岩満 優美 轟 慶子 石黒 理加 延藤 麻子 松原 芽衣 岡崎 賀美 山田 祐司 宮岡 等
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.306-313, 2012 (Released:2012-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
3

【目的】緩和ケア病棟(以下, PCU)入院中の患者とその家族を対象に, 入院前後のPCUに対する認識と印象の変化を質的に検討した. 【方法】PCUの入院患者5名と家族9名に半構造化面接を実施し, 要約的内容分析を行った. 【結果】入院前の印象は, 患者では“想像がつかない”など「特に印象がない」を含む2カテゴリー, 家族では“最期を迎えるところ”や“穏やかに過ごす場所”など「PCUの環境」を含む5カテゴリーが得られた. 入院後の印象は, 患者では“心のケアが重要”など「PCUでのケア」を含む3カテゴリー, 家族では“個室でプライベートがある”など「PCUの環境」を含む7カテゴリーが得られた. 【結論】PCU入転院に際し, 家族は“安心が得られる”と“最期を迎えるところ”という気持ちが併存していることが示された. また, 入転院前に比し入転院後は, 患者と家族ともにPCUに対して好意的な印象をもっている可能性が示唆された.
著者
吉敷 祥一 山田 哲 竹内 徹 鈴木 一弁 岡田 健 和田 章
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.69, no.575, pp.113-120, 2004
被引用文献数
10 10

Many steel structures suffered damage at beam-to-column connections under the Northridge and Hyogo-ken Nanbu Earthquakes more than 8 years ago. After these earthquakes, a remarkable number of studies have been made on beam-to-column connections in U.S. and Japan. Nevertheless, in those studies, little attention has been paid to the point of repairing. The purpose of this study is to propose new ductile steel structure frame system, which realizes not only structural performances but also easy repairing after heavy earthquake. This system is based on bolted connections with split-tee. Main feature of this system is to limit plastic deformation to the splittee at bottom flange. To the contrary, the split-tee at top flange can be kept in elastic, because the center of rotation stays at the top flange of beam end.Consequently, when the structure using this system suffers compulsory deformation under the earthquake, the deformation concentrates on the split-tee at bottom flange. Finally, two series of static tests were conducted. First series are axial loading tests of the weak-web-split-tee elements, and second series are bending tests of beam-to-column connections having weak-web-split-tee. From the result of these tests, we verified that this system had efficient deformation capacity. In addition, the damaged part of this system would.be easy to repair or change to new one.
著者
大内 英範 山田 太造 高橋 典幸 綱川 歩美 林 譲 保谷 徹 山家 浩樹 横山 伊徳
雑誌
じんもんこん2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, no.8, pp.105-110, 2011-12-03

Hi-CAT Plus は,採訪マイクロフィルムをデジタル化した画像の検索・閲覧システムとして開発され,史料編纂所閲覧室内の端末でサービスをはじめた.本システムの仕組みや既存システムとの連携,上記用途にとどまらない今後の展望などについて述べる.
著者
森山 敏文 中西 竜哉 山口 芳雄 山田 寛喜 藤本 京平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播
巻号頁・発行日
vol.94, no.140, pp.21-28, 1994-07-15
被引用文献数
1

この報告では,不均一媒質である雪に対してレーダポーラリメトリを適用した結果について述べる.レーダポーラリメトリとは,電波の持つベクトル性である偏波の情報を最大限に利用する技術である.今まで,単一周波数での理論展開が主体であった.しかし,広帯域レーダであるFM-CWレーダにもレーダポーラリメトリが適用でき,自由空間において物体の識別や強調,抑制などが行なえることがわかっている.しかし,雪のような不均一媒質中での適用は初めてである.今回は,FM-CWレーダを用いて実際に雪の中で測定を行ないレーダポーラリメトリのフィルタとしての有効性について検討した.
著者
山田 正行
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 第4部門 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.171-185, 2008-09

フロイトとエリクソンの心理歴史的研究に基づき,無限の世界における歴史とアイデンティティを自己教育論の視座から研究するための基本的な枠組みを構成するために,時代状況におけるライフヒストリーとヒストリカル・モメントの相関性,自己教育と主体性の弁証法,自己分析の弁証法について,ソクラテス,アリストテレス,パスカル,ヘーゲル,フォイエルバッハ,マルクス,ハイデガー,アルチュセール,フーコー,ブルデュ,西田幾多郎,三木清,宮原誠一たちの思想や理論を考察した。In order to construct the fundamental framework for the study of history and identity in the infinite world based on the psycho-historical study of Freud and Erikson, I investigate the interrelation between life history and historical moment in the stuation, dialectic of self-education and subjectivity, and dialectic of self-analysis by considering the thought and praxis of Socrates, Aristotle, Pascal, Hegel, Feuerbach, Marx, Heidegger, Althusser, Foucault, Bourdieu, Nishida, Miki, Miyahara.
著者
山田 隆
出版者
東海学院大学・東海女子短期大学
雑誌
東海女子大学紀要 (ISSN:02870525)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.159-175, 2003-03-31

写真コミュニケーションを考察するための基礎資料として,カメラと写真の最近までの変化を整理した。戦後の日本において,カメラの世帯普及はほぼ順調に進み,1980年代には80%に達した。自動露出や自動焦点,コンパクト化などにより,撮影者の層が拡大した。使い捨てカメラや現像・焼付けの低価格化などにより,カメラの携帯と撮影の日常化が進んだ。最近では,カメラはデジタル・カメラに移行しつつある。カメラの発展につれて,撮影する/される意識も変化してきた。写真は鑑賞するより撮るもの,撮られる場合はより良く,写真は自分(達)のために,などである。写真は保存するというだけでなく消費するという側面も出てきている。このような新しい写真との関わり方は,若い女性を中心に表れている。携帯電話にカメラが付いたことで,更に写真行動は変化していくものと考えられる。
著者
山田 政寛 北村 智
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.353-362, 2010
参考文献数
38
被引用文献数
1

教育学習研究において社会的存在感が着目されてきている.社会的存在感は学習意欲の向上や学習満足度の向上に対して有効であるとされているが,これらの知見は1つの社会的存在感の概念で説明されたものではない.社会的存在感の考え方が複数存在し,その違いによって研究知見も異なる.システムデザインや協調学習の評価のためには,「社会的存在感」に関する考え方や知見が整理されていることが望ましい.本稿では「社会的存在感」概念に関する考え方をSHORTらの考え方,GUNAWARDENA,TUらの考え方,GARRISONらの考え方に大別し,それぞれの考え方ごとにどのような研究が行なわれているのかを整理する.またその3つの考え方にもとづく測定法を整理することで「社会的存在感」概念が何の評価に関わるのかを議論する.
著者
山田 武士 斉藤 和己 上田 修功
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.9, pp.2401-2408, 2003-09-15
被引用文献数
3

ネットワークで表現されたデータを低次元ユークリッド空間へ埋め込む新たな方法を提案する.本手法では,ネットワークの隣接行列が定義するノード間の離散類似度と,現在の埋め込み配置から導かれる連続類似度との間のクロスエントロピーを最小にすることによって最適な配置を求める.さらに,与えられた埋め込みにおいてにおいて,ノードの接続関係がいかに忠実に再現されているかを定量的に評価する新たな評価尺度を提案する.最後に実際のネットワークデータを用いた実験によって,本手法の有効性を検証した.We present a novel approach to embed network data into a low dimensional Euclidean space. Theproposed method attempts to minimize cross-entropy between the discrete node similarity measure induced by theadjacency matrix and the continuous node similarity function derivedfrom current embedded node positions.We also propose a natural criterion to effectively evaluate an embeddednetwork layout in terms of how well node connectivities are preserved.Experiments using real network data show the effectiveness of theproposed method.
著者
山田 秀樹
出版者
北海道東海大学
雑誌
北海道東海大学紀要 芸術工学部 (ISSN:02884992)
巻号頁・発行日
no.19, pp.9-15, 1999

本研究の目的は, スキーとスノーボードのイメージを測定することである。イメージを測定するために, 18項目から成るSD法尺度を用いた。調査対象は, 407名の大学生である。因子分析の結果から, 4因子が抽出され, それぞれにfashion因子, delight因子, freedom因子, difficulty因子と命名した。スノーボードのイメージは, 流行感の方向を示し, スキーのイメージは, 快感と解放感の方向を示した。男性, 女性のスキーとスノーボードに対するイメージは, ほぼ同様の傾向を示した。スキーレベル別の比較では, fashion因子, delight因子, freedom因子とdifficulty因子に有意な差が認められた。スノーボードレベル別の比較では, fashion因子とdelight因子に有意な差が認められた。
著者
松邑 勝治 植松 利晃 國岡 崇生 治部 眞里 堀内 美穂 山田 直史 坂内 悟 齋藤 隆行
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.61, no.9, pp.336-342, 2011-09-01

独立行政法人科学技術振興機構(JST)が提供するJ-GLOBALは,産学連携や研究課題立案における課題探索(抽出)において業種を超えた情報収集や,新たな発想を支援するサービスである。JSTは,J-GLOBALを介してJST内外のさまざまな専門的なサービス等と連携し,質の高い科学技術情報をより効果的に流通させることで,わが国のイノベーション創出に貢献することを目指している。本稿ではJ-GLOBALが実現している"統合検索"機能を中心に,サービスの現状,今後の展望について紹介する。
著者
吉田 正典 養父 志乃夫 山田 宏之
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.284-287, 2007-08-31
参考文献数
19
被引用文献数
2

慣行農業がカエル類の個体群に与える影響を把握するため、行政資料調査や栽培方法のヒアリングとカエルの生息実態調査を行ったところ、近年の稲作水田ではニホンアマガエルの個体群を維持できるが、トノサマガエル、ヤマアカガエルの個体群を維持できないことが示唆された。
著者
山田 賢 日下部 茂
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告システムソフトウェアと オペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.24, pp.1-6, 2010-07-27

我々は、メモリアドレス空間を共有するスレッド間の参照の局所性に着目し、そのようなスレッドのマルチコアプロセッサ上での時分割及び空間分割実行を集約的に制御できる、コア間時間集約スケジューラを提案している。提案スケジューラはマルチコアプロセッサの各プロセッサコア間で共有するキャッシュといったメモリの階層を活用し、プログラムの実行性能を向上させることを目的としている。本稿では、MapRdeuce 型プログラミングモデルのオープンソース実装である Hadoop のアプリケーションを、マルチコアプロセッサシステムで実行する際のノード内マルチスレッド処理における提案スケジューラの効果について評価する。TaskTracker が起動する map/reduce タスクの集約実行を制御することで実行性能の向上が観測できた。We have proposed Inter-Core Time Aggregation Scheduler which tries to utilize the locality of references between sibling threads, which share the same memory address space, on commodity multi-core processors. Our thread scheduler controls both time and space multiplexing of the sibling threads to utilize the cache shared by multiple processing Cores on a multi-core processor in enhancing the performance of multithread programs. In this paper, we evaluate the effect of our scheduler in executing Hadoop application on a commodity multi-core processor. We observed performance improvement by controlling the execution of map/reduce tasks under a TaskTracker.